最多盗塁 (日本プロ野球)

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最多盗塁
リーグ NPB
種目 プロ野球
受賞対象 レギュラーシーズン1年間を通じて盗塁の数が最も多い選手
愛称 盗塁王
日本の旗 日本
歴史
最多受賞 13回 福本豊
最新受賞 近本光司
髙部瑛斗
記録 106 福本豊(1972年)
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最多盗塁(さいたとうるい)は、日本プロ野球におけるタイトルの一つ。

盗塁王(とうるいおう)とも称する。

概要[編集]

レギュラーシーズン1年間を通じて盗塁の数が最も多い選手に与えられる賞でセントラル・リーグパシフィック・リーグの各リーグ毎に選出される。またNPBのシーズン表彰での打撃部門の中で、唯一打者ではなく走者に関する賞である。そのため「打撃部門」でありながら、打席に全く立たずに代走のみでも受賞可能な賞となっている。

セントラル・リーグでは、野手が取れるタイトルの中で唯一、外国人選手の受賞者がいない。

盗塁の数が最も多い選手が規定打席に到達していなくても選出対象となり、現在までに1リーグ時代に1例、セントラル・リーグで7例、パシフィック・リーグで4例ある[注 1][注 2]。また、盗塁成功率は度外視されており、盗塁成功率に差があっても数が同じならば複数人が受賞することになる[注 3][注 4]。これにより、盗塁死がリーグ最多の選手が受賞することもあり、チームに対する貢献度に比例していないとの指摘を受けることもある[1][注 5]

歴代盗塁王獲得者[編集]

1リーグ時代[編集]

年度 選手名 所属球団 盗塁数
1936年秋 苅田久徳 東京セネタース 16
1937年春 山口政信 大阪タイガース 29
1937年秋 島秀之助 名古屋金鯱軍 22
鬼頭数雄 ライオン軍
1938年春 江口行男 名古屋金鯱軍 14
1938年秋 佐々木常助 名古屋金鯱軍 20
1939年 山田伝(1) 阪急軍 30
五味芳夫 名古屋金鯱軍
1940年 石田政良 名古屋軍 32
1941年 坪内道則(1) 朝日軍 26
1942年 坪内道則(2) 朝日軍 44
1943年 山田伝(2) 阪急軍 56
1944年 呉昌征 阪神軍 19
呉新亨 東京巨人軍
1946年 河西俊雄(1) 近畿グレートリング 39
1947年 河西俊雄(2) 南海ホークス 53
1948年 河西俊雄(3) 南海ホークス 66
1949年 木塚忠助(1) 南海ホークス 59

2リーグ制後[編集]

