流星の絆

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流星の絆
著者 東野圭吾
発行日 2008年3月5日
発行元 講談社
ジャンル 推理小説サスペンス
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 485
公式サイト 流星の絆 講談社
コード ISBN 978-4-06-214590-9
ISBN 978-4-06-276920-4A6判
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流星の絆』(りゅうせいのきずな)は、東野圭吾推理小説。『週刊現代』に2006年9月16日号から2007年9月15日号まで連載され、2008年3月5日に講談社より単行本が刊行された。2011年4月15日には講談社文庫版が出版された。

2008年10月17日よりTBS系で連続ドラマ化された。

概要[編集]

幼少時、両親を惨殺されるという過酷な運命を背負った三兄妹が詐欺を働きながら、時効が迫る14年後に真犯人を追い詰める復讐劇である。犯人の推理を軸に、復讐、コンゲーム、禁じられた恋などの要素が描かれた作品で、東野本人は、本作品の制作を苦痛に感ぜず、特にラストは自分ではなく登場人物が書かせた、と各種インタビューで語っている。

2008年、第43回書店新風賞受賞。

単行本のキャッチコピー
  • 惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった三兄妹
  • 兄貴、妹(あいつ)は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ
  • 14年後、彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった

発行部数[編集]

  • 刊行当時に発行部数が作者最速のペースで25万部を超えたと報じられ、後にTVドラマ化の影響でロングセラーとなり、オリコンチャートの推計では売り上げ部数約48万部、総合部門11位、文芸部門で2位となる。2009年現在の発行部数は約65万部である。
  • 2009年1月20日、「2009年本屋大賞」の10作品に、東野作品としては『容疑者Xの献身』以来2作品目としてノミネートされて第9位となる。

あらすじ[編集]

神奈川県横須賀市にある洋食店「アリアケ」の三兄妹、功一、泰輔、静奈は、夜中に家を抜け出して流星群を観に出掛けている間に、両親が何者かにより刃物で惨殺される。三兄妹は身よりが無く養護施設で幼少期を過ごした後に相次いで詐欺などに襲われ、強く生きるためいつしか彼ら自身も、裕福な男性を詐欺で騙していく。

事件から14年経過し時効を迎えようとしていた時期に、洋食チェーン御曹司の戸神行成をターゲットにした3人は、彼の父親の政行が、両親が惨殺された時間に家から出てきた人物に似ていることに気付く。店の名物のハヤシライスの味から、3人は政行が両親を殺害しレシピを盗んだ犯人だと確信する。行成に接近して政行を陥れるための罠を張り、作戦は順調に進むが、静奈が行成に恋心を寄せてしまう。

主な登場人物[編集]

有明・矢崎家[編集]

有明 功一 (ありあけ こういち)
本作の主人公。三兄妹の長男で、両親の死体の第一発見者で、事件当時小学6年生。施設を出た後に勤めていたデザイン設計会社が突然倒産して社長が自殺する。自らがその補償を背負う経験から誰も信じることができなくなり、人を騙すことを生業に生計を立てる。泰輔と静奈を実行役に回し、自らは綿密なリサーチと巧妙なシナリオを企ててターゲットを追い詰める。過酷な運命を経たために弟妹との絆は深く、2人を守ろうとしている。幼少期に父親から秘伝ハヤシライスの調理方法を教わる。このレシピが書かれたノートを親の形見として大事に持っており、現在でも泰輔と静奈には時々料理を振舞っている。
有明 泰輔(ありあけ たいすけ)
三兄妹の次男で、事件当時小学4年生。事件のショックでしばらく失語していたが、後に当夜に犯人と思しき人物の顔を目撃しているとわかる。詐欺グループでは実行犯となり、宝石商や銀行員、ホストなどさまざまな業種の人間に扮装する。功一曰く、「扮装するとそれ以外の何者にも見えない、擬態の天才」。静奈と接する時間が長く、妹の変化にいち早く気づいた。功一を信頼しているが、慎重に相手の心理を読む策略が理解できないことがある。
矢崎 静奈(やざき しずな)/有明 静奈(ありあけ しずな)
事件当時小学1年生。功一と泰輔の妹だが、血縁は存在せず、戸籍上の父親も存在しない非嫡出子で、学校では兄と同じ有明姓を名乗る。愛称は「シー」。兄もうらやむ美貌を武器に男に近づき、男心を掴むことに長ける。資格商法詐欺に騙されたことをきっかけに詐欺を働くことになるが、戸神行成との出会いで別人を演じていることに後ろめたさを感じる。
有明 幸博(ありあけ ゆきひろ)
事件の被害者で、横須賀の洋食店「アリアケ」の経営者。功一と泰輔の実父であり、先妻は病死している。洋食、とりわけハヤシライスの味にこだわりを持つが、ギャンブル狂の一面もあり多額の借金を抱えていた。店を臨時休業して功一にハヤシライスの作り方を教える。
矢崎(有明) 塔子(やざき とうこ)
事件の被害者で、静奈の実母。水商売を営んでいた時期に静奈を出産する。静奈の父から養育費を受ける条件として、幸博本人も了解の下で幸博とは未入籍である。事件前日、めったに利用しない図書館に行っていた。

