トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー

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TNGAを採用したプリウスの内部構造モデル(2016年サンパウロ国際モーターショー出展)

トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(Toyota New Global Architecture、以下 TNGA)とは、トヨタ自動車が開発した、プラットフォームを基幹とした、商品力の飛躍的向上と原価低減を同時に達成するための車両作りの方針(エンジニアリングアーキテクチャ)[1]である。

概要[編集]

10代目カムリは、エンジンや足回りなども含めて全面的に刷新された初の「フルTNGA」モデル(2017年ワシントンD.C.オートショー出展)[2]

「乗り降りや運転のしやすさ」を最優先課題とした上で、「車の低重心化」「各部品の低配置化」「乗車時のベストな姿勢の確保」「流麗なデザイン」など46項目にわたって徹底的に追求し、従来、セグメントごとに設計・開発・製造していたプラットフォームを、複数のプラットフォームに共通したモジュールとして増加させることで、コンポーネントを共有化し、プラットフォームごとの台数を増やすことができるシステムとして開発された。

TNGAが創設された背景には、現在まで膨大な数になったプラットフォームにあった。床の高さやホイールベース・サスペンション形式・駆動方式・ハイブリッドの有無といった違いによって、プラットホームの総数は膨大な数に上る。また、エンジンを見ても10以上の基本形式があり、排気量や各国の規制対応・駆動方式などにより、品番数は3ケタに達し、結果開発費も膨大になった。そこで、「売るため」ではなく「お客様のために、お客様目線に立ったクルマを創る」ことの原点に立ち返るべく、開発体制と車づくりの方向性の大改革をオールトヨタ一丸となって取り組むことになった。

基本的な設計思想としては、フォルクスワーゲンの「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)[3]」やボルボの「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)」、ルノー日産アライアンスの「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」、マツダの「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ・テクノロジー)」とほぼ同じであるが、他グループのようにプラットフォーム単位ではなく、総合的に判断して分ける点が少々異なる。

TNGAはプラットフォームでは2015年12月発表のプリウスを皮切りに、順次、トヨタの各車種に採用されることになり、レクサスダイハツの車種にも採用された。 なおパワートレーンなど全てにTNGAを導入したのは2017年7月販売のカムリが最初となる。

詳細[編集]

まず、「もっといいクルマづくり」のスローガンを掲げて生産する車種を、趣味・感性に特化したスポーツ系の「Aゾーン」・量販車や個人・一般向けの「Bゾーン」・社会貢献に資する車や商用車の「Cゾーン」、新しいコンセプトや技術を提案する「Dゾーン」の4つのジャンルに分ける。これらのジャンルごとに中長期の商品ラインアップを確定し、それらに搭載するユニットやその配置、ドライビングポジションなどを、車種共通のアーキテクチャーとして定める。

そして、定められた上位概念であるアーキテクチャーに基づき、それぞれのジャンルに適したプラットフォームやパワーユニットを開発・形成する。その際、車両構成をプラットフォームに代表される「基本部分」と内外装や原料手配等に代表される「地域対応」とに分け、それぞれの地域の顧客が求めるデザイン、走行性能、乗り心地、装備の嗜好に沿った最適なものを出すようにする。この際、デザイン・設計の源流段階から約10年先までの複数車種を同時進行で開発していく「グルーピング開発」により部品・ユニットの共用化を進める。

共用化を進め、仕入先・調達・生産技術・技術の各部門が四位一体で活動し生産・組み立て・製造工程が効率化されることで、部品やクルマ本体の高い品質が確保される。

部品本体においても、トヨタ専用規格に準じた部品開発を改め、「トヨタが定める品質を満たせば、他の自動車メーカーがグローバルに採用している標準部品でも納入可能」とした。さらにはグルーピング開発による部品・ユニットの共用化に対応し、複数の車種をまとめて、グローバルに、車種・地域・時間をまたいだ「大量まとめ発注」を実施し、徹底した原価低減を行う。

大きく分けると「基本性能の向上」「グルーピング開発による部品・ユニットの賢い共用化」「仕入れ先と協力して原価低減」「商品力向上」の4項目を高次元で反映させたものがTNGAである。

これにより、コンパクトカークラスから大型セダンまでトヨタグループのスケールメリットを活かし、「開発費削減」「部品点数削減」「製造コスト削減」「工期短縮」を効率よく行うことで、すべてのアイテムの経費を軽減させることが可能となる。

TNGA採用車種[編集]

GA-Lプラットフォーム
GA-Kプラットフォーム
TNGA-Cプラットフォーム

脚注[編集]

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  1. ^ プラットフォーム本体やアーキテクチャーの名称ではない。
  2. ^ 山本シンヤ (2017年1月12日). “トヨタの挑戦!新型カムリが初のフルTNGAモデルだ!保守的クルマから脱却へ”. オートックワン. 2017年1月30日閲覧。
  3. ^ 本来、MQBとはドイツ語でモジュールキットを意味するModulare Quer Baukastenの頭文字をとったもの。
  4. ^ 公式サイトやカタログにおいては、「TNGA」ではなく「低重心パッケージ」と表記される。

外部リンク[編集]