トヨタ・ジャパンタクシー

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トヨタ・ジャパンタクシー
NTP10型
フロント
TOYOTA JPN TAXI TMS2017 001.jpg
リヤ
TOYOTA JPN TAXI TMS2017 002.jpg
コクピット
TOYOTA JPN TAXI TMS2017 003.jpg
販売期間 2017年10月23日 -
乗車定員 5名
(車いす乗車時:3名)
ボディタイプ 5ドア トールワゴン
(タクシー向け)
エンジン 1NZ-FXP型:
1,496cc 直列4気筒 DOHC
駆動方式 2WD(FF
モーター 2LM型:交流同期電動機
最高出力 エンジン:
54kW (74PS)/4,800rpm
モーター:
45kW (61PS)
システム最高出力:73kW (100PS)
最大トルク エンジン:
111N・m (11.3kgf・m)/
2,800-4,400rpm
モーター:
169N・m(17.2kgf・m)
変速機 電気式無段変速機
サスペンション 前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
後:トレーリングリンク車軸式コイルスプリング(3リンク)
全長 4,400mm
全幅 1,695mm
全高 1,750mm
1,765mm(車高アップパッケージ装着時)
ホイールベース 2,750mm
車両重量 1,390 - 1,410kg
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:リーディングトレーリング(ドラム)
プラットフォーム トヨタ・Bプラットフォーム
-自動車のスペック表-

ジャパンタクシー(JPN TAXI)は、トヨタ自動車が販売するタクシートールワゴン商用車である。生産はトヨタ自動車東日本東富士工場が担当。

概要[編集]

2013年に行われた第43回東京モーターショーの参考出品車である「JPN TAXI Concept」をベースに市販化したもので[1]、1995年から主にタクシー向けセダンとして販売されていたクラウンコンフォート/コンフォート及びクラウンセダン(いずれも2017年に販売終了、以下「コンフォート系」)の後継車として、新たに発売されたものである。

トヨタ車で初めて、国土交通省が定める「ユニバーサルデザインタクシー」の設定要件を満たした車種に認定されている[2]

メカニズム[編集]

搭載される1NZ-FXP型エンジン+2LM型モーター

同社の小型ミニバン・シエンタのチーフエンジニアでもある粥川宏が当車チーフエンジニアを担当[3]。そのXP17#G型シエンタのシャシーをベースに開発したため、ミニバンに近い低床・高天井スタイルを採用。助手席側のリアドアは開口幅720mm、開口高1,300mmの開口幅を持つ電動スライド式で、車椅子に乗ったままの乗降が可能となっている。一方、運転席側のリアドアは開閉状態を前後方から容易に識別でき、かつ、人(特に子供)の前方への飛び出しを防ぐヒンジドアとしている。

室内側の電動スライドドア操作スイッチは運転席ドアのパワーウインドウ側に設置されるが、安全上、スイッチを操作し続けることで開閉を可能としている。スライドドアについては、アウターは他車同様にノブを一度引くだけの電動開閉を可能としている(手動での操作も可能)が、インナー側は安全上、手動での操作のみとなり、電動による操作は出来ない。また、運転席側後席ドアのみ安全上、窓の昇降は出来ないようになっている。

シートはグレードを問わず、全車に合成皮革を採用する。これは、傷や汚れに強く、清掃も容易に行えるようにとの配慮からである。助手席側はグローブボックスを廃することで乗車スペースの拡大とシートアレンジ(特に車椅子による乗降時)の多様性に貢献している。

ミラーは視認性最優先のため、全車フェンダーミラーとし、ドアミラーはメーカーオプションでも設定が無い。

タクシーメーター領収書無線機器、釣銭箱、小物等をスマートに収納出来るよう、いたる所にポケットやスペースを設置し、場所によっては防犯に配慮した形状としている。エアコンパネルはメーターやナビゲーションシステム等、各機器類が設置しやすいように運転席右側パネル内にコンパクトに配備されている。