戸神家[編集]

戸神 行成(とがみ ゆきなり)
大手洋食チェーン「とがみ亭」専務で、三兄妹にAランク(上限の測れない相手)のターゲットにされる。仕事一途で恋に興味はなかったが、「高峰佐緒里」こと静奈との出会いで心情に変化が生じる。幼少期の趣味は天体観測。
戸神 政行(とがみ まさゆき)
「とがみ亭」経営者で、行成の父。ハヤシライスを名物メニューに、14年前から急速に繁盛する。よく知る人物からは苦労人と言われるが、事件当夜に有明家から出てきたことが明らかとなり、三兄妹に特Aランク(金を取る相手ではなく、警察に捕まるように仕向けられる)のターゲットとして狙われることになる。
戸神 貴美子(とがみ きみこ)
行成の母で、息子への関心度が高く、新店舗立ち上げと「高峰佐緒里」との恋の行方に気を許せない。

神奈川県警[編集]

萩村 信二(はぎむら しんじ)
事件を担当する若手刑事で、妻子持ち。事件当時は横須賀署配属だが、後に神奈川県警捜査一課に異動する。事件前に「アリアケ」で食事をしており、事件解決に執念を見せる。
柏原 康孝(かしわばら やすたか)
ベテラン刑事で、事件捜査の中で功一へ親身に接する。萩村曰く、息子を難病の末に失って以来、性格が丸くなっているとのこと。

その他[編集]

高山 久伸(たかやま ひさのぶ)
ゲームソフト会社に勤務し、静奈演じる「南田志穂」なる女性に恋心を寄せるも、三兄妹からBランク(100万は取れると踏んでいる相手)のカモにされる。
川野 武雄(かわの たけお)
中学校の理科担当教諭で吝嗇家。静奈演じる「ユカリ」と「交際している」と思い込んでいるが、三兄妹からCランク(100万までは取れないが騙す価値のある相手)のターゲットにされる。

テレビドラマ[編集]

金曜ドラマ・流星の絆
ジャンル テレビドラマ
放送時間 金曜日22:00 - 22:54 (JST)(47分)
放送期間 2008年10月17日 - 2008年12月19日(10回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 TBS
演出 金子文紀
石井康晴
原作 東野圭吾「流星の絆」(講談社
脚本 宮藤官九郎
プロデューサー 那須田淳
磯山晶
出演者 二宮和也
錦戸亮
戸田恵梨香
要潤
尾美としのり
設楽統
寺島進
柄本明
三浦友和
音声 ステレオ放送
字幕 文字多重放送
オープニング Beautiful days』(最終回除く)
外部リンク 公式サイト

特記事項:
初回及び最終回:22:00-23:09(15分拡大)
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  • 2008年10月17日から同年12月19日までTBS系金曜ドラマ枠で放送される。

原作との相違点[編集]

  • 基本的に物語の流れや真相は原作準拠だが、登場人物の性格や設定が変更されたり笑いの要素を取り入れるなど、原作の世界観から改変され、原作とは大きく異なる結末と独自エピローグが追加されている。
  • 功一はカレー店で泰輔はDVD店で働き、原作では終盤まで接点のない功一と行成、泰輔と柏原が序盤から頻繁に出会い、彼らをサポートする立場としてカレー店オーナー(ジョージ)と謎の女(サギ)が登場する、などオリジナル設定の脚本が成されている。
  • 二人の兄と血縁関係が無いことを知らない静奈に、功一がその事実を打ち明ける場面が中盤のヤマ場になっている。
  • 詐欺のターゲットは三兄妹やその友人に不利益を被らせた人物が大半で、いわば仕返しになっている。
  • アリアケのレシピを戸神家に置く計画に失敗した後、三人が柏原に協力を得るため、自らの罪を白状する(原作では刑事の協力を得ていない)。
  • 政行に対し最後の仕掛けを行う際、高峰佐緒里(静奈)、功一、泰輔3人の関係が行成に知られている(原作では静奈は行成に追い詰められた際、本名である「矢崎」姓を名乗り「有明」は友人だと主張し、行成が彼らの関係を知るのは事件解明後になる)。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

