トヨタ・アクア

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Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:2014年12月以降モデルにおけるX-URBAN以外の内外装の画像提供をお願いします。2014年12月
トヨタ・アクア(初代)
NHP10型
前期型 フロント
2011年12月 - 2014年12月
Toyota Aqua 101.JPG
前期型 リア
Toyota Aqua 102.JPG
室内
Toyota Aqua 111.JPG
販売期間 2011年 -
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバック
エンジン 1NZ-FXE型 1.5 L 直4 DOHC
モーター 1LM型 交流同期電動機(永久磁石式同期型モーター)
最高出力 エンジン
54 kW (74 PS) /4,800 rpm
モーター
45 kW (61 PS)
最大トルク エンジン
111 N·m (11.3 kgf·m) /3,600 - 4,400 rpm
モーター
169 N·m (17.2 kgf·m)
変速機 CVT
駆動方式 FF
サスペンション 前: ストラット式
後: トーションビーム式
全長 3,995 - 4,030 mm
全幅 1,695 mm
全高 1,445 mm(前期型)
1,455 - 1,490 mm
ホイールベース 2,550 mm
車両重量 1,050 kg (L)
1,080 kg (G/S)
1,090 kg (X-URBAN)
別名 プリウスC(北米台湾オセアニア
プラットフォーム Bプラットフォーム
-自動車のスペック表-

アクアAQUA)は、トヨタ自動車2011年より製造・販売を開始している量産の小型ハイブリッド乗用車である[1]

本項では、特に記載がない限り日本仕様の「アクア」について記述する。

概要[編集]

2010年1月に開催されたデトロイト・モーターショーにおいて、トヨタブランド最小のハイブリッド専用車を示唆する「FT-CH」が発表され、翌2011年の同モーターショーにてその「FT-CH」の流れを汲む新型のコンセプトカーである「PRIUS C concept」を発表した[2]。その10ヵ月後となる11月15日に市販予定車両がワールドプレミアになると同時に「アクア」という車名も正式にアナウンスされ、その後に開催された「第42回東京モーターショー」へと出展され一般公開された[3]

そしてショー終了後の12月26日に正式発表・発売となり、トヨタにとっては2003年に生産終了した初代プリウス以来8年ぶりとなる「5ナンバーサイズ」のコンパクト乗用ハイブリッドカーが復活した。販売は他のトヨタ製ハイブリッド専用車種と同様に、全てのトヨタ車取扱い店舗(トヨタ店トヨペット店カローラ店ネッツ店)となる[4]。車両の製作は、日本国内・国外市場向けともにトヨタ自動車東日本(TMEJ)の岩手工場(旧・関東自動車工業岩手工場)が担当する。

2012年3月には北米台湾オセアニア市場での販売が開始されるが、その車名は「アクア」ではなく[5]プリウスファミリー」であることをアピールするため、コンセプトカーに用いられた「PRIUS C(プリウスC)」の車名が付与されている。また日本市場でのアクアもプリウスファミリーの一員という扱いになっている。

欧州市場においては、アクアと同型の車台を採用している「ヴィッツ(P13#型)」にアクアのハイブリッドシステムを搭載した「YARIS HYBRID(ヤリス・ハイブリッド)[6]が2012年6月より販売され、アクア(プリウスC)のポジションを担っている[7]

車名の「アクア」はラテン語で「」を意味する。水の持つ「透明感あるクリーンなイメージ」や「誰もが必要・大切にするイメージ」を連想させるとともに、水の様に自由な広がりを持つことで従来のハイブリッドカーのイメージにとらわれることなく、より広く楽しまれることを願って命名された。また、「プリウスC」の"C"は「City」の頭文字。

メカニズム[編集]

パッケージング[編集]

日本の法規上では小型乗用車(5ナンバー)に分類されるサイズの5ドアハッチバック型のボディにハイブリッドシステム(スプリット方式)を組み合わせた実用ハイブリッドコンパクトカーである。

