コーセー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社コーセー
KOSÉ Corporation
コーセー本社が入る日本橋フロントビル (2010年6月7日撮影)
コーセー本社が入る日本橋フロントビル
2010年6月7日撮影)
種類 株式会社
市場情報
東証プライム 4922
2000年12月4日上場
本社所在地 日本の旗 日本
103-8251
東京都中央区日本橋3-6-2
日本橋フロント
設立 1948年(昭和23年)6月11日
(株式会社小林コーセー)(創業:1946年昭和21年)3月2日
業種 化学
法人番号 7010001043552
事業内容 化粧品
代表者 小林一俊(代表取締役社長
資本金 48億4800万円
発行済株式総数 6059万2000株
売上高 連結:2249億8300万円
単体:858億5300万円
(2021年12月末日現在)
営業利益 連結:223億7100万円
単体:189億2300万円
(2021年12月末日現在)
純利益 連結:133億4100万円
単体:146億5600万円
(2021年12月末日現在)
純資産 連結:2542億6700万円
単体:1526億1000万円
(2021年12月末日現在)
総資産 連結:3200億1800万円
単体:1863億7400万円
(2021年12月末日現在)
従業員数 連結:8,612人、単体:892人
(2021年12月末日現在)
決算期 12月末
会計監査人 新日本有限責任監査法人
主要株主 小林一俊(12.79%)
小林孝雄(12.69%)
小林正典(12.47%)
主要子会社 コーセー化粧品販売株式会社
コーセーコスメニエンス株式会社
関係する人物 小林孝三郎(創業者)
外部リンク www.kose.co.jp ウィキデータを編集
テンプレートを表示
コーセー本社エントランス

株式会社コーセー英語: KOSÉ Corporation)は、主に化粧品の製造、販売を行う日本企業である。

企業概要[編集]

企業メッセージ[編集]

美しい知恵 人へ、地球へ。[1]

行動憲章[編集]

正しきことに従う心

創業者である小林孝三郎の座右の銘。これは創業以来の企業精神の根幹であり、コーセーグループのコンプライアンス経営の要と位置づけられている。

概要[編集]

日本の化粧品大手。創業当初から美容部員により店舗での対面販売形式をとり、現在では多様な販売チャンネルを通じて展開する日本の大手化粧メーカー。1960年代後半より中国、香港、韓国などのアジア市場への参入を積極的に進めている。

当初は「KOSEI」というブランド名で事業を展開していた。1991年に改称され「KOSE」と表記したが、英語圏で「コウズ」と読まれてしまうのではないかと危惧したため、「KOSÉ」(Eのところにアクセントをつける)と表記を改めた。この小林コーセーの時代から使われてきたコーセーの社名・ブランド名は、前身の小林合名会社を創業した小林孝三郎の「孝」と、誠実の「誠」から取ったものとされる[2]

製品面では、化粧業界初の美容液とパウダーファンデーションのカテゴリーを成形し、ファンデーションとスキンケアに力を入れている会社である。また、夏用リキッドファンデーションや水あり水なし両用2ウェイファンデーションを作り出した会社でもある。

企業理念は「美しい知恵 人へ、地球へ」のもとに美にまつわるあらゆる知恵を出し合う姿勢を取っている。また、人々のために、そして大切な地球の未来のために、役立てていこうという企業姿勢も示している。

中長期的な会社の経営戦略としては、新規事業と海外事業拡大を柱とする「成長ドライバーへの注力」、セレクティブブランド事業とコンシューマーブランド事業を軸とする「基幹ブランド事業収益拡大」、コスト競争力・企業保有資産のパフォーマンスの工場による「経営基盤の強化」の3つの基本戦略に取り組んでいる。

高級スキンケア用品を得意とするアルビオンおよび2014年4月に買収した米国タルト社が子会社として業績に寄与。

沿革[編集]

