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2.5 L A25A-FKB I4 (Thailand)
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パワートレインは、TNGAを導入した完全新設計の次世代エンジン「「ダイナミックフォースエンジン2.5」」と、改良を加えたハイブリッドシステム「THS II」を組み合わせて搭載。エンジンは全く新しい形式名を与えられた「A25A-FXS」型。また、モーターも新開発の「2NM」型が搭載された。世界トップクラスの熱効率41%を達成し、動力性能・燃費は大きく向上。システム最高出力は先代比で4kW(6PS)向上し155kW(211PS)を発生する。また、海外市場向けに搭載されるV型6気筒3.5Lエンジン「2GR-FKS」型は301HPの出力を発生する(北米仕様の数値)。またトランスミッションは電気式無段変速機を継続採用するが、新たに6速シーケンシャルシフトマチックを備えた。
パワートレインは、TNGAを導入した完全新設計の次世代エンジン「「ダイナミックフォースエンジン2.5」」と、改良を加えたハイブリッドシステム「THS II」を組み合わせて搭載。エンジンは全く新しい形式名を与えられた「A25A-FXS」型。また、モーターも新開発の「2NM」型が搭載された。世界トップクラスの熱効率41%を達成し、動力性能・燃費は大きく向上。システム最高出力は先代比で4kW(6PS)向上し155kW(211PS)を発生する。また、海外市場向けに搭載されるV型6気筒3.5Lエンジン「2GR-FKS」型は301HPの出力を発生する(北米仕様の数値)。またトランスミッションは電気式無段変速機を継続採用するが、新たに6速シーケンシャルシフトマチックを備えた。

エンジンのバリエーションは次の通り。
2.0 L 6AR-FSE I4 (China)、
2.0 L 6AR-FBS I4 (Thailand and Singapore)、
2.5 L 2AR-FE I4 (East Europe, Middle East, Australia, Malaysia, the Philippines, Indonesia, Singapore and Brunei)、
2.5 L A25A-FKS I4、
2.5 L A25A-FKB I4 (Thailand)、
3.5 L 2GR-FKS V6、
2.5 L A25A-FXS I4 (hybrid)


ハイブリッド用バッテリーをリアシート背面から床下へ移動したことでトランク容量が先代の440Lから525Lへ拡大され、国内仕様においては7代目以来となる全面トランクスルー機構が復活した。
ハイブリッド用バッテリーをリアシート背面から床下へ移動したことでトランク容量が先代の440Lから525Lへ拡大され、国内仕様においては7代目以来となる全面トランクスルー機構が復活した。

2019年5月13日 (月) 00:59時点における版

トヨタ・カムリ
10代目 カムリ(北米仕様)
概要
別名 トヨタ・セリカカムリ(初代)
トヨタ・カムリグラシア(6代目)
ダイハツ・アルティス(6代目以降)
製造国 日本の旗 日本(日本国外でも生産)
販売期間 1980年-
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン(全世代共通)/ハードトップ(3代目、4代目)
5ドアステーションワゴン(3代目、6代目)
駆動方式 後輪駆動(初代) 前輪駆動(2代目以降)
四輪駆動(3-8代目)
テンプレートを表示

カムリCAMRY)は、トヨタ自動車で生産されている乗用車(基本的にはセダン)である。日本国内仕様の生産は堤工場が担当し、トヨタカローラ店(以下、カローラ店)、トヨペット店ネッツ店東京地区のトヨタ店で扱う(2017年7月~)[1]。なお、当記事では便宜上、前身のセリカ・カムリCELICA CAMRY )を初代としている。

また、この項目では以下のモデルについても記述する。

  • カムリ・プロミネント
  • カムリ・グラシアCAMRY GRACIA
  • カムリ・グラシア ワゴンCAMRY GRACIA WAGON
  • カムリ・ハイブリッドCAMRY HYBRID ) - 日本向けの現行モデルは単に「カムリ」といえばこちらを指す。

概要

ゆったりした直進安定性と居住性を鑑みロングクルージングを意識した前輪駆動セダンをコンセプトに開発された、トヨタの高級セダンである。全世界100ヶ国で累計1,800万台以上(2016年12月時点)を販売しているベストセラーカーであり、同じセダンのカローラと共にトヨタ自動車の屋台骨を支える世界戦略車でもある。2017年のトヨタ車の中での世界販売台数はRAV4ヤリスに次ぐ第5位となっており、プリウスの4倍もの数を稼ぐ[2]

日本では見かける機会は多くないが、海外市場における人気は絶大であり、特に北米市場では乗用車部門で16年連続で販売台数トップの実績を誇っている。2016年は北米で38万8618台が売れており、これは毎日1000台以上売れている計算になる。またオセアニア東南アジアインド地域での人気も高い。日本国内での販売が振るわない理由として、後輪駆動で6気筒のマークXと同価格帯のため割高に感じられる点、クラウン、マークX、プリウスと言った同社内の競合車の存在、カムリという車に対するイメージ[3]、道路インフラ車庫スペース等が狭いという国内事情が影響している点などが挙げられる。しかし近年は競合車も巨大化傾向にあるため、以前に比べると国内での弱点は薄くなっている。

2000年代半ばから同社のマークXと同格車種として扱われているが(姉妹車ではない)、6代目以降は海外での販売を主眼に置いた開発がされているため、車幅は国内販売を主とするマークXや上位車種のクラウンより大きく設計されており[4]、最小回転半径は5.5 mである。EセグメントBMW・5シリーズメルセデス・ベンツ・Eクラスと同格寸法で、より大きな室内空間を意識した設計となっている。かつては日本国内でもV型6気筒を搭載する上級グレードを持っていたが、7代目以降の日本国内仕様は直列4気筒(+ハイブリッド)のみである。機敏なドライブフィールを重視する後輪駆動のマークXと後席居住性を重視したカムリとで販売チャネルと客層を分けている。

元々は中型車として登場し[5]、カローラ店においてはカローラの上位車種という位置づけであったが、3代目 V20型よりアメリカオーストラリア[6]での生産を開始し、世界戦略車としての道を歩み始めた。

2006年平成18年)1月のフルモデルチェンジでウィンダムと統合されたため[7]、以降しばらくの間、カローラ店専売車では最上級車種となっていた[8]。車名を変えた後継車種の案も出たが、世界戦略車としてのネームバリューを国内で向上するという思惑と、「カムリ」という従来からのイメージ打破を目指し、車名を継続した。

2011年(平成23年)発売の9代目モデルより日本国内向けはハイブリッド専用車種となった。他のトヨタのハイブリッド専用車種は全てのトヨタ販売店にて販売されているが、「カムリ」はハイブリッド専用車となった9代目でも従来通りカローラ店のみの販売となっていた[9]。なお、ハイブリッド専用車となってコンセプトが明確になったことと、ラージサイズのハイブリッドセダンにしては価格設定が割安なことが受け、9代目のAVV50型は日本国内での売れ行きも好調であった。

2013年(平成25年)7月2日、米国トヨタ自動車販売はアメリカにおけるカムリの累計販売台数が1000万台に到達したことを発表した。カムリは1983年に米国市場に投入され、初年は52,651台を販売した(2012年の販売台数は404,886台である)。それから30年で記録達成となった[10][11]

2017年(平成29年)7月10日、日本で10代目にフルモデルチェンジしたタイミングで販売チャネルを拡大し、従前から取り扱っているカローラ店に加え、トヨペット店ネッツ店、加えて東京地区のトヨタ店での取り扱いを開始した。特にネッツ店に関しては、前身の販売チャネルの一つである旧トヨタビスタ店で「セリカ カムリ」の車種名で販売されていた初代モデル以来、約35年4ヶ月(2代目 - 5代目カムリの姉妹車であった初代 - 4代目ビスタ含むと約19年)のブランクを経ての投入となり、2005年(平成17年)8月に販売を終了したアリスト以来となるラージサイズセダンとなる。

初代 A4#/5#型(1980年 - 1982年)

