日の丸自動車グループ
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日の丸自動車グループ(ひのまるじどうしゃグループ)は、東京都と神奈川県(おもに横浜市と周辺地区)を中心にハイヤー・タクシー・バスの運行、自動車学校などの経営等を手がける企業グループである。
なお、鳥取県鳥取市に本社を持つバス会社の日ノ丸自動車(真ん中が片仮名)、岐阜県岐阜市に本社を持つタクシー会社の日の丸自動車、北海道帯広市の日の丸交通(北海道交運グループ)、静岡県の日の丸交通(梅田交通グループ)岡山県井原市の日の丸タクシー(日の丸タクシー株式会社)、岡山県倉敷市の日の丸タクシー(株式会社日の丸タクシー)、山口県防府市の日の丸タクシー(こすもすグループ)、山口県萩市の日の丸松野タクシー、および大阪府池田市の日の丸ハイヤー(日の丸ハイヤー株式会社)とは全くの無関係である。特に鳥取県の日ノ丸自動車は、東京都内に高速バスが乗り入れているため注意を要する。
概要[編集]
1950年に創業。本社は東京都文京区後楽。創立時は日の丸自動車1社だったが、初代社長から代替わりする際に長男・次男・三男で経営権を分割したため、日の丸交通・日の丸リムジン・日の丸自動車交通に分社化。2016年、日の丸自動車交通が他資本へ譲渡され、現在はタクシー事業を行う日の丸交通とその地域分社、主にハイヤー事業を行う日の丸リムジンと大成観光交通、各種バス事業を行う日の丸自動車興業、高速道路のサービスエリアの売店・レストランを営業する日の丸サンズ、自動車教習所を運営する日の丸総業、駐車場管理・運行管理事業を行うシティパークアンドサービスなどでグループを構成している。
営業内容[編集]
ここでは、日の丸自動車グループの車両について記す。
タクシー[編集]
日本の国旗である縦型の日の丸の社名表示灯が特徴で、ボディカラーは黄色、ボディ中央に太め赤色の帯。黒色の車両は(社名表示灯が長いカマボコ型で赤い「●」印と「HINOMARU」の文字)。日の丸リムジンの車両は黒色のみで専用の行灯を装備し、車体の表記は「LIMOTAXI」となっている。主な使用車種はトヨタ・クラウンスーパーデラックスGパッケージ、トヨタ・クラウンコンフォート、トヨタ・プリウス、トヨタ・アルファード、日産・セドリック、日産・NV200バネットで、従来の塗装色を好む乗客の為、黄色を用いた車両や広告ラッピングされた車両もある。日の丸交通グループとしてGPS-AVMシステムによる無線配車を行っている。Webや電話オーダーによる事前予約受付・スマートフォンアプリ「スマホdeタッくん」による配車も行っている。スーツケースが複数積載可能なトヨタ・アルファードのワゴンタクシーも保有する。使用車種はホンダ・オデッセイで、現在3代目と4代目の車両が混在している。初代の車両は2009年までに全車廃車になった。そのほか、日産キャラバン(8人乗り)も配置されているが、こちらは完全予約制で(日の丸リムジン扱い)流し営業は行っていない。また、六本木ヒルズには日本交通と共同運行の専用乗り場がある。プリウス(黒塗り)のタクシーが六本木ヒルズ専用車として入構している。全車にドライブレコーダーと防犯用車内カメラ搭載、2010年には丸の内地区で専用のカラーリングを施した電気自動車三菱・i-MiEVを使用した「ゼロタクシー」を日の丸リムジン丸の内営業所に導入した。 稼働車両は概ね5年以上または50万Km超え走行した時点で新車代替を行っている。
安全装備に徹底しており、エアバッグが標準装備されていないセドリックであっても運転席エアバッグをオプションで装着している。
歴史[編集]
- 2008年(平成20年)3月 - ポストペイ型電子マネーであるQUICPayとiDによる料金決済システムを導入。
- 2010年(平成22年)4月 - 中央自動車(提携前は共同無線タクシー協同組合に加盟)、およびその子会社の中央交通(非無線営業)と業務提携。
- 2013年(平成25年)4月 - Suica系共通乗車カードによる運賃決済システムの運用開始[注釈 1]。
- 2015年(平成27年)7月 - 共同無線タクシー協同組合加盟の9事業者[注釈 2]との業務提携契約を締結[1]。
- 2016年(平成28年)
- 2018年(平成30年)10月 - ディー・エヌ・エーが提供するスマートフォン用タクシー配車アプリ「MOV(現・GO)」を導入[3][注釈 4]。
- 2020年(令和2年)10月16日 - 提携会社の日英交通を日の丸交通TokyoBayに合併、同社青戸営業所とする[6]。
ハイヤー[編集]
企業が社用に使う場合や国賓として来日する各国要人の送迎などに使用される(日の丸リムジン)
バス[編集]
観光バス事業だけでなく、お台場・丸の内・八重洲で都心を巡回する無料バスや、屋根のない2階建車両(オープントップバス)を使用した定期観光バス「スカイバス東京」を運行している。
営業所[編集]
日の丸交通[編集]
世田谷以外の3営業所は2011年12月13日にそれぞれ分社化された[7]。
日の丸リムジン[編集]
- 本社(文京区後楽)※車庫機能なし
- 丸の内(千代田区丸の内)
- アークヒルズ(港区六本木)
- 深川(江東区白河)※ハイヤー・ワゴンタクシー
