田中広輔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
田中 広輔
広島東洋カープ #2
田中広輔20160617.jpg
2016年6月17日 マツダスタジアムにて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 神奈川県厚木市
生年月日 (1989-07-03) 1989年7月3日(27歳)
身長
体重
171 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 内野手
プロ入り 2013年 ドラフト3位
初出場 2014年3月29日
年俸 7,800万円(2017年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム 日本の旗 日本
WBC 2017年

田中 広輔 (たなか こうすけ、1989年7月3日 - )は、神奈川県厚木市出身のプロ野球選手内野手)。右投左打。広島東洋カープに所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

東海大相模高では1年春からベンチ入りし、2年春に甲子園出場を果たしている(2回戦の清峰高戦で敗退)、高校通算38本塁打。卒業後は東海大学へ進学。首都大学リーグでの通算成績は76試合出場、244打数62安打、打率.254、3本塁打、29打点。2011年秋季のリーグ戦で首位打者になる。ベストナイン2回受賞。大学卒業後JR東日本へ入社。高校・大学の同期には菅野智之、JR東日本の同期入社には吉田一将がいた。

JR東日本では1年目から遊撃手のレギュラーを獲得し、第83回都市対抗野球大会2012年、チーム準優勝)では若獅子賞(新人賞)を獲得し、大会優秀選手に選ばれた。同年の第38回社会人野球日本選手権大会(チーム準優勝)でも大会優秀選手を獲得。第26回アジア野球選手権大会日本代表に選ばれ優勝に貢献、大会最優秀守備選手賞を獲得した。この年の社会人ベストナインの遊撃手部門を獲得した。

2013年には、第84回都市対抗野球大会のチーム準優勝に貢献し、大会優秀選手に選ばれた。また、第6回東アジア競技大会野球日本代表に選出された。

2013年のプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープから3巡目で指名。契約金7,000万円、年俸1,100万円(金額は推定)という条件で入団した。背番号は、この年まで丸佳浩が付けていた63。この年に一軍の正中堅手へ定着するとともに、セントラル・リーグ(セ・リーグ)盗塁王のタイトルを獲得した丸のような活躍を期待したとされている。

プロ入り後[編集]

2014年オープン戦から「8番・三塁手」として一軍のスタメンに定着すると、そのまま開幕一軍入りを果たした。、一軍公式戦では、4月こそ打率1割台と苦しんだが、5月以降徐々に復調。正三塁手だった堂林翔太が主に外野で起用されるようになった夏場に、三塁のレギュラーの座を確保。8月以降は、正遊撃手の梵英心が膝に不安を抱えることを背景に、梵とポジションを入れ替える格好でもっぱら遊撃手としてで起用された。結局、一軍にはほぼフルシーズン帯同。公式戦110試合の出場で、9本塁打、10盗塁、34打点、打率.292を記録した。

2015年東京ヤクルトスワローズとの開幕戦(3月27日・マツダスタジアム)で、「8番・遊撃手」としてスタメンに起用された。レギュラーシーズン全体では、一軍で自身初の規定打席に到達。打率.274、8本塁打、45打点、OPS.737の成績を残すとともに、リーグ1位の9三塁打、同4位の33二塁打を記録した。また、リーグ最多の22失策を記録する一方で、守備機会1985年高橋慶彦(723)に次ぐ球団歴代2位の710に達した。2試合制で実施された7月のオールスターゲームでは、セ・リーグの監督推薦選手として初出場。代走から登場した東京ドームでの第1戦(17日)で三塁打を放って1打点を挙げる[2]と、「8番・遊撃手」としてスタメンに起用されたマツダスタジアムでの第2戦(18日)でも3打数1安打2打点と活躍した[3]ことから、「チャレンジ精神と個性溢れるプレーで、2試合にわたってファンに夢や希望を届けた」として特別賞(Be a driver賞)を受けた[4]。11月に開催の第1回WBSCプレミア12では、日本代表の第1次候補選手として発表された[5]ものの、最終ロースターの28名に残らなかった[6]