トヨタ・セリカカムリ(初代)
TA4#/TA5#/RA5#型
概要
販売期間 1980年1月-1982年3月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン 12T-U型 1.6L OHV
13T-U型 1.8L OHV
3T-EU型 1.8L OHV
21R-U型 2.0L SOHC
18R-GEU型 2.0L DOHC
変速機 4速AT/3速AT/5速MT/4速MT
前 - マクファーソン・ストラット式コイルスプリング
後 - ラテラルロッド付4リンクコイルスプリング
3T-EU型・21R-U型・18R-GEU型エンジン搭載車はセミトレーリングアーム式独立 コイルスプリング
前 - マクファーソン・ストラット式コイルスプリング
後 - ラテラルロッド付4リンクコイルスプリング
3T-EU型・21R-U型・18R-GEU型エンジン搭載車はセミトレーリングアーム式独立 コイルスプリング
車両寸法
ホイールベース 2,500mm
全長 4,445mm
全幅 1,645mm
全高 1,395mm
車両重量 1,125kg
その他
ブレーキ 4輪ディスク
データモデル 2000GT 5速MT
テンプレートを表示
  • 1980年1月セリカセダン版として発売された。正式には「セリカ・カムリ(CELICA CAMRY)」と名乗り、サブネームとしてセリカの車名を名乗ると同時に、トヨタ自身もセリカの派生車種という扱いとしていたため、厳密に言えばこのモデルは初代ではない[12]。あくまで2代目セリカと2代目カリーナ姉妹車であった(元来セリカのセダン版がカリーナにあたる)。加えて1980年3月にクレスタ発売と同時にトヨタビスタ店(現ネッツ店)がオープンすると、クレスタの下級車種としてビスタ店でも併売された。当時トヨタは、2代目カムリ/初代ビスタV10型をカローラ店/ビスタ店で発売すべく開発中であったが、当時のカローラ店取扱のセダンはカローラが最高クラスであり、それ以上はカローラ店の顧客にはなじみがなかった。そのため、できるだけコストをかけず(実際にデザインされたところはリヤ周りのみでフロント側は輸出用カリーナの流用だった)に市場を開拓するために急遽、この初代カムリが市場投入されたものと思われる。歴代カムリの中では最初で最後の後輪駆動モデルでもあり、販売期間が2年2か月(1980年1月販売開始 - 1982年3月販売終了)とかなり短命なモデルだった。
  • 型式・グレード
    • 1600 - 「TA41」・1600LT、1600XT
    • 1800 - 「TA46」・1800LT、1800XT、1800XTスーパーエディション
  • 1980年8月 - 1800SX・2000SE・2000GTを追加。この3車種にはカリーナのセダンとの違いに4輪独立懸架(4輪独立懸架車は型式が1800SXはTA51、2000SEはRA52、2000GTはRA51となる。フロントはマクファーソン・ストラット式コイルスプリング、リアはセミトレーリングアーム式コイルスプリング)、4輪ディスクブレーキを装備。

2代目 V1#型(1982年 - 1986年)

トヨタ・カムリ(2代目)
SV1#/CV1#型
セダン(1982年登場型)
概要
販売期間 1982年3月-1986年8月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 1S-U型 SOHC
→1S-iLU型 SOHC
2S-ELU型 SOHC
3S-GELU型 DOHC
1C-TL型 SOHC ディーゼルターボ
→2C-TL型 SOHC ディーゼルターボ
変速機 5速MT / 4速AT
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,600mm
全長 4,440mm
全幅 1,690mm
全高 1,395mm
車両重量 1,045kg
その他
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
データモデル セダン2000ZX 5速MT(1982年登場型)
テンプレートを表示
  • 1982年3月登場。キャッチコピーは「大きなカムリ」。前輪駆動化され、セリカのサブネームが外れる。当項では2代目となっているが、上述の経緯からすればこのモデルが実質的な初代となる。また、このモデルの登場を機に姉妹車のビスタが登場。このため、カローラ店専売車種となる。前輪駆動化によって“(当時の)クラウンより広い”と評された、広い室内が売りであった。当初は1.8Lエンジン(1S-LU)に5速マニュアルミッションのみの設定だった。このモデルからコロナに代わり、トヨタを代表するミドルセダンとなり、米国をはじめ世界各地へ輸出される(コロナがセリカ/カリーナの兄弟車種になりポジションが入れ替わる)。とりわけ米国では後にベストセラーカーとなる。国内向けのカムリは4ドアセダンのみであったが、輸出仕様のカムリはビスタにあった5ドアリフトバックもラインナップされた。米国仕様は法規制のためSAE規格の角型4灯式ヘッドランプだった。
  • 1982年7月 - OD付き4速オートマチック車が追加設定。
  • 1982年8月 - 2.0L(2S-ELU)車が追加。
  • 1983年4月 - ドアミラーを設定。
  • 1983年8月 - 1.8Lのターボディーゼル(1C-T)車を追加。
  • 1984年6月 - マイナーチェンジでフェイスリフトと同時にドアミラーを可倒式に変更/2000ツインカム16(3S-GELU)車を追加[13]/1.8Lガソリン車(1S)は電子制御セントラルインジェクション化(Ci 1S-iLU)/特別仕様のXTサルーンはカタログモデル化され従来のSEと特別仕様車SEサルーンはXEに統一。一方、従来最上級のZXには標準であった後席3点式シートベルトが2点式に変更され、クロームメッキの装飾が増えた。米国仕様も後期型から異型2灯式ヘッドランプとなる。
  • 1985年8月には、ターボディーゼル車のエンジンは2.0Lの2C-T型に変更。
  • 1983年4月以降のCMには俳優の田中邦衛を起用し、V30型こと4代目にフルモデルチェンジする前の1990年7月まで続いた。

3代目 V2#型(1986年 - 1990年)

トヨタ・カムリ(3代目)
SV2#/VZV2#/CV2#型
セダン(1986年登場型)
セダン(1988年改良型)
車内(写真はLexus ES250)
概要
販売期間 1986年8月-1990年7月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
4ドアハードトップ
5ドアステーションワゴン(日本未発売)
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジン 1S-i型 SOHC
→4S-Fi型 DOHC
3S-FE型 DOHC
3S-GE型 DOHC
1VZ-FE型 DOHC
2C-T型 SOHC ディーゼルターボ
変速機 4速AT / 5速MT
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,600mm
全長 4,520mm
全幅 1,690mm
全高 1,390mm
車両重量 1,220kg
その他
ブレーキ 4輪ディスク
データモデル セダン2000GT 5速MT(1986年登場型)
テンプレートを表示
  • 1986年8月登場。キャッチコピーは「新しきセダンの象徴。」。市場での人気が高いとはいえなかった先代の反省を踏まえ、車格感の向上を主眼としたモデルチェンジとなった。エンジンは、2.0Lのみトヨタ初となるハイメカツインカム(3S-FE型)エンジンが搭載された。ほかに1.8L(1S-i型)と2.0Lターボディーゼル(2C-T型)、さらに先代から引き続き2.0Lスポーツツインカム(3S-GE型、2.0GTのみ)が用意された。
  • スタイリングはやや丸みを帯びたものとなり、上級車種のマークIIに代表される、当時流行していたハイソカーの要素を取り入れた豪華なインテリアや装備が特徴となった。その一方でフロントウインドウの傾斜はきつくなり、先代のような圧倒的な室内の広さは実感できなくなり、初の前輪駆動中型車として実験的な色彩が感じられた先代とは違う、トヨタ車としてごく普通の車となった。先代の国外仕様に存在していた5ドアは欧州ではそれなりの需要があったものの、メイン市場である米国で人気を得られなかったため廃止された。これに代えてステーションワゴンがラインナップされ、欧州向け5ドアモデルはコロナなどの他車種で対応することとなった[14]。なお、国外仕様はフロントグリルがビスタと同様のものとなっている。
  • 1987年 - トヨタ・オーストラリアビクトリア州ポート・メルボルンにて現地生産を開始する[15]。これがカムリ初の日本国外生産である。
  • 1987年4月 - 新開発された1VZ-FE型2.0LV6エンジンを搭載した『プロミネント』(VZV20型)が登場。このエンジンのカムはフォーカムとも呼ばれた。バンパーが大型化(北米仕様と同タイプ)され、フロントグリルの形状が異なり、装備がさらに追加される点などが4気筒モデルとの違いであった。プロミネントのエンジンは2.0L V型6気筒DOHCの1VZ-FE型で、最高出力は103kW(140ps)/6000rpm・最大トルクは174Nm(17.7kg・m)/4600rpmを発揮。
  • 1987年10月 - 直列4気筒2.0L(3S-FE型)モデルにはセンターデフ+ビスカスカップリング方式のフルタイム四輪駆動も追加され、バリエーションが豊富になった。
  • 1988年 - トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキーがケンタッキー州ジョージタウンにて現地生産を始める。
  • 1988年8月 - マイナーチェンジ。プロミネントシリーズにのみ、ビスタと共通ボディの4ドアハードトップが追加。また、1.8Lもハイメカツインカム化された(1S-i型OHCエンジンから4S-Fi型DOHCエンジンに換装)ほか、2.0L 四輪駆動車にATが追加された。ハードトップのプロミネントは、北米でレクサスが発足した当初、ES250として販売された[16]
  • 1989年8月 - トヨタ・オーストラリアが、GMホールデンホールデン・アポロとしてOEM供給開始[15]