ボディデザインは「トライアングル・シルエット」と称される、同社を代表するハイブリッド乗用車「プリウス(ZVW30型)」の流れを汲むもので、それらと同様にフロントウインドウが大きく寝かされたワンモーションフォルムを採用している。さらに前面投影面積の低減とボディ剛性の向上を目的に中央部を凹ませたパゴダルーフ[8]も採用されている。そして、空気抵抗の大幅な低減とハイブリッドシステムの搭載によって増加する車体重量の低減を目的として全高を1,445mmと低く抑えたため、それに従ってシートの着座位置も地面より530mmと低くなっている[9]。その結果、Cd値(空気抵抗係数)は0.28とプリウス(W30型:Cd値0.25)には及ばないものの、同クラスの小型乗用車では空気抵抗が最も低く抑えられている。なお、車内空間に至ってはW30型プリウスよりも頭上空間等は広い。

シャシー(車台)は小型車専用のトヨタ・Bプラットフォームで、ラクティス(P120型)に先行採用されたホイールベースが2,550mmのものをベースとしており、車体の後輪前部(ガソリンタンク前部・リアシート底部)を駆動用バッテリー搭載のため大幅に設計変更している。重量物である駆動用バッテリーを後部座席下という車体の重心近くにマウントしたことで前後重量バランスの最適化とリアタイヤの接地性が高まり、それらと全高の低いボディの組み合わせによってハイレベルなコーナリング性能と直進安定性を実現している。ゆえに車両の運動性能は同クラスの小型実用車の中でも極めて高い水準にある[10]。さらに実用面では、他のハイブリッド車では犠牲となっていたラゲッジルームの容量と使い勝手の良さを非ハイブリッド車並みに成立させることにも成功している[11]

パワートレイン[編集]

エンジンルーム

ハイブリッドシステム(THS)はZVW30型プリウス(1.8L、3ナンバー)と同様の「リダクション機構付THS-II」であるが、それと同型のシステムだとボディサイズの小さいアクアに搭載するには全体の質量が大きすぎるため、それよりもコンパクトなNHW20型プリウス(1.5L、3ナンバー)に採用されていたTHS-IIを基本として、より小型・軽量に新規開発されたものを搭載する[12]

エンジンは54kW(74PS)を発生する1.5Lの「1NZ-FXE」型で、NHW20型プリウスと同様にアトキンソンサイクルを採用するが圧縮比を13.4にまで高めるなど細部にわたって大幅な改良が施された。それに45kWを発生する新設計の1LM型電気モーターと、144V/6.5Ahニッケル水素電池(駆動用バッテリー)が組み合わされ、こちらも小型軽量化されたPCU(パワー・コントロールユニット)によって最大520Vまで昇圧され、ハイブリッドシステムの総出力はおよそ75kWである。それらに加えてZVW30型プリウスより新たに採用された電動ウォーターポンプに排出ガス再循環システム(クールドEGR)や排気熱回収システムなど、開発当時のトヨタ製ハイブリッド車に取り込まれていた最新技術がフィードバックされている[13]。その結果、システム全体でZVW30型プリウスのTHS-IIに比べて-42kgダウンサイジングに成功し(内訳はエンジンで-16.5kg、トランスアクスルで-8kg、バッテリーで-11kgなど)、車両重量(乾燥重量)をE160系カローラよりも軽い1,100kg以下(1,050-1,080kg)に抑えられた。これはW30型プリウスに比べて300kg以上も軽いことになる。

トランスミッションは他のTHS-II採用車と同様に電気式無段変速機となるが、シフトレバーはプリウスファミリー、ひいては純粋なトヨタのハイブリッド専用車で唯一となるゲート式フロアシフトを採用している[14]

後に、これらのメカニズムは同じBプラットフォームで構成される「カローラアクシオ/フィールダー」の各ハイブリッド仕様車(NKE165/165G型)にも移植された。それら向けにチューニングは行われているものの、エンジンとモーター、およびそれぞれとシステム全体の最高出力、燃料タンクと駆動用バッテリーの容量はもちろん、後部座席の下に駆動用バッテリーを配置するパッケージングに加えて、(出自がガソリン車のためでもあるが)ゲート式のフロアシフトに至るまで共通となっている。

2013年11月に行われた一部改良では、エンジンの低フリクション化やモーター・インバーターの制御改良によるハイブリッドシステムのさらなる高効率化が行われた。その結果JC08モード燃費が1.6km/L向上して37.0km/Lとなり、ガソリン燃料を使用する乗用車では「世界で最も低燃費な乗用車」となっている[15]