  • 1946年3月2日、小林孝三郎が東京都王子区(現在の北区)に小林合名会社を創業として設立
  • 1948年6月11日、東京都北区豊島七丁目に株式会社小林コーセーを設立
  • 1956年、高級化粧品の製造会社、株式会社アルビオンを設立
  • 1961年、ダンボール等紙器製造会社、株式会社アルビオンを設立
  • 1963年、フランス・ロレアル社の技術提携が成立し、サロン事業を行う(2001年に合弁規約解消)
  • 1964年、埼玉狭山市に狭山工場開設
  • 1965年、東京都中央区日本橋に本社を移転
  • 1968年、香港で販売を開始し、東南アジアを中心に拡張
  • 1970年、高級品専門ブランド「コスメデコルテ」販売
  • 1971年、シンガポールに高絲私人公司(KOSÉ SINGAPORE PTE.LTD.)を設立
  • 1972年、マレーシアにKOSÉ を設立
  • 1975年、「アルフォードR・Cリキッド」販売(業界初の美容液)
  • 1976年、「フィットオン」販売(業界初のパウダーファンデーション)
  • 1979年、「2ウェイケーキ」販売(業界初の水乾両用ファンデーション)
  • 1980年、生産本部がデミング賞事業所表彰を受賞
  • 1984年、台湾、タイに現地法人を設立
  • 1985年、「雪肌精」販売。
  • 1985年、インドネシアでの販売を開始
  • 1987年、日中合弁で中国の浙江省杭州市に春絲麗有限公司(現 高絲化粧品有限公司)を設立
  • 1988年、一般品ルートの化粧品販売会社、コーセーコスメポート株式会社を設立
  • 1988年、中国に春絲麗有限公司(後の高絲化粧品有限公司)を設立(2018年5月に持分を譲渡)
  • 1988年、東京都板橋区に板橋研究所を開設
  • 1988年、製品の販売会社コーセー化粧品販売株式会社を設立
  • 1991年、株式会社コーセーに社名を変更し、企業ロゴも刷新した
  • 1992年、埼玉県狭山市に障がい者雇用の特例子会社 株式会社アドバンスを設立
  • 1992年、「ルシェリ」のCMの『ねぇ、チューして』が流行語大賞銀賞を受賞
  • 1993年、コスメタリー製品の販売会社、コーセーコスメニエンス株式会社を設立
  • 1994年、メイクアップシリーズ「ヴィセ」発売
  • 1995年、自然派ブランド「アウェイク」発売
  • 1997年、決算期を12月31日から3月31日に変更
  • 1998年、群馬工場がISO9002(品質)の認証を取得
  • 1999年、日本証券業協会に株式を店頭登録
  • 2000年、東京証券取引所市場第一部に株式を上場
  • 2000年、9月群馬工場がISO14001(環境)の認証を取得
  • 2000年11月、中国に高絲香港有限公司を設立
  • 2001年7月、韓国にKOSÉ KOREA CO.,LTD.を設立
  • 2001年、百貨店専用ブランド「ボーテドコーセー」発売
  • 2002年、ドクターコスメを扱う株式会社フィルインターナショナルの全株式を取得
  • 2004年、秋田県に広域受注機能を持つ受注センターを開設
  • 2005年、ライセンス事業として「ジルスチュアート」を日本の化粧品市場に導入
  • 2006年、ライセンス事業として「リンメル」を日本の化粧品市場に導入
  • 2007年、ミャンマー・アラブ首長国連邦での販売を開始
  • 2008年、東京都北区にコーセー王子研修センターを開設
  • 2009年、自然派スキンケアシリーズ「ネイチャーアンドコー」発売
  • 2009年、百貨店専用ブランド「アディクション」発売
  • 2009年、ジルスチュアートブランドの化粧品に関する世界における商標権を取得
  • 2011年、メイクアップブランド「エスプリーク」を発売
  • 2011年、ライセンス事業として男性用化粧品ブランド「ポール・スチュアート」発売
  • 2011年、化粧品通信販売業の新会社、株式会社プロビジョン(現 コーセープロビジョン株式会社)を設立
  • 2012年、イタリアでの販売を開始
  • 2012年、スキンケアブランド「肌極」を発売
  • 2013年、インドにKOSÉ Corporation INDIA Pvt.Ltd.を設立
  • 2014年、米国の化粧品会社Tarte.Inc.を子会社化
  • 2016年、「DECORTÉ 」を北米で販売開始
  • 2016年、ブラジルに現地法人を設立
  • 2017年、群馬工場の新生産棟が稼動
  • 2018年、パリに欧州初のコンセプトショップMaison KOSÉをオープン
  • 2019年、銀座にデジタルプラットフォームと融合させた新コンセプトストア「Maison KOSÉ」をオープン
  • 2020年、コーセーコスメピア株式会社が、株式会社コーセーのトラベルリテール事業を統合し、コーセートラベルリテール株式会社に社名変更

ブランド[編集]

雪肌精にみるブランド戦略[編集]

2014年10月に化粧品が免税対象商品に加わったことにより、訪日観光客(インバウンド)による消費、特に中国人観光客による爆買いが大きな売り上げになっていた。しかし、円安・元高基調が崩れたことに加え、中国政府が2016年4月に化粧品の関税を10%近く引き上げたことから、日本国内で化粧品を購入する割安感が薄れる。こうした事情を背景に、コーセーは中国人に人気のある「雪肌精」について、中国国内用に容量と単価を見直して買いやすくした[3]

また、それに先立つ2011年、中国国内においてリブランディングに着手。小林一俊社長の号令で、コーセーの活動理念「良い商品を、良いお店で、きちんと売る」に立ち戻る構造改革に着手。現在の中国国内における好調な売り上げの背景になっている[4]

主なブランド[編集]