4代目 V3#型(1990年 - 1994年)

トヨタ・カムリ(4代目)
SV3#/VZV3#/CV3#型
セダン(1990年登場型)
概要
販売期間 1990年7月-1994年7月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン / ハードトップ
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジン 4S-FE型 DOHC
3S-FE型 DOHC
3S-GE型 DOHC
1VZ-FE型 DOHC
4VZ-FE型 DOHC
2C-T型 SOHC ディーゼルターボ
変速機 4速AT / 5速MT
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
車両寸法
全長 4,600 - 4,670mm
全幅 1,695mm
全高 1,380 - 1,410mm
テンプレートを表示
北米仕様の詳細はトヨタ・セプターを参照
  • 1990年7月登場。キャッチコピーは「ゆーゆー」。日本国内に導入されたこのモデルは日本専用車となる(後に中古並行というかたちでロシア等日本国外に流出している)。この代より海外仕様は3ナンバーボディーとなり、日本では「セプター」として販売された。セダンはプレスドアを採用し、丸みが強調され、初代セルシオのデザインを5ナンバーサイズに縮小したような張りのあるボディとなった。セダンには1.8L(4S-FE型)、2.0L直列4気筒ハイメカツインカムガソリンエンジン(3S-FE型)、ツインカム3S-GE型と2.0Lディーゼルターボ(2C-T型)が用意された。駆動方式は前輪駆動とフルタイム四輪駆動の2種類。前輪駆動には4WS設定モデルも存在した。バブル期に開発されたモデルであるため装備品や内外装の質感は高い。このモデルでもV6搭載モデルの「プロミネント」は存在した。ボディは4ドアハードトップのみ[17]。エンジンは当初は従来型と同じV6・2.0Lのみだった。
  • 1991年5月 - プロミネントにV6・2.5Lモデルを追加。同時にV6・2.0Lモデルは「プロミネントEタイプ」のみとなる。
  • 1992年6月 - マイナーチェンジ。フロントグリルが大型化されエアコンはオートタイプを全車に標準装備した上に代替フロン仕様となった。同時に、スポーツツインカムの3S-GE搭載のGTとV6・2.0Lモデルの「プロミネントEタイプ」は廃止され、GTの代わりにZXツーリングパッケージが登場、プロミネントはV6・2.5Lに一本化。

5代目 V4#型(1994年 - 1998年)

トヨタ・カムリ(5代目)
SV4#/CV4#型
1996年改良型
概要
別名 トヨタ・ビスタ(4代目)
※後期型で同一スタイルに。
販売期間 1994年7月-1998年7月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジン 4S-FE型 DOHC
3S-FE型 DOHC
3C-TE型 ディーゼルターボ
変速機 4速AT / 5速MT
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
車両寸法
全長 4,625mm
全幅 1,695mm
全高 1,410 - 1,435mm
テンプレートを表示
  • 1994年7月登場。キャッチコピーは「LIFE」(前期型)、および「妻子あるカムリ」(後期型)。当初は、北米カムリとの部品の共通化率を高めた3ナンバーモデルとして計画されていたが、バブル崩壊に伴う乗用車市場の冷え込みもあり、設計途中で5ナンバーサイズへと変更された。トヨタでは他にビスタアルデオの全高を試作途中に150mmも高めた例もあるが、このような開発末期の大きな設計変更は、全てのメーカーができるものではなく、資金力に勝るトヨタならではのエピソードとなっている。前述のとおりモデルチェンジの時期がバブル崩壊とも重なり、走行性能や耐久性などを維持しつつ大幅なコストダウンを強いられたために装備やドア内張り、天井、各パネル類などインテリアが先代と比較してかなり簡素なものになり、特に前期型にはフロントグリルのエンブレムがないという、徹底したものであった。ラインナップも削減され、このモデルよりプロミネントは消滅(後継はカムリプロミネントとプラットフォームやエンジンを共用する3ナンバーミディアムハードトップであるウィンダム)し、セダンのみの設定になった。排気量はガソリンエンジンが、1.8L(4S-FE型)と、2.0L(3S-FE型)、ディーゼルターボエンジンは2.2L(3C-T型)に拡大された。当初はガソリン2.0Lモデルにのみフルタイム四輪駆動の設定があったが、後に2.2Lディーゼルターボにも設定された。
  • 1996年6月にマイナーチェンジを実施。CMキャラクターに篠ひろ子を起用。ヘッドランプがマルチリフレクター式に変更された。また、フロントグリルにはカムリのエンブレムが復活している。ABSとデュアルSRSエアバッグは全車標準装備。
  • 1996年12月にセプター(北米カムリ)の後継車種として、カムリ・グラシアが事実上の6代目として登場するが、クラスが異なる(カムリはCDセグメント、カムリグラシアはDセグメント)こともあり、V40型カムリも併売される。また、カムリ・グラシアは4ドアセダンの他にステーションワゴンが設定された。
  • 1998年7月に姉妹車であるビスタのフルモデルチェンジ(なお、5代目ビスタは5ナンバーサイズを維持した独立した車種となり、形式もV40型カムリ/ビスタを受け継ぎV50型であった)によって販売終了。日本国内専用カムリはこの代をもって消滅し、事実上カムリ・グラシアに統合される形となった[18]。なお、カムリ・グラシアは翌1999年8月のマイナーチェンジで、4ドアセダンが単に「カムリ」のネーミングに戻した。

6代目 XV2#型(1996年 - 2001年)