フロントは横基調の格子をモチーフとしたラジエーターグリルを採用。リアはバックドアをノッチ形状としている。また、バンパーはフロント・リア共にサイド部分だけの交換が可能なように3分割に、ランプ類はアウターレンズのみ交換可能な構造とし、メンテナンス性にも配慮されている。

パワートレインは、トヨタのハイブリッドカーに採用されているハイブリッドシステム「リダクション機構付THS II」をベースに、タクシーで用いられているLPG燃料に対応した「LPGハイブリッドシステム」が採用された。エンジンは1.5Lの「1NZ-FXP」型を搭載。ブロックこそ「1NZ-FXE」型と共通であるものの、ヘッドとバルブは専用品に差し替えられ、バルブスプリングも強化され、それに補機ベルトのメンテナンスが不要の電動ウォーターポンプが組み合わせられた。バッテリーはニッケル水素が用いられており、低床・フラットフロアを実現するため、薄型化してフロアカーペット下に配置。燃料クーラーはクラウンセダンの1/3サイズに小型化された。これらによりJC08モード燃費は19.4km/Lとなっており、タクシー用車両では初となる「平成32年度燃費基準+30%」を達成。サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式コイルスプリング、リアにトレーリングリンク車軸式コイルスプリング(3リンク式)がそれぞれ採用されており、耐久性を高めるためにタクシー用に専用設計された。

安全性能においては、衝突回避支援パッケージの「Toyota Safety Sense C」を全車に標準装備しており、インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ)をオプション設定している。

なお、セレクトレバーがポジションごとのロックを解除するボタンを持たずに直線的に前後に操作するタイプである。また、プッシュボタンによる始動・停止方式は採用されず、イグニッションキーは従来の差し込み回転式ものを利用しており、スマートエントリーならびにプッシュスタートボタンは非設定である。

ホイールハブはベースのシエンタと同じく5穴だが、PCDは100からコンフォート系と同じ114.3に変更されている。リム幅とインセットも共通しており、これにより従来のコンフォート系のホイールの流用が可能となっている(ただし、ジャパンタクシー用ホイールキャップは装着不可、また逆も同じくコンフォート系にジャパンタクシーのホイール自体は装着可能だがコンフォート系のホイールキャップは装着不可)。タイヤサイズも純正の標準サイズは185/65R15であり、20系プリウスのと同じであるため、20系プリウス用タクシーラジアルをそのまま装着できる(余談だが、30系・50系のプリウスはコンフォート系と同様の195/65R15が標準サイズであるためタクシー用車種とプリウスの間で標準サイズの入れ替わりが生じている)。

初期に設定される「深藍限定車(こいあいげんていしゃ)」は「匠」「和」の両グレードに設定され、後席側両ドアには(運転席側に東京オリンピック、助手席側に東京パラリンピック)公式デカールとトヨタのロゴ(ラッピング)が貼付され、専用カタログには両イベント終了後、事業者各位で直ちに剥がすことと両ドア部分には社章や無線番号等の貼付を一切してはいけない旨が記されている(そのため、番号を車体に表記する事業者においてはラッピングのある車両では無線番号を前席側ドアや左後席側ドアの全開時より後に表記している)。尚、同車は車両型式の末尾に「N」が追加される。

ボディカラーは深い藍色をベースとした新規開発色「深藍(こいあい)〈8Y4〉」、黒色の「ブラック〈202〉」、白色の「スーパーホワイトII〈040〉」の3色が設定され[4][5]、顧客の要求に応じた塗装には対応しなくなった。ただし、従来通りのデザインに全塗装して使用している事業者もある[6]

年表[編集]

初代(NTP10型、2017年 - )[編集]

