トヨタ・アイゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トヨタ・アイゴ
アイゴX(2022年)
概要
製造国  チェココリーン
販売期間 2005年 -
ボディ
ボディタイプ

2/4ドア グラスハッチ

2/4ドア グラスハッチCUV
テンプレートを表示

アイゴ(AYGO)はトヨタ自動車欧州で製造・販売するAセグメント乗用車である。2022年に発売された3代目は車名がアイゴX(アイゴクロス、AYGO X)に改称された。

概要[編集]

欧州における市場拡大を図るトヨタが、Aセグメントに低コストで車種を投入するために、思惑の一致したPSA・プジョーシトロエンと合弁会社であるTPCAを設立し、2001年からフランス政府の要請から新型車を共同開発する運びとなり[1]、開発されたヤリスよりも下のモデルがこのアイゴである。

初代 AB10型(2005年 - 2014年)[編集]

トヨタ・アイゴ(初代)
AB10型
後期型4ドア フロント(2012年3月 - 2014年3月)
後期型4ドア リア
インテリア
概要
製造国  チェココリーン
販売期間 2005年 - 2014年
デザイン 蛭田洋
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 2/4ドア グラスハッチ
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム トヨタ・Aプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1KR-FE型 998cc 直列3気筒DOHC VVT-i
2WZ-TV型 1,453cc 直列4気筒SOHC ディーゼルターボ
最高出力 1KR-FE型:50kW(68ps)/6,000rpm
2WZ-TV型:40kW(55ps)/4,000rpm
最大トルク 1KR-FE型:93N·m(9.8kgf·m)/3,600rpm
2WZ-TV型:130N·m(13.3kgf·m)/1,750rpm
変速機 5速MT
5速AMTMMT
サス前 前: マクファーソンストラット
後: トーションビーム
サス後 前: マクファーソンストラット
後: トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,340 mm
全長 3,415 mm
全幅 1,615 mm
全高 1,465 mm
車両重量 880 kg
テンプレートを表示

2005年2月28日よりチェコの工場で生産が開始され、同年3月のジュネーブモーターショーで披露された。

エクステリアデザインは各社ごと独自となっており差別化されているが、インテリアは3車種共通であり、トヨタが開発の主導を握った[1]

徹底した軽量化と低コスト化が図られており、分かりやすい点として下記のようなものがある、リアサイドウィンドウが5ドアでも通常の上下巻き上げタイプではなく、ポップアップタイプになっている、リアハッチ自体がガラスハッチになっている、ドアの一部鉄板をむき出しにし、ドア形状の違う姉妹車プジョー・107シトロエン・C1と内装トリムを共有できるようになっている、ルームライトは運転席ドア開閉時のみに連動点灯可能で助手席・後部ドアにはドアスイッチがない、フロントパワーウィンドウ(PW)スイッチは、左右各ドアそれぞれ1つのみで運転席には助手席側PWスイッチがない、ルーフアシストグリップがない、リアーシートを前方に倒すレバーが金属製ではなくゴム紐である、リアートノカバーをハッチゲートから釣る紐が左側1本だけである、など。

但し、これらのコストダウン(室内には余計なプラスチックトリムを遣わずにドアーの一部を鉄板むき出しにする、等)は軽量化(及びそれに伴う高燃費、加速性能、等)には多大なる貢献をしており、同クラスのスズキ・アルト、日産PIXO、FIAT PANDA などと比べて乾燥重量がそれぞれ150kg以上もAIGO(と姉妹車)は軽く、乾燥重量は840kgからと軽く、全タイプは900kgを余裕で切っていおり、コストダウンのために付属品を除外しまくったチープカーという訳ではない。

2009年1月30日には最初のマイナーチェンジが行われ、フロントバンパー、テールランプの形状が変更された[2]

2012年春に2度目のマイナーチェンジが行なわれ、フロントバンパーの形状が変更され、ディーゼルエンジン搭載車が廃止された。

年表[編集]

  • 2001年 - 開発を開始。
  • 2005年2月28日 - 生産を開始
  • 2009年1月30日 - 最初のマイナーチェンジ
  • 2012年春 - 2度目のマイナーチェンジ

2代目 AB40型(2014年 - 2022年)[編集]

トヨタ・アイゴ(2代目)
AB40型
前期型4ドア フロント
前期型4ドア リア
後期型4ドア フロント
概要
製造国  チェココリーン
販売期間 2014年 - 2021年
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 2/4ドア グラスハッチ
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム トヨタ・Aプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1KR-FE型 998cc 直列3気筒DOHC VVT-i
最高出力 1KR-FE型:
51kW(69ps)/6,000rpm
最大トルク 1KR-FE型:
95N·m(9.7kgf·m)/4,300rpm
変速機 5速MT
5速AMTMMT
サス前 前: マクファーソンストラット
後: トーションビーム
サス後 前: マクファーソンストラット
後: トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,340 mm
全長 3,455 mm
全幅 1,615 mm
全高 1,460 mm
車両重量 855 kg
テンプレートを表示

2014年3月のジュネーブショーにて 'go fun yourself' のスローガンと共に発表。外装は日本の若者文化に起因しておりチーフデザイナーのナカムラ・ノブオによると鉄腕アトムと箱に入った卵から発想を得たとしており、若者受けを狙ったものだとされている。初代に引き続きプジョー・シトロエンと3兄弟で生産はチェコで行われる。