トヨタ・カムリグラシア
トヨタ・カムリ(6代目)
SXV2#/MCV2#型
セダン 前部
セダン 後部
室内(欧州仕様)
概要
別名 ダイハツ・アルティス(初代)
販売期間 1996年12月-2001年9月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
変速機 4速AT / 5速MT
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,670mm
全長 4,760mm
全幅 1,785mm
全高 1,420 - 1,430mm
テンプレートを表示
  • 1996年12月に国内専用のV40型カムリと並行する形でセプター(北米カムリ)の後継車種として、またV6エンジン搭載車のグレード名であった「プロミネント」の名を事実上変更して付け加える形で「カムリ・グラシア(CAMRY GRACIA)」の名前で登場(後のマイナーチェンジでセダンのみグラシア名が外れる)。3ナンバーサイズとなり、エンジンもセプターと同じ直列4気筒の2.2L(5S-FE)とプロミネント以来のV6エンジン搭載車でもある2.5L(2MZ-FE)を搭載する。この代をもって、フロントにあったカムリ専用エンブレムが廃止される。4年連続北米乗用車販売台数1位。100カ国以上で販売された(日本向けのV6エンジン搭載車はこの代が最後)。ボディタイプはセダンとステーションワゴンの2種類[19]。従来のセプターに設定されていたクーペは日本ではまったくの不人気のため廃止。ただし、北米市場には後継車種がカムリ・ソラーラとして投入されている。また、日本仕様はこの代からAT車のみとなった。カムリグラシアワゴンにはトヨペット店向けの姉妹車としてマークIIクオリスが発売された。その間、特別仕様車も設定され、「REMIX」(セダンのみ)は北米仕様のバンパーとドアモールを装備した特別仕様、「アメリカンビレットバージョン」(こちらはセダン・ワゴンともに設定された)はエスティマ8代目(E100G型)カローラツーリングワゴン同様、ビレットグリルを内蔵した大型バンパー/フロントグリル等でドレスアップされた特別仕様だった。
  • 1999年8月 マイナーチェンジ。CMキャラクターに西田敏行を起用。セダンは前年7月にV40型カムリの生産が終了したため(無印の)「カムリ」に回帰、ワゴンのみが「カムリグラシア」と呼ばれるようになる。フロントのヘッドランプ類がやや大型化された(セダンはリヤコンビネーションランプも大型化)。一方、ワゴンのリヤコンビネーションランプもクリア部分が若干アンバーに着色され、フロントグリルの中央はCIマークから「GRACIA」のエンブレムに差し替えられた。共通の内容としては、バンパーデザインの変更、内装の質感向上などが挙げられる。なお、このモデルよりセダンがダイハツ工業へ「アルティス」として2000年3月からOEM供給され、7代目・および8代目途中の2010年2月まで10年間供給のあと一時途絶えていたが、2012年5月より9代目のOEM供給が開始された(後述)。
  • 同年、オーストラリア、アメリカに続いてタイチャチューンサオ県での生産が開始された。これにより従来オーストラリアから供給していた東南アジア市場向けのカムリはタイ生産車に置き換えられた。なおオーストラリアの生産拠点は1994年にポートメルボルンからアルトナに移動している。

7代目 XV3#型(2001年 - 2006年)

トヨタ・カムリ(7代目)
ACV3#/MCV3#型
2001年登場型 2.4G
日本仕様 2004年改良型
豪州仕様 内装
概要
別名 ダイハツ・アルティス(2代目)
販売期間 2001年9月27日-2006年1月29日
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォーム トヨタ・Kプラットフォーム
パワートレイン
変速機 4速AT
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,720mm
全長 4,815mm
全幅 1,795mm
全高 1,490 - 1,500mm
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  • 2001年9月27日登場。セダンのみとなる。日本仕様はV6エンジン搭載車が廃止され、直列4気筒2.4L(2AZ-FE)のみとなった。ウィンダムと共通の新プラットフォームを使用する。型式は本来はXV30型であるが、トヨタの型式命名規則では X + Z(この場合はエンジン型式の中のZ)= C となるため、ACV30、MCV30(北米向けV6仕様)となる。このフルモデルチェンジを機にブラックインナー処理のヘッドランプユニットやスポイラーなどを装備したスポーツグレード「Touring」がラインナップに加わった。
  • 2004年7月6日 一部改良(プレマイナーチェンジ)。内外装を変更。北米仕様のV6エンジンは3.3Lの3MZ-FEが追加され、5速ATが組み合わされた。
  • 海外生産はさらに広がり、このモデルから従来の生産地に加え、フィリピンマレーシアインドネシア台湾でも行われている。

8代目 XV4#型(2006年 - 2011年 )

トヨタ・カムリ(8代目)
ACV4#/ASV4#/GSV4#型
2006年登場型
2009年改良型
概要
別名 ダイハツ・アルティス(3代目)
販売期間 2006年1月30日-2011年9月4日
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォーム トヨタ・Kプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 日本仕様
2AZ-FE型 直4 DOHC 16バルブ 2.4L
北米仕様
2AR-FE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L(後期型)
2GR-FE型 V6 DOHC 24バルブ 3.5L
変速機 5速AT / 4速AT
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
前:マクファーソンストラット
後:ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,775mm
全長 4,815mm
全幅 1,820mm
全高 1,470 - 1,480mm
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  • 2006年1月30日に登場。目標月間販売台数は国内では1,000台、北米では30,000台と発表されている。エクステリアデザインは今までのカムリのイメージを覆すスタイリッシュでアグレッシブなものとなる。2005年末をもって生産終了されたウィンダムを統合する役目もあるため、今回のモデルではさらに上質感に磨きをかけた。そのひとつとして日本仕様には本皮革シートや専用鍍金グリル、HDDナビゲーションを標準装備した「G ディグニスエディション」を新たに設定。ウィンダムの代替需要にも応えられる内容とした。日本仕様はベージュ内装でエアロパーツの設定もないが、北米仕様にはSE、オセアニア仕様にはスポルティーボと呼ばれるスポーティなモデルが存在しており、3本スポークステアリングを装備し、内装色もブラックである。また、横幅がセルシオ並みに拡大され、エンジンは従来と同じ直列4気筒2.4Lだが、馬力が159馬力から167馬力となった。北米仕様にはV型6気筒3.5L仕様やハイブリッド仕様も設定されたが、日本では販売されなかった。シフトは5速AT(四輪駆動車は4速AT)。北米仕様のV6モデルには6速AT(シーケンシャルシフト付き)が採用されているほか、中近東、オセアニア仕様などには5速MTも設定されている。オセアニア仕様は日本同様、直列4気筒エンジンのみの設定である。ただし、カムリをベースに前後デザインを変更した上級車種がオーリオン(Aurion)として発表されており、こちらはV6のみの設定となる。また、アジア仕様(中国、台湾、東南アジア諸国に投入)のデザインもオーリオンにほぼ準じたものとなっており、日米版カムリとは大きく異なる。なお、車名エンブレムは「CAMRY」から「CAMRy」となり、北米向けのトヨタ車のリアエンブレムは、1989年にトヨタが現在のトヨタマークを導入した以降も、これまではトヨタマークと「TOYOTA」のローマ字が併用されてきたが、この8代目カムリ以降のピックアップトラックSUVを除くトヨタ車からは、「TOYOTA」のエンブレムが外され、日本仕様同様にトヨタマークのみとなった。直4エンジンの形式は7代目と同様の理由でACV40となるが、V6仕様はGRエンジンのため、R+X=SとなるためGSV40となる。
  • 2007年4月から、北米にあるSUBARUの保有する工場の生産ラインを使用し、北米向けカムリの生産が行われている[20]
  • 2007年7月に外装色ラインナップと内部インパネまわりの色調が変更された。
  • 2007年12月 ロシア サンクトペテルブルク郊外のShusharyに建設されたトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシアの工場でもカムリの生産が開始された。
  • 2009年1月13日にマイナーチェンジ。フロント周り(グリル・バンパー・ヘッドランプなど)を一新するとともに、フォグランプ・リアガーニッシュなどにはメッキ加飾を施したほか、ボディカラーにはベージュメタリックとダークグリーンマイカを追加。内装ではオーディオ・ヒーターコントロールパネルの色調をホワイトに変更し、シートデザインも変更。また、新デザインのサイドターンランプ付ドアミラー(トヨタ・iQと同一型番のものを流用)やVSC・TRC(四輪駆動車を除く)が標準装備化されたほか、自動防眩インナーミラー(一部グレード)やバックモニターも新たに採用され安全性も向上されたが、一部グレードでは助手席用のパワーシートが手動式になる等の装備の簡素化も行われた。
  • 2009年10月20日 韓国トヨタを介して韓国での発売を開始。ラインナップは2.4Lと同ハイブリッドの2種。

オーストラリア製カムリ・ハイブリッド

トヨタ・オーストラリアは2009年12月、同国ビクトリア州のアルトナ工場において、カムリ・ハイブリッドの生産を開始した。同モデルはオーストラリアにおいて2010年2月から販売開始される。生産は年間10,000台が予定され、うち300台はニュージーランドへ輸出される計画である[21]。フロントグリル、テールランプなどが独自意匠となっている[22]

9代目 XV5#型(2011年 - 2017年)

