疾風ロンド

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疾風ロンド
著者 東野圭吾
発行日 2013年11月15日
発行元 実業之日本社実業之日本社文庫
ジャンル ミステリサスペンス
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 A6判
ページ数 400
前作 白銀ジャック
次作 雪煙チェイス
公式サイト www.j-n.co.jp
コード ISBN 978-4-408-55148-7
ISBN 978-4-408-53660-6四六判
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疾風ロンド』(しっぷうロンド)は、東野圭吾の長編サスペンス小説

2013年11月15日実業之日本社から文庫書き下ろしで発刊された。東野の書き下ろしの文庫本での発売は、1996年10月15日に講談社文庫から発売された『名探偵の呪縛』から17年ぶりとなり、発売10日で100万部を突破した[1][2]

2014年12月11日には、単行本実業之日本社から刊行された。

2016年映画化された[3]

あらすじ[編集]

泰鵬大学医科学研究所から新型病原菌K-55」が盗まれた。さらに「全国民を人質に身代金3億円を要求する」というメールが研究所所長宛に届く。残された時間は4日間。しかし、秘密裏に作った生物兵器なので警察に通報することも出来ない。犯人の葛原はメールを出した直後に交通事故で死亡し、手掛かりは、葛原の遺品の受信機とデジカメに残されたテディベアの写った7枚の写真だけだ。

所長の東郷雅臣から、写真に写っているスキー場を突き止め「K-55」を早急に回収しろと、無理難題を突き付けられた研究所主任の栗林和幸は、写真からテディベアの居所を推理した息子の秀人と共に里沢温泉スキー場に向かう。しかし、スキーの腕前があまりに下手過ぎて、息子の秀人からも呆れられる始末。そんな栗林を、密かに付け狙う者がいた。

登場人物[編集]

根津昇平(ねづ しょうへい)
里沢温泉スキー場のパトロール隊員。元スノーボードクロスの選手。
瀬利千晶(せり ちあき)
スノーボード選手。大会に出場するために里沢温泉スキー場に来ている。根津昇平とは顔馴染み。
栗林和幸(くりばやし かずゆき)
泰鵬大学医科学研究所 主任研究員。
栗林秀人(くりばやし しゅうと)
栗林和幸の息子。中学2年生。スノーボードに夢中になっている。
山崎育美(やまざき いくみ)
地元の板山中学の2年生。スキー教室で里沢温泉スキー場に来ている。
川端健太(かわばた けんた)
地元の板山中学の2年生。スキー教室で里沢温泉スキー場に来ている。
高野裕紀(たかの ゆうき)
地元の板山中学の2年生。スキー教室で里沢温泉スキー場に来ている。両親はスキー場内で喫茶店「カッコウ」を経営している。病弱な妹を学校で流行したインフルエンザで亡くしており、妹を死に追いやった学校と妹の同級生たちを憎んでいると噂されている。
折口栄治(おりぐち えいじ)
折口真奈美の弟。スキーは癖のあるフォームだが、ほどほどに上手い。事業に失敗して大きな借金を抱えている。
折口真奈美(おりぐち まなみ)
泰鵬大学医科学研究所 補助研究員。周りからは鈍臭く真面目だけが取り柄と思われているが、本人の好きな言葉は「能ある鷹は爪を隠す」。
東郷雅臣(とうごう まさおみ)
泰鵬大学医科学研究所所長。泰鵬大学生物学部長。
葛原克也(くずはら かつや)
泰鵬大学医科学研究所の元研究員。「K-55」を盗み出して脅迫状を出した犯人。脅迫状を出した直後に交通事故で死亡した。

映画[編集]

