トヨタ・ジャパンタクシー

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トヨタ・ジャパンタクシー
NTP10型
TOYOTA JPN TAXI TMS2017 001.jpg
フロント
TOYOTA JPN TAXI TMS2017 002.jpg
リヤ
Toyota JPN TAXI Takumi (DAA-NTP10-AHXGN) interior.jpg
コクピット
概要
製造国 日本の旗 日本静岡県宮城県
販売期間 2017年10月23日 -
ボディ
乗車定員 5名
(車いす乗車時:3名)
ボディタイプ 5ドア トールワゴン
(タクシー向け)
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1NZ-FXP型:
1,496cc 直列4気筒DOHC
モーター 2LM型:交流同期電動機
最高出力 エンジン:
54kW (74PS)/4,800rpm
モーター:
45kW (61PS)
システム最高出力:73kW (100PS)
最大トルク エンジン:
111N・m (11.3kgf・m)/
2,800-4,400rpm
モーター:
169N・m(17.2kgf・m)
変速機 電気式無段変速機
サスペンション
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
後:トレーリングリンク車軸式コイルスプリング(3リンク)
車両寸法
ホイールベース 2,750mm
全長 4,400mm
全幅 1,695mm
全高 1,750mm
1,765mm(車高アップパッケージ装着時)
車両重量 1,390-1,410kg
その他
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:リーディングトレーリング(ドラム)
別名 トヨタ・コンフォートハイブリッド(香港専売)
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ジャパンタクシーJPN TAXI)は、トヨタ自動車が販売するユニバーサルデザインタクシートールワゴンハイブリッド(スプリット方式)商用車である。

概要[編集]

2013年に行われた第43回東京モーターショーの参考出品車である「JPN TAXI Concept」をベースに市販化したもので[1]、1995年から主にタクシー向けのノッチバックセダン商用車として販売されていたコンフォートクラウンコンフォート及びXS10クラウンセダン(いずれも2017年に販売終了、以下「コンフォート系」)の後継車として、新たに発売されたものである。

トヨタ車で初めて、国土交通省が定める「ユニバーサルデザインタクシー」の設定要件を満たした車種に認定されている[2][注 1]

車名は「JPN TAXI」とアルファベットで表記し、読みとカタカナ表記は「ジャパンタクシー」である。プレスリリースでも「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」と表記しているが[3]、公式ウェブサイトのタイトルは、カタカナ表記とするなど表記が混在している。報道機関では「JPNタクシー」などの表記もある[4]。通称として「ジャパン」や「ジャパタク」とも呼ばれる。

生産はコンフォート系に引き続きトヨタ自動車東日本東富士工場が担当していた[注 2] が、2020年12月25日に閉鎖された後は宮城大衡工場に移管されることとなった[5][6][注 3]

グレード[編集]

グレードは標準グレードの「和(なごみ)」と上級グレードの「匠(たくみ)」の2種類が用意されており[注 4]、後述の「深藍限定車(こいあいげんていしゃ)」の場合はそれぞれの車両型式の末尾に「K」が追加される(例:DAA-NTP10-AHXGNK(匠)、DAA-NTP10-AHXDNK(和))。