2016年、前年に現役を退いた東出輝裕一軍打撃コーチから、背番号2を継承[7]横浜DeNAベイスターズとの開幕戦(3月25日・マツダスタジアム)で「1番・遊撃手」としてスタメンに起用されたことを皮切りに、レギュラーシーズンの一軍公式戦全143試合でフルイニング出場を果たした。広島の遊撃手による一軍公式戦でのフルイニング出場は、1986年の高橋・1994年野村謙二郎に続いで3人目であった。レギュラーシーズン全体では、打率.265ながら、出塁率は.367(リーグ10位)、プロ入り後初の2桁本塁打(13本塁打)、39打点、28盗塁を記録。不動のリードオフマン(1番打者)として、チームを25年振りのリーグ優勝に導いた。7月19日の対中日ドラゴンズ戦(マツダ)では、新井貴浩鈴木誠也と共に3点本塁打を記録。広島の選手が一軍公式戦で1試合に3点本塁打を3本放った事例は、球団史上36年振りであった[8]ポストシーズンでは、DeNAとのクライマックスシリーズ ファイナルステージ全4試合(マツダ)に、「1番・遊撃手」としてスタメン出場。打率.833(12打数10安打)、1本塁打、4打点、出塁率.882、長打率1.333、OPS2.215、6打数連続安打、9打席連続出塁という好成績によって、チームのステージ突破・日本シリーズ進出へ大きく貢献するとともに、クライマックスシリーズの最優秀選手に選ばれた[9]

プレーの判定をめぐるエピソード[編集]

幻の本塁打[編集]

2015年9月12日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)延長12回表の打席では、左中間のフェンスを越える大飛球を放ったにもかかわらず、審判団によるビデオ判定の末にインプレー(三塁打)とみなされた。試合自体は2-2の引き分けで終了したが、広島球団では試合後に、セントラル・リーグに対してビデオ映像の再検証を要求。同リーグでは、当該審判団(責任審判:東利夫三塁塁審)および友寄正人審判長・杵渕和秀統括による再検証を経て、同月14日に「本塁打の誤審」と認定した[10]NPB公式戦でのビデオ判定(2010年導入)に対する初めての誤審認定[11]であったことから、セントラル・リーグでは関係者への謝罪コメントも発表したが、記録の訂正までには至らなかった[12]。しかし、田中自身はこの試合以降も、一軍公式戦で2本の本塁打を記録。阪神のレギュラーシーズン最終戦であった10月4日の対戦では、甲子園球場の左翼スタンドに向けて、高々とした飛球で2点本塁打を放った[13]

この年の広島は、レギュラーシーズンを69勝71敗3分で終了。先に全日程を終了した阪神と0.5ゲーム差の4位にとどまったため、クライマックスシリーズ進出を逃した。この年のセントラル・リーグでは、レギュラーシーズンの全日程を終えた時点で複数のチームが勝率で並んだ場合に、シーズンの通算勝利数、当該球団による直接の対戦成績、前年度のレギュラーシーズン最終順位を比較したうえで最終順位を決めることを規定していた。前述の試合で広島が阪神に勝利していれば、両球団の最終成績が70勝71敗2分で並ぶことによって、上記の規定が適用される可能性があった。

本塁への走塁をめぐる日本シリーズ初のビデオ判定[編集]

NPBでは、2016年のオープン戦から、本塁上のクロスプレーを対象にコリジョンルールを導入。本塁上のクロスプレーに対する球審の判定に疑義が生じた場合にも、監督の抗議や審判団の判断によるビデオ判定(リプレー映像検証)が可能になった。

広島は、この年の日本シリーズで、パシフィック・リーグ優勝の北海道日本ハムファイターズと対戦。10月23日の第2戦(マツダ)では、「1番・遊撃手」としてスタメンに起用された田中が、1-1の同点で迎えた6回裏の第3打席に先頭打者として二塁打で出塁した。さらに、次打者・菊池涼介との間でバスターエンドランを決行。菊池の左前安打で二塁から本塁へ突入したが、球審の白井一行は、「日本ハム捕手・大野奨太から田中へのタッチが早かった」という判断で田中にアウトを宣告した。