疾風ロンド
監督 吉田照幸
脚本 ハセベバクシンオー
吉田照幸
原作 東野圭吾「疾風ロンド」
製作 多田憲之
岡田美穂
木下直哉
間宮登良松
村田嘉邦
山本浩
渡邊耕一
岩野裕一
市村友一
細野顕宏
製作総指揮 重松圭一
出演者 阿部寛
大倉忠義
大島優子
ムロツヨシ
堀内敬子
戸次重幸
濱田龍臣
志尊淳
野間口徹
麻生祐未
生瀬勝久
望月歩
前田旺志郎
久保田紗友
鼓太郎
堀部圭亮
中村靖日
田中要次
菅原大吉
でんでん
柄本明
音楽 三澤康広
主題歌 B'zフキアレナサイ
撮影 佐光朗
編集 岸野由佳子
制作会社 東映東京撮影所
製作会社 「疾風ロンド」製作委員会
配給 東映
公開 日本の旗2016年11月26日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 4億5000万円[4]
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2016年11月26日に全国公開された[5]。監督は吉田照幸、主演は阿部寛[6]

あらすじ(映画)[編集]

医科学研究所からバイオセーフティーレベル4の新型炭疽菌「K-55」が盗まれた。しかし、秘密裏に作った生物兵器なので警察に通報することも出来ない。所長の東郷の下には「K-55」を埋めた場所の目印というテディベアの写真と「三億円を用意しろ」という脅迫メールが届いた。犯人は研究所を解雇された葛原という研究員だったが、この直後、警察から葛原が死亡したという連絡が入る。葛原の遺品には「K-55」は無く、テディベアに埋め込まれた発信機の電源は4日後の金曜日までしか持たない。気温が10℃を超えると容器が破裂するため、東郷は主任研究員の栗林に大至急「K-55」を回収するように命令する。栗林は野沢温泉スキー場でテディベアを捜索し始めるが、久々のスキーで醜態を晒すばかりで、立ち入り禁止区域で深雪に嵌り救助を呼ばれ、翌日は滑走禁止の林の中へスキーで突っ込み足首靭帯を負傷してしまう。両日共に栗林の救助を行ったスキー場のパトロール隊員の根津とプロスノーボードクロス選手の千晶から栗林の行動を不審に思われたため、栗林は咄嗟に「新薬を隠されてしまった」と二人に嘘をつき、二人を「K-55」捜索に巻き込むことに成功する。しかし、そんな彼らの一部始終を見つめる不審な男がいた。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

関連商品[編集]

  • 映像商品(2017年6月28日発売、発売元:東映ビデオ / 販売元:東映)
    • DVD:DSTD03995
    • DVD 特別限定版:DSTD03996
    • Blu-ray 特別限定版:BSTD03996

テレビ放送[編集]

放送日 放送時間 放送局 放送枠 視聴率 備考
1 2020年1月7日 火曜 21:00 - 22:48[8] フジテレビ (なし) 7.7% 地上波初放送

脚注[編集]

  1. ^ “東野圭吾さん「疾風ロンド」100万部 17年ぶりの文庫書き下ろし”. Sponichi Annex. (2013年11月26日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/11/26/kiji/K20131126007088810.html 2014年4月16日閲覧。 
  2. ^ 東野圭吾『疾風ロンド』100万部達成!”. 実業之日本社 (2013年11月25日). 2014年4月16日閲覧。
  3. ^ “阿部寛&東野圭吾氏再タッグ!大ヒット小説「疾風ロンド」映画化”. Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2016年4月13日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/04/13/kiji/K20160413012394680.html 2016年4月13日閲覧。 
  4. ^ キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.32
  5. ^ 映画『疾風ロンド』東野圭吾原作の人気小説を映画化、主演は阿部寛”. ファッションニュース. ファッションプレス (2016年9月13日). 2016年10月1日閲覧。
  6. ^ “関ジャニ∞大倉忠義と大島優子が「疾風ロンド」で阿部寛と共演、新キャスト11名”. 映画ナタリー. (2016年4月26日). https://natalie.mu/eiga/news/185015 2016年4月26日閲覧。 
  7. ^ “阿部寛主演「疾風ロンド」主題歌はB'z書き下ろし曲、特別映像も解禁”. 映画ナタリー. (2016年9月13日). https://natalie.mu/eiga/news/201602 2016年9月13日閲覧。 
  8. ^ “今夜、阿部寛『疾風ロンド』地上波初放送!豪華キャストに注目”. シネマトゥデイ. (2020年1月7日). https://www.cinematoday.jp/news/N0113309 2020年1月9日閲覧。 

外部リンク[編集]