  • 「和」は、バンパー・バックドアガーニッシュ・アウトサイドドアハンドル・電動リモコンフェンダーミラー・Cピラーが黒の樹脂パーツの無塗装素地、フロントグリルはシルバー塗装と素地の仕様、タイヤ・ホイールは185/65R15タイヤ[注 5] に15インチスチールホイール[注 6] にシルバーメタリック塗装の樹脂フルキャップ、内装は一部の装備にイエローのアクセントが配され、ピラーアッパーガーニッシュやリアドアトリムロアは素地。ヘッドランプはクリアランスランプを備えたハロゲンタイプ(マニュアルレベリング機構付)となる。東京23区武蔵野市三鷹市の区域(特別区・武三交通圏)内では東京無線チェッカーキャブ信和事業大和自動車交通提携)のそれぞれ一部など採用会社は少ない。
  • 「匠」は、バンパーがボディ同色塗装(フロントの中央部はブラック塗装)、フロントグリルはメッキ+ブラック塗装に、バックドアガーニッシュ・アウトサイドドアハンドル・電動リモコンフェンダーミラーがメッキとなり、タイヤ・ホイールは185/65R15タイヤ[注 5]に15インチスチールホイール[注 6]にスーパークロムメタリック塗装の樹脂フルキャップとなる。内装はウレタン3本ステアリングホイール・シフトレバー&ノブ・インサイドドアハンドルなどにサテンメッキ加飾を、サイドレジスターニクロムメッキ加飾がそれぞれ施され、ピラーアッパーガーニッシュは植毛、リアドアトリムロアはカーペット材となる。ヘッドランプはクリアランスランプとデイライト(2021年5月10日改良以降)を備えたLEDタイプ(Bi-Beam LEDヘッドランプ、オートレベリング機構付)となり、Cピラーはリヤランプ付。また、専用装備として、リア左側サイドプロテクションモール(ボディ色+メッキ)、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)、リアシートヒーター、天井サーキュレーター(サテンメッキ加飾)が装備され、15インチアルミホイール[注 6](切削光輝+グレーメタリック塗装)+センターオーナメントのオプション設定が追加される。

初期に設定される「深藍限定車(こいあいげんていしゃ)」は「匠」「和」の両グレードに設定され、後席側両ドアには東京2020大会(運転席側に東京オリンピック、助手席側に東京パラリンピック)公式ロゴとトヨタのロゴのシールが貼付され(任意)、専用カタログには両大会の終了後、開催年の年末までに事業者各位で剥がす事と、両後部ドア部分には社章や無線番号等の貼付を一切してはいけない旨が記されている(そのため、番号を車体に表記する事業者においてはオリンピックロゴのある車両では無線番号を前席側ドアや左後席側ドアの全開時より後に表記している[注 7])。なお、東京都等一部の自治体では「深藍限定車」に対して補助金を出しており、東京都の例では国のユニバーサルデザイン車に対する補助金と合わせ100万円近い補助金が購入する事業者に助成される[7]。シールは太陽光などの影響により、ボディカラーの褪色などで剥がした部分とそれ以外の部分で褪色が目立つ場合がある。褪色対策で経年次第では剥がす代わりに目隠し用にオーバーラッピングも用意されている。UD TAXIのシール(15cm平方)は初期は緑色、300kg対応スロープ車両より2020年度ロゴ入りのピンク色が左前バンパー、左リアフェンダー、後部ハッチ右側の3箇所(会社により位置や寸法に若干相違有り)に貼り付けされる[注 8]

特装車扱いではあるが、商用車の「JPN TAXI バン仕様車」もラインナップされる。これは「和」グレードをベースに後席を省くことで積載性を高めたモデルであり、乗車定員は2名、最大積載量は250kgの4ナンバー登録となる[8]

ボディーカラー[編集]

ボディカラーは深い藍色をベースとした新規開発色「深藍(こいあい)」、黒色の「ブラック」、白色の「スーパーホワイトII」の3色が設定され[9][10]、顧客の要求に応じた塗装には対応しなくなった。また、前述の通り「深藍」のみ「深藍限定車」の設定がある。ただし、愛知県の名鉄タクシーをはじめ東京以外の地域を中心に、タクシー架装業者や板金塗装工場の手により、独自に従来通りのデザインに全塗装して使用している事業者もある[11]。東京都内においては個人タクシーのうち東個協(東京都個人タクシー協同組合:でんでん虫グループ)加盟の車両はスーパーホワイトIIに赤で縁取られた青い帯を貼り付けている。また香港(コンフォートハイブリッド)でも全塗装して使用する事業者がある。

メカニズム[編集]

搭載される1NZ-FXP型エンジン+2LM型モーター
スライドドア(写真はJPN TAXI Conceptのもの)

