バイオハザードII アポカリプス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
バイオハザードII
アポカリプス
Resident Evil:Apocalypse
監督 アレクサンダー・ウィット英語版
脚本 ポール・W・S・アンダーソン
製作 ポール・W・S・アンダーソン
ジェレミー・ボルト
ドン・カーモディ
製作総指揮 ベルント・アイヒンガー
サミュエル・ハディダ
ヴィクター・ハディダ
ロバート・クルツァー
出演者 ミラ・ジョヴォヴィッチ
音楽 ジェフ・ダナ英語版
撮影 クリスチャン・セバルト
デレク・ロジャース
編集 エディ・ハミルトン
製作会社 コンスタンティン・フィルム
配給 アメリカ合衆国の旗 スクリーン・ジェムズ
日本の旗 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
公開 アメリカ合衆国の旗 2004年9月10日
日本の旗 2004年9月11日
上映時間 94分
製作国 イギリスの旗 イギリス
カナダの旗 カナダ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $45,000,000[1]
興行収入 $129,394,835[1]
前作 バイオハザード
次作 バイオハザードIII
テンプレートを表示

バイオハザードII アポカリプス』(Resident Evil: Apocalypse)は、2004年アメリカで制作されたホラーアクション映画。2002年に制作された映画『バイオハザード』(以降、『I』)の正式な続編である。監督はアレクサンダー・ウィット英語版へ交代となったものの、主演のアリス役は『I』に引き続きミラ・ジョヴォヴィッチが務めた。

原作ゲーム『バイオハザード3 LAST ESCAPE』(以降、『3』)とリンクしたストーリーとなっている。

なお、サブタイトルの『アポカリプス』は、『黙示録』の意味。これはキリスト教の場合、アポカリプス=世界の破滅とイエス・キリストの再来を謳ったものであり、聖書からの出典。

あらすじ[編集]

アンブレラ社の地下秘密研究所「ハイブ」でのバイオハザード発生から2日後、その真上にあるラクーンシティでは住民達がいつもと変わらぬ日常を送っていた。しかし、ハイブで起きた事件を調査すべく派遣されたアンブレラ社の社員が封鎖された地下入り口を開けると、高濃度のウイルス反応が検知され調査隊は内部から出てきたクリーチャーによって襲われてしまう。その結果、ウイルスによる汚染が街にまで蔓延し人々は次々と感染してゾンビ化、街中で人を襲い始めてアンデッド達が溢れ出し、壊滅状態になった。事件の隠蔽を図るアンブレラ社は、中央警備局(以降、「CSA」)やU.B.C.S.を派遣してラクーンシティを封鎖。U.B.C.S.隊長のカルロス・オリヴェイラは、ビル屋上でアンデッドに追われていた女性を助けるが、彼女は既にアンデッドに噛まれた後であり、ゾンビ化する絶望から飛び降り自殺してしまう。ほぼ同じ頃、アンブレラ社は警官隊に警備部隊を応援として派遣したものの圧倒的な敵の物量に成すすべなく壊滅した事実を受けて、制圧が失敗したと認識して感染拡大阻止のため別の手を打つことを決定した。

一方、町に取り残された人々の中にはS.T.A.R.S.に所属し、不祥事を起こして停職処分を受けていたジル・バレンタインの姿があった。ジルは同僚の警官や一般市民を連れ、教会へ辿り着く。だが、その中には既に何匹ものリッカー達が待ち構えていた。何とか反撃を試みるものの、敏捷なそれらに翻弄されて絶体絶命の窮地を迎えた時、オートバイに乗った女性が教会のステンドグラスを割って飛び込んでくる。女性は背負っていた散弾銃を手にすると、素早い身のこなしで瞬時にリッカー達を殲滅してみせた。女性の名はアリス…ハイブから生還した唯一の人物だった。

その頃、町の外れに設けられたアンブレラ社の仮設テントでは、今回の事件の発端となったT-ウィルスを開発した博士チャールズ・アシュフォードがノートパソコンを使って町のメインコンピュータの監視システムへ侵入し、一人娘アンジェラ・アシュフォードの姿を探していた。アンジェラはアンブレラ社によってここへ連行される最中に交通事故に遭い、行方不明となっていたのだ。「アンジェラを救うには、半身不随で車椅子による移動を余儀なくされている自分に代わって動ける生存者を探す必要がある」と考えたチャールズは、町中をさまようアリス達への接触を試みていた。ところが、アリス達の背後にはネメシスの影が迫っていた。

