徐行

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徐行(じょこう)とは、運転における交通法規の用語のひとつ。

定義[編集]

徐行は道路交通法第二条で「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。」と定義されている。同法に具体的な速度は示されていない。

ただ、自転車が歩道を通行するときの「徐行」の例示として「時速4、5キロぐらい」とする警察庁交通局交通企画課長の国会発言がある[1]

俗に「最徐行」という言葉もある[2]が法律では定義されておらず「徐行よりさらに気をつけて通過してほしい」という強調の際に使われる言葉である。

徐行すべき場所(通則)[編集]

道路交通法第四十二条により、車は次のような場所を通行するときは徐行しなければならないと定められている。

  1. 「徐行」の道路標識等があるところ。
  2. 左右の見通しが利かない交差点に入ろうとするとき。(信号機や警察官等の手信号による交通整理が行われている場合及び優先道路を通行している場合を除く[3])。
  3. 交差点内で左右の見通しが利かない部分を通行しようとするとき(信号機や警察官等の手信号による交通整理が行われている場合及び優先道路を通行している場合を除く[3])。
  4. 道路の曲がり角付近。
  5. 上り坂の頂上付近。
  6. 勾配の急な下り坂。

徐行すべき場合(各条)[編集]

前述の通則のほか、各場面において、道路交通法により車は次のような場合は徐行しなければならないと定められている。

  1. 警察署長の許可を受けて歩行者用道路を通行するとき。(第九条)
  2. 歩行者等の側方を通過するときに安全な間隔がとれないとき。(第十八条)
  3. 道路外に出るため右左折するとき。(第二十五条)
  4. 乗客が乗降するために停止中の路面電車の側方を通過するときに安全地帯があるとき。または乗降客が居ない停止中の路面電車との間に1.5メートル以上の間隔があるとき。(第三十一条)
  5. 交差点で右左折するとき。(第三十四条)
  6. 環状交差点に入り、環状交差点内を通行し、環状交差点を出るまで。(第三十五条の二)
  7. 交差道路が優先道路や道幅の広い道路であってそれに進入するとき。(第三十六条)
  8. 緊急自動車が法令の規定により停止しなければならない場所を通過するとき。(第三十九条)
  9. 普通自転車が歩道を通行するとき。(第六十三条の四)
    このほか普通自転車通行指定部分も参照のこと。
  10. ぬかるみや水たまりの場所を通行するとき。(第七十一条一)
  11. 身体障害者(車いす、つえ、盲導犬)や保護者が付き添わない児童、幼児、高齢者の通行を妨げないようにするとき。(第七十一条二、二の二)
  12. 児童、幼児などが乗降するため停止中の通学通園バスの側方を通過するとき。(第七十一条二の三)
  13. 歩行者がいる安全地帯の側方を通過するとき。(第七十一条三)

罰則[編集]

  • 道路交通法第八章各条に基づく罰則が科せられる。
  • 反則行為の一覧の各反則行為が適用される。

鉄道の徐行[編集]

いつも同じところで同じように速度を落として走る制限速度とは異なり、臨時に速度を落として走ることをいう。制限速度がカーブやポイントで減速するのに対して、徐行は強風・豪雨などの自然災害や、それによる線路の破損、また工事などで線路がしっかり踏み固まっていない場合などに行う。

徐行の区間や速度はあらかじめ通告がある。線路の破損や工事などで徐行する場合は、徐行区間の手前に「徐行予告信号機」という標識を、徐行区間の開始地点に「徐行信号機」という標識が、徐行区間の終点に「徐行解除信号機」という標識がある。この信号機については日本の鉄道信号#臨時信号機を参照。

脚注[編集]

  1. ^ 参議院会議録情報第084回国会地方行政委員会第12号 - 第084回国会、1978年5月9日 説明員(鈴木良一君)『警察庁交通局交通企画課長』  それからもう一つは、歩道を通行する場合においては、先ほど申しましたように、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で自転車は走れとこう書いてあるものでございますから、大変莫然たる規定でわかりにくい、むしろ、今度はっきり自転車は歩道を通行する場合には徐行して走りなさい、時速四、五キロぐらいのことであろうと思いますが、すぐとまれる速度で走りなさい、そして歩行者の通行を妨げるような状況になるときは一時停止をしなさいということを明確にしたというものでございまして、そういう意味でむしろ歩行者の保護を今回ははっきり考えて規定をした、こういうふうに理解をいたしております。
  2. ^ 使用例みんなの県政THEかがわ - 香川県サイト
  3. ^ a b ただし、環状交差点内では全て徐行である