環境性能[編集]

発売開始以来「世界トップクラスの低燃費」を宣伝しており、メーカー発表のカタログ値で最初期のNHP10型はJC08モードで全グレード35.4km/Lであった[16][17]。そして2013年11月に発表された一部改良後モデルよりJC08モードで全グレードが37.0km/L[18][19]に向上し、国土交通省が発表した「燃費の良い乗用車ベスト10」では普通・小型車部門で1位となった[20]。なお、一部改良後のNHP10型について、イードが運営するウェブサイト「e燃費」がユーザー投稿を基に算出した実用燃費[21]は22.4 km/L[22][23]で、新型車部門・ハイブリッド車部門で1位となった[24]。なお北米仕様モデル(プリウスC)においては、2014年モデルの燃費がアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)規格の市街地/高速道路/複合の各モードでそれぞれ53/46/50mpg[25]となっている。

ラインアップ[編集]

ここでは主要な市場についてのみ記すが、グレード呼称と構成は各市場で全く異なる。

日本仕様「アクア(AQUA)」[編集]

 
X-URBAN
2014年12月 -

W30型プリウスと同じく、基本仕様の「S」と上級仕様の「G」に加えて「L」を追加。さらに、後期型では「X-URBAN」が新設されて4グレード体制となった。そのほか、スポーツコンバージョンシリーズの「G's(G SPORTS)」もラインナップされている。

L
「S」からパンク修理キット、高遮音性ガラス(メーカーオプションで寒冷地仕様を設定した場合は装備)、スーパーUVカット/撥水ガラス(フロントドア)、ウォッシャー連動間欠リアワイパー(メーカーオプションで寒冷地仕様を設定した場合は装備)、リヤパワーウインドゥ、アシストグリップ(メーカーオプションでSRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグを設定した場合は装備)、フードサイレンサーが省かれ、UVカット機能付ガラス(リアドア・リアクォーター・バックドア)はグリーンに、フロントシートは「S」から1kg軽量となるヘッドレスト一体式に、運転席はシート上下アジャスターを省いた4ウェイ仕様に、可倒式リアシートは一体タイプに、スピーカーは2スピーカーにそれぞれ変更し、スペアタイヤを装備。フロントグリルは「S」と同じブラックながら素地となる。タイヤサイズも全グレードで最も細く小径な165/70R14となり[26]、ホイールカバーも「L」専用品[27]を装着するなどして軽量化(他グレードより30kg軽い1,050kg)を図った低燃費仕様となっており、2度目の改良(2013年11月)以前は10・15モードで全グレード唯一の40.0Km/Lをマークしていた。本グレードのみ「パッケージオプション」が選択不可となり、内装色はナチュラルグレーのみでボディカラーも4色に限定される。
S
