近鉄6000系電車

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基本情報
製造所 近畿車輛
主要諸元
編成 3・4両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
最高運転速度 100 km/h
車体長 20,720 mm
主電動機 MB-3082A
主電動機出力 135kW
駆動方式 WNドライブ
歯車比 6.13
編成出力 1,080kW
制動装置 電磁直通ブレーキ (HSC-D、発電制動併用)
保安装置 近鉄型ATS
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近鉄6000系電車(きんてつ6000けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道(近鉄)の保有する一般車両(通勤形電車)で、狭軌軌間1,067mm)用の車両である。

なお本項では、その前身である6900系電車(6000系に記述)と、派生系列である6020系電車及び6200系電車16200系電車についても記載する。


概要[編集]

1957年に登場した6800系を皮切りに、名古屋線1600系、大阪線1470系1480系、奈良線900系といった片側4扉車体の高性能車が順次投入されていた。しかし1960年代当時の南大阪線にはモ5601形モ6601形といった戦前の大阪鉄道時代から在籍する旧型車両がまだ残っており、4扉車体の6800系が32両投入されたとはいえ、片側3扉の旧型車両群では急増する沿線の乗客増加には対応しきれず不十分であったため、6800系の基本設計を踏襲した一般車両を製作して、6800系の増備車だけでなく旧型車両の代替用とすることとした。それが6000系列である[1][2][3]

3形式を合わせて172両が製造され[1]、6000系列の落成により南大阪線系統の旧型車は道明寺線・御所線の単独運用及び荷物車を除いてすべて撤退し、南大阪線系車両の高性能化を事実上完了させるに至った[1][2][* 1]

6000系[編集]

近鉄6000系電車
200203 6009.jpg
主要諸元
編成 3・4両編成
全幅 2,709mmまたは2,736[1][3] mm
全高 4,146[1][3] mm
車体高 4,037[1][3] mm
台車 Mc車・M車:KD-48/KD-61[1][3]
Tc車・T車:KD-39A/KD-61A[1][3]
制御装置 バーニア制御(超多段式カム軸制御)
形式:日立製作所製VMC-HTB-20B[3]
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新ラビットカーとして1963年に登場し、ラビットカーと呼ばれた6800系の出力を増強してT車(付随車)を連結できるようにした系列である。

6800系同様MMユニット方式を引き続き採用したが、当初は6900系として落成し、Mc+Mc+Tcの3連で登場[1][2][3]1966年の増備車からは6000系としてMc+M+Tcの3両を基本にMc+M+Tc+Tcの4両編成を組み、1968年にはTのサ6150形の増備により、Mc+M+T+Tcの4両固定編成が登場した[1][2][3]。全車がオレンジバーミリオンに白帯のラビットカー塗装で落成し、サ6150形以外にはステンレス製のラビットマークが取り付けられていた。サ6150形にこのマークが取り付けられなかったのは、完成後の近い時期にマルーン塗装に変更されることが決定済であったためである[* 2]。1966年の6009F完成と相前後して、既存の6900系も6000系に改番された[1][2][3]

主要機器[編集]

駆動装置はWNドライブで、当時、狭軌用としては最大の出力135kWの主電動機であった三菱電機MB-3082-Aを装備する[1][3]。主電動機の端子電圧は340Vであるので、実質は150kW級である。制御装置はバーニア制御の日立製作所製VMC-HTB20B形(モーター8台制御)で偶数Mc車に搭載した[2]台車は6007Fまでは金属バネ台車で(電動車はKD-48を、制御車はKD-39Aを装着[1])、6009F以降は近鉄初の車体直結式空気バネ台車(電動車はKD-61、制御車はKD-61Aを装着[1])を装着した。集電装置は6007FまではS-534-Aを、6009F以降はPT-4206型をMc車 (偶数) に2台搭載した[1]。ブレーキ(制動)方式はHSC-D発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキである[2]空気圧縮機 (D-3-FR型、6009F以降はC-2000M型) はM車に、電動発電機はTc車に装備した。

改造[編集]

1968年から塗装合理化によりマルーンに塗り替えられ、ラビットマークも取り外された[3]

6900系も6000系に編入後は固定編成化され、1969年頃に旧6900系の車両は抵抗器の容量を増大して最初から6000系として落成した車両とともに吉野線への入線を可能にする工事を実施した。

1970年代初頭に旧モ6900形偶数Mcのモ6000形、ク6100形6101 - 6104(旧ク6950形)はATSや列車無線などの導入後、中間車として使用されるようになり、運転台も簡易化された[1]。その後1978年から1979年に行われた冷房化の際にモ6000形偶数Mc車及びク6100形の運転台は撤去された[2]

1983年から1987年にかけて車体更新が行われ、内外装材の張り替え、正面・側面の行先表示器の設置、中間運転台跡の客室化が行われた[2][3]

廃車[編集]

6620系の投入により15両 (6011F - 6017F・サ6152・サ6153・サ6109) が600系・620系に改番の上養老線に転属している[2][3]。この転属・改番されたものを除いて2002年までに全車が除籍・廃車されており、系列消滅している[3]

6020系[編集]

近鉄6020系電車
Kintetsu Series 6020 Minami-Osaka.jpg
主要諸元
編成 3・4両編成
全幅 2,709mmまたは2,740[1][3] mm
全高 4,150[1][3] mm
車体高 4,032[1][3] mm
台車 Mc車・M車:KD-61B/KD-61F[1][3]
Tc車・T車:KD-61C/KD-61G[1][3]
制御装置 抵抗制御(多段カム軸制御・無接点カム軸制御)
NMC-HTB20A[3]
MMC-HTB-20K[3]
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1968年に登場し、6000系の通風装置をラインデリアに変更した系列である[1][2][3]1973年までに99両製造され、南大阪線系統では最大勢力となっている[1][2][3]。電算記号はC(20番台、C21 - C77)[3]