年度 セントラル・リーグ パシフィック・リーグ
受賞選手 所属球団 盗塁数 受賞選手 所属球団 盗塁数
1950年 金山次郎(1) 松竹ロビンス 74 木塚忠助(2) 南海ホークス 78
1951年 土屋五郎 国鉄スワローズ 52 木塚忠助(3) 南海ホークス 55
1952年 金山次郎(2) 松竹ロビンス 63 木塚忠助(4) 南海ホークス 55
1953年 金山次郎(3) 広島カープ 58 L.レインズ 阪急ブレーブス 61
1954年 吉田義男(1) 大阪タイガース 51 鈴木武 近鉄パールス 71
1955年 本多逸郎 中日ドラゴンズ 42 森下正夫 南海ホークス 59
1956年 吉田義男(2) 大阪タイガース 50 河野旭輝(1) 阪急ブレーブス 85
1957年 飯田徳治 国鉄スワローズ 40 河野旭輝(2) 阪急ブレーブス 56
1958年 岡嶋博治(1) 中日ドラゴンズ 47 R.バルボン(1) 阪急ブレーブス 38
1959年 岡嶋博治(2) 中日ドラゴンズ 41 R.バルボン(2) 阪急ブレーブス 38
1960年 中利夫 中日ドラゴンズ 50 R.バルボン(3) 阪急ブレーブス 32
1961年 近藤和彦 大洋ホエールズ 35 広瀬叔功(1) 南海ホークス 42
1962年 河野旭輝(3) 中日ドラゴンズ 26 広瀬叔功(2) 南海ホークス 50
1963年 高木守道(1) 中日ドラゴンズ 50 広瀬叔功(3) 南海ホークス 45
1964年 古葉竹識 広島カープ 57 広瀬叔功(4) 南海ホークス 72
1965年 高木守道(2) 中日ドラゴンズ 44 広瀬叔功(5) 南海ホークス 39
1966年 柴田勲(1) 読売ジャイアンツ 46 山本公士 阪急ブレーブス 32
1967年 柴田勲(2) 読売ジャイアンツ 70 西田孝之 東京オリオンズ 32
1968年 古葉竹識 広島東洋カープ 39 安井智規 近鉄バファローズ 54
1969年 柴田勲(3) 読売ジャイアンツ 35 阪本敏三 阪急ブレーブス 47
1970年 東条文博 ヤクルトアトムズ 28 福本豊(1) 阪急ブレーブス 75
1971年 高田繁 読売ジャイアンツ 38 福本豊(2) 阪急ブレーブス 67
1972年 柴田勲(4) 読売ジャイアンツ 45 福本豊(3) 阪急ブレーブス 106
1973年 高木守道(3) 中日ドラゴンズ 28 福本豊(4) 阪急ブレーブス 95
1974年 中塚政幸 大洋ホエールズ 28 福本豊(5) 阪急ブレーブス 94
1975年 大下剛史 広島東洋カープ 44 福本豊(6) 阪急ブレーブス 63
1976年 衣笠祥雄 広島東洋カープ 31 福本豊(7) 阪急ブレーブス 62
1977年 柴田勲(5) 読売ジャイアンツ 34 福本豊(8) 阪急ブレーブス 61
1978年 柴田勲(6) 読売ジャイアンツ 34 福本豊(9) 阪急ブレーブス 70
1979年 高橋慶彦(1) 広島東洋カープ 55 福本豊(10) 阪急ブレーブス 60
1980年 高橋慶彦(2) 広島東洋カープ 38 福本豊(11) 阪急ブレーブス 54
1981年 青木実 ヤクルトスワローズ 34 福本豊(12) 阪急ブレーブス 54
1982年 松本匡史(1) 読売ジャイアンツ 61 福本豊(13) 阪急ブレーブス 54
1983年 松本匡史(2) 読売ジャイアンツ 76 大石大二郎(1) 近鉄バファローズ 60
1984年 高木豊 横浜大洋ホエールズ 56 大石大二郎(2) 近鉄バファローズ 46
1985年 高橋慶彦(2) 広島東洋カープ 73 松永浩美 阪急ブレーブス 38
1986年 屋鋪要(1) 横浜大洋ホエールズ 48 西村徳文(1) ロッテオリオンズ 36
平野謙 中日ドラゴンズ
1987年 屋鋪要(2) 横浜大洋ホエールズ 48 西村徳文(2) ロッテオリオンズ 41
大石第二朗(3) 近鉄バファローズ
1988年 屋鋪要(3) 横浜大洋ホエールズ 33 西村徳文(3) ロッテオリオンズ 55
1989年 正田耕三 広島東洋カープ 34 西村徳文(4) ロッテオリオンズ 42
1990年 緒方耕一(1) 読売ジャイアンツ 33 秋山幸二 西武ライオンズ 51
野村謙二郎(1) 広島東洋カープ
1991年 野村謙二郎(2) 広島東洋カープ 31 大野久 福岡ダイエーホークス 42
1992年 飯田哲也 ヤクルトスワローズ 33 佐々木誠 福岡ダイエーホークス 40
1993年 緒方耕一(2) 読売ジャイアンツ 24 大石大二郎(4) 近鉄バファローズ 31
石井琢朗(1) 横浜ベイスターズ
1994年 野村謙二郎(3) 広島東洋カープ 37 佐々木誠 西武ライオンズ 37
1995年 緒方孝市(1) 広島東洋カープ 47 イチロー オリックス・ブルーウェーブ 49
1996年 緒方孝市(2) 広島東洋カープ 50 村松有人 福岡ダイエーホークス 58
1997年 緒方孝市(3) 広島東洋カープ 49 松井稼頭央(1) 西武ライオンズ 62
1998年 石井琢朗(2) 横浜ベイスターズ 39 松井稼頭央(2) 西武ライオンズ 43
小坂誠(1) 千葉ロッテマリーンズ
1999年 石井琢朗(3) 横浜ベイスターズ 39 松井稼頭央(3) 西武ライオンズ 32
2000年 石井琢朗(4) 横浜ベイスターズ 35 小坂誠(2) 千葉ロッテマリーンズ 33
2001年 赤星憲広(1) 阪神タイガース 39 井口資仁(1) 福岡ダイエーホークス 44
2002年 赤星憲広(2) 阪神タイガース 26 谷佳知 オリックス・ブルーウェーブ 41
2003年 赤星憲広(3) 阪神タイガース 61 井口資仁(2) 福岡ダイエーホークス 42
2004年 赤星憲広(4) 阪神タイガース 64 川﨑宗則 福岡ダイエーホークス 42
2005年 赤星憲広(5) 阪神タイガース 60 西岡剛(1) 千葉ロッテマリーンズ 41
2006年 青木宣親 東京ヤクルトスワローズ 41 西岡剛(2) 千葉ロッテマリーンズ 33
2007年 荒木雅博 中日ドラゴンズ 31 片岡易之(1) 西武ライオンズ 38
2008年 福地寿樹(1) 東京ヤクルトスワローズ 42 片岡易之(2) 埼玉西武ライオンズ 50
2009年 福地寿樹(2) 東京ヤクルトスワローズ 42 片岡易之(3) 埼玉西武ライオンズ 51
2010年 梵英心 広島東洋カープ 43 本多雄一(1) 福岡ソフトバンクホークス 59
片岡易之(4) 埼玉西武ライオンズ
2011年 藤村大介 読売ジャイアンツ 28 本多雄一(2) 福岡ソフトバンクホークス 60
2012年 大島洋平 中日ドラゴンズ 32 聖澤諒 東北楽天ゴールデンイーグルス 54
2013年 丸佳浩 広島東洋カープ 29 陽岱鋼 北海道日本ハムファイターズ 47
2014年 梶谷隆幸 横浜DeNAベイスターズ 39 西川遥輝(1) 北海道日本ハムファイターズ 43
2015年 山田哲人(1) 東京ヤクルトスワローズ 34 中島卓也 北海道日本ハムファイターズ 34
2016年 山田哲人(2) 東京ヤクルトスワローズ 30 糸井嘉男 オリックス・バファローズ 53
金子侑司(1) 埼玉西武ライオンズ
2017年 田中広輔 広島東洋カープ 35 西川遥輝(2) 北海道日本ハムファイターズ 39
2018年 山田哲人(3) 東京ヤクルトスワローズ 33 西川遥輝(3) 北海道日本ハムファイターズ 44
2019年 近本光司(1) 阪神タイガース 36 金子侑司(2) 埼玉西武ライオンズ 41
2020年 近本光司(2) 阪神タイガース 31 周東佑京 福岡ソフトバンクホークス 50
2021年 中野拓夢 阪神タイガース 30 源田壮亮 埼玉西武ライオンズ 24
荻野貴司 千葉ロッテマリーンズ
和田康士朗 千葉ロッテマリーンズ
西川遥輝(4) 北海道日本ハムファイターズ
2022年 近本光司(3) 阪神タイガース 30 髙部瑛斗 千葉ロッテマリーンズ 44
  • 太字は各リーグ記録
  • 赤太字はNPB最高