最量販グレードとなる標準仕様。「L」からの変更点は、パンク修理キット、高遮音性UVカット機能付ウインドシールドグリーンガラス(合わせ)、スーパーUVカット/撥水フロントドアグリーンガラス、UVカット機能付プライバシーガラス(リヤドア・リヤクォーター・バックドア)、時間調整式ウォッシャー連動間欠フロントワイパー(ミスト付)、ウォッシャー連動間欠リアワイパー、テレスコピック機能付チルトステアリング、リヤパワーウインドゥ、運転席上下シートアジャスター、上下調整式フロントヘッドレスト、助手席シートバックポケット、6:4分割可倒式リアシート、メッキ加飾(シフトノブ・パーキングブレーキボタン・センターレジスターノブ)、助手席バニティミラー、アシストグリップ、コートフック(リア)、ピアノブラック加飾(センタークラスター・サイドレジスター・ヒーターコントロールパネル)、フードサイレンサー、4スピーカー(オーディオレス)などと装備が数多く追加され、フロントグリルは「L」と同じブラックながら塗装に変更、タイヤサイズも175/65R15[28]へサイズアップされる。内装色はブルーブラックかブリリアントレッドのどちらかを選択できる(指定しない場合は前者)[29]
G
「S」をベースとした上級仕様で、4本スポークステアリングホイールが本革巻き(シルバーステッチ付)に、ファブリックシート表皮がスエード調に、インパネ助手席オーナメントが合成皮革巻き(メッキモール付)に、コンソールトレイがセンターに変更されるほか、メッキ加飾の範囲がサイドレジスターリングとインサイドドアハンドルにも拡大。さらに、クルーズコントロールとアームレスト付センターコンソールボックスが追加されるが、内装色はディープブラウン(前期型はアースブラウン)のみとなっている。
G "ブラックソフトレザーセレクション"
「G」に「パッケージオプション」の一つとして設定されている「スマートエントリーパッケージ」の装備品(スマートエントリー&スタートシステム(運転席・助手席・バックドア/アンサーバック機能付)・盗難防止システム(エンジン・モーターイモビライザーシステム)・コンライト(ライト自動点灯・消灯システム/ランプオートカットシステム)のセット)を追加装備したほか、シート表皮をスウェード調ファブリックから合成皮革に、内装色をディープブラウンからブラックソフトレザーにそれぞれ差し替えてシックな室内空間を演出した仕様である。
X-URBAN(エックス・アーバン)
「都会的なセンスのクロスオーバー」をコンセプトに掲げた最上位モデル。「G」からアルミホイール(センターオーナメント付)、専用色塗装のバンパースポイラー(フロント・リア)・サイドマットガード・ルーフモール(ルーフレールと異なり単なる飾りであり積載能力はない)、運転席アームレストを追加し、タイヤサイズを175/60R16にサイズアップ。専用サスペンションの採用により、他のグレードに比べて最低地上高を20mmアップ。フロントグリルを専用色塗装に、シート表皮は合成皮革+ファブリックに変更している。また、内装色はブラック基調となり、アクセントカラーでシルバーかオレンジを選択できる(指定しない場合は前者)。ただし、クルーズコントロール、アームレスト付センターコンソールボックスは省かれ、コンソールトレイは「L」・「S」と同じリアとなる。
パーツに施される専用色塗装は通常「ブロンズマイカメタリック」が設定されているが、メーカーオプションで「フレックストーン」を設定した場合、「オレンジメタリック」か「ブルーマイカメタリック」を選択できる。ボディカラーは「ディープアメジストマイカメタリック」を除く11色を設定しており、パーツカラー3色との組み合わせは33パターンとなる。

