さまよう刃

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さまよう刃
著者 東野圭吾
発行日 2004年12月
発行元 朝日新聞出版
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 361
公式サイト 特集ページ
コード ISBN 978-4-02-257968-3
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さまよう刃』(さまようやいば)は、東野圭吾による長編小説。『週刊朝日』にて連載された。現在まで、150万部を超すベストセラーとなった。

2009年東映により、益子昌一監督、寺尾聰主演で映画化された。

2014年、韓国においてEcho FilmおよびCJ E&M Corp.により、監督イ・ジョンホ、主演チョン・ジェヨンイ・ソンミンイ・ジェスンで映画化された。

あらすじ[編集]

会社員・長峰重樹の一人娘・絵摩が死体で発見される。悲しみに暮れる長峰に、数日後、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。 逡巡の末、電話で言われたアパートへ向かう。留守宅へ上がり込み、部屋を物色すると、複数のビデオテープが見つかる。そこには絵摩が犯人2人に陵辱されている映像が写っていた。偶然帰宅した犯人の一人・伴崎敦也を惨殺した長峰は、虫の息の伴崎からもう一人の犯人・菅野快児の潜伏場所を聞き出し追う。

少年犯罪被害者の悲痛の叫び、正義とは一体何なのか、誰が犯人を裁くのか。思いも寄らない結末が待ち受けていた。

登場人物[編集]

長峰 重樹(ながみね しげき)
かつて射撃に熱中していたが、長年半導体メーカーでICの設計に携わってきたためドライアイを患い、競技に支障を来すようになりやめた。ドライアイは完治したが、老眼が始まってしまった。
娘の復讐のため、射撃で使用していたレミントンを携え、菅野快児の行方を追う。伴崎から長野県内のペンションに逃げたと聞き、変装し「吉川武雄」の名でペンション『クレセント』に逗留する。
長峰 絵摩(ながみね えま)
長峰の一人娘。15歳、高校1年生。10歳の時に母親を亡くして以来父子家庭。花火大会の帰路、快児ら少年グループに襲われ、輪姦の果てに死亡する。
中井 誠(なかい まこと)
敦也・快児とは中学の同級生で、高校も同時期に辞めて以来頻繁に連んでいる。裏切りのリンチに遭うよりは、と思い、車を貸すなど協力してしまい、事件発覚後には、強要されてアリバイ作りをしたものの、警察の捜査に怯えて快児と敦也が犯人であると密告電話をかける。
伴崎 敦也(ともざき あつや)
己の性欲を満たす為だけに、快児と共に女性を襲っては女性を凌辱して楽しんでいた。帰宅したところを長峰重樹に惨殺され、自業自得とも言うべき最期を遂げる。
菅野 快児(すがの かいじ)
主犯格の少年。クロロフォルムなどを予め用意し、絵摩の前にも何人もの女性を襲ってはその様子を撮影し、後々の脅迫材料にしていた。性犯罪、特に女性を強姦する事で性的欲求を満たすと同時にそれを趣味としており、敦也が殺された事と未成年である事を巧みに利用して国家権力に取り入って間接的に重樹を追い詰めるなど、その狡猾さはもはや少年ではない。
織部 孝史(おりべ たかし)
警視庁捜査一課の刑事。
久塚(ひさつか )
警視庁捜査一課の刑事。久塚班班長。
真野(まの )
ベテラン刑事。通称・マーさん。
丹沢 和佳子(たんざわ わかこ)
一人息子の事故死がきっかけで夫・祐二と離婚、現在は父親と共に、長野県内でペンション『クレセント』を経営している。客の吉川武雄が長峰重樹だと気付くが、警察への通報を躊躇し協力を申し出る。

映画(日本版)[編集]

さまよう刃
監督 益子昌一
脚本 益子昌一
製作 『さまよう刃』製作委員会
出演者 寺尾聰
竹野内豊
伊東四朗
音楽 川井憲次
撮影 王敏
配給 東映
公開 日本の旗 2009年10月10日
上映時間 112分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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2009年10月10日公開。配給は東映モントリオール世界映画祭に出品された(受賞せず)。寺尾聰が第19回日本映画批評家大賞において主演男優賞を受賞した[1]。DVDは2010年4月21日に発売。

