トールワゴン
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トールワゴン(Tall Wagon)とは、日本の自動車雑誌などで、3列シートを持たない「1.5ボックス」タイプのミニバン(2列シートミニバン)を指す日本独自の和製英語である。トールボーイ、ハイトワゴン、背高ワゴン、プチバン(小型のもの)とも。
概要[編集]
車高が一般的な機械式駐車場に入らない1,550 mmを超え、3列シートを持たないハッチバックがトールワゴンに分類される。ハッチバックと同程度の床面積で室内容積を稼ぐことができ、加えて、起こし気味の着座姿勢で。
「ハイトワゴン」と呼ぶ専門誌も多く、「2列シートミニバン」と呼ばれることもある。また、車格ではハッチバック同様、コンパクトカーに属するものがほとんどである。
ヨーロッパなどではミニバンの呼称である「MPV」に含み、呼び分けはおこなわれない。
日本においては1981年(昭和56年)に3,380 mmの全長に対し全高1,470 mmという、当時としては常識外れな背高スタイル「トールボーイ」のホンダ・シティがデビュー。「高さ」の拡大は車内空間の拡大を追及した結果として得られた新しい視点であり、荷室容量の拡大にもつながった。1982年(昭和57年)に追加されたハイルーフ仕様の「マンハッタンルーフ」は全高がさらに高められ、1,570 mmにも達した[1][2][3]。
1980年代から全高1,500 mmで「セミトールワゴン」とも言えるトヨタ・スプリンターカリブや、ミニバンの日産・プレーリーの二列シートモデルなどがあったが、1991年に登場した三菱・RVRが先駆けといえる[何の?]。
軽自動車枠では1990年(平成2年)にデビューした三菱・ミニカトッポが元祖とされる[4][5](ホンダ・ライフステップバンなど諸説あり)。
1993年(平成5年)、軽トールワゴンのスズキ・ワゴンRが優れたパッケージングで爆発的なヒット商品となり、追従したダイハツ・ムーヴと共に軽自動車市場をけん引する存在となった。その人気はコンパクトカークラスにも波及した。その後日産・キューブやトヨタ・ファンカーゴ、トヨタ・bB、ホンダ・キャパ、三菱・ミラージュディンゴなどがベストセラーとなり一定の市場を獲得。
スライドドアを搭載するコンパクトなトールワゴンはプチバンとも呼ばれ、1997年(平成9年)のトヨタ・ラウムが先駆けとされる。車内の広さや乗り降りのしやすさ、取り回しのよさ、維持費の安さといった理由から、若年の子育てファミリー世帯を中心に人気を博している[6]。
トールワゴン車種一覧(現行車種)[編集]
- 2019年(令和元年)7月現在。
- 現行車種以外については、Category:トールワゴンを参照。
日本車[編集]
- JPN TAXI(法人需要メインであるが、個人での購入も可能。)
- ポルテ
- スペイド
- シエンタ(5人乗り仕様の「FUNBASE」シリーズ、および車いす仕様車のみ)
- ルーミー(トールのOEM)
- タンク(トールのOEM)
- ジャスティ(トールのOEM)
日本車以外[編集]
メーカー | 車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | 室内長 | 室内幅 | 室内高 | 備考・出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ルノー | カングー | 4280 | 1830 | 1810 | 日本仕様[7] | |||
スズキ スズキ 三菱 |
ソリオ ソリオバンディット デリカD:2 |
3710 | 1625 | 1745 | 2515 | 1420 | 1360 | [8][9] |
ダイハツ ダイハツ トヨタ トヨタ トヨタ トヨタ スバル スバル |
トール トールカスタム ルーミー ルーミーカスタム タンク タンクカスタム ジャスティ ジャスティカスタム |
3700 3725 3700 3725 3700 3715 3700 3715 |
1670 | 1735 | 2180 | 1480 | 1355 | [10][11][12][13] |
ホンダ | フリード+ | 4295 | 1695 | 1710 | 2310 | 1455 | 1285 | ガソリンFF仕様[14] |
トヨタ | ポルテ スペイド |
3995 | 1695 | 1690 | 2160 | 1420 | 1380 | FF仕様[15][16] |
日産 | キューブ | 3890 | 1695 | 1650 | 1950 | 1395 | 1275 | グラスルーフ非装着車[17] |
トヨタ | ヴィッツ | 3945 | 1695 | 1500 | 1920 | 1390 | 1250 | (参考掲載)ガソリンFF仕様[18] |
脚注[編集]
- ^ “プレスインフォメーション (FACT BOOK) CITY 1982.9”. 本田技研工業 (1982年9月20日). 2017年4月19日閲覧。
- ^ ガズ―編集部 (2016年9月13日). “よくわかる 自動車歴史館 第40話 日米自動車紛争(1981年)”. トヨタ自動車. 2017年4月19日閲覧。
- ^ 阿部哲也+Bucket (2016年9月13日). “KURUTOPi 【豆知識】フィットのご先祖様!?背高スタイルを確立させたホンダ・シティ”. オークネット. 2017年4月19日閲覧。
- ^ “元祖トールボーイ軽、三菱「トッポ」復活”. WebCG (2008年9月17日). 2017年4月19日閲覧。
- ^ “三菱トッポ、軽の元祖背高ワゴンが5年ぶり復活のワケ”. 日経トレンディ(日経BP) (2008年9月18日). 2017年4月19日閲覧。
- ^ “安近短志向で「プチバン」需要高まる…スライドドア採用のコンパクトカー”. Response. (2012年5月24日). 2017年4月19日閲覧。
- ^ “カングー グレード/価格/スペック”. ルノー・ジャポン. 2017年4月18日閲覧。
- ^ “ソリオ 主要装備・主要諸元”. スズキ (2017年4月). 2017年4月18日閲覧。
- ^ “ソリオ バンディット 主要装備・主要諸元”. スズキ (2017年4月). 2017年4月18日閲覧。
- ^ “トール主要諸元表”. ダイハツ工業. 2017年4月18日閲覧。
- ^ “ルーミー主要諸元表”. トヨタ自動車. 2017年4月18日閲覧。
- ^ “タンク主要諸元表”. トヨタ自動車. 2017年4月18日閲覧。
- ^ “ジャスティ 諸元表”. SUBARU. 2017年4月18日閲覧。
- ^ “フリード 主要諸元表”. 本田技研工業 (2017年7月). 2017年4月18日閲覧。
- ^ “ポルテ 主要諸元表”. トヨタ自動車 (2016年6月). 2017年4月18日閲覧。
- ^ “スペイド 主要諸元表”. トヨタ自動車 (2016年6月). 2017年4月18日閲覧。
- ^ “キューブ:諸元表”. 日産自動車 (2016年7月). 2017年4月18日閲覧。
- ^ “ヴィッツ 主要諸元表”. トヨタ自動車. 2017年4月18日閲覧。
関連項目[編集]
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