G's[編集]

 
前期型 G's
2013年12月 - 2014年12月
後期型 G's リア
2014年12月 -

TOYOTA G SPORTS(G's:ジーズ)」は、ピュアスポーツカーである「86」などを手掛けるスポーツ系車両の専門部署(スポーツ車両統括部)と、ニュルブルクリンク24時間耐久レースをはじめとして数多くのモータスポーツに参戦している「GAZOO Racing」が協同で開発・プロデュースを手がけているメーカー内製のチューニングカーシリーズのブランドで、「GAZOO Racing」のマスターテストドライバーによる高度なトータルチューニングと架装工程のインライン化などによって価格を大幅に抑えるなど、自動車メーカーならではの強みを生かしたチューニングカーを製作しているのが大きな特長である。

アクアはその6車種目[30]として2013年1月の「東京オートサロン2013」にてコンセプトモデルが発表され、同年11月に行われた「第43回東京モーターショー」にて市販仕様車がお披露目となり、そして同月26日に実施された標準車の一部改良と同時に発表された(発売は12月9日)[15]

車両概要
最上級グレードの「G」をベースとして、エクステリアは「G's」専用デザインのフロントバンパー・サイドマッドガード・リヤバンパー・フェンダーガーニッシュ・ブラック加飾LEDヘッドランプ[31]&リアコンビネーションランプ・LEDイルミネーションビーム・LEDフォグランプが与えられている[32]
車体の補強は、サイドシル部とドアオープニングスポット部にスポット溶接増しを行い、それらに加えて車体床下の前方・中央・後方に「VITZ GRMN turbo」にて先行採用された大型の補強ブレースを装着してボディ剛性を大幅に向上させている。サスペンションはG's専用セッティングのダンパーとローダウンスプリングを組み合わせて車高を25mm下げ、それにG's専用の17インチ×6.5J幅アルミホイールに195/45R17サイズのプレミアムスポーツタイヤ(ブリヂストン・POTENZA RE050A[33])を装備して高い運動性能と上質な乗り心地を融合させている。また、2015年モデルからは基準車のマイナーチェンジに伴って車体の剛性が一層向上したため、サスペンションもそれに併せてリセッティングされた。
インテリアは、G's専用表皮となる合成皮革とアルカンターラで構成されたG's専用のスポーツシートを運転席と助手席に装備し、レッドのステッチが標準であった以前のG'sブランド車とは異なってシルバーステッチが採用され、シートをはじめとしてステアリングホイール・シフトノブ・アームレスト・助手席側のインパネオーナメント・ドアトリムへと施している。それらに加えてフットペダルは靴が滑りにくいアルミ製へと変更し、ステアリングホイールのオーナメント部とパワーウインドウのスイッチベース部にラメ入りのピアノブラック塗装を施したうえにフロントドアのスピーカー部にはメッキのリングを装着し、さらに基準車では剥き出しとなっているフロントシートのレール固定部を化粧カバーで覆うなど、標準車はもちろん他のG'sモデルに比べても内装の質感を細部まで見直して大幅に向上させている。
なお、基準車では2015年モデルよりエアコンのスイッチパネル・サイドレジスター・ステアリングホイールのホーンパッドに新意匠を採用し、従来のフロントパーソナルランプに加えてルームランプも追加されたものの、「G's」についてはホーンパッドの刷新とルームランプの追加以外は2014年モデルより大きな変更はない。
車両の架装は基準車の製造拠点と同じくトヨタ自動車東日本が担当し、架装車両のため持ち込み登録となる。
特徴
「G」グレードがベースとして選ばれているために公式では「G "G's"」と呼ばれているが、実際には「G」グレードの標準装備であるアームレスト付センターコンソールボックス以外ほぼすべてG's専用パーツで構成されている。それゆえに「G」グレードをベースとした特別仕様とは言い難く、事実上アクアのみ「G's」は独立したグレードとして存在している。
他のG'sブランド車はベースとなる基準車にスポーティーグレード(プリウスとプリウスαでは「ツーリングセレクション」に相当)をチョイスしているが、元々アクアにはスポーティーグレードが存在しないため、例外的に最上級グレードをベースとしている。故にメーカーオプションやアクアの特徴である「パッケージオプション」も、タイヤやサスペンションなどの走行関係が主体となる「ツーリングパッケージ」を除けばベースグレードと同様に全て装着可能であるなど、他のG'sブランド車では基準車とG'sで装備が大きく異なる場合がある(例えば、基準車では選択可能なメーカーオプションがG'sでは非設定になる、など)のに対して、本車両のみ基準車とG'sとの間で装備差は無い[34]。ゆえに、その車種では最も高価となるフラッグシップモデルであることが、他のG'sブランド車との大きな違いである。また、同車は「G's」ブランドの「イメージキャラクター」としても頻繁に広告やCMに使われることが多い。

北米仕様「プリウスC」[編集]

北米市場ではPrius C(プリウスC)の名で販売され、サブコンパクトカーに分類される。

グレード構成は日本仕様とは異なり、ベーシックグレードの「One」、「One」に6:4分割可倒式リアシート、クルーズコントロールなどを追加した「Two」、「Two」にスマートキーシステム、日本仕様のアクアには設定のないムーンルーフなどを追加した「Three」、「Three」にアルミホイール、フォグランプなどを追加した「Four」の4つの仕様となる。「One」・「Two」が日本仕様の「S」、「Three」が「G」、「Four」が「ツーリング・パッケージ」装着車に該当する。

装備は日本仕様のアクアと比べて異なり、車内の9か所にエアバッグが標準搭載され(運転席・助手席エアバッグ、同サイドエアバッグ、カーテンシールドエアバッグに加えて、アクアでは設定の無い運転席・助手席シートクッションエアバッグと運転席ニーエアバッグも設定される)、こちらもアクアには設定の無いタイヤ空気圧警告灯などが全車で標準装備となっている。アクアとは違い、ボディーカラーはイエローを除いた9色がラインナップされる。アクアに先行して、2014年11月に開催された「ロサンゼルスオートショー」にて大幅に改良が施された「Prius C」の2015年モデルがワールドプレミアされた。

沿革[編集]