盗塁王に関する主な記録[編集]

複数回受賞者[編集]

  • dagger野球殿堂入り、太字は現役
  • 掲載可能基準は4回以上

選手 回数 年度
福本豊dagger 13 1970, 1971, 1972, 1973, 1974, 1975, 1976, 1977, 1978, 1979, 1980, 1981, 1982
柴田勲 6 1966, 1967, 1969, 1972, 1977, 1978
広瀬叔功dagger 5 1961, 1962, 1963, 1964, 1965
赤星憲広 5 2001, 2002, 2003, 2004, 2005
木塚忠助 4 1949, 1950, 1951, 1952
西村徳文 4 1986, 1987, 1988, 1989
大石大二郎 4 1983, 1984, 1987, 1993
石井琢朗 4 1993, 1998, 1999, 2000
片岡治大 4 2007, 2008, 2009, 2010
西川遥輝 4 2014, 2017, 2018, 2021

その他の記録[編集]

  • 最年少盗塁王:山口政信(21歳2か月、1937年春) ※2リーグ制以降では吉田義男(1954年)と西岡剛(2005年)が最年少(21歳)
  • 最年長盗塁王:荻野貴司(36歳0か月、2021年) ※シーズン終了月末の年齢
  • 最少打席盗塁王:和田康士朗(24打席、2021年)
  • 最高成功率盗塁王:山田哲人(2016年)、中野拓夢 (2021年)(9割3分8厘(30盗塁・2盗塁死)) ※1941年までは盗塁死不明
  • 最低成功率盗塁王:野村謙二郎(5割8分9厘(33盗塁・23盗塁死)、1990年) ※1941年までは盗塁死不明
  • セ・パ両リーグで盗塁王:河野旭輝(セ・リーグで1回、パ・リーグで2回)[2]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1リーグ時代の該当者は、 セ・リーグの該当者は、 パ・リーグの該当者は、
  2. ^ 特に極端な例として2021年のパ・リーグでは千葉ロッテマリーンズの和田康士朗がわずか24打席、自力での出塁は5安打、5四球のみながら代走起用を中心に24盗塁を積み上げ、本賞を受賞している。
  3. ^ 複数人受賞で盗塁成功率に1割以上差がある例を挙げると、
  4. ^ 2016年パ・リーグ盗塁王の糸井嘉男金子侑司は盗塁成功率も一致している。
  5. ^ 盗塁王を5度獲得した赤星憲広は、盗塁死の数を考慮する指標を提唱している(通称:赤星式盗塁[1]

出典[編集]

関連項目[編集]