同社の小型ミニバン・シエンタのチーフエンジニアでもある粥川宏(かゆかわ ひろし)が当車チーフエンジニアを担当[12]そのXP17#G型シエンタのシャシーをベースに開発したため、ミニバンに近い低床・高天井スタイルを採用。助手席側のリアドアは開口幅720mm、開口高1,300mmの開口幅を持つ電動スライド式で、車椅子に乗ったままの乗降が可能である他、室内各所に補助グリップを設置したことで車椅子からシートへの乗り移る際にもセダン系の車両より楽に動けるという[13]。前身であるコンフォート系のFRと異なりFFになったことで後席がフラット化されていることも車内の移動を容易にしている。運転席側のリアドアは開閉状態を前後方から容易に識別でき、かつ、人(特に子供)の前方への飛び出しを防ぐヒンジドアとしている。なお、車体の全高の高さから、導入する事業者の車庫の制限に対応するために、行灯(防犯灯)の位置が屋根の中心に設置するタイプを設置する事業者だけでなく、フロントウインドウ上やリアハッチバック上に分けて設置する事業者がある。

室内側の電動スライドドア操作スイッチは運転席ドアのパワーウインドウ付近に設置されるが、安全上、スイッチを操作し続けることでドア開閉を可能としている[注 9][注 10]。スライドドアの取手を直接操作する場合は、アウター(車外)側は他車同様にノブを一度引くだけの電動開閉を可能としている[注 11] が、インナー(車内)側は安全上、手動での操作のみとなり、電動による操作はできない。また、運転席側のリアドアのみ安全上、窓の昇降はできないようになっている。後述するが、開閉速度については2019年3月の一部改良で見直され高速化されている[4][注 12]

シートはグレードを問わず、全車に合成皮革を採用する[注 13]。これは、傷や汚れに強く、清掃も容易に行えるようにとの配慮からである。助手席側はグローブボックスを廃することで乗車スペースの拡大とシートアレンジ(特に車椅子による乗降時)の多様性に貢献している。

タクシーメーター領収書無線機器、釣銭箱、小物等をスマートに収納出来るよう、グローブボックスがない分いたる所にポケットやスペースを設置し、場所によっては防犯に配慮した形状としている。タクシーメーター、カーナビゲーションは後席から見えやすいセンターパネルに配置し、空調スイッチは運転席右側パネルにコンパクトに配置されている。なお、空調の吹き出し口にはコンフォート系のシャープ製のプラズマクラスターに代わりパナソニック製のナノイー[注 14]が設置される。

フロントは、横基調の格子をモチーフとしたラジエーターグリルを採用。リアはバックドアをノッチ形状としている。またバンパーは、フロント・リア共にサイド部分だけの交換が可能なように3分割に、ランプ類はアウターレンズのみ交換可能な構造とし、メンテナンス性にも配慮されている。灯火類はハイマウントストップランプ、テール・ブレーキランプはLED、ウインカー、バックランプ、ライセンスランプは電球、ポジションランプおよびヘッドランプは前述の通りグレードにより異なる。

パワートレインは、トヨタのハイブリッドカーに採用されているハイブリッドシステム「リダクション機構付THS II」をベースに、タクシーで用いられているLPG燃料に対応した「LPGハイブリッドシステム」が採用された。エンジンは1.5Lの「1NZ-FXP」型を搭載。ブロックこそ「1NZ-FXE」型と共通であるものの、ヘッドとバルブは専用品に差し替えられ、バルブスプリングも強化され、それに補機ベルトのメンテナンスが不要の電動ウォーターポンプが組み合わせられた。

シフトレバーは前述の収納スペースの関係もありインパネシフトとなっているが、ベースとなったシエンタのゲート式シフトレバーではなく、従来のコンフォート系に合わせたストレート式シフトレバーとなっている。これは純粋なトヨタのハイブリッド専用車で唯一となる[注 15]。また、本車種においてはキーレスエントリーおよびイモビライザーは設定されているが、スマートエントリーは設定されてないため、ハイブリッドシステムの始動は従来通りキーを回転させるタイプである。

また、ブレーキもシエンタの総輪ディスク(前ベンチレーテッドディスク・後ディスク)と異なり、コンフォート系同様に後輪はドラムブレーキ(リーディング・トレーリング式)になっている。

バッテリーはニッケル水素が用いられており、低床・フラットフロアを実現するため、薄型化してフロアカーペット下に配置。燃料クーラーはコンフォート系の13サイズに小型化された。