トヨタ・カムリ(9代目)
ASV5#/GSV5#/AVV5#型
2014年改良型 ハイブリッド"Gパッケージ" 前部
後部
室内
概要
販売期間 2011年9月5日 - 2017年7月9日(日本)
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム トヨタ・Kプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 日本・香港・マカオ仕様
2AR-FXE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L
北米仕様
2AR-FE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L
2GR-FE型 V6 DOHC 24バルブ 3.5L
2AR-FXE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L
モーター 2JM型 交流同期電動機
変速機 電気式無段変速機
前:ストラット
後:ストラット
前:ストラット
後:ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,775mm
全長 4,825mm(2011年型)
4,850mm(2014年型)
全幅 1,825mm
全高 1,470mm
車両重量 1,540-1,550㎏
その他
OEM ダイハツ・アルティス(4代目)
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  • 2011年6月30日 社長の豊田章男自らが出演するティーザー動画をネット上で公開。この中で新型カムリを2011年秋に北米市場に投入することを明言[23]
  • 2011年8月23日 北米市場向けカムリをフルモデルチェンジ。同年10月より発売開始すると発表。2.5L直4と3.5LV6、2.5Lハイブリッド(直4+モーター)の3種のエンジンを用意。ガソリンエンジン車には6速AT、ハイブリッドにはCVTが組み合わされる。生産は先代同様にTMMKもしくはSIA
  • 2011年8月25日 トヨタ・ウクライナが国際版カムリを公開。北米版とは異なる前後デザインが与えられている[24]
  • 2011年9月5日 日本国内向けカムリをフルモデルチェンジ。日本市場では元来地味な印象の強いカムリを、世界市場のベストセラーとして日本市場で引き立たせるため、日本市場では3代目プリウスZVW30型)の大ヒット以降急速に普及が進んでいるハイブリッド車のみの設定とした上で価格設定を抑えた。エクステリアはグリルや日本仕様専用のフロントバンパーのデザインを除いて国際版カムリに準ずる。
    • パワートレーンは新開発のミラーサイクルエンジン・2AR-FXE型を採用したリダクション機構付THS-IIを搭載。グレードはベースとなる「ハイブリッド」、17インチアルミホイールや本皮革ステアリング、運転席パワーシート等を追加した「ハイブリッド"Gパッケージ"」、さらにこれらにHDDナビゲーションシステムや本皮革シート&助手席パワーシート、クルーズコントロール等を追加した「ハイブリッド"レザーパッケージ"」の3種を用意。トランスミッションはTHS-IIのため電気式無段変速機のみ。
    • 本来ならばトヨタのハイブリッド専用モデルは全てのトヨタの販売店で販売される方針ではあるが、セグメントは1つ上ではあるものの車体寸法が近くハイブリッド車の設定があるクラウンや、逆に同一セグメントでハイブリッド車の設定がないマークXとの競合を避けるためにあえて投入されていないという見方もある。また、国際版にガソリン車もある関係上、トヨタのハイブリッド専用車でありながら、シフトレバーアクアと同じ通常のゲート式フロアシフトとなる。
    • Cd値を0.28としたことで空力性能を向上させるとともに、車体も先代比で約100kgの軽量化、ハイブリッド化に伴う重量増を考慮しても約40kgの増加に抑えられている[25][26]。結果、JC08モード燃費でアッパークラスのセダンで最高値となる23.4km/Lを実現し、「平成27年度燃費基準+20%」を達成。同時に「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」の認定も取得している。
    • Kプラットフォームは先代からのキャリーオーバーで、ボディサイズも先代とほとんど変わらないが(ホイールベースに至っては同寸)、内外装は居住性や空力性能を保ちつつ、高級感や存在感のあるセダンスタイルを追求したデザインとなり、ハイブリッドシステムの圧倒的な静粛性に加え、風切音を低減した高遮音性ウィンドシールドガラスを採用するなど、走行中でも会話がしやすい静粛性能を実現。なお、先代で設定のあった四輪駆動車とプリクラッシュセーフティシステムは廃止されている(後者はのちに後期型で復活)。
  • 2011年10月 - 香港およびマカオが日本国内仕様のハイブリッド車と海外仕様の2.5L車が導入開始。
  • 2011年11月8日 中国にて広汽トヨタが新型カムリ(凱美瑞)を発表。中国仕様は無印(標準仕様)、よりスポーティーなSEの2グレードがラインナップされる。パワートレーンは直4 2.0L+パドルシフト付き4ATもしくは直4 2.5L+パドルシフト付き6ATとなる。また、カムリHEVも併せて発表された。日本仕様とはフロントバンパーのデザインが異なる[27]。なお、発表に先立ち10月から2.5L車に搭載される2AR-FEおよび2AR-FXEエンジンの生産が広汽トヨタエンジンにて開始された[28]
  • 2011年12月7日 オーストラリアにて新型カムリ発表。北米版カムリをベースに現地市場に合わせてサスペンションのセッティングなどが変えられている。エンジンは直4 2.5Lのみでハイブリッド仕様も設定される[29]
  • 2012年1月より、北米生産車を韓国に輸出することを発表(同月18日、韓国で発表・発売開始された)。これは円高対策と米韓FTA発効に伴う措置で、アメリカで生産される自動車は「アメリカ製日本車」でも関税が低減(将来的に撤廃)されることを活用したものである[30]
  • 2012年2月より台湾の国瑞汽車は従来の2.0Lと2.5Lに加え、ハイブリッド車も生産開始することを発表。同月15日より生産を開始した[31]
  • 2012年3月15日 タイ王国にて新型カムリ発売開始。ゲートウェイ工場で生産が行われ、ASEAN域内にも輸出が行われる[32]。エンジンは直4 2.0L、2.5L、2.5Lハイブリッドの3種類が設定される。
  • 2012年4月4日 インドネシアにて新型カムリ発売開始。2.5Lおよび2.5Lハイブリッドのラインナップとなる。
  • 2012年4月17日 オーストラリアにてカムリの上級車種となる新型オーリオンを発表。こちらは国際版カムリをベースとし、前後の意匠はロシア・ウクライナ仕様と共通。エンジンはV6 3.5Lのみとなる[33]
  • 2012年5月10日 ダイハツ工業アルティスとしてOEM供給開始(約2年ぶりにOEM供給を再開することとなり、ダイハツ初の乗用ハイブリッドカーとなる)。
  • 2012年8月24日 インドで発売開始。エンジンは北米仕様と共通の2.5L・2AR-FEのみでエクステリアは国際版を採用。ベンガルール近郊のビダディにあるトヨタ・キルロスカ・モーター (TKM) 第2工場にて生産される[34]
  • 2012年9月3日 一部改良。「ハイブリッド」を除く全グレードでリアサイドとバックガラスにUVカット機能付ソフトプライバシーガラスを標準装備し、ミリ波レーダーで隣の車線を走行する車を検知し、ミラーの死角に入っているとLEDインジゲーターで知らせるブラインドスポットモニターをオプション設定した。また、クルーズコントロールが「ハイブリッド"Gパッケージ"」にも標準装備されたほか、ボディカラーには新色としてレッドマイカメタリックが追加され、全8色となった[35]
  • 2013年1月21日、韓国カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、総合で最高点を獲得し、大賞に選ばれた[36]
  • 2013年8月28日 インドでカムリハイブリッドが発売開始。生産はカムリ同様TKM第2工場にて行われる。カムリハイブリッドはインドで量産が行われる最初のハイブリッド車となり、インドはトヨタがハイブリッド車の生産を行う9番目の国となる[37]
  • 2013年9月2日、一部改良[38]。ボディカラーはオリーブマイカメタリックと入れ替えでダークブルーマイカを、「ハイブリッド"レザーパッケージ"」の内装色にはシェルをそれぞれ追加。さらに、安全性に配慮するため、リア左右席ELR付3点式シートベルトにプリテンショナー&フォースリミッター機能を追加した。併せて、「ハイブリッド」をベースに、「Gパッケージ」の装備(クルーズコントロール、運転席パワーシート、本皮革ステアリング、17インチアルミなど)に加え、シリーズ初となるLEDヘッドランプ(スモーク調エクステンション)&LEDフロントフォグランプを装備するとともに、自動防眩インナーミラー、アルミホイールのクロムメタリック塗装化、ファブリック&合成皮革コンビシート、インパネ・ステアリングホイール・パワーウィンドゥスイッチベースなどに木目調(ダークブラウン)加飾を、ドアトリムオーナメント&ドアアームレストに合成皮革を採用した特別仕様車「ハイブリッド"Gパッケージ・PREMIUM BLACK"」を発売。
  • 2014年4月16日、ニューヨークにおいて北米仕様の2015年モデルを発表。ルーフを除く他のパーツを全面変更。その変更規模は総数3万点の部品のうち約2,000点に及んでおり、車の骨格から全面的に見直してエクステリアを87%変更するなど、ほぼフルモデルチェンジに近い状況。さらにスポーツグレードとして「XSE」を設定した。
  • 2014年9月9日、日本・香港・マカオ仕様のハイブリッド車をマイナーチェンジ[39]。日本仕様のCMキャラクターとして松田聖子を起用。フロントデザインはヘッドランプ・フロントバンパー・ラジエーターグリルを変更し、LEDクリアランスランプを装備。リアデザインはコンビネーションランプ・バンパー・ガーニッシュを変更し、リフレクターを下端に配するなど外観の変更は比較的大規模だが北米仕様に比べ変更規模は標準的。なおこのマイナーチェンジモデルからはフロントバンパーは国際版カムリと共通のバンパーとなる。内装ではウィンカー・ハザードの電子音の音色をクラウンと同一の音色に変更。また瞬間燃費やエコドライブレベルなど様々な情報を表示する4.2インチTFTカラーのマルチインフォーメーションディスプレイを新たに装備したほか、スイッチ形状(オーディオ・ヒーターコントロールパネル)やヒーターコントロールパネルの液晶表示を変更。ステアリングホイールは新デザインの3本スポークとなり、不評だったファブリックの内装材も変更した。「ハイブリッド"レザーパッケージ"」・「ハイブリッド"Gパッケージ"」には、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステム、ブレーキ制御機能付レーダークルーズコントロール、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビームの4点のセットオプションを新たに設定したほか、「トヨタスマートセンター」と通信し、「エージェント」・「Apps(アップス)」・「オンラインケア」を提供するT-Connect SDナビゲーションシステムを「ハイブリッド"レザーパッケージ"」に標準装備、「ハイブリッド"Gパッケージ"」にメーカーオプション設定した。足回りにチューニングを施し、高速安定性や路面からの振動低減を実現したほか、ドアに防音材を追加し、カーペットの改良を行うことで静粛性を向上した。また、「ハイブリッド」にメーカーオプション設定の16インチアルミホイール(センターオーナメント付)を装着した場合、JC08モード燃費を2.0km/L向上(25.4km/L)した。
  • 2015年5月12日 - 特別仕様車「ハイブリッド"Gパッケージ・PREMIUM BLACK"」を発売[40]。「ハイブリッド」をベースに、「Gパッケージ」の装備内容に加え、LEDのヘッドランプやフロントフォグランプ、スーパークロムメタリック塗装を施した17インチアルミホイールを特別装備。内装はファブリック&合成皮革コンビネーションの専用シート表皮やソフトレザードアトリムオーナメントを採用し、インパネや本革巻き3本スポークステアリングホイールなどにダークブラウンの木目調加飾を施した。併せて、ベース車も一部改良を行い、装備内容の見直しを行った。
  • 2015年10月6日 - 一部改良[41]。リアバンパーにメッキモール加飾を施し、エアコンレジスターの加飾やシフトノブを意匠変更。さらに、ウインドシールドガラスとフロントドアガラスにIR(赤外線)カット機能を採用したほか、サンバイザーにチケットホルダーを追加した。
  • 2017年5月8日 - 台湾仕様(ガソリン、ハイブリッド共)を改良。日本仕様とは少々異なるフロントマスクを採用[42]
  • 2017年10月3日 - トヨタ・オーストラリアの完成車製造事業撤退に伴い、オーストラリアにおける製造が終了し、同時に1963年のティアラ生産開始から54年続いたトヨタにおけるオーストラリア現地生産は幕を下ろした。トヨタ・オーストラリアが生産した車種では、3代目から通算して最多となる約216万8000台が製造された[15]
  • ロシアや一部のアジア地域では2018年まで製造販売された。

