トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー

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TNGAを採用したプリウスの内部構造モデル(2016年サンパウロ国際モーターショー出展)

トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー: Toyota New Global Architecture、以下 TNGA)、およびダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー: Daihatsu New Global Architecture、以下 DNGA)とはトヨタ自動車、およびダイハツ工業が開発した、新プラットフォームを基幹とし商品力の飛躍的向上と原価低減を同時に達成するための車両作りのシステムの総称である。

誕生までの歩みと背景[編集]

10代目カムリは、エンジンや足回りなども含めて全面的に刷新された初の「フルTNGA」モデル(2017年ワシントンD.C.オートショー出展)[1]

2012年4月に「もっといいクルマづくり」の具現化に向けた取り組みの一環として、TNGAの構想が初めて発表された。この時

  • 基本性能を突き詰めた新プラットフォームを世界各地で共用化する。
  • 低重心+踏ん張り感あるスタイリングで、エモーショナルなデザインとハンドリングを両立。
  • 複数車種の同時企画・開発を行い、車種間のコンポーネントの共用化率を高めて原価低減をする。

などが掲げられた[2]。このようにTNGAはプラットフォーム本体だけではなく、ユーザーの声をもとにした企画・開発・調達・生産準備・生産というすべての工程を含めたクルマ作りのシステム・方針などのことを指す。

TNGAが創設された背景には、現在まで膨大な数になったプラットフォームにあった。床の高さやホイールベース・サスペンション形式・駆動方式・ハイブリッドの有無といった違いによって、プラットホームの総数は膨大な数に上る。またエンジンを見ても10以上の基本形式があり、排気量や各国の規制対応・駆動方式などにより品番数は3ケタに達し、結果開発費も膨大になった[3]。そこでTNGAは複数のプラットフォームに共通したモジュールとして増加させることでコンポーネントを共有化し、プラットフォームごとの台数を増やすことができるように開発されている。

また開発の思想・方向性にもメスが入れられ、販売数を上げることではなく原点に立ち返り利用者のために利用者目線に立つ自動車を作るべく、開発体制と車づくりの方向性の大改革が全社が一丸となって取り組まれた。

TNGAプラットフォームは2015年12月発表のプリウスを皮切りに、順次、トヨタの各車種に採用されることになり、レクサス(L-TNGA)やダイハツ(DNGA)にも採用され始めた。なおパワートレーンなど全てにTNGAを導入したのは2017年7月販売のカムリが最初となる。

詳細[編集]

TNGAは下記4項目をサイクルさせることで「もっといいクルマづくり」を達成する[4]

  1. 基本性能の向上
  2. グルーピング開発による部品・ユニットの賢い共用化
  3. 仕入れ先と協力して原価低減
  4. 商品力向上

まず車種を趣味・感性に特化したスポーツ系の「Aゾーン」・量販車や個人・一般向けの「Bゾーン」・社会貢献に資する車や商用車の「Cゾーン」、新しいコンセプトや技術を提案する「Dゾーン」の4つのジャンルに分け、各ジャンルごとに中長期の商品ラインアップを確定し、それらに搭載するユニットやその配置、ドライビングポジションなどを車種共通のアーキテクチャーとして定める。そして定められた上位概念であるアーキテクチャーに基づき、それぞれのジャンルに適したプラットフォームやパワーユニットを開発・形成する。その際、車両構成をプラットフォームに代表される「基本部分」と内外装や原料手配等に代表される「地域対応」とに分け、それぞれの地域の顧客が求めるデザイン、走行性能、乗り心地、装備の嗜好に沿った最適なものを開発できるようにしている。

プラットフォームは「乗り降りや運転のしやすさ」を最優先課題とした上で、「車の低重心化」「各部品の低配置化」「乗車時のベストな姿勢の確保」「流麗なデザイン」など46項目に渡って徹底的に追求[5]し、1.走りの質感、2.快適性、3.使い勝手、4.所有感、5.安心・安全の5つの領域で高い満足が得られることを目標に開発した[6]

車両の開発においては、デザイン・設計の源流段階から約10年先までの複数車種を同時進行で開発していく「グルーピング開発」により部品・ユニットの共用化を進める。また複数の車種をまとめてグローバルに、車種・地域・時間をまたいだ「大量まとめ発注」を実施し、徹底した原価低減を行う。

仕入先・調達・生産技術・技術の各部門も四位一体で活動し、生産・組み立て・製造工程が効率化されることで部品やクルマ本体の高い品質を確保する[7]。部品本体においてもトヨタ専用規格に準じた部品開発を改め、「トヨタが定める品質を満たせば、他の自動車メーカーがグローバルに採用している標準部品でも納入可能」とした。これらにより軽自動車を含むコンパクトカークラスから大型セダンまでトヨタグループのスケールメリットを活かし、「開発費削減」「部品点数削減」「製造コスト削減」「工期短縮」を効率よく行うことで、すべての工程の経費削減を可能としている。

基本的な設計思想としては、フォルクスワーゲンの「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」やルノー日産アライアンスの「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」、マツダの「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ・テクノロジー)」などに近いが、他企業のようにプラットフォーム単位ではなく総合的に判断して分ける点が異なる。

TNGA採用車種[編集]

GA-Nプラットフォーム[編集]

GA-Kプラットフォーム[編集]

GA-Lプラットフォーム[編集]

GA-Cプラットフォーム[編集]

GA-Bプラットフォーム[編集]

  • (現時点において採用車種なし)

DNGA / GA-Aプラットフォーム[編集]

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]