3/5ドアボディは、先代と同じくリアがガラスハッチになっている。エンジンはこれも先代譲りの直列3気筒1L・1KR-FE型で、改良により1psアップの69psを発揮する。

2018年、マイナーチェンジ[3]。エンジン出力は72psにアップした。純正カーナビは、Android Autoに対応する[4]

年表[編集]

  • 2014年3月 - ジュネーブショー14で2代目モデルが披露される。
  • 2014年4月 - 販売開始。
  • 2018年4月 - マイナーチェンジ。
  • 2019年2月 - 3月5日に開催されるジュネーブモーターショー2019にて「X-style」と「X-cite」を初公開すると発表[5][6]
  • 2021年 - スペインで特別仕様車「x-sport」を設定。ボディカラー「x-ホワイトクラシック」と「x-グラファイトグレー」を追加[7]

3代目 AB70型(2022年 - )[編集]

トヨタ・アイゴX(3代目)
AB70型
前期型 フロント
前期型 リア
概要
製造国  チェココリーン
販売期間 2022年 -
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 4ドア グラスハッチCUV
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム GA-Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1KR-FE型 998cc 直列3気筒DOHC VVT-i
変速機 5速MT/CVT
サス前 前:マクファーソンストラット
後:トーションビーム
サス後 前:マクファーソンストラット
後:トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,430 mm
全長 3,700 mm
全幅 1,740 mm
全高 1,525 mm
テンプレートを表示

2021年3月17日、コンセプトカー「アイゴX プロローグ」を世界初公開[8][9]

2021年11月5日、新型「アイゴX」を発表[10][11]

2022年1月24日、スペインで予約販売を開始[12]

2022年4月14日、ボディカラー「ジンジャー」を設定した[13]。欧州で発売される。

2022年11月2日、イギリスキャンバストップを装備するエア エディションを追加[14]。オンライン限定で販売される。

2023年3月2日、東京原宿発祥のアパレルブランド「UNDERCOVER」とコラボし、特別仕様車「UNDERCOVER」を世界初公開。ボディカラーは「セレスティングレー」と「アトラスグレー」のツートンカラーが採用された[15]。販売台数は5000台限定[16]

車名の由来[編集]

英語の「I go」に由来する[17]

脚注[編集]

  1. ^ a b 「気づいたら、ドライビングジャンキー!」第3回 トヨタ・アイゴ carview
  2. ^ トヨタ アイゴ、マイナーチェンジ…欧州販売スタート Response.
  3. ^ トヨタのコンパクトカー アイゴ改良新型が欧州発売!そもそもアイゴって?”. 2020年7月16日閲覧。
  4. ^ Toyota の Android Auto”. Android. 2019年4月23日閲覧。
  5. ^ トヨタの入門コンパクト、アイゴ にオレンジ強調の特別モデル…ジュネーブモーターショー2019で発表へ”. レスポンス(Response.jp). 2023年3月11日閲覧。
  6. ^ Na_Ya/Creative311 (2019年2月10日). “何か歌舞伎顔かみたい。トヨタが「Aygo(アイゴ)」の特別モデル”X-Cite/X-Style”の2種類をジュネーブにて発表へ”. Creative Trend. 2023年3月11日閲覧。
  7. ^ 赤アクセントがド派手! トヨタ「アイゴ」斬新デザインの特別モデルがスペインで登場!”. くるまのニュース (2021年5月16日). 2023年3月11日閲覧。
  8. ^ 株式会社インプレス (2021年3月17日). “トヨタ、「アイゴ X プロローグ」を世界初公開”. Car Watch. 2023年3月8日閲覧。
  9. ^ 小さなイケメン!? トヨタ新型「アイゴXプロローグ」登場! ヤリス&ヤリスクロスの弟分?”. くるまのニュース (2021年3月20日). 2023年3月8日閲覧。
  10. ^ 株式会社インプレス (2021年11月5日). “トヨタ、新型クロスオーバー「アイゴ クロス」世界初公開 5速MTやキャンバストップモデルもラインアップ”. Car Watch. 2023年1月16日閲覧。
  11. ^ トヨタ、新クロスオーバー車『アイゴX』発表…欧州Aセグコンパクト”. レスポンス(Response.jp). 2023年1月16日閲覧。
  12. ^ トヨタの新型最小SUV「アイゴクロス」がタフ可愛い! 価格は約173万円から スペインで予約開始”. くるまのニュース. 2023年1月16日閲覧。
  13. ^ トヨタ『アイゴX』、スパイシー仕様の「ジンジャー」設定…欧州発売へ”. レスポンス(Response.jp). 2023年1月16日閲覧。
  14. ^ トヨタの“屋根開き”「小型SUV」登場!? 「空が丸見え」の「アイゴ X」を英で新設定 オンライン限定で提供”. くるまのニュース. 2022年11月8日閲覧。
  15. ^ 「カオス」なトヨタ“最小級SUV”登場!? まさかの「裏原宿」系ブランドとコラボ! 意外すぎな「アイゴX UNDERCOVER」にユーザーの声は”. くるまのニュース (2023年3月7日). 2023年3月8日閲覧。
  16. ^ 欧州トヨタのコンパクトSUV「アイゴX」と裏原宿系アパレルブランド「アンダーカバー」がコラボ。ファッションショーで衝撃の初披露 - Webモーターマガジン”. web.motormagazine.co.jp. 2023年3月8日閲覧。
  17. ^ 【ジュネーブショー05】日仏合作のコンパクトカー「AYGO」「C1」「107」 WebCG

関連項目[編集]

外部リンク[編集]