10代目 XV7#型(2017年 - )

トヨタ・カムリ(10代目)
AXVA7#/ASV7#/GSV7#/AXVH7#型
X 室内
G 後部
X 室内
概要
販売期間 2017年7月10日 -
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム GA-Kプラットフォーム
パワートレイン
エンジン A25A-FXS型:
2,487cc 直列4気筒直噴DOHC
モーター 3NM型:交流同期電動機
最高出力 エンジン:
131kW (178PS)/5,700rpm
モーター:
88kW (120PS)
システム最高出力:
155kW (211PS)
最大トルク エンジン:
221N・m (22.5kgf・m)/
3,600-5,200rpm
モーター:
202N・m(20.6kgf・m)
変速機 電気式無段変速機
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
車両寸法
ホイールベース 2,825mm
全長 4,885mm(X、G)
2017年7月-
4,910mm(WS)
2018年8月-
全幅 1,840mm
全高 1,445mm
車両重量 1,540-1,630㎏
その他
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
OEM供給 ダイハツ・アルティス(5代目)
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日本仕様は2017年7月10日にフルモデルチェンジを実施。「TNGA」に基づきプラットフォームやパワートレーンなど、完全新開発とした点が大きな特徴である。取扱店は従前からのカローラ店に加え、トヨペット店とネッツ店でも併売されることとなった。

デザイン

エクステリアは、TNGAに基づきエンジンおよび乗員レイアウトを下げることで低重心のシルエットとなり、大人しい印象だった9代目モデルとは一転し、躍動感にあふれ、スポーティな印象を与えるデザインを採用した。フロントは、トヨタ車独自のフロントフェイスである「キーンルック」を進化させ、アッパーグリルはスリム化。立体的なロアグリルと対比させるデザインとした。また、LEDヘッドランプは3層に重なったLEDクリアランスランプを備えたBi-Beam LEDヘッドランプとなった。サイドは低重心感を表現するためフードとフェンダーを低く構え、ベルトラインも低い位置に設定。ルーフの後端が延長され、サイドウインドウをコンパクトな形状に変更した。リアは9代目では左側に配置していた車名ロゴをバックドアガーニッシュ上に移動している。

ボディサイズは先代モデルと比較して全長は+35mm、全幅は+15mm拡大。一方、全高は25mm低くなっている。また、ホイールベースは50mm延長され2,825mmとなっている。

インテリアは、TNGAに基づいて部品の小型化やレイアウトの見直しを行ったことでインストルメントパネルの張り出しを抑えるとともに、エンジンフード・カウル・ベルトラインを下げて視界を改善している。また、センタークラスターパネルはナビゲーション(「G"レザーパッケージ"」に標準装備)とヒーターコントロールパネルを一体化し、段差や見切りが限りなく少なく面一に近い仕様の「フラッシュサーフェス」デザインを採用した。パーキングブレーキにはカムリ史上初となる電動式を採用。

メカニズム

トヨタ車では初となる液体封入式のエンジンマウントを4点すべてに採用して最適配置。サスペンションはフロントに新開発のマクファーソンストラット式を、リアにはダブルウィッシュボーン式を採用。パワーステアリングにはラック平行式電動パワーステアリングを採用したほか、ステアリングコラムを新開発し、剛性を高め、操舵感を向上している。

パワートレインは、TNGAを導入した完全新設計の次世代エンジン「「ダイナミックフォースエンジン2.5」」と、改良を加えたハイブリッドシステム「THS II」を組み合わせて搭載。エンジンは全く新しい形式名を与えられた「A25A-FXS」型。また、モーターも新開発の「2NM」型が搭載された。世界トップクラスの熱効率41%を達成し、動力性能・燃費は大きく向上。システム最高出力は先代比で4kW(6PS)向上し155kW(211PS)を発生する。また、海外市場向けに搭載されるV型6気筒3.5Lエンジン「2GR-FKS」型は301HPの出力を発生する(北米仕様の数値)。またトランスミッションは電気式無段変速機を継続採用するが、新たに6速シーケンシャルシフトマチックを備えた。