ガスボンベ容量もコンフォート系の94L(保安基準上85%まで:実効容量約72L)に対し52L(保安基準上80%まで:実効容量約42L)と約半分強に減少しているがハイブリッドシステムにより航続距離はほぼ据え置かれている。これらによりJC08モード燃費は19.4 km/L、WLTCモード燃費は16.8 km/L[注 16] となっており、タクシー用車両では初となる「平成32年度燃費基準+30%[注 17]」と「平成17年排ガス基準75%低減[注 18]」を同時に達成。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式コイルスプリング、リアにトレーリングリンク車軸式コイルスプリング(3リンク式)がそれぞれ採用されており、耐久性を高めるため、タクシー用に専用設計された。

安全性能においては、衝突回避支援パッケージの「Toyota Safety Sense C」を標準装備しており、インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ)をオプション設定している。2019年3月の一部改良で、コンパクトカーアクアなどへ適用されている、昼間の歩行者検知機能を追加した改良型へ更新された[3][4][15][注 19]

車椅子用のスロープを標準で搭載しているが、後述の通り、トヨタの想定よりも設置作業に時間がかかることが、障害者やタクシー事業者から指摘されたことから、2019年3月以降に販売される車両に、作業時間を短縮する改良の実施を行い、既に販売した車両にも、無料で部品交換など改良措置を適用すると発表した[3][4][13]。その後2020年1月には、同年3月31日の標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領の改正に伴い、スロープの耐荷重を200kgから300kgに変更する改良がなされた。

車椅子利用者からの改善要求[編集]

車椅子用のスロープについて、利用者・乗務員・事業者からの評判は以前から良くなかったが、特に車椅子利用者から「ジャパンタクシーは乗り降りに時間がかかって不便」として、Change.orgで募った1万1,715人分の車体改善を求める署名[17] が、2018年平成30年)11月29日、トヨタ自動車名古屋オフィスに提出される事態に至った[18]

車椅子のまま乗車するには、

  1. 助手席を前に倒す
  2. 後部座席を上げ、収納袋にあるスロープを組み立てる
  3. 車椅子と車両を固定する

作業が必要で、トヨタ自動車は一連の作業を約10分間とみていたが、実際の乗車現場では15分以上かかるケースもあった[19]

作業時間がかかり過ぎる、あるいは作業の面倒さから、従来のタクシーと同じく車椅子はトランクに積んで、利用者自身は運転手に座席まで抱えて持ち上げてもらったり、最悪の場合は車椅子利用者が乗車拒否に遭うケースも多発した[20]。これについて、チーフエンジニアの粥川宏は「作業が複雑で、マニュアルをみる時間もかかっていた。考えが甘かった」と述べた[19]

一連の問題の原因は、本車を元々ガソリンハイブリッド車として開発を進めていたことにある。シエンタのウェルキャブも含め、介護用のガソリン車は後部ハッチバックドアからの車椅子乗降が一般的であるため、その通り開発されていたが、一方のタクシーではLPG車が一般的であるために、タクシー業界は強くLPGハイブリッド車化を要請した。

その要請を受け入れた結果、後部の低い位置に大容量のLPG燃料ボンベの横載を余儀なくされ、後部ハッチバックドアからの車椅子乗降が不可能になって、側面のスライドドアから乗降する方式になってしまった[注 20]。ガソリン車のシエンタをベースにLPG車のジャパンタクシーを開発したことが、トヨタ・利用者・乗務員・事業者、いずれの視点でも仇となってしまったのである。

改良発表前の2018年(平成30年)7月には神奈川トヨタ自動車が、工夫により5分で効率よく乗車できる方法をYouTubeにて紹介しており[21]、トヨタ自動車でも2019年(平成31年)のマイナーチェンジ以降、乗降方法の動画をYouTubeにて公開している[22][23]

前モデル(コンフォート系)との比較[編集]

  • 設計上は航続距離は据え置きとされているがそれでも絶対的な燃料搭載量は少なく、エアコンを多用する夏場は隔勤1出番(最高20時間の拘束)で2回充填をしないとガスがもたず、営業上非常に効率が悪い。コンフォート系ではオプションであったボンベのガス冷却機能[注 21] は標準装備されているが、これを利用すると燃費が悪化し冷房効果を低下させるため使われない場合もある[注 22]。また、駆動用バッテリーの劣化も航続距離の低下につながる。
  • ハザードランプスイッチステアリング・ホイールに内蔵されており、操舵した状態でハザードを切る(乗客を路上で乗降させたあと発車する、業務上一番多い使い方)際、ハザードスイッチの位置が動いておりハンドルを目視しないとスイッチの位置が確認できず、使い勝手が非常に悪い。コンフォート系のようにウインカーレバーの先端に、あるいは一般的な車種のようにセンターコンソールにスイッチがついていれば、操作し易い決まった場所にスイッチがあり、何の問題も無い。