この判定に対して、広島の緒方孝市監督が、審判団にビデオ判定を要求。田中の左手が大野のタッチより先に本塁に触れていることがリプレー映像で判明したため、責任審判の丹波幸一は、田中の得点と無死走者二塁での試合再開を認めた。結局、広島はこの得点で勝ち越すと、5-1のスコアで試合にも勝利した。日本シリーズにおけるビデオ判定は史上2例目だが、本塁でのクロスプレーに対してビデオ判定を実施したことや、審判による最初の判定がビデオ判定で覆ったことはいずれも初めてであった[14]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2014 広島 110 333 295 44 86 11 2 9 128 34 10 3 5 5 24 0 4 68 6 .292 .348 .434 .781
2015 141 590 543 61 149 33 9 8 224 45 6 7 5 1 34 2 7 105 8 .274 .325 .413 .737
2016 143 679 581 102 154 17 3 13 216 39 28 19 3 1 77 1 17 119 1 .265 .367 .372 .739
通算:3年 394 1602 1419 207 389 61 14 30 568 118 44 29 13 7 135 3 28 292 15 .274 .347 .400 .748
  • 2016年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

WBCでの打撃成績[編集]

















































2017 日本 3 9 8 2 2 0 0 0 2 0 2 0 0 0 1 0 0 1 0 .250 .333 .250

年度別守備成績[編集]



二塁 三塁 遊撃




































2014 広島 2 1 1 0 0 1.000 39 11 73 1 10 .988 60 82 141 7 30 .970
2015 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 141 212 476 22 79 .969
2016 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 143 224 467 18 97 .975
通算:3年 2 1 1 0 0 1.000 39 11 73 1 10 .988 343 518 1081 47 206 .971
  • 2016年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰[編集]

記録[編集]

NPBその他の記録

背番号[編集]

  • 63 (2014年 - 2015年)
  • 2 (2016年 - )

登場曲[編集]

代表歴[編集]

著書[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 広島 - 契約更改 - プロ野球.日刊スポーツ.2017年1月1日閲覧。
  2. ^ 2015年度マツダオールスターゲーム 試合結果(第1戦)
  3. ^ 2015年度マツダオールスターゲーム 試合結果(第2戦)
  4. ^ マツダオールスターゲーム2015 フォトギャラリー(第2戦)
  5. ^ トップチーム第一次候補選手発表!11月に行われる「WBSC世界野球プレミア12」へ向けて65名が名を連ねる 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト(2015年7月16日)同年8月4日閲覧
  6. ^ 「WBSC プレミア12」侍ジャパントップチーム最終ロースター28名発表!! 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト(2015年10月9日)同年11月11日閲覧
  7. ^ 背番号変更選手 および 新入団選手背番号のお知らせ広島東洋カープ公式サイト(2015年11月27日)
  8. ^ 広島 3ラン3発は36年ぶり、緒方監督「きょうは打線でしょう」 デイリースポーツ 2016年07月19日
  9. ^ “広島“大のビール党”広輔 MVP打率.833「今日は2本、長い方で」”. http://www.sponichi.co.jp/ (スポーツニッポン). (2016年10月16日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/10/16/kiji/K20161016013542400.html 2016年10月16日閲覧。 
  10. ^ NPB誤審認め謝罪、甲子園での三塁打は本塁打 訂正せず スポーツニッポン(2015年9月14日)2016年3月2日閲覧
  11. ^ NPBが“幻弾”誤審認め謝罪 ビデオ判定導入後初 日刊スポーツ(2015年9月14日)同年11月11日閲覧
  12. ^ セ・リーグ、「誤審」認め異例の謝罪 甲子園での本塁打めぐり 産経ニュース(2015年9月14日)同年10月21日閲覧
  13. ^ “幻弾”広島田中が2ラン「今日はフェンス越えた」日刊スポーツ(2015年10月4日)
  14. ^ 広島足で連勝「神ってる」日本シリーズ初リプレー決勝点日刊スポーツ(2016年10月24日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]