エンジンのバリエーションは次の通り。 2.0 L 6AR-FSE I4 (China)、 2.0 L 6AR-FBS I4 (Thailand and Singapore)、 2.5 L 2AR-FE I4 (East Europe, Middle East, Australia, Malaysia, the Philippines, Indonesia, Singapore and Brunei)、 2.5 L A25A-FKS I4、 2.5 L A25A-FKB I4 (Thailand)、 3.5 L 2GR-FKS V6、 2.5 L A25A-FXS I4 (hybrid)

ハイブリッド用バッテリーをリアシート背面から床下へ移動したことでトランク容量が先代の440Lから525Lへ拡大され、国内仕様においては7代目以来となる全面トランクスルー機構が復活した。

日本国内仕様のハイブリッド用バッテリーはリチウムイオン電池のみとなる[43]

安全性

衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車に標準装備するとともに、後退時の死角に左右後方から接近する車両を検知して自動的にブレーキ制御を行う「リヤクロストラフィックオートブレーキ」をトヨタ車として初採用した。

年表

2017年1月10日
北米国際自動車ショーで新型カムリ(米国仕様)を世界初披露[44]
同時に、日本では全国のトヨタカローラ店に加え、トヨペット店およびネッツ店(東京地区は東京トヨタでも販売)を通じ、2017年夏頃の発売を予定、と発表した。
2017年7月10日
フルモデルチェンジ[45]
グレード構成は、「X」、「G」、「G“レザーパッケージ”」の3タイプを設定する。
「X」は、16インチタイヤ&スチールホイール(樹脂フルキャップ[シルバー塗装+ダークグレー塗装]付)、UVカットグリーンガラス(リアドア・バックウインドゥ)、運転席6ウェイ(前後スライド+リクライニング+シート上下)マニュアルフロントシートなどを装備し、JC08モード燃費で33.4km/Lの低燃費を実現した標準グレード。「G」は、17インチタイヤ&アルミホイール(シルバー塗装/センターオーナメント付)、マフラーカッター、LEDリアコンビネーションランプ、UVカット機能付ソフトプライバシーガラス(リアドア・バックウインドゥ)、運転席8ウェイ(前後スライド+リクライニング+シート上下+チルトアジャスター)パワーフロントシート、充電用USB端子(2個/コンソールボックス後部)などを装備した上級グレードとなる。最上級仕様の「G “レザーパッケージ”」は「G」をベースに、シート表皮をパーフォレーション付の本革に、ドアトリム・アームレスト(ドア・リアセンター)・コンソールボックス表皮をソフトレザーにそれぞれ変更するとともに、18インチタイヤ&アルミホイール(切削光輝+シルバー塗装/センターオーナメント付)、カラーヘッドアップディスプレイ、シートヒーター(運転席・助手席)、T-Connect SDナビゲーションシステムを追加している。
ボディカラーは、先代から継続設定される「シルバーメタリック〈1F7〉」、「アティチュードブラックマイカ〈218〉」、「ダークブルーマイカメタリック〈8W7〉」、新設定の「エモーショナルレッド〈3T7〉(メーカーオプション)」、「スティールブロンドメタリック〈4X1〉」、に加え、新規開発色の「プラチナホワイトパールマイカ〈089〉(メーカーオプション)」、「グラファイトメタリック〈4X7〉」の全7色を設定している。
2018年4月
衝突回避支援パッケージの名称を「Toyota Safety Sense P」から、「Toyota Safety Sense」に変更[46]。(公式発表無し)
2018年8月1日
新グレード「WS」の追加設定、および一部改良[47]
「WS」(Worldwide&Sportyの略)は、スポーティなデザインと上質感を両立させた新グレード。「WS」と「WS“レザーパッケージ”」が設定される。
エクステリアでは、フロントアッパーグリル、フロントロアグリル、フロント/リヤバンパー、サイドマッドガードを専用デザインに変更するほか、カラードアウトサイドドアハンドル、リヤスポイラー、左側2本出しのマフラーカッターを装備。また、「WS“レザーパッケージ”」には、切削光輝+ブラック塗装のアルミホイールも追加される(「WS」はメーカーオプション)。フロント/リヤバンパーのデザイン変更に伴い、既存グレードに対して全長が25mm延長された。
インテリアでは、パドルシフトと専用シートを装備。シート表皮は、「WS」が合成皮革×ファブリック、「WS“レザーパッケージ”」は本革(デザインパーフォレーション付)を採用する。また、インストルメントパネルオーナメントには専用の金属調パネル(テクスチャーメタル調)を装備。
走行性能では、より応答性の高い操舵フィーリングとフラットな走りを追求したサスペンションチューニングを実施。
ボディカラーは「WS」系専用色として、「アティチュードブラックマイカ×プラチナホワイトパールマイカ [2PS]」、「アティチュードブラックマイカ×エモーショナルレッドII [2SC]」、「アティチュードブラックマイカ×ダークブルーマイカメタリック [2RC]」の3種類の専用ツートーンカラーを設定。(いずれもメーカーオプション)
既存グレードの一部改良では、ドアミラーがオート電動格納式となったほか、インテリジェントクリアランスソナーは「G」、「G“レザーパッケージ”」では標準装備化(「WS」系も標準装備)。また、新たに「X」でもメーカーオプションで選択可能となった。また、「X」以外の全グレードにJBLプレミアムサウンドシステム(9スピーカー)がメーカーオプションとして新規設定された。また、ボディカラーの設定を変更。「エモーショナルレッド〈3T7〉」に替わり、新色「エモーショナルレッドII〈3U5〉」を追加。(いずれもメーカーオプション)

モータースポーツ

NASCAR

2017年型NASCARカップ戦仕様
2007年型NASCARカップ戦仕様

2007年からカムリをベースにしたマシンで、北米で最も人気のある自動車レース・NASCARの最高峰クラスであるモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ(カップ戦)と、その直下のエクスフィニティ・シリーズに参戦している。

2008年3月9日のスプリントカップシリーズ第4戦ジョージア州アトランタ・モーター・スピードウェイで、カイル・ブッシュのドライブで外国車メーカーとしては1954年ジャガー以来、日本車メーカーとしては史上初となる優勝を達成した。また2011年にはF1王者のキミ・ライコネンが、カムリでネイションワイド・シリーズにスポット参戦した。

2015年にはカイル・ブッシュが骨折による欠場という苦境を跳ね返し、トヨタと自身にとって初のドライバーズチャンピオンを獲得。続く2016年にはデニー・ハムリンがトヨタ初のデイトナ500制覇をもたらし、さらに同年初のマニュファクチャラーズチャンピオンも獲得(アメリカ以外の自動車メーカーとしても初)。2017年にはマーティン・トゥーレックス・ジュニアがドライバーズチャンピオンとなり、マニュファクチャラーズチャンピオンも連覇した。

2017年のデトロイトモーターショーでのXV70型カムリのワールドプレミアでは、トヨタ自動車社長の豊田章男のあいさつ中に、ブッシュとハムリンが登場するサプライズがあった[48]。また同年のSEMAショーではカイル、ハムリンに加えてトゥーレックス・ジュニアとダニエル・スアレス(ルーキー)の4人がそれぞれカスタマイズした4種類のカムリを披露した[49]

オフィシャルカーとしても活躍しており、2009年にはNASCAR史上初めてのハイブリッドカーのペースカーとしてカムリ・ハイブリッドが登場。また2012年デイトナ500ではフルモデルチェンジしたカムリがペースカーとして使用されている[50]

その他

ドラッグカーとしても使用され、2015年にTRD USAの開発したカムリのファニーカーがNHRAでタイトルを獲得している。

また、ワークス活動ではないが中東地区ではドリフト仕様のベース車として、XV30型、XV40型を中心に日本でいうところのAE86レビン/トレノ同様人気がある[51]

車名の由来

  • カムリ - 日本語「かんむり」() の異なる語形「かむり」から[52]
  • プロミネント - 英語で「卓越した」「傑出した」の意味。
  • グラシア - スペイン語で「魅力」の意味。