年表[編集]

香港向けの「コンフォートハイブリッド」
2013年11月5日
「第43回東京モーターショー2013」にて、参考出品車として「JPN TAXI Concept」を出展することを発表[24]
2015年10月26日
次世代タクシーの概要を公表[25]
発売時期を2017年度内とすることや、全国のトヨタ店、トヨペット店を通じて販売することを発表。また「第44回東京モーターショー2015」では、同車を映像で紹介することも併せて発表された。
2017年10月23日
「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」として発売[26]
キャッチコピーは「次の日本に、いらっしゃいませ。」。
2018年4月1日
衝突回避支援パッケージの名称を「Toyota Safety Sense C」から、「Toyota Safety Sense」に変更[27]。(公式発表なし)
2018年5月
香港市場向けを発表。車名はコンフォートハイブリッドとしている[28]
2018年12月8日
コイアイ(ext)×クロコハク(int)の組み合わせが、オートカラーアウォード2018審査委員特別賞を受賞[29]
2019年2月4日
車いす乗降改善対応を発表[30]
障害者からの改善要求を受け、発売開始から2019年2月までの既販車を対象に、車椅子乗降用スロープに固定ベルトを接続するためのカラビナ(金属リング)が無料提供され、延長用スロープの脚を組立式からスロープ式に無料交換。車椅子固定ベルトと車椅子用延長シートベルトの収納用として、リアフロアに装備可能な収納ポケットが配布され、取扱説明書を読まずに済むよう、作業工程が明記されたラベルを貼付する対応が行われる。併せて、車椅子乗降改善対応等を施した改良モデルを、同年3月に発売予定であることも発表された。
2019年3月15日
一部改良[31]
車椅子乗降用スロープ(スロープNo.1)が折りたたみ3つ折りから2つ折りに、延長用スロープ(スロープNo.2)が折りたたみ構造から樹脂素材の一体成形品にそれぞれ変更され、スロープの長さを260mm延ばして1100mmとなった。また、ベルト類を入れていた収納袋が廃止され、フロアにポケットを常設。各箇所には設置作業手順が明記されたラベルが貼り付けられた。
そのほか、「Toyota Safety Sense」の装備の1つであるプリクラッシュセーフティに、昼間の歩行者検知機能が追加されたほか、パワースライドドアの閉じる時間が1.5秒速く(6.5秒→5秒)なり[注 12]、料金トレイの位置を10cm低くし、リアワイパーはHi/Loの切り替えが可能な間欠機能付に変更された。
2020年1月7日
排出ガスと燃料消費率がWLTCモードに対応(燃料消費率はJC08モードも併記)し、「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得。これに伴って、排出ガス規制の識別記号が「DAA-」から「6AA-」に変更された。また、同年3月31日の標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領の改正に伴い、スロープの耐荷重を200kgから300kgに変更。車両接近通報装置の音色が変更され、同装置の音を停止する機能が廃止された。
2020年12月10日(補足)
香港・マカオ向けの2代目コンフォートを含め、東富士工場での生産を終了。
2021年1月4日(補足)
香港・マカオ向けの2代目コンフォートを含め、宮城大衡工場へ移管、ならびに生産を開始。
2021年5月10日
一部改良[32]
運転席と助手席のエアコン吹き出し口に設置されている「ナノイー」が「ナノイーX」に変更され、可視光応答型光触媒「V-CAT」を使用したハーフシートカバー(デラックスタイプ)が純正用品に設定された。
アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/コンセント1個)を新たにメーカーオプション設定され、照度センサーによって自動点灯・消灯を行うコンライトを標準装備[注 23]。また、ブザーとディスプレイ警告でフューエルリッドの閉め忘れを知らせる機能も追加された他、運転席のみシート表皮が合成皮革+ファブリックに改良された。
なお、今回の一部改良により、2030年度燃費基準優良車(2030年度燃費基準90%達成)となった(排ガス規制記号は「6AA-」で据え置き)[33]

