トヨタ・アバンザ
アバンザ(Avanza)は、トヨタ自動車とダイハツ工業が共同開発した7人乗り小型ミニバン(MPV)である。インドネシアで生産が行われ、主に新興国市場で販売が行われている。ダイハツからも「セニア」として販売されている。
概要[編集]
IMVの小型車版であるU-IMVプロジェクトとしてトヨタとダイハツで共同開発が行われた[1]。背景にはインドネシアで主力車種であったキジャンが90年代のアジア経済危機後に価格上昇したことがあった[2]。アバンザとセニアの外観上の相違点はエンブレム程度である。生産はジャカルタ近郊にあるアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)のスンター工場にて行われる。セニアはインドネシア専用車となるが、アバンザは東南アジア、中近東、アフリカ、中南米諸国にも輸出される。なお、マレーシア市場向けのアバンザについてはプロドゥアがCKD(完全ノックダウン生産)を行っている。
初代(2004年-2011年)[編集]
トヨタ・アバンザ(初代) ダイハツ・セニア(初代) F600型 | |
---|---|
トヨタ・アバンザ ダイハツ・セニア | |
販売期間 | 2004年 - 2011年 |
乗車定員 | 7人 |
ボディタイプ | 5ドア MPV |
エンジン |
アバンザ K3-VE型 1.3L 直4 DOHC 3SZ-VE型 1.5L 直4 DOHC セニア EJ-DE型 1.0L 直3 DOHC K3-DE型 1.3L 直4 DOHC EJ-VE型 1.0L 直3 DOHC K3-VE型 1.3L 直4 DOHC |
駆動方式 | FR |
変速機 | 5MT/4AT |
全長 | 4,070mm |
全幅 | 1,630mm |
全高 | 1,685mm |
ホイールベース | 2,655mm |
-自動車のスペック表- |
2003年12月発表[3]、翌2004年1月販売開始。プラットフォームは新開発で、ダイハツ・ビーゴ/トヨタ・ラッシュはこれをベースに開発が進められた[4]。2006年7月にはフェイスリフトが行われている。
エンジンは当初アバンザがK3-VE型直列4気筒 DOHC 1.3Lを搭載していたが、フェイスリフト後に3SZ-VE型直列4気筒 DOHC 1.5Lが追加された。一方、セニアは当初可変バルブ機構なしのEJ-DE型直列3気筒 DOHC 1.0LとK3-DE型直列4気筒 DOHC 1.3Lを搭載していたが、フェイスリフト後にEJ-VE型とK3-VE型に置き換えられた。なお、可変バルブ機構についてはアバンザ/セニアともDVVTではなくVVT-iの呼称を使用している。また、組み合わせられるトランスミッションは5速MTもしくは4速ATとなる。
中国仕様[編集]
ダイハツはセニアを2006年11月の北京モーターショーにてプロトタイプ「D-01」として出展し、翌2007年6月から第一汽車グループの一汽吉林汽車との合弁で、ダイハツ(大発)ブランドでセニア(中国名「森雅」)の製造・販売を開始した。しかしながらブランドの知名度不足から販売は低迷し、2009年には価格が引き下げられて一汽ブランドへと変更された。
2代目(2011年-)[編集]
トヨタ・アバンザ(2代目) ダイハツ・セニア(2代目) F650型 | |
---|---|
2011年10月登場型 2015年8月改良型 2019年1月改良型 | |
製造国 |
![]() |
販売期間 | 2011年 - |
乗車定員 | 7人 |
ボディタイプ | 5ドア MPV |
エンジン |
アバンザ K3-VE型 1.3L 直4 DOHC (前期型のみ) 3SZ-VE型 1.5L 直4 DOHC (前期型のみ) 2NR-VE型 1.5L 直4 DOHC (後期型のみ) セニア EJ-VE型 1.0L 直3 DOHC K3-VE型 1.3L 直4 DOHC (前期型のみ) 1NR-VE型 1.3L 直4 DOHC (後期型のみ) |
駆動方式 | FR |
変速機 | 5MT/4AT |
全長 | 4,140mm |
全幅 | 1,660mm |
全高 | 1,695mm |
ホイールベース | 2,655mm |
-自動車のスペック表- |
インドネシアにて2011年11月7日発表[2]、9日から発売開始。プラットフォームは先代のものを流用しており、エンジンも先代と同様、アバンザがK3-VE型直列4気筒 DOHC 1.3Lと3SZ-VE型直列4気筒 DOHC 1.5L、セニアが当初可変バルブ機構なしのEJ-VE型直列3気筒 DOHC 1.0LとK3-VE型直列4気筒 DOHC 1.3Lとなる。いずれもトランスミッションは5速MTまたは4速ATとなる。
2015年8月にマイナーチェンジを行い、エンジンはアバンザが2NR-VE型直列4気筒 DOHC 1.5L、セニアが1NR-VE型直列4気筒 DOHC 1.3Lにそれぞれ換装されている(セニアの1.0Lは引き続きEJ-VE型を搭載)。またアバンザにはスポーティーグレードとなる「ヴェロス」を追加している。
脚注[編集]
- ^ “ダイハツ・トヨタ、インドネシアで小型車(U-IMV)の生産開始を決定”. トヨタ自動車ニュースリリース (2003年10月23日). 2011年11月16日閲覧。
- ^ a b “8年ぶり、フルモデルチェンジ:トヨタとダイハツの「国民車」[車両]”. NNA.ASIA (2011年11月8日). 2011年11月16日閲覧。
- ^ “ダイハツ、トヨタ インドネシアで共同開発車を発表”. トヨタ自動車ニュースリリース (2003年12月11日). 2011年11月16日閲覧。
- ^ 【ダイハツ ビーゴ/トヨタ ラッシュ 発表】今度は小型車専用ボディ
外部リンク[編集]
|