2013年11月5日
「第43回東京モーターショー2013」にて、参考出品車として「JPN TAXI Concept」を出展することを発表[7]
2015年10月26日
次世代タクシーの概要を公表[8]
発売時期を2017年度内とすることや、全国のトヨタ店、トヨペット店を通じて販売することを発表。また、「第44回東京モーターショー2015」では、同車を映像で紹介することも合わせて発表された。
2017年10月23日
「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」として発売[9]
キャッチコピーは「次の日本に、いらっしゃいませ。」。
グレードは標準グレードの「和(なごみ)」と上級グレードの「匠(たくみ)」の2種類が用意されている。
  • 「和」は、バンパー・バックドアガーニッシュ・アウトサイドドアハンドル・電動リモコンフェンダーミラーが黒の素地、フロントグリルはシルバー塗装と素地の仕様、15インチスチールホイールの樹脂フルキャップはシルバーメタリック塗装、内装は一部の装備にイエローのアクセントが配され、ピラーアッパーガーニッシュやリアドアトリムロアは素地で、ヘッドランプはクリアランスランプを備えたハロゲンタイプ(マニュアルレベリング機構付)となる。
  • 「匠」は、バンパーがボディ同色(フロントの中央部はブラック塗装)、フロントグリルはメッキ+ブラック塗装に、バックドアガーニッシュ・アウトサイドドアハンドル・電動リモコンフェンダーミラーがメッキとなり、15インチスチールホイールの樹脂フルキャップはスーパークロムメタリック塗装となる。内装はウレタン3本ステアリングホイール・シフトレバー&ノブ・インサイドドアハンドルなどにサテンメッキ加飾を、サイドレジスターニクロムメッキ加飾がそれぞれ施され、ピラーアッパーガーニッシュは植毛、リアドアトリムロアはカーペット材となる。ヘッドランプはクリアランスランプとデイライトを備えたLEDタイプ(Bi-Beam LEDヘッドランプ、オートレベリング機構付)となる。また、専用装備として、リア左側サイドプロテクションモール(ボディ色+メッキ)、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)、リアシートヒーター、天井サーキュレーター(サテンメッキ加飾)が装備され、15インチアルミホイール(切削光輝+グレーメタリック塗装)+センターオーナメントのオプション設定が追加される。
2018年4月
衝突回避支援パッケージの名称を「Toyota Safety Sense C」から、「Toyota Safety Sense」に変更している[10]。(公式発表無し)
2018年5月
香港市場向け発表 但し車名はコンフォートとしている[11]

注釈[編集]

  1. ^ “TOYOTA、第43回東京モーターショー2013に、燃料電池自動車、直感で通じ合える未来の愛車、次世代タクシーなど未来のモビリティライフを提案するコンセプトカーを出展” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2013年11月5日), http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/1671614/ 2017年10月24日閲覧。 
  2. ^ 日本車初は日産・NV200タクシー ユニバーサルデザイン
  3. ^ ただいま街で増殖中! 新型タクシーの素顔に迫るWebCG2018年2月9日
  4. ^ カラーバリエーション
  5. ^ トヨタ、22年ぶり新型タクシー 車体3色のみ「東京五輪おもてなし世界一に」 - 産経WEST、2017年10月24日
  6. ^ 例:次世代型ユニバーサルデザイン JPN TAXI(ジャパンタクシー)登場(岡山交通)、ジャパンタクシー兄弟。(川口自動車交通、2018年6月9日)
  7. ^ “TOYOTA、第43回東京モーターショー2013に、燃料電池自動車、直感で通じ合える未来の愛車、次世代タクシーなど未来のモビリティライフを提案するコンセプトカーを出展” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2013年11月5日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/1671614 
  8. ^ “TOYOTA、次世代タクシーの概要を公表” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2015年10月26日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/9833258/ 
  9. ^ “TOYOTA、新型車JPN TAXIを発売” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2017年10月23日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/19121010 
  10. ^ 「トヨタジャパンタクシー カタログ」、2018年4月発行。HAZ13000-1804
  11. ^ [1]

取扱ディーラー[編集]

※ 法人需要メインであるが、個人での購入も可能。

関連項目[編集]


外部リンク[編集]