キャスト[編集]

詳細はバイオハザードシリーズの登場人物やリンク先の個別項目を参照。

アリス・アバーナシー
演 - ミラ・ジョヴォヴィッチ
本作の主人公。元アンブレラ社特殊部隊員。前作のようにアンデッドやリッカーにおびえる姿は見られないが、ネメシスとの肉弾戦では満足に太刀打ちできずに吹き飛ばされたり、ラクーンシティからの脱出後には墜落するヘリコプターの中でアンジェラを庇って致命傷を負うなど、少々スランプ気味な所も見られる。致命傷を負った後はアンブレラ社に再び捕らえられ、「アリス計画」の実験を施される。
ジル・バレンタイン
演 - シエンナ・ギロリー
S.T.A.R.S.の若き女性隊員。無期限停職処分での自宅謹慎中、バイオハザード発生によるアンデッドの出現を機に出動して署内のアンデッドを一掃した後、町からの脱出を決意する。作中では説明されていないが、停職の理由は物語開始以前(バイオハザード発生以前)に経験した、アンデッドとの交戦を信じてもらえなかったためである。それゆえ、アンデッドの弱点を序盤の時点で知っている。
チャールズ・アシュフォード
演 - ジャレッド・ハリス
T-ウィルスを開発した科学者。避難しきれなかった娘のアンジェラを救うべく、密かにアリス達と交換条件で脱出するための情報を教える。
カルロス・オリヴェイラ
演 - オデッド・フェール
U.B.C.S.の隊長。仲間と共にラクーンシティへ派遣されたが、部隊が壊滅し、軍にも見捨てられてしまったため、脱出を目指す。南アメリカ出身で、デザートイーグルを2丁同時に射撃できるほど身体能力は高い。
アンジェラ・アシュフォード
演 - ソフィー・ヴァヴァサー
チャールズの一人娘。
ティモシー・ケイン
演 - トーマス・クレッチマン
アンブレラ社のラクーンシティ隔離部隊指揮官及びCSA少佐。
中尉
演 - ジム・コドリントン
ケインの補佐。
ロイド・ジェファーソン・ウェルズ (L.J.)
演 - マイク・エップス
R.P.D.にスリの容疑で捕まっていた男。ジルや生存者のS.T.A.R.S.隊員達に助けられた後、アリス達と共に行動する。武器は2丁のゴールドメッキのデザートイーグルで、これを目にしたL.J.役のマイクが即答で決めたものらしい。だが、劇中では一度も発砲していない。
テリ・モラレス
演 - サンドリーヌ・ホルト英語版
ラクーンシティのテレビ番組『ラクーン7』のニュースキャスター
ニコライ・ジノフェフ[2]
演 - ザック・ウォード
U.B.C.S.の軍曹。カルロスやユーリと共にラクーンシティからの脱出を目指す。
ペイトン・ウェルズ
演 - ラズ・アドティ英語版
S.T.A.R.S.の隊員。ジルの上司かつ戦友であり、親交も深い。
サミュエル・アイザックス
演 - イアン・グレン
アンブレラ社の実験開発を担当している博士。「アリス計画」を密かに進めていた。
マット・アディソン
演 - エリック・メビウス
アリスの回想映像に登場。ハイブ脱出後、研究員に拘束されてラクーンシティ病院へ運ばれ、ネメシス計画の実験台としてネメシスに改造された。

日本語吹き替え[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 土曜プレミアム
アリス・アバーナシー ミラ・ジョヴォヴィッチ 本田貴子 岡寛恵
ジル・バレンタイン シエンナ・ギロリー 湯屋敦子 岡本麻弥
チャールズ・アシュフォード ジャレッド・ハリス 石住昭彦 野島昭生
カルロス・オリヴェイラ オデッド・フェール 寺杣昌紀 江原正士
アンジェラ・アシュフォード ソフィー・ヴァヴァサー 三村ゆうな 嶋村侑
ティモシー・ケイン トーマス・クレッチマン 田中秀幸 野沢那智
中尉 ジム・コドリントン 木村雅史 乃村健次
ロイド・J・ウェルズ (L.J.) マイク・エップス 江川央生 高木渉
テリ・モラレス サンドリーヌ・ホルト英語版 金沢映子 雨蘭咲木子
ニコライ・ジノフェフ ザック・ウォード 横堀悦夫 小山力也
ペイトン・ウェルズ ラズ・アドティ英語版 乃村健次 小杉十郎太
サミュエル・アイザックス イアン・グレン 水内清光 大塚芳忠
その他の吹き替えキャスト 斉藤次郎
飯島肇
稲葉実
志村知幸
樋口あかり
風間秀郎
室園丈裕
仲野裕
木村雅史
武田華
百々麻子
田中晶子
堀川仁
新田万紀子
  • 日曜洋画劇場でも土曜プレミアムと同じ素材を使用。