2021年5月(東京地区は2019年3月)までの取り扱いチャネル[編集]

  • トヨタ店
  • トヨペット店
タクシー向けのコンフォート系が、トヨタ店(東京地区はトヨペットと併売)で取り扱っていたことを引き継いでいた。ただし商用車扱いであり、2020年4月以降も、トヨタ店・トヨペット店以外での取り扱いのない地域もある。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 日本車初は日産NV200タクシー ユニバーサルデザインであり、ジャパンタクシーの前に同じく日産のC26型セレナが認定を受けている。なお、2020年に認定要領の改正がなされ、同年基準の新要領に基づく認定はジャパンタクシーがNV200に先んじて認定されている[2]
  2. ^ コンフォート系はトヨタ自動車東日本が関東自動車工業セントラル自動車トヨタ自動車東北の3社で合併して成立する以前より東富士工場(元関東自動車工業)で生産されていた。
  3. ^ 宮城大衡工場(元セントラル自動車宮城工場)では、シエンタが同車種の2代目で本車種の設計上のベースとなったXP170系にモデルチェンジして以来製造されている。また県内の宮城大和工場(元トヨタ自動車東北)にて本車種に搭載する1NZ-FXPエンジンを製造しており、エンジン(宮城大和工場)と車体(東富士工場→宮城大衡工場)の工場が従来より劇的に近くなることになった。
  4. ^ ただし、上級グレードの「匠(たくみ)」でもハイグレードタクシーとはみなされない。
  5. ^ a b スチールホイールのみオプションで185/60R15タイヤの設定もあるが、(いわゆるタクシーラジアルではないため)耐摩耗性は一般乗用車並みであるとしている。また、車高アップパッケージを適用した場合は185/65R15タイヤのみである。
  6. ^ a b c いずれのホイールも15×5.5Jで、PCD数(114.3)やオフセット(+45mm)等含めコンフォート系の15インチホイール(なお、コンフォート系において装着されるタイヤは195/65R15タイヤ)と同じ。ただし、コンフォート系のものはジャパンタクシーに流用するには加工が必要で、またジャパンタクシーのホイールキャップは同様に無加工では装着不可(コンフォート系のものは可能)。
  7. ^ さらに、チェッカーキャブ東京無線加盟事業者のように深藍の車体に帯(チェッカーキャブおよび東京無線の場合市松模様の帯)を巻いている場合、オリンピックロゴのある後席側両ドアには帯が貼り付けられていない。ただし、一部の事業者にオリンピックロゴを避けるように張り付けていたり、オリ・パラのロゴだけ避けるように貼っている個体も存在する。
  8. ^ ただし、後述の通り制度改正を前に先行してスロープを300kg対応にするマイナーチェンジを受けており、そのマイナーチェンジを受けた1月より実際の制度改正となる3月31日頃にかけて納車された車両に関しては300kg対応スロープでありながら緑色シールが貼り付けられている車両が存在する。
  9. ^ ドア開閉中にスイッチから手を離すと、ドアは途中で止まる。
  10. ^ なお、OBD2端子に特殊な機材を接続して設定することでスイッチを一度だけ操作するように変更可能。
  11. ^ 運転席のスイッチ切り替えで手動での操作も可能。
  12. ^ a b 正確にはドア自体の開閉速度だけではなく、運転席のスイッチを操作した際のタイムラグも削減されている(スイッチを引いて開く、あるいはスイッチを押して閉じる際に実際に開閉が始まるまでの時間および開閉時の減速が約1〜1.5秒である)[14]。改良前の車両に関しても変更することが可能となっている[14]
  13. ^ 2021年5月10日の改良において運転席のみ合成皮革+ファブリックに改良された。
  14. ^ 2021年5月10日の改良においてナノイーXに更新された。
  15. ^ 初代プリウスはストレート式ではあるがコラムシフトである。他にハイブリッド専用車で唯一となるシフトレバー形式を採用する例には初代アクアがゲート式フロアシフトを採用しているというものがあった(ただし、ハイブリッド専用車以外ではゲート式の採用は一般的であったほか、2代目からはプリウス同様の小型レバーに変更されている)。
  16. ^ WLTCモード燃費表記は2020年1月以降。なお、JC08モード燃費の数値が変更されていないことから表記前の車両のWLTCモード燃費も同値と推測できる。
  17. ^ 2019年5月の改元に伴い、同年4月より「2020年度燃費基準+30%」に表記変更されている。
  18. ^ 排ガス規制DAA-代の場合。こちら単独のタクシー用車両初達成はコンフォート系ですでになされている(ただしこちらはハイブリッド車ではないため排ガス規制DBA-代である)。排ガス規制6AA-代からは「平成30年排ガス基準75%低減」となっており、こちらはタクシー用車両初である。
  19. ^ なお、改良型搭載前の車両も有償にてアップグレードに対応している[16]
  20. ^ 分割式バンパーはその名残でもある。
  21. ^ ガスを充填する際、吐出側より受け入れ側が冷えている方が効率よく(多く)充填することができる。
  22. ^ 取扱説明書上では夏・冬では使うよう明記されている。
  23. ^ 法規対応によるもの。ライトスイッチが変更され消灯(OFF)がなくなり、自動明滅(AUTO)が定位となった。停車中のみ消灯可能となり、停車中に消灯した状態で発進すると点灯する。

