トヨタ・MIRAI

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トヨタ・MIRAI
JPD10型
MIRAI(フロント)
Toyota mirai 2015photo.JPG
MIRAI(リア)
Toyota mirai 2015photo rear.JPG
MIRAI(運転席)
2015 Toyota MIRAI ZBA-JPD10 Cockpit.jpg
販売期間 2014年12月15日 -
(発表:2014年11月18日)
乗車定員 4名
ボディタイプ 4ドアノッチバックセダン
エンジン FCスタック
FCA110型:固体高分子形
駆動方式 前輪駆動
モーター 4JM型:交流同期電動機
(永久磁石式同期型モーター)
最高出力 FCスタック
114kW(155ps)
モーター
113kW(154ps)
最大トルク モーター
335N·m (34.2kgf·m)
サスペンション 前:ストラット式コイルスプリング
後:トーションビーム式コイルスプリング
全長 4,890mm
全幅 1,815mm
全高 1,535mm
ホイールベース 2,780mm
車両重量 1,850kg
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
プラットフォーム トヨタ・新MCプラットフォーム
-自動車のスペック表-

MIRAI(ミライ)は、トヨタ自動車が製造・販売する、量産車として世界初セダン燃料電池自動車である。

概要[編集]

トヨタフューエルセルシステムTFCS):自社開発のトヨタFCスタック・高圧水素タンクなどで構成する燃料電池技術とハイブリッド技術を融合したもの。水素充填は約3分で、走行距離は約650km(JC08モード[1]。高圧水素タンクは金属ではなく、炭素繊維や樹脂などで構成され、3層構造になっている。

性能[編集]

先進安全装備[編集]

太字は2018年10月の改良で追加された機能や装備

  • Toyota Safety Sense
    • プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼間]検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)
    • レーンディパーチャーアラート[LDA](ステアリング制御機能付)
    • レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)
    • ロードサインアシスト[RSA]
    • オートマチックハイビーム[AHB]
    • 先行車発進告知機能[TMN] ※付帯機能
  • インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]
  • ブラインドスポットモニター [BSM]
  • ドライブスタートコントロール

燃料電池[編集]

長距離走行を実現するため、水素を高圧力で圧縮してタンクに蓄積する必要があり、この圧力は70MPaで、通常大気圧(101.33kPa)の約700倍となっている。このため、部品には高い耐久性と気密性が要求され、配管や弁には愛知製鋼ジェイテクトが開発したより高強度な鋼材が採用され、燃料電池スタックにはトヨタ車体が開発した3次元構造体が採用された。また燃料電池セルには水素極側のチタン製セパレーターと水素・空気・冷却水を供給するスタックマニホールドが採用された[4][5][6][7]

外見[編集]

日本国内[編集]

発売当初のメーカー希望小売価格は消費税込で723万6,000円(2018年10月の一部改良以降は727万4,880円)。発売から1年間で400台を販売目標としている。販売店はトヨタ店トヨペット店[9]。ちなみにこの販売価格は、ドイツの自動車メーカーに「ゼロ1個間違っている。7000万円だろ」と言わしめたという。[10]

水素ステーション[編集]

水素ステーションは首都圏・近畿圏・名古屋など約40か所が予定されている[11]2014年12月18日東京都練馬区内に関東初の「商用水素ステーション」が、東京ガスにより開設された[12]経済産業省は、水素ステーションを設置する規制を緩和する方針を打ち出しており、水素タンクをより安価なクロムモリブデンで建設することを認め、また水素タンクの設置場所を「公道から8m以上離れた位置」から「公道から4m以上離れた位置」に緩和するなどして、建設費用を2014年の5億円から2020年までに2.5億円に半減させる目標をあげている[13]。2014年12月22日JXTGエネルギーが2020年までに国内10拠点で水素を生産し、販売面では主要な約2000店を対象に順次、水素スタンドを導入すると報道された[14]

2015年2月、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車の3社が水素ステーションの整備促進に向け、共同支援に乗り出すことで合意したと発表[15]

2016年3月10日、ホンダが発売した燃料自動車「クラリティ フューエル セル」はそれまでホンダがリースをしてきたホンダ・FCXクラリティより高圧の70MPaの圧縮水素タンクを採用し、トヨタ・MIRAIと共通化を果しており、水素ステーションの設備の共通化に貢献する取り組みとなっている[16]

日本国外展開[編集]

2014年11月17日、米国トヨタによると「米国ではカリフォルニア州において2015年秋から、販売およびリースを開始する」と発表している[17][18][19]2015年10月21日(アメリカ時間)[20]に発売された。この日はバック・トゥ・ザ・フューチャー PART2で主人公たちが”未来”にタイムスリップした日にちでCMにも出演した[21][22]

モータースポーツ[編集]