プリウスCコンセプト
  • 2010年1月 - デトロイト・モーターショー(北米国際オートショー)にて小型ハイブリッド車のコンセプトカー「FT-CH」を発表。
  • 2011年1月 - 前述のモーターショーにおいて、「FT-CH」の流れを汲んでさらに発展させた「PRIUS C concept」を発表。
  • 2011年11月15日 - 市販予定車両をワールドプレミアし、同時に「AQUA(アクア)」の車名を公表。第42回東京モーターショーへ出展。
  • 2011年12月26日 - 正式発表・発売。
  • 2013年5月31日 - 初の一部改良を実施。上級グレードの「G」に最上級バージョンとなる「ブラックソフトレザーセレクション」を追加。その他「S」と「G」にスーパーUVカットガラス(フロントドア)や助手席バニティミラー付サンバイザーを新たに標準装備したほか、「S」のブルー内装色仕様の助手席オープントレイとドアスイッチベースのアクセントカラーがブルーへと変更され、さらにドアトリムもグレーからブラックへと変更された。
  • 2013年11月26日 - 2度目の一部改良を実施。ハイブリッドシステム(THS-II)のさらなる高効率化による一層の燃費向上が図られ、車体も溶接スポットの追加や構造部材の板厚アップ等による補強を実施した。それに伴いサスペンションのセッティング変更と、「S」グレード以上に標準装着される15インチスチールホイールを幅広化(5J→5.5J)に加えてタイヤも新開発の低燃費タイヤへと刷新され、走行性能と静粛性能のさらなる向上が図られた。さらに装備面ではドアロック連動格納ドアミラーの新採用と「L」を除いた全グレードのフロントドアガラスに撥水機能を追加設定し、ヒルスタートアシストコントロールには坂道感知機能を追加した。また、スピードメーターの文字色もホワイトへ変更されている。さらに、スポーツコンバージョンシリーズの「G's(G SPORTS)」も追加された(発売は同年12月9日)。 この一部改良により、生産時充填オイルが従前のSAE 0W-20から、SAE 0W-16に変更(低粘度化)されている。
 
後期型
2014年12月 -
  • 2014年12月8日 - 初のマイナーチェンジを実施[35]
    「G's」に続く新たなグレードとして、SUVテイストを反映させたクロスオーバールックの「X-URBAN」と、ヴィッツに続いてドアミラー・アウトサイドドアハンドル・バックドアガーニッシュにメッキ加飾を施した「シャイニーデコレーション」が新たにオプション設定された。
    外観は「G's」を除く全グレードに新意匠のフロントバンパーとヘッドライトを採用してフェイスリフトを実施した。それらに加えて「G's」を含む全グレードに新意匠のリヤコンビネーションランプと、トヨタのコンパクトカーとしては初採用となるシャークフィン型ラジオアンテナを装備して外観のリフレッシュと空力性能を向上させた。さらに「S」と「G」は標準装備の15インチホイールキャップも新意匠となっている。新たな装備として、「Bi-Beam(バイビーム)[36]LEDヘッドランプ」をプリウスα(2015年モデル)に続いて採用した[37]
    ボディカラーは新色の「オレンジパールクリスタルシャイン(オプションカラー、「シトラスオレンジマイカメタリック」と入替)、「フレッシュグリーンマイカメタリック」の2色と、「シャイニーデコレーション」専用色の「チェリーパールクリスタルシャイン」・「ダークバイオレットマイカメタリック」を加えた14色がラインナップされた。
    「S」と「G」グレードの内装は質感の大幅な向上が図られている。センタークラスターとサイドレジスターパネルがピアノブラック塗装が施され、左右の吹き出し口も風量と風向をより細かく調整できるような新意匠となっている。さらに「G」グレードでは合革のインパネ助手席オーナメントにメッキモールが追加され、前席のパワーウインドゥスイッチベースとシフトノブのベース部にもピアノブラック塗装が施されるなど、従来以上に「S」グレードとの差別化を図っている。また、それらに併せるべく内装色も大きく変更され、ドアトリムとセンターコンソール部の色は全車ブラックのみとなった。「S」はブルーブラックとブリリアントレッドの2色へ差し替えられ、「G」はより深みのあるディープブラウンへと変更された。また、新たに「G」グレードの全車にクルーズコントロールが標準装備された。
    車体はリアフェンダー部のスポット溶接打点を増やして一層の高剛性化が図られ、それに合わせてサスペンションのリセッティングとパワーステアリングのアシスト特性を変更した。さらにフロントフェンダーライナーの形状も変更し、シールリヤバンパーにはエアアウトレットを追加するなど空力性能を改善して直進安定性とコーナリング性能をより一層高めている。
    「G's」は一部改良を実施。基準車のマイナーチェンジに伴ってベースとなる車体を刷新したため、それに併せてサスペンションのリセッティングを実施。また、「LEDヘッドランプパッケージ」を標準装備化したのに加えてフォグランプの光源をハロゲンからLEDに変更した。さらに新たな専用装備としてブラック加飾が施されたG's専用のリヤコンビネーションランプが採用され、快適装備ではルームランプとクルーズコントロールが装備された。