出典[編集]

  1. ^ “TOYOTA、第43回東京モーターショー2013に、燃料電池自動車、直感で通じ合える未来の愛車、次世代タクシーなど未来のモビリティライフを提案するコンセプトカーを出展” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2013年11月5日), http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/1671614/ 2017年10月24日閲覧。 
  2. ^ a b 標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定型式一覧 国土交通省自動車局旅客課
  3. ^ a b c JPN TAXIの車いす乗降改善対応について - トヨタ自動車株式会社
  4. ^ a b c d トヨタJPNタクシー、車いすに優しく 五輪へカイゼン - 朝日新聞
  5. ^ “トヨタ自動車東日本、東富士工場を2020年末までに閉鎖へ”. レスポンス. (2018年7月23日). https://response.jp/article/2018/07/23/312196.html 2018年10月7日閲覧。 
  6. ^ “トヨタ東日本、東富士工場の400人退職”. 日経電子版(有料会員限定記事) (日本経済新聞). (2020年11月25日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66620050V21C20A1L01000 2020年12月9日閲覧。 
  7. ^ 日本のタクシーはジャパンタクシーだらけになるのか?【藤井真治のフォーカス・オン】”. response.jp (2019年6月21日). 2020年12月17日閲覧。
  8. ^ 2019年 JPN TAXI(バン仕様)カタログ - 自動車カタログ トヨタ商用車(国内) | MUUSEO” (日本語). ミューゼオ(MUUSEO). 2020年11月25日閲覧。
  9. ^ カラーバリエーション
  10. ^ トヨタ、22年ぶり新型タクシー 車体3色のみ「東京五輪おもてなし世界一に」 - 産経WEST、2017年10月24日
  11. ^ 例:次世代型ユニバーサルデザイン JPN TAXI(ジャパンタクシー)登場(岡山交通)、ジャパンタクシー兄弟。(川口自動車交通、2018年6月9日)
  12. ^ ただいま街で増殖中! 新型タクシーの素顔に迫るWebCG2018年2月9日
  13. ^ a b アカザーの車いす乗降装置を改良した新型「ジャパンタクシー」をチェックしてみた - Car Watch
  14. ^ a b ジャパタクのドアの閉まる速度が変わってます | mzsn.Member's Blog - 宮園身障二種免協会 (2019年6月18日)
  15. ^ “TOYOTA、アクアに歩行者も検知する「Toyota Safety Sense」を採用” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2018年4月3日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/toyota/21939068.html 
  16. ^ “既販売車のToyota Safety Sense、機能アップグレードを開始” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2020年9月10日), https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/33670203.html 
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  32. ^ “JPN TAXIを一部改良し、クリーンな移動空間を提供” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2021年5月10日), https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/35084092.html 
  33. ^ ジャパンタクシー 環境仕様 (PDF)”. トヨタ自動車株式会社. 2021年5月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]