トヨタ・ヴォルツ

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ヴォルツ (VOLTZ) は、トヨタ自動車日本において販売していたハッチバック型の乗用車である。

概要[編集]

トヨタとゼネラルモーターズ (GM) が共同開発したモデル。生産は北米カリフォルニア州)にある両社の合弁会社・NUMMI (NEW UNITED MOTOR MANUFACTURING,INC.) で行われていた。日本に正規輸入されていた唯一のNUMMI製の車種(実質的にOEM扱い)である。なお、GMではポンティアック・ヴァイブ (Pontiac Vibe) の名で販売され、北米トヨタでは姉妹車マトリックス2013年まで販売されていた。本稿では便宜上、ヴァイブについても述べる。

初代(ヴォルツ 2002年 - 2004年/ヴァイブ 2002年 - 2008年)[編集]

トヨタ・ヴォルツ
ZZE13#型
ヴォルツ(東京モーターショー参考出品車)
Voltz.jpg
ポンティアック・ヴァイブ(後期型)
Pontiac Vibe.jpg
販売期間 ヴォルツ 2002年 - 2004年
ヴァイブ 2002年 - 2008年
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバック
エンジン 1ZZ-FE型 1.8L 直4 DOHC
2ZZ-GE型 1.8L 直4 DOHC
変速機 フロア4AT
フロア5MT
フロア6MT
駆動方式 FF/4WD
サスペンション 前:ストラット式
後 (FF):トーションビーム式
後 (4WD):ダブルウィッシュボーン式
全長 4,365 mm
全幅 1,775 mm
全高 1,605 - 1,615 mm
ホイールベース 2,600 mm
車両重量 1,250 - 1,320 kg
プラットフォーム トヨタ・MCプラットフォーム
-自動車のスペック表-

ヴォルツ、ヴァイブはトヨタとGMが共同で車両のコンセプト検討を行ったモデルである。ヴァイブのプロトタイプは2000年1月、デトロイド北米国際オートショーで2002年 - 2003年モデルイヤーとして発表された。「スポーツユーティリティワゴン」と呼ばれるスタイリッシュな準SUV風ハッチバックのデザインは、若年層がターゲットであった。企画当初から日本向けにも供給されることが決まっており、日本仕様のヴォルツは翌2001年10月の東京モーターショーにて披露された。

市販モデルはヴァイブが2002年1月に先だって販売され、続けて日本国内仕様のヴォルツが2002年8月から販売された。

主なグレード展開は2種で、2ZZ-GE型エンジンを搭載した「Z」(ヴァイブでは「GT」)、ベースモデルの「S」(ヴァイブでは「ベース」)がラインナップされていた。1.8L1ZZ-FE型エンジンは駆動方式ごとに125馬力と132馬力の2種類の仕様がラインナップされていた。

日本仕様のヴォルツは販売不振のため2004年で終了となったが、北米仕様のヴァイブは比較的販売が堅調であったことから2005年モデルイヤーにフェイスリフトが行われ、当時のポンティアックに共通したグリルを備えたデザインへとマイナーチェンジした。

さらにモデル末期の2007年にはグレード整理が実施され、ベースモデルのみの展開となり、2008年まで販売が継続された。

スタイル・メカニズム[編集]

カローラシリーズなどに採用されているMCプラットフォームをベースにし、背の高いSUV風のスタイリングが与えられていた。排気量は1.8Lで駆動方式はFF4WD (4WDは「S」グレードのみ) が用意され、「Z」グレードにはセリカなどに用いられていた2ZZ-GE型エンジンに6速マニュアルミッションを組み合わせたスポーティー版もあった。全幅1,775mm3ナンバ―ボディーであった。型式はE130型を名乗っていた(これは北米向け9代目カローラ、および前述の北米専売のマトリックスも同様にE130型を名乗っていた)。日本でトヨタから販売された仕様のデザインは、マトリックスではなくヴァイブに準じたものであった。しかしながらパーツ数は非常に少なく、カローラ系のパーツを加工などすることで取付可能であった。ただし、パーツ自体はヴォルツ専用品ではないために本来発揮する機能は発揮できないようであった。主に9代目カローラ系(E120型)のシャシーと共通であり、部品類は9代目カローラ(特に1.8Lモデル)から流用可能。エンジンは日本国内主流の1ZZ-FE。エンジンが共通なのでエンジン系の部品は流用があった。また、車高調、マフラーなど多くのアフターパーツは日本国外向け販売にとどまった。