2014年、名前の公表されていなかった頃に新城ラリーに00カーとして登場。2015年NASCARスプリントカップ第9戦リッチモンドでFCVとして初めてペースカーデビューした。

2015年には国沢光宏が自分で購入したMIRAIをラリー仕様に改修。元々全日本ラリー選手権向けであったが、このことが世界ラリー選手権(WRC)のプロモーターの耳に入り、WRC第8戦ラリー・ドイチェランドにオフィシャルカーとして初登場。トヨタも水素補給や車両運搬に非公式に協力し、ノントラブルで完走した[23]。帰国後は本来の目的である新城ラリーに参戦。ドライバーは引き続き国沢、コ・ドライバーはデザイナー・漫画家の木原雅彦が務め、JN1クラスで2位完走を果たした[24]

CO2を排出しない自動車で争われるeラリーモンテカルロにも参戦し、2016年の第1回と2018年の第3回大会で優勝を果たしている[25]

年表[編集]

2013年に公開されたトヨタ・FCVコンセプト
第91回箱根駅伝大会本部車
2013年11月5日
第43回東京モーターショー2013に、次世代燃料電池自動車「TOYOTA FCV CONCEPT」を出典すると発表[26]
2014年6月25日
セダンタイプの新型燃料電池自動車(FCV)を公開するとともに、発売時期、および日本での車両本体価格の目途と販売チャネルを公表[27]
日本では、2014年度内に販売を開始し、販売店はトヨタ店とトヨペット店。当面は、水素ステーションの整備が予定されている地域およびその周辺地域の販売店が中心となる見込みで、価格は700万円程度を予定、と公表した。また、米国・欧州では、2015年の夏頃の発売に向け準備を進めていることも合わせて発表。
2014年11月17日
新型燃料電池自動車の車名を「MIRAI」に決定、と発表[28]
2014年11月18日
「MIRAI」を正式発表[29]。(12月15日発売)
モノグレードのみの設定で、価格は7,236,000円(税込)。
ボディカラーは、ルーフとフェンダーガーニッシュをブラック塗装したツートーンカラーのみの設定。「ツートーン ホワイトパールクリスタルシャイン〈2NL〉/〈062〉(メーカーオプション)」、「ツートーン プレシャスシルバー〈2MR〉/〈1J6〉」、「ツートーン プレシャスブラックパール〈2MS〉/〈219〉(メーカーオプション)」、「ツートーン ダークレッドマイカメタリック〈2NM〉/〈3Q3〉」、「ツートーン ダークブルーマイカ〈2MT〉/〈8S6〉」に加え、「ツートーン ピュアブルーメタリック〈2NV〉/〈8Y1〉」(ピュアブルーメタリックは新規開発色)の全6色を用意する。
2015年1月2日・1月3日
第91回箱根駅伝にて大会本部車・会長車を務める。
2015年1月15日
市販第1号車を首相官邸に納入。年間販売目標400台を大きく上回る約1,500台を、発売開始から前日までに受注[30]
2015年1月22日
「MIRAI」の増産を決定[31]
日本での発売以降2015年末までの約1年間の生産台数は約700台の計画で進行中だが、今回、2016年は2,000台程度、さらに2017年には3,000台程度に拡大する、と発表した。
2015年4月9日
第24回地球環境大賞受賞[32]
2015年10月15日
第25回「日経地球環境技術賞」において最優秀賞受賞[33]
2015年10月21日
映画バック・トゥ・ザ・フューチャーで30年後の未来とされたこの日、米国での販売を開始[34]
2016年4月19日
伊勢志摩サミットの際に、玄関口となる中部国際空港に、日本の先端技術を各国の首脳やメディアにアピールするため三菱航空機のMRJとともに展示されることが決定[35]
2018年10月30日
一部改良され、発売された[36]
既存のプリクラッシュセーフティはミリ波レーダーに単眼カメラを追加したことによって歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)の検知が可能となり、併せて、道路標識を認識するロードサインアシスト機能と先行車の発進をブザーとディスプレイ表示で知らせる先行車発進告知機能が加わり、従来から採用されている装備と合わせて「Toyota Safety Sense」へグレードアップされ、インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ<静止物>)も同時に標準装備された。

車名の由来[編集]

日本語の「未来」から[37]。副社長の加藤光久は、公式発表で「『ミライ』しか思いつかなかった」と発言した。会見場に日本科学未来を選んだのもこれに由来する[38]

光岡車以外での日本車では珍しく、スズキキザシ(兆し)以来となる和名の車であるが、実際には和名もしくは日本語由来のトヨタ車はカムリ=冠SAI=才・彩といった前例が存在する。

脚注[編集]