キャスト[編集]

長峰重樹 - 寺尾聰
56歳。建築士。妻は2年前に乳癌により他界。沢村の偽名でペンションに滞在する。
長峰絵摩 - 伊東遥
重樹の一人娘。少年グループにより殴打、輪姦の末、薬物投与により急性心不全で死亡。
木島和佳子 - 酒井美紀
重樹の滞在先、菅平のペンション経営。8歳の時母を亡くし父子家庭で育つ。重樹の気持ちを察し説得するが通報してしまう。
木島隆明 - 山谷初男
和佳子の父。男手一つで娘を育ててきたことで重樹に同感し、猟銃を渡し逃亡を手助けする。

警視庁[編集]

織部孝史 - 竹野内豊
警視庁捜査一課の刑事。
真野信一 - 伊東四朗
警視庁捜査一課の刑事。
島田 - 長谷川初範
警視庁
伊藤 - 木下ほうか
警視庁捜査一課の刑事。
田中 - 池内万作
警視庁捜査一課の刑事。
渡辺憲吉
川崎 - 中村有志
長野県警

少年グループ[編集]

菅野快児 - 岡田亮輔
主犯格の少年。
伴崎敦也 - 黒田耕平
主犯格の少年。犯行現場である足立区のアパートに一人暮らし。犯行時の様子をビデオで撮る。重樹に帰宅したところを刺されるが絶命するに至らず、様子を見に来た誠により最期を遂げる。
中井誠 - 佐藤貴広
快児らと高校時代に知り合い使い走りにされ続け、犯行時の車などの提供をさせられる。日ごろからの恨みから重樹に密告する。

その他[編集]

中井誠の父 - 小島康志

富永研司 高瀬尚也 関戸雅志 吉田友紀 松本匠 森下サトシ 希野秀樹 田中伸一 宮本行 辻雄介 安藤智彦

奥村寛至 鳴海由子 伊藤弘子 渡辺杉枝 不二子 妖子 山田透 大滝奈穂 栗林里莉 宮田直樹 池田わたる 矢島俊作 荒木誠 土井きよ美 すだあけみ 渡辺隆 川岸貴紀 櫻木亮

スタッフ[編集]

映画(韓国版)[編集]

『ベストセラー』のイ・ジョンホ監督によって映画化され、2014年4月10日に韓国一般公開された。韓国公開時の上映時間は122分。公開時のキャッチコピーは「私の中の人間が、くずれていく」。

韓国での最終累計観客数989,593人、上映スクリーン総数1,462(韓国映画振興委員会資料による)。

原作に惚れ込んだ監督は脚本も担当したが、物静かなトーンで描いている日本版とは相反し、湧き上がる激しい感情やそれに伴う行動をしっかりと描きたかったため、改稿を繰り返し、完成した時には50稿に達していたという[2]

おおまかな粗筋は原作と同じだが、木島和佳子に該当する登場人物は出てこず、主人公は基本的に単独行動である。猟銃は劇中、偶然奪い取る設定になっており、その他にも警察内部のヒエラルキー問題を描くなど、ところどころ独自のアレンジが行われている。

主要なシーンの撮影は冬の江原道各所で行われた。

日本では9月6日より角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷で公開された。[3]

キャスト[編集]

イ・サンヒョン - チョン・ジェヨン
原作の長峰に相当。繊維メーカーの管理職で40代前半の設定。
チャン・オクグァン刑事 - イ・ソンミン
原作の真野に相当するが、韓国版では彼が警察側の主役に該当する。
パク・ヒョンス刑事 - ソ・ジェニョン
原作の織部に相当。
チョ・ドゥシク - イ・ジェスン
原作の菅野に相当。
キム・チョリョン - キム・ジヒョク
原作の伴崎に相当。
キム・ミンギ - チェ・サンクウ
原作の中井に相当。
イ・スジン - イ・スビン
原作の絵摩に相当するが、中学生の設定になっている。
ヤン・テソップ- キム・デミョン
原作にはないオリジナルの登場人物。非合法の風俗店を経営するヤクザで、サンヒョンは彼の元からショットガンを奪う。
ミンギの父親- チョン・ソギョン
原作ではサラリーマンだが、韓国版ではクリーニング店を経営。

スタッフ[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]