登場クリーチャー[編集]

詳細はバイオハザードシリーズ#登場クリーチャーや個別項目を参照。

アンデッド(ゾンビ)
T-ウィルスに感染した、ラクーンシティの市民達のなれの果て。最も本能的な欲求である「食欲」に突き動かされ、生き残っている市民達を次々と襲う。原作ゲームとは違い、子供やストリッパーなどのアンデッドも登場する。演じたのはエキストラだった為か、終盤のビルの屋上に集団で駆け上るシーンはゾンビらしからぬ早歩き体制となっている。
ゾンビ犬
R.P.D.の警察犬のドーベルマンが、T-ウィルスに二次感染してアンデッド化したもの。アンデッドと同じく「食欲」に突き動かされており、俊敏な動きで人を襲う。T-ウィルスを感染させられた『I』のケルベロスとは違い、偶然生まれた存在である。撮影でゾンビ犬役をしたドーベルマンは全て、前作で出演したドーベルマンである。前作の時と同じく、メイクアップの最中に舌で体のメイクを舐めとってしまい、メイクし直すのに苦労したらしい。
リッカー
アンブレラ社が開発した生物兵器。人間の体組織に直接T-ウィルスを注入し、作り出された。名前の由来は、「舐める者」を意味する英単語「licker」。前作ではクランクアップ前に急遽登場が採用され、CGと上半身ギニョールで登場したが、今回のリッカーは全てCG映像で作られている。
追跡者(ネメシス)
演 - マシュー・G・テイラー英語版
アンブレラ社が「ネメシス計画[3]」において開発した強靭な人型生物兵器で、本作のボスクリーチャー。アンデッドとは違って知能が備わっており、アンブレラ社からの命令通りに動く(命令や反撃以外の命令は実行に移さず、作中で「Kills S.T.A.R.S.(S.T.A.R.S.抹殺)」と命令された際も、S.T.A.R.S.隊員達のすぐ横で偶然居合わせ、愛銃を放棄したL.J.については非戦闘員と認識したため、攻撃しなかった)。また、『3』とは違ってタイラントに寄生生物ネメシスを寄生させたという設定ではない。高い俊敏性を持つ上、ロケットランチャーガトリングガン(ガトリングガンに関しては弾数がセグメント数字で表示されており、弾数は最大で5000発ある)を易々と使いこなす。終盤アリスとの一騎打ちで記憶を取り戻し、アリスを襲撃したアンブレラの隊員を襲撃するも、墜落してきたヘリの下敷きになり、死亡する。
素体にされたのは、『I』のラストでアリスと共に拘束されたマット。名前の由来は、ギリシア神話に登場する義憤の女神「ネメシス」。

スタッフ[編集]

作品解説[編集]

作品の世界観や設定の一部を取り入れただけのオリジナルストーリーだった『I』とは違い、ゲームの主要人物を登場させるなど、ゲーム世界との融合が大きなテーマとなっているが、依然として映画版の独自要素は強い。原作主人公の1人ジル・バレンタインやその仲間カルロス・オリヴェイラ、クリーチャーの追跡者(ネメシス)が登場しているが、共通しているのは名前のみで、設定には相違が見られる。

配役[編集]

ジルを演じたシエンナは役作りにおいてゲームのジルの動きを事細かく研究し、演技に実践した。その評判は高く、ゲームシリーズの大ファンだったミラを唸らせたほか、映画版に対して否定的だったゲームファンからも「容姿を含め、ゲームから飛び出した本物のジル」と絶賛された。その結果、主役のアリスよりもジルの方が人気を得ることになった。シエンナは本作で英国内でいくつかの賞を受賞している。