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  1. ^ トヨタ MIRAI 公式サイト
  2. ^ 加速力に驚き、ミライの走りを体感 燃料電池車に試乗 朝日新聞デジタル 2014年11月20日
  3. ^ トヨタが2014年度内に発売する燃料電池車、乗車定員はなぜ4人なのか
  4. ^ 愛知製鋼 高圧水素用ステンレス鋼 高強度仕様も供給開始
  5. ^ 燃料電池車「ミライ」が使う水素は大気圧の700倍、搭載部品も高圧対応が必須
  6. ^ 燃料電池セルの空気極側流路を3次元構造に、トヨタ車体が「ミライ」向けに開発
  7. ^ 燃料電池車「ミライ」に人だかり、搭載部品も多数展示
  8. ^ 【トヨタ MIRAI 発表】イメージは「空気を吸って水を出す」
  9. ^ MIRAI取扱販売店一覧
  10. ^ http://president.jp/articles/-/23120?page=2
  11. ^ 水素ステーション
  12. ^ “東京ガス:関東初の水素ステーション 東京・練馬に開設”. 毎日新聞. (2014年1月18日). http://mainichi.jp/select/news/20141219k0000m020019000c.html 2014年12月19日閲覧。 
  13. ^ 朝日新聞朝刊2014年12月19日号第13版6面
  14. ^ “JX、燃料電池車用水素供給 全国2000スタンドに導入”. 日本経済新聞. (2014年12月22日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ19I0R_R21C14A2MM8000/ 2014年12月23日閲覧。 
  15. ^ “自動車3社が水素に支援、ステーション普及を助ける”. ITmedia. (2015年2月3日). http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1502/13/news048.html 2016年4月10日閲覧。 
  16. ^ “ホンダのスマート水素ステーションは燃料電池車の普及を後押しする”. SankeiBiz. (2016年3月27日). http://www.sankeibiz.jp/business/news/160327/bsa1603271702004-n1.htm 2016年4月10日閲覧。 
  17. ^ 【トヨタ MIRAI 発表】米国では加州で2015年秋に発売…リース料は月々6万円
  18. ^ 【トヨタ MIRAI 発表】燃料電池車として初の型式指定取得…大量生産、輸出も可能に
  19. ^ 【ロサンゼルスモーターショー14】トヨタ MIRAI 北米仕様、加速性能は プリウス より上
  20. ^ トヨタ MIRAI、米国発売…購入希望者は2000名以上
  21. ^ “Diner” | Back to the Future | Presented by Toyota Mirai
  22. ^ Fueled by the Future | Back to the Future | Presented by Toyota Mirai
  23. ^ 国沢光宏「MIRAI」WRC完走! 大ジャンプで水素FCV技術と耐久性を実証!!【動画】
  24. ^ Rally Plus Vol.8 2015年12月17日 三栄書房
  25. ^ MHのWorld Rally News:実戦デビューのR4キット装着マシンが2位フィニッシュRALLY PLUS 2018-11-05
  26. ^ “TOYOTA、第43回東京モーターショー2013に、燃料電池自動車、直感で通じ合える未来の愛車、次世代タクシーなど未来のモビリティライフを提案するコンセプトカーを出展” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2013年11月5日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/1671614 
  27. ^ “トヨタ自動車、セダンタイプの燃料電池自動車を、日本で2014年度内に700万円程度の価格*1で販売開始” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2014年6月25日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/3274916 
  28. ^ “トヨタ自動車、新型燃料電池自動車の車名を「MIRAI」に決定” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2014年11月17日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/4196199 
  29. ^ “TOYOTA、セダンタイプの新型燃料電池自動車「MIRAI」を発売” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2014年11月18日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/4197769 
  30. ^ 読売新聞2014年1月16日13S版1面および11面
  31. ^ “トヨタ自動車、新型燃料電池自動車「MIRAI」の増産を決定” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2015年1月22日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/5503740 
  32. ^ “第24回地球環境大賞、トヨタ自動車にグランプリ”. 産経新聞. (2015年2月26日). http://www.sankei.com/life/news/150226/lif1502260011-n1.html 2015年10月22日閲覧。 
  33. ^ “トヨタ、初の燃料電池車で独自技術を駆使 日経地球環境技術賞”. 日本経済新聞. (2015年10月15日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG14H69_V11C15A0TJC000/ 2015年10月16日閲覧。 
  34. ^ トヨタ、米国で「ミライ」発売 「バック・トゥ・ザ-」の2人がPR2015-10-22 sankei biz
  35. ^ “MRJ・ミライも首脳歓迎 サミットの玄関口に展示へ”. 朝日新聞. (2016年4月9日). http://www.asahi.com/articles/ASJ485DYHJ48OIPE01S.html 2016年4月10日閲覧。 
  36. ^ “TOYOTA、MIRAIを一部改良” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2018年10月30日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/toyota/25114662.html 2018年10月30日閲覧。 
  37. ^ MIRAIの車名の由来は何ですか?
  38. ^ トヨタの燃料電池車「ミライ」は「あえて4人乗り」、プレミアム感と走りを重視

関連項目[編集]

外部リンク[編集]