  • コスメデコルテ
  • インフィニティ
  • プレディア
  • 雪肌精
    • 雪肌精クリアウェルネス
  • アスタブラン
  • エスプリーク
  • 肌極
  • エルシア
  • ファシオ
  • ヴィセ
  • ネイチャーアンドコー
  • ネイルホリック
  • ハッピーバスデイプレシャスローズ(HAPPY BATH DAY Precious Rose)
  • 米肌 (通販)
  • ジル・スチュアート
    米国の同名のアパレルブランドとのタイアップ。2005年よりブランド展開を開始。製品には「コーセー」の名前を一切表示しない「アウト・オブ・ブランド」戦略を取っている[5]。2011年時点でコーセーの売上高の45%を占める屋台骨ブランドとなっている。
  • ポールスチュアート
  • アディクション
  • アウェイク
  • スティーブンノル ニューヨーク
  • 雪肌粋

提供番組[編集]

現在[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

  • KOSÉ FIND my BEAUTY(TOKYO FM)[6]

過去[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

CM出演者[編集]

現在[編集]

コーセーコスメポート
コーセーコスメニエンス

過去[編集]

ファンデーション系のイメージモデル

アンテリージェ
ルシェリ
ルティーナ
エスプリーク
エスプリーク・プレシャス

コーセーコスメニエンスのセルフ販売商品ファンデーション系のイメージモデル

WHITIST(ホワイティスト)

メイクアップのイメージモデル

ドゥセーズ ルミナス
ルミナス
エスプリーク・プレシャス
ヴィセ

コーセーコスメニエンスのセルフ販売商品メイクアップのイメージモデル

ファシオ

その他化粧品ブランドのイメージモデル

サロンスタイル
グランデーヌ
クリリア
雪肌粋
その他

その他モデル

コスメデコルテ
ハッピーバスデイ プレシャスローズ
その他
  • 大谷允保「エスプリーク プレシャス」※ドラマ「三日遅れのハッピーニューイヤー!」と連動。
  • 神田うの「ソフティモ」
  • 野沢和香「ヒアロチャージ」

特記事項

研究所[編集]

  • コーセー製品開発研究所
  • コーセー先端技術研究所

関連会社[編集]

国内[編集]

  • コーセー化粧品販売(株)
  • コーセーコスメニエンス(株)
  • コーセーコスメポート(株)
  • (株)ドクターフィル コスメティクス
  • コーセープロビジョン(株)
  • コーセーコスメピア(株)
  • コーセーミルボンコスメティクス(株)
  • コーセーインダストリーズ(株)
  • コーセーマルホファーマ(株)
  • (株)コスメ ラボ
  • (株)アドバンス
  • コーセー保険サービス(株)
  • (株)アルビオン
  • (株)テクノラボ
  • (株)コスメディック

海外[編集]

  • 高絲化粧品有限公司(中国
  • 高絲化粧品銷售(中国)有限公司
  • 高絲香港有限公司(香港
  • KOSÉ SINGAPORE PTE.LTD.(シンガポール
  • KOSÉ KOREA CO., LTD.(韓国
  • 台湾高絲股份有限公司(台湾
  • KOSÉ(THAILAND)CO. LTD.(タイ
  • KOSÉ(MALAYSIA)SDN. BHD.(マレーシア

参考文献[編集]

  • 株式会社KOSÉ 社史 「創造と挑戦 コーセー50年史」全国書誌番号:21638334
  • 井田泰人「コーセーの発展史」近畿大学短大論集 第37巻1号 31~38ページ 2004年12月

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ FANCLから引き継いだ、(かつては、ノエビアアテニア化粧品が提供したことある。)
  2. ^ 2022年7月11日は提クレ表示もCM自粛拒否のためACに差し替え、10月3日の放送分からカラー表示。
  3. ^ 2018年現在は『JA全農 COUNTDOWN JAPAN』と改題し継続中である。
  4. ^ 提供アナウンスは「美しい知恵、人へ、地球へ。コーセーの提供でお送りします(お送りしました)。」で、クレジットは「美しい知恵、人へ、地球へ。」の上に、「KOSÉ」のロゴマークがその下に付いていた。

出典[編集]

  1. ^ 会社情報 企業理念”. KOSÉ. 2020年3月30日閲覧。
  2. ^ KOSE(コーセー)の女性限定IRセミナーに行ってきました!(兜Live)
  3. ^ コーセー「雪肌精」、爆買いに頼らない新戦略”. 東洋経済ONLINE (2016年5月3日). 2020年3月30日閲覧。
  4. ^ コーセーの中国市場開拓「焦らないブランド戦略が成功の秘訣」”. 国際商業ONLINE (2019年1月10日). 2020年3月30日閲覧。
  5. ^ コーセーの秘蔵っ子、ジルスチュアートの秘密、他社大苦戦の中価格化粧品市場で絶好調”. 東洋経済ONLINE (2011年4月7日). 2020年3月30日閲覧。
  6. ^ KOSÉ FIND my BEAUTY POWERED BY @cosme”. TOKYO FM. 2021年7月27日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]