販売記録[編集]

2012年2月1日、前年の12月26日の発売開始から1月31日まで1か月間の受注状況が公表され、12,000台に設定されていた月販目標台数の10倍にあたる約120,000台の受注があったこと公表した[38]。このこともあり、同年10月時点で注文してからの「工場出荷予定日」は2013年1月以降と見込まれていた[39]。また、2012年10月には長らくトップを保っていたプリウスを抜き、さらに軽自動車を含む新車販売台数においても第1位となった。

日本でのCM曲[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ トヨタ、小型量産ハイブリッド車「アクア」を発売 - webCG 2011年12月26日
  2. ^ 【トヨタ アクア 発表】先進だけではなくFUNだけでもない Response.
  3. ^ 【東京モーターショー11】トヨタ アクア 初公開…プリウスを超える燃費40km/リットル - レスポンス 2011年11月15日
  4. ^ ただし、9代目より日本市場ではハイブリッド専用車種となったカムリについてはカローラ店でのみの販売となる。
  5. ^ 同じハイブリッド車でもプリウス(W30型)とプラットフォーム等の共通点はないが、日本国外市場では「PRIUS」の車名が浸透しているために「PRIUS C」の車名が与えられた(モーターファン別冊「トヨタ・アクアのすべて」より)。
  6. ^ HVシステム(THS-II)自体はアクア(プリウスC)と同型だが、欧州の道路事情を考慮しトランスミッションのギア比やモーターの出力が高められているほか、THS-II採用でありながらタコメーターが標準装備(この件に関しては後発のカローラアクシオHV/フィールダーHVも同様)されているなど細部が異なっている。
  7. ^ これとは逆にアクア(プリウスC)が販売されている地域(日本・台湾・北米)でヤリス(ヴィッツ)ハイブリッドが販売されていないのはこのため。
  8. ^ トヨタでは、アクアやプリウスのルーフ形状を正面から見るとカモメが翼を広げたように見えるため「カモメルーフ」と呼んでいる。ただし、86のそれはカモメに見えないため「パゴダルーフ」と呼んでいる。
  9. ^ このシートの着座位置はスポーティーハッチバックのE18#Hオーリス(530mm)と全く同じである。比較としてW30型プリウスで570mm、同じ車台のP13#型ヴィッツでは580mmと高くなる。
  10. ^ カーグラフィック2012年12月号「ジャイアント・テスト:コンパクトカーの総合性能」より。同誌のテストに参加した全ての車両でNo.1の総合性能であった。
  11. ^ トヨタアクアのすべて
  12. ^ エンジンを含めてTHSを構成するパーツの約70%が新たに設計されている。トヨタ、コンパクトハイブリッド「アクア」発売 Car Watch 2011年12月26日
  13. ^ W30型プリウス以降に一部のトヨタ製ハイブリッド車に新しく採用された「POWERモード」(パワーブースターの如くボタンの押下中はハイブリッドシステムの総出力を大幅に高められる機構)は、車体が小さくて十分な総出力を確保できるアクアには採用されていない。
  14. ^ トヨタのハイブリッド専用車で他にゲート式フロアシフトを採用している唯一の車種・9代目カムリは出自がガソリン車であり、現に日本国外向け仕様にはガソリン車(非ハイブリッド車)が存在する。
  15. ^ a b “トヨタ、「アクア」をマイチェン〜燃費性能37.0km/Lを達成”. 朝日新聞. (2013年11月28日). http://www.asahi.com/and_M/interest/TKY201311270191.html 2013年12月6日閲覧。 
  16. ^ ただし、メーカーオプションなどの装着で車両重量が1,090kg以上となった場合は33.0km/L。