参考文献

脚注

注釈

出典

  1. ^ 9代目まではカローラ店の専売だった。初代モデルに限り、全国のトヨタビスタ店でも取り扱っていた。また、愛知県では登場時から1988年12月まで名古屋トヨタディーゼルでも取り扱っていた。
  2. ^ 日本では絶版車もランクイン!! トヨタ 世界で売れてる車 ベスト10
  3. ^ 日本では車両寸法の大きい車種に高級感を求めるユーザーが多いが、内外観が北米テイストのカムリは、日本人受けを狙った意匠をふんだんに取り入れたマークIIやマークXに比べ、高級感が薄いというイメージがある。
  4. ^ マークXは1,775 mm、現行クラウンは1,800 mm、現行カムリは1,840 mm。
  5. ^ 初代はカリーナ(現:アリオン)の姉妹車であった。
  6. ^ トヨタ・モーター・コーポレーション・オーストラリア(TMCA)が車両とエンジンの生産を中止したため、ハイブリッド車は2017年9月、ガソリン車は同年10月3日に生産を終了した。
  7. ^ ウィンダムに相当するモデルは海外でレクサス・ESとして販売されているが、日本のレクサス店への投入はない。
  8. ^ 前述の通り、2017年(平成29年)7月にカローラ店専売から複数チャネルでの販売に切り替わった。
  9. ^ 他のトヨタブランド販売店のDセグメントEセグメント車はトヨタ店にクラウン、トヨペット店にはマークXがあり、その棲み分けを図る意味があるとも考えられていた。
  10. ^ Toyota Eclipses 10 Million in Camry Sales”. 米国トヨタ自動車販売プレスリリース (2013年7月2日). 2013年7月2日閲覧。
  11. ^ Toyota sells its 10 millionth Camry in the US”. WorldCarFans.com (2013年7月2日). 2013年7月2日閲覧。
  12. ^ driver2011年11月号 P28
  13. ^ なお、スポーツツインカムで知られる3S-GE(LU)型DOHC16バルブエンジンがトヨタ製の乗用車で初めて搭載した。また、日本車初の横置きエンジンDOHCエンジン搭載車もこのV10型カムリである。
  14. ^ ワゴンは日本市場向けラインナップに追加されることはなかった。日本向けへのワゴン投入は6代目(グラシアワゴン)が唯一である。
  15. ^ a b c トヨタ、豪州での54年にわたる生産を終了-豪州地域への継続的な貢献のため豪州トヨタ財団を設立-publisher = トヨタ自動車”. 2018年8月16日閲覧。
  16. ^ フロントグリルなどが同時に登場したLS400(初代セルシオ)に似せた造形になっている点が国内仕様との違いであった。また、ES250のエンジンは2.5L V型6気筒DOHCの2VZ-FE型で、最高出力は116kW(158ps)/5800rpm・最大トルクは206Nm(21kg・m)/4600rpmを発揮。
  17. ^ 1996年12月のカムリグラシアが久々のセダンのV6エンジン搭載車になる。
  18. ^ なお、V50型ビスタと同時期にカローラ店向けのC~Dセグメント車の代替としてトールワゴンのナディアが投入され、更に2000年8月に登場した9代目(E120型)カローラセダンの最上位グレード「1.8 LUXEL」もV40型以前のカムリを代替する位置付けとなった。
  19. ^ 日本国内向けのカムリとしては歴代唯一のステーションワゴンであった。
  20. ^ スバル北米工場で「トヨタ・カムリ」生産、トヨタのハイブリッド技術をスバルに提供
  21. ^ トヨタ自動車、豪州でカムリハイブリッド ラインオフ式を実施 (トヨタ自動車によるプレスリリース) 2009年12月11日
  22. ^ http://response.jp/article/2009/02/23/120819.html
  23. ^ トヨタ カムリ 次期型、豐田章男社長が太鼓判 - CarView、2011年7月3日
  24. ^ Toyota Ukraine reveals new Camry for other parts of the world”. Autoblog (2011年8月25日). 2011年11月5日閲覧。
  25. ^ 【トヨタ カムリ 新型発表】約100kgの軽量化レスポンス 2011年9月7日
  26. ^ 100kgについては先代の海外仕様に設定されていた「カムリハイブリッド」との比較で、40kgについては先代「2.4G」との比較。
  27. ^ Official: new Toyota Camry in China, including hybrid”. CarNewsChina.com (2011年11月9日). 2011年11月9日閲覧。
  28. ^ トヨタ、中国の広汽トヨタエンジン工場で新型エンジンの生産開始”. トヨタ自動車 (2011年11月9日). 2011年11月9日閲覧。
  29. ^ Toyota Debuts New 2012 Camry Sedan in Australia [52 Photos]”. Carscoop (2011年12月7日). 2012年4月18日閲覧。
  30. ^ トヨタ、米国製カムリを韓国に輸出「FTAで米国から大挙」=韓国”. サーチナ (2011年12月6日). 2011年12月6日閲覧。
  31. ^ トヨタ自動車、台湾でカムリハイブリッドの生産および販売を開始 TOYOTA ホーム>ニュース>2012 2012年2月16日(2012年3月8日閲覧)
  32. ^ トヨタ、タイで新型「カムリ」発売”. newsclip.be (2012年3月18日). 2012年4月18日閲覧。
  33. ^ 2012 Toyota Aurion prices and specifications”. CarAdvice.com.au (2012年4月17日). 2012年4月18日閲覧。
  34. ^ Toyota Kirloskar Motor Launches the All New Camry”. トヨタ・キルロスカ・モーター (2012年8月24日). 2013年8月28日閲覧。
  35. ^ TOYOTA、カムリを一部改良TOYOTA ホーム>ニュース>2012 2012年9月3日(2012年9月3日閲覧)
  36. ^ “韓国カー・オブ・ザ・イヤーにトヨタ「カムリ」、輸入車で初”. 中央日報. (2013年1月22日). http://japanese.joins.com/article/101/167101.html 2013年1月22日閲覧。 
  37. ^ Toyota Kirloskar Motor launches India’s First Locally Manufactured Hybrid Car - All New Camry Hybrid”. トヨタ・キルロスカ・モーター (2013年8月28日). 2013年8月28日閲覧。
  38. ^ TOYOTA、カムリを一部改良 - トヨタ自動車 ニュースリリース 2013年9月2日
  39. ^ TOYOTA、カムリをマイナーチェンジ - トヨタ自動車 ニュースリリース 2014年9月9日
  40. ^ TOYOTA、カムリの特別仕様車を発売 - トヨタ自動車 ニュースリリース 2015年5月12日
  41. ^ TOYOTA、カムリを一部改良 - トヨタ自動車 ニュースリリース 2015年10月6日
  42. ^ All New CAMRY 2.0L 汽油版全新上市TOYOTA TAIWAN 2017年5月8日
  43. ^ 北米仕様はLEグレードのみリチウムイオン電池、SE及びXLEはニッケル水素電池となる。
  44. ^ "北米国際自動車ショーで新型カムリを世界初披露" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 10 January 2017.
  45. ^ "TOYOTA、カムリをフルモデルチェンジ" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 10 July 2017.
  46. ^ 「トヨタカムリ カタログ」、2018年4月発行。HAZ14001-1804
  47. ^ "TOYOTA、カムリに新グレード「WS」を設定" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 1 August 2018.
  48. ^ 【デトロイトモーターショー2017】トヨタ豊田社長あいさつ全文…トランプ次期大統領の批判に対して
  49. ^ ホーム 自動車 ニューモデル モーターショー 記事【SEMA 2017】トヨタ カムリ 新型、NASCARドライバーがカスタマイズ…ワイドボディ化
  50. ^ トヨタ カムリ 新型、デイトナ500ペースカーに指名 - CarlifeNavi、2011年8月26日
  51. ^ なお、この中東でのドリフトでカムリ以外にしばしば目にする車両は同じく大型前輪駆動セダンのホンダ・アコード/インスパイアヒュンダイ・ソナタ(EF型後期/NF型)が代表的である。
  52. ^ トヨタには他にもクラウン(王冠)やカローラ(花冠)といったネーミングの車種が既に発売されており、これらの流れを汲んだ命名であるとされる。

関連項目

外部リンク