有明 功一(26) - 二宮和也)(幼少時代:齋藤隆成
三兄妹の長男で、調理師の道をあきらめて現在はカレー店「ジョージクルーニー」に住み込みで働いている。詐欺グループ「アリアケ3」のリーダーであり、脚本と演出を担当している。
有明 泰輔(25) - 錦戸亮関ジャニ∞[1])(幼少時代:嘉数一星
三兄妹の次男で、DVD&グッズ販売店「トミーリージョージ」でアルバイトとして働いている。「アリアケ3」の実行役。
有明 静奈(21) - 戸田恵梨香(幼少時代:熊田聖亜
三兄妹の末っ子で、「アリアケ3」の実行役。

戸神家[編集]

戸神 行成(30) - 要潤
洋食チェーン店「とがみ亭」の御曹司で、ハヤシライスを食べ歩いて「ジョージクルーニー」を訪れた際に功一と面識を持つ。
戸神 政行(60) - 柄本明
「とがみ亭」経営者で、行成の父。
戸神 貴美子 - 森下愛子
政行の妻。

矢崎家[編集]

矢崎 信郎 - 国広富之
静奈の実父で、妻の目を気にして静奈を認知していない。
矢崎 秀子 - 麻生祐未
信郎の妻で、夫が殺人事件の犯人ではないかと14年間疑っている。

警察官[編集]

萩村 信二 - 設楽統バナナマン
三兄妹の両親が殺害された事件を担当する若手刑事で、15年前、三兄弟に「絶対犯人捕まえる」と約束した。三兄弟を何かと気にかけており、酔うとオカマキャラになる。
係長 - 金田明夫
神奈川県警へ転属した萩村の上司。
柏原 康孝(55) - 三浦友和
三兄妹の両親が殺害された事件を担当するベテラン刑事。

事件の被害者[編集]

有明 塔子 - りょう
静奈の実母で、功一と泰輔の義母。何者かに殺害された。
有明 幸博 - 寺島進
功一と泰輔の実父、静奈の義父で、洋食屋「アリアケ」店主。何者かに殺害された。喫煙者

その他[編集]

林 譲二(42) - 尾美としのり
カレー店「ジョージクルーニー」店主で、かつて児童養護施設「聖ジョージ学園」園長であった当時から、有明三兄妹を見守っている「アリアケ3」の親代わり。カレー店のほか、DVD&グッズ販売店「トミーリージョージ」、キャバクラ「ジョージミーツガール」も手がけている。
高山 久伸 - 桐谷健太
静奈に嫌がらせをした上司で、悪口を書いた紙を静奈の顔に貼り付けることから「ポストイット」のあだ名をつけられている。静奈演じる、南田志穂と交際している。
西郷 一矢 - 杉浦太陽
歌舞伎町のホストクラブ「愛ニード優」のナンバー2。少女漫画が好きで特に「永遠少女栞」を愛読している。
サギ - 中島美嘉特別出演
謎の女で、偽ダイヤや盗難車を手配するなど「アリアケ3」に協力する。功一のことを「アクセル」、泰輔のことを「濡れ煎餅」と呼んでいる。
沢井 武雄 - デビット伊東
中学校の理科担当教諭で、ちえみが妊娠した子を認知しない。
ちえみ - 徳永えり(幼少時代:稲垣鈴夏
三兄妹が施設で知り合った女子で、沢井との不倫関係で妊娠する。
月村 勝男 - 村杉蝉之介
「とがみ亭」マネージャーで、行成を「若」と呼んでいる。
桂木 美和 - 池津祥子
静奈に資格詐欺を仕掛けた女性で、「愛ニード優」の常連であり騙し取った金で一矢に貢いでいる。
寺西 - 半海一晃
桜木町にある喫茶店「ニューフロンテ」店主で、表向きは喫茶店だが、裏では20年以上ノミ屋を営んでいる。
泰輔の幼少時代の担任- ムロツヨシ

スタッフ[編集]

サブタイトル[編集]

各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率
第1話 2008年10月17日 東野圭吾×宮藤官九郎! 涙の№1ミステリー感動大作 金子文紀 21.2%
第2話 2008年10月24日 傘と似顔絵と謎の女 17.3%
第3話 2008年10月31日 親の秘密とハヤシの王子様 石井康晴 15.0%
第4話 2008年11月07日 真犯人と繋がった記憶 15.6%
第5話 2008年11月14日 仇の息子と盗まれた味 金子文紀 15.1%
第6話 2008年11月21日 本当の兄妹じゃない 14.8%
第7話 2008年11月28日 妹は仇の息子に惚れてるよ 石井康晴 14.5%
第8話 2008年12月05日 妹の正体と追いつめられた真犯人 11.5%
第9話 2008年12月12日 時効当日最後の告白 金子文紀 15.4%
最終回 2008年12月19日 犯人はお前だ! 3兄妹の運命は…涙と感動の最終回! 22.6%
平均視聴率 16.6%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