  17. ^ 燃費35.4km/Lで格安のハイブリッド車 トヨタ自動車「アクア」 - 日本経済新聞、2012年2月10日
  18. ^ ただし、メーカーオプションなどの装着で車両重量が1,090kg以上となった場合は33.8km/L。
  19. ^ TOYOTA、アクアを一部改良し、燃費性能で世界トップの37.0km/Lを実現 - TOYOTA Global Newsroom、2013年11月26日
  20. ^ 燃費の良い乗用車ベスト10 (PDF) - 国土交通省、2014年3月20日
  21. ^ 「e燃費」のユーザーがインターネットで投稿した給油量と走行距離を基に算出した燃費。
  22. ^ 『e燃費アワード2013-2014』全部門トップ10
  23. ^ 実用燃費が優秀なクルマを発表『e燃費アワード2013-2014』 - MSN産経ニュース、2014年3月20日
  24. ^ なお、同ウェブサイトで軽自動車部門で1位となったスズキ・アルトエコの22.6km/Lには及ばず、実用燃費でハイブリッド車がガソリン車より僅かながら劣ってしまう結果も出ている。
  25. ^ mile per gallon(1ガロン当たりの走行距離(マイル))のこと。
  26. ^ ステアリングのギア比15.9と、Lグレード専用のセッティングとなる(「S」・「G」は14.1で、ヴィッツの「RS」と共通)。
  27. ^ デザインは3代目 CP110型ヴィッツの「F」(前期型)用、および2代目(通算11代目)E160型カローラアクシオの1.3L車用、NP140型2代目ポルテ/初代スペイドの各1.3L車用と共通。
  28. ^ ブリヂストン・ECOPIA、もしくはダンロップ・ENASAVE
  29. ^ なお、当初はクールブルーまたはフレッシュグリーンが選択可能(指定しない場合は後者)で、1度目の改良でブルー系をディープブルーに差し替えていた。
  30. ^ ノア/ヴォクシーヴィッツ・プリウス・マークXアルファード/ヴェルファイアに続き、さらにハイブリッド専用車種とコンパクトカーとしては2車種目となる。
  31. ^ 基準車の2015年モデルより採用された「Bi-Beam」ではなく、従来型のLEDヘッドランプを引き続き採用する。これは基準車のヘッドランプ形状が変更されたための措置であるが、フォグランプはそれと同じくLEDタイプが装着される。
  32. ^ 2014年(マイナーチェンジ前)モデルのみ、リアコンビネーションランプだけが他のG'sブランド車とは異なり、基準車と同一のものが採用されていた。これはG'sブランド車の第1弾となる「ノア/ヴォクシーG's」以来である。
  33. ^ このタイヤとサイズも銘柄も同一のものがスズキの「スイフト・スポーツ(3代目・ZC32S型)」にも採用されている。
  34. ^ しかし、基準車のマイナーチェンジが実施された2015年モデルからは、基準車に採用された新装備(Bi-Beam LEDヘッドライトやエアコンのスイッチパネル等)がG'sだけには採用されないなど、一部の装備差が生じている。
  35. ^ TOYOTA、アクアをマイナーチェンジ - トヨタ自動車 ニュースリリース 2014年12月8日
  36. ^ 従来はロービームのみ光源がLED(ハイビームはハロゲン)だったのに対し、1灯の光源でロービームとハイビームの切替ができる。小糸製作所が開発に成功し、2014年11月発売のプリウスα(MCモデル)にて世界初採用となった。
  37. ^ メーカーオプション「LEDヘッドランプパッケージ」を選択することで搭載可能となる。なお、「L」と「G's」は選択不可。
  38. ^ トヨタ、新型ハイブリッド「アクア」が目標台数の10倍を受注Car Watch 2012年2月1日
  39. ^ アクア 納期目途についてのご案内 - トヨタ自動車 2012年10月7日閲覧

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]