リア


日本における販売[編集]

日本国内では、2002年8月にスプリンターカリブの後継モデルとしてネッツ店で販売され、目標販売台数は月間1,500台と発表された。しかし、価格帯が変わったことや一連のアメリカ車にありがちな独特の大味なスタイリングが思いのほか評価されなかったこと、逆輸入車へのマイナスイメージなどから販売実績は振るわず、ユーザーに敬遠されていた。2004年5月のトヨタビスタ店との統合を機にわずか1年8か月程度で販売終了となりモデル消滅となった。2007年にはイストクロスオーバーSUVとなってフルモデルチェンジを行った。2代目イストがヴォルツの事実上の後継車に近い。車の知名度もそれほど高くなく(ハッチバックとSUVの)クロスオーバーというジャンルの割には人気が低かった。そのため販売台数はかなり少なく、販売されていた2002年8月から2004年3月までの登録台数は9,012台であった。その時点では、「トヨタ・メガクルーザー」(130台)「トヨタ・オリジン」(1,034台)「4代目(Z40型)トヨタ・ソアラ[1]」(5,473台)「トヨタ・プロナード[2]」(7,800台)に続くトヨタとしては歴代5位の少数車であった。また、中古車の流通もロシアのほか、東南アジアやごく一部の新興国(例・ミャンマーバングラディシュなど)へ並行輸出された個体も決して少なくないため、2014年現在、日本国内に残存する個体は非常に少ない。

2代目(ヴァイブ 2008年 - 2009年)[編集]

ポンティアック・ヴァイブ
ZRE14#型
ポンティアック・ヴァイブ(2代目、ワシントンD.C.オートショー2009出品車)
2009 Pontiac Vibe--DC.jpg
販売期間 2008年 - 2009年
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバック
エンジン 2ZR-FE型 1.8L 直4 DOHC
2AZ-FE型 2.4L 直4 DOHC
変速機 フロア4AT
フロア5AT
フロア5MT
駆動方式 FF/4WD
全長 4,371 mm
全幅 1,763 mm
全高 1,593 mm
ホイールベース 2,600 mm
プラットフォーム トヨタ・新MCプラットフォーム
-自動車のスペック表-

振るわなかった日本国内とは異なり、ヴァイブは一定の需要があったため北米トヨタの姉妹車のマトリックスと共に2009年モデルイヤーで2代目にモデルチェンジした。プロトタイプは2007年にロサンゼルス国際オートショーで披露された。

プラットフォームなどの主なコンポーネントは先代から引き継いでいる。外観デザインも先代の意匠を踏襲しているが、より鋭角的なものとなった。エンジンは新規にラインナップされ、1.8Lエンジンは北米向けカローラで使用していたものとなり、新たに「GT」グレード向けに追加された2.4Lエンジンはカムリで使用しているものが採用された。トランスミッションは先代とは異なり、設定されたエンジンの性格上6速ミッションは採用されず、ラインナップは5速MT、5速AT、4速ATとなった。

販売は堅調であったものの、GMは2009年6月に連邦倒産法第11章の適用を申請して倒産し、再建策の一環としてNUMMIからの撤退およびポンティアックブランドを廃止するのに伴い、NUMMIにおけるポンティアック・ヴァイブの生産をモデルチェンジ後わずか1年足らずの同年8月末で打ちきった。

車名の由来[編集]

VOLT(電圧の単位)からの造語。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ のちの2代目レクサス・SC
  2. ^ 米国名:2代目トヨタ・アバロン

外部リンク[編集]