系列外[編集]

  • 系列局のない秋田県では2009年12月5日より秋田放送で土曜16:00 - 16:55および12月30日・31日朝に放送されていた。

日本国外[編集]

楽曲[編集]

ドラマINドラマ[編集]

3兄妹がターゲットをだますエピソードがドラマ仕立てで登場する。主に功一が脚本と演出を担当し、ターゲットが主演、静奈が相手役、泰輔が知人役となっている。タイトルは何かしらのパロディーとなっており、ウェブサイトも設置されている。以下にタイトルと元ネタを列記する。

  • タイトル - 元ネタ
  1. 「カナダからの手紙」 - カナダからの手紙
  2. 「妄想係長 高山久伸」 - 特命係長 只野仁
  3. 「ダイヤと嘘とやさしいレストラン」 - ワンダとダイヤと優しい奴ら
  4. 「さわやかオン・ザ・ラン」 - ボーイズ・オン・ザ・ラン
  5. 「妄想係長 高山久伸は二度死ぬ」 - 007は二度死ぬ
  6. 「黒革のハンドバッグ」 - 黒革の手帖
  7. 「おはぎさん」 - おみやさん
  8. 「横須賀ラブストーリー」 - 東京ラブストーリー
  9. 「刑事遺族」 - 刑事貴族
  10. 「幸福の黄色いポストイット」 - 幸福の黄色いハンカチ

その他[編集]

  • 連続テレビドラマでは自身の連ドラデビュー作である『池袋ウエストゲートパーク』以来8年ぶりに原作ものを執筆する宮藤官九郎と磯山晶プロデューサーは、『吾輩は主婦である』以来約2年ぶりのコンビで、書籍刊行から7ヶ月後にドラマ化された。
  • 金曜ドラマ枠では1999年美しい人』以来9年振り[2]に、初回視聴率が20%を上回り、最終回は番組最高視聴率となり、2008年10月期、および2008年度TBSドラマに於いて1位である。
  • 第59回「ドラマアカデミー賞」で、作品賞、主演男優賞(二宮)、助演女優賞(戸田)、脚本賞(宮藤)、監督賞(金子・石井両名)、主題歌賞(Beautiful days)、を受賞する。
  • 第46回ギャラクシーマイベストTV賞グランプリを受賞。
  • 二宮和也は、2008年度第46回ギャラクシー賞「個人賞」受賞し、第49回モンテカルロ・テレビジョン・フェスティバル男優賞候補にノミネートされる。
  • 二宮和也は同枠3回目の主演で、嵐のメンバーは前作『魔王』に続き2期連続で主演し、初めて主題歌を担当する。錦戸亮と戸田恵梨香はTBS連続ドラマに初めてレギュラー出演する。中島美嘉は第2話から、『私立探偵 濱マイク』(読売テレビ制作・日本テレビ系)以来6年振りに連続ドラマに出演し、挿入歌も担当する。
  • 第1話中の自転車3人乗りのシーンについて、「番組中に自転車を三人乗りするシーンがありますが、法律では自転車の二人乗りは例外を除き禁止されています。」と番組終了後にテロップで注意喚起される。
  • 第9話放送終了後、関東限定でカレー屋「ジョージ・クルーニー」セット前から、三兄妹とジョージによる2分間の最終回予告が生放送された。

タイアップ商品[編集]

  • ハウス食品初のテレビ番組コラボレーション企画商品として、レトルト食品の「流星の絆 特製ビーフカレー」と「流星の絆 特製ハヤシライス」が2008年10月中旬から12月まで期間限定販売された。洋食店「アリアケ」をイメージした商品[3]

脚注[編集]

  1. ^ 2008年撮影当時はNEWSとの掛け持ちをしている。
  2. ^ TBS HOT'情報 (2008年10月20日). “金曜ドラマ『流星の絆』初回平均視聴率21.2%の高視聴率でスタート!”. 2008年10月30日閲覧。
  3. ^ ハウス食品 (2008年10月9日). “ハウス「流星の絆」<特製ハヤシライス><特製ビーフカレー>”. 2008年10月30日閲覧。

外部リンク[編集]

TBS 金曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
魔王
(2008.7.4 - 2008.9.12)
流星の絆
(2008.10.17 - 2008.12.19)
ラブシャッフル
(2009.1.16 - 2009.3.20)