- 王子(北区豊島)※タクシー・ワゴンタクシー 2004年12月に北区浮間から移転(当時は「赤羽営業所」の名称だった[注釈 6]。)。
- 廃止された営業所
日の丸自動車興業タクシー営業所[編集]
※旧:富士急横浜自動車
2014年4月、多摩田園タクシー(神奈川都市交通グループ)に営業権譲渡、神奈川県でのタクシー事業から撤退。
日の丸自動車興業バス営業所[編集]
- 水道橋(文京区後楽)※事務・営業のみ(車庫機能なし)
- 東京(足立区宮城) ※各種無料バス・スカイバスもここに配置。2017年に板橋区から移転。
- 新座(埼玉県新座市野火止) ※東日本観光バスを1995年にグループ化
- 横浜(神奈川県横浜市戸塚区名瀬) ※相模原営業所と相鉄自動車の貸切部門を統合し2009年に移転
- 新成田(千葉県成田市小菅) ※エアポートバスを2010年にグループ化
- HMC東京(江戸川区北葛西) ※大東観光バスを2006年にグループ化、旧「HMC大東」。2010年には都自動車を統合
- HMC東京・千葉(千葉県茂原市茂原) ※都自動車茂原営業所を2010年にグループ化
- 明星観光バス(京都府京都市山科区西野山中鳥井町) ※明星自動車の観光バス部門を2015年に譲受
- 中央交通(大阪府大阪市浪速区) ※2017年にグループ化
- 廃止された営業所
- 相模原(神奈川県相模原市清新)2001年~2009年。横浜営業所へ移転
- 成田(千葉県成田市川上)2005年~2009年。廃止。現在もハイヤーの営業所としては存在する
- 野田(千葉県野田市横内)1998年~2011年。廃止。 ※むらさき観光・八街観光(一部)を1998年にグループ化
無料巡回バス[編集]
業務提携会社[編集]
タクシーはいずれも日の丸グループ塗装に改められている(かつて存在した日英交通のみ全車黒塗り)。かつての日英交通および旧・共同無線グループについては日の丸自動車のロゴの下に各社の社名が英語表記されている(中央自動車と中央交通はジャパンタクシーとラッピング車のみ英語表記)。旧・共同無線グループの日の丸入りに伴い共同無線は業務を停止し解散した。
社名 | 車体表記 | 所在地 | 備考 |
---|---|---|---|
池袋交通 | IKEBUKURO KOTSU | 板橋区幸町 | 2015年まで共同無線グループ |
大井交通 | OI KOTSU | 品川区南大井 | 2015年まで共同無線グループ |
幸裕自動車 | KOYU JIDOSHA | 荒川区西尾久 | 2015年まで共同無線グループ |
大栄交通東京本社 | DAIEI KOTSU | 板橋区東坂下 | 2015年まで共同無線グループ 神奈川県内の営業所(横浜本社・旭)はラジオタクシー加盟 |
泰進交通 | TAISHIN KOTSU | 墨田区堤通 | 2015年まで共同無線グループ |
ダイヤ交通 | DAIYA KOTSU | 足立区保木間 | 2015年まで共同無線グループ |
中央自動車 | 中央自動車 CHUO JIDOUSHA[注釈 7] |
北区田端 | 2010年まで共同無線グループ |
中央交通 | 中央交通 CHUO KOTSU[注釈 7] |
文京区湯島 | 中央自動車の子会社 日の丸提携以前は独自営業 |
鳩タクシー | HATO TAXI | 世田谷区世田谷 | 2015年まで共同無線グループ |
三喜タクシー | MIKI TAXI | 世田谷区千歳台 | 旧:セントラルタクシー千歳台営業所 2015年まで共同無線グループ |
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 東京無線・チェッカーキャブグループとの同一仕様共同開発・一括調達
- ^ 同組合加盟事業者のうち寿交通(三鷹市野崎)を除く。
- ^ なお、葛飾営業所はかつて京成グループの中であっても帝都グループではなかった京成タクシーを譲受したものであったため、葛飾営業所の事実上の京成グループへの回帰となった。
- ^ 当初、日の丸自動車は後にS.RIDEを展開するみんなのタクシーに同社の設立にあたる意向確認書[4]や同社の設立[5]時点では出資していたが、同社が事業会社へ移行する前に離脱した。
- ^ 旧所在地に同年8月に日本交通グループの松崎交通東京営業所と同進交通が移転し後者は日本交通葛西営業所となった。
- ^ 現在は梅田交通グループのイースタンモータース浮間営業所が開設されている。
- ^ a b ジャパンタクシーおよびラッピング車のみ
出典[編集]
- ^ 日の丸自動車タクシー無線グループに新たにタクシー会社9社が加わりました。
- ^ 日の丸自動車タクシー無線グループに新たに1社が加わりました
- ^ DeNA プレスリリース DeNA、東都⾃動⾞・⽇の丸⾃動⾞と次世代タクシー配⾞アプリの都内展開で協業開始 2018年10月15日
- ^ AI技術を活用した配車サービス事業に関する意向確認書の締結について
- ^ 新会社 みんなのタクシー株式会社を設立
- ^ 株式会社日の丸交通TokyoBayと日英交通株式会社の合併に関するお知らせ
- ^ 営業所を独立採算の新設会社として分割 - 日の丸交通2011年12月13日(火) 06:00
- ^ 株式会社日の丸交通TokyoBay新社屋建築のお知らせ