ロケ地[編集]

劇中に登場したトロント市庁舎。

舞台となるラクーンシティはカナダのトロントで撮影された。これは撮影前の1年前トロントでサーズが流行した為、映画のロケ地として使う別の映画の撮影グループが無かった為と、原作のラクーンシティの街並みとのイメージが合致した為ロケ地に選ばれた。しかし、夜での撮影が大半を占めていた為、銃声や爆発音による近所迷惑等を考慮しながら撮影することとなった。

アンブレラ社の研究所のロケ地には、トロント市庁舎のツインタワービルが使用されている。

撮影[編集]

アリスがビルから垂直に駆け下りるシーンは、ミラ本人がツインタワービルを駆け下ったのは地上25m地点からで、屋上から25mまでの撮影は女性スタントマンが行った。この時、体がビルの壁面から離れないようにする為に別のワイヤーで体を固定して撮影を行った。その後、デジタル処理で体と壁面を繋いでいたワイヤーを消している。

スタントマンがやるという話が出た際、ミラ本人は「怖くないし、自分でやりたい」と屋上から駆け下るのを猛烈に要望したが、結局監督の説得で25mからの駆け下りを行う事で本人は不満ながらも承諾した。

アリスがネメシスに向かって発砲しながら接近し、木箱を踏み台にして飛びかかるシーンでは、最初は木箱の上で止まって銃を撃ち続けるという内容だった。しかし練習でミラが行った際、走っていた時の勢いが付いていた為に木箱から転落、失神するアクシデントが起きた為、木箱からジャンプしてネメシスに飛びかかるという内容に変更された。

演出[編集]

冒頭に異常気象の猛暑だとニュースで語られている。これはアリスやジルの衣装を薄着でセクシーなものにするためのミラのアイディア。しかし、撮影時は非常に寒く、物語の設定上屋外で夜間の撮影が多かったため女性ヒロイン2人はとても大変だった。そのため男性陣は皆寒くても文句は言えなかったという。

オマージュ[編集]

時系列的には『3』の後に当たる『バイオハザード CODE:Veronica』(以降、『CV』)からのオマージュも存在する。アンジェラとチャールズの親子の苗字は、同作に登場する敵のアルフレッドアレクシアの兄妹と同じ「アシュフォード(Ashford)」である。

また、アンデッド(ゾンビ)の大群によってラクーンシティ警察署(以降、「R.P.D.」)の警官達やアンブレラ社特殊部隊(以降、「U.B.C.S.」)の隊員達が全滅していくシーンは『3』のオープニング映像、終盤におけるアリスのアクションシーンは『CV』のオープニング映像におけるクレア・レッドフィールドのそれと似た演出となっている(「ガラス越しに攻撃ヘリコプターから放たれた機銃の掃射を、走りながらかわす」や「降伏のフリをして手から落とした拳銃を、地面に着く直前に拾って発砲する」シーンなど)。

小説版[編集]

バイオハザードII アポカリプス
著 - キース・デカンディード、訳 - 富永和子角川ホラー文庫、2004年) ISBN 978-4042943013

エピソード[編集]

  • NGシーンでは台詞や動きを忘れるものが多かったが、大半がL.J.役のマイクのアドリブでミラやシエンナらが爆笑してしまったことによる。
  • アリス達が墓地でゾンビの襲撃を受け、格闘で迎撃するシーンでジルに殴られるゾンビ役をしたエキストラが勢い余って墓石に頭をぶつけてしまった。この時、シエンナは驚くあまり口を両手で隠していた。
  • カルロス達がアンブレラ社のヘリから投下されたネメシス用の装備を発見する直前にヘリに向かって手を振るシーンでは、背景の建物の少し手前に長髪の人物が立っており、画面外へ移動する。また、その直後も奥の方で右手に向かって歩いて行く男性が明確に写り込んでいる。
  • ミラは撮影の休憩中、フジテレビのテレビ番組『トリビアの泉』の取材を15分ほど受けていた。

脚注[編集]

  1. ^ a b Resident Evil: Apocalypse”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年12月19日閲覧。
  2. ^ 原作ゲームや地上波放送時の日本語吹き替えでは、ニコライ・ジノビエフ。
  3. ^ 計画名自体は前作で登場していた。

外部リンク[編集]