車体[編集]

車体や尾灯の形状は大阪線2410系名古屋線1810系と同様のものに変更されており[3]、奈良線900系以降の車両に合わせて車体側面の腰羽目高さは床面から850mm、窓框の高さは900mmとされた[3]。塗装は落成当初よりマルーンレッドの塗装で新造された。1971年以降に増備された車両は車体幅が30mm拡大され[3]、前面に排障器が、側面には列車種別表示器が取り付けられた。

編成[編集]

編成は吉野側からMc+M+T+Tcの4両編成と、Mc+M+Tcの3両編成が存在する[1][3]。4両編成は中間T車を解放した3両編成での運用も可能とする。なお、6037Fは後年6000系からク6109形を付随車化した上で中間に組み込まれて4両編成にされている[2]

編成
 
← 大阪阿部野橋
3両 ク6120 モ6020
(偶数)
モ6020
(奇数)
 
4両 ク6120 サ6160 モ6020
(偶数)
モ6020
(奇数)

主要機器[編集]

性能面では6000系6009F以降と同一で[2]、駆動装置や主電動機、台車、制動方式も同系後期型に準じている[1]。制御装置はバーニア制御のVMC形から日立製作所製のNMC型またはMMC型抵抗制御(モーター8台制御、6041Fまでは無接点カム軸制御のNMC-HTB-20AをMc車に[1]、6043F以降は多段カム軸制御のMMC-HTB-20KをM車に搭載[1])を搭載した。集電装置はM車に2台搭載したが、一部編成は旧型車両から流用した[2]。空気圧縮機は6041FまではM車に、6043F以降はMc車に装備し、電動発電機はMc車に装備した[1]

改造・車体更新[編集]

1979年から1984年にかけて冷房化が行われ[2][3]、1987年から1994年にかけて内外装材の交換を中心とした車体更新が行われた[3]。車体更新に前後して行先方向幕が設置され、旧型車両から流用したパンタグラフは他形式からの発生品および下枠交差式に交換されている[2]

1997年から2009年にかけて全編成に2回目の車体更新(B更新)が施工された[3][4][5][6]。2008年以降の更新車はク6120形に車椅子スペースが設置されている[6]。B更新に前後して、6023F・6025F・6029F - 6035F・6039F - 6077Fに転落防止幌が設置されている[4][5][6]

ラッピング広告・復刻塗装[編集]

6051F 復刻ラビットカー塗装
  • 6049F:PiTaPa・KIPSカード(2013年3月 - )
  • 6051F:復刻ラビットカー塗装(2012年8月 - )
    • 2012年10月を以って吉野線が開業100周年を迎えたことから、「吉野飛鳥 近鉄エリアキャンペーン」の一環である「吉野線開業100周年記念列車ツアー」の実施[7]に先駆けて塗装変更した[8]。2016年9月に五位堂検修車庫を検査出場した際にも復刻塗装が維持されている[9]
  • 6069F:大和高田号(2015年9月23日[10][11] - 運転終了[11]

廃車[編集]

2016年現在までに13両の車籍抹消が発生しており、2001年には6037FがB更新の際に養老線(現在の養老鉄道養老線)向けに改造・625系625Fに改番となって転出し[3]2003年から2004年にかけて10両(6021F・6027F・サ6164・サ6165)の余剰廃車[3]が発生している。

2017年4月現在、3両編成18本54両と4両編成8本32両の計86両が現存し、古市検車区に配置されている[12]

6200系[編集]

近鉄6200系電車
Kintetsu Series 6200 Minami-Osaka.jpg
主要諸元
編成 3・4両編成
全幅 2,740[1][3] mm
全高 4,150[1][3] mm
車体高 4,040[1][3] mm
台車 Mc車・M車:KD-77[1][3]
Tc車・T車:KD-77A[1][3]
制御装置 抵抗制御(多段カム軸制御)
形式:MMC-HTB-20K[3]
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1974年に登場。6020系に最初から冷房装置を取付けて登場した系列で[1]、1978年までに計38両が製造された[1]。電算記号はU(U01 - U21)[3]

増備車[編集]

1次車の6201F - 6207Fは3両編成として落成したが[1]1975年に落成した2次車である6209F - 6217Fの製造時にサ6351・サ6352が6201F・6203Fに組み込まれて4両編成化された[1]。1978年に落成した3次車である3両編成の6219F・6221Fを以って本系列の製造が終了し、4両編成5本(6201F・6203F・6213F - 6217F)と3両編成6本(6205F - 6211F・6219F・6221F)の陣容となった[1][3]

編成[編集]

編成はMc+M+T+Tcの4両編成とTを抜いた3両編成Mc+M+Tcがあり、6020系同様にMMユニット方式が採用されている[1]。4両編成は需要に応じてT車を抜いた3両編成での運用も可能とする。

編成
 
← 大阪阿部野橋
3両 ク6300 モ6200
(偶数)
モ6200
(奇数)
 
4両 ク6300 サ6350 モ6200
(偶数)
モ6200
(奇数)

車体[編集]

車体スタイルは大阪線2800系の第5編成以降に準じ、前面に行先表示器や排障器(スカート)が取り付けられた[3]

主要機器・性能[編集]

性能面では6020系後期型と同様で[2][3]、駆動装置や主電動機、制御装置、ブレーキ方式、補機類や集電装置の配置も同系に準じている[1]。台車は新設計のKD-77形空気バネ台車が採用されているが[1]、6207Fのモ6208は後年に事故で台車を破損したためKD-61Bを装着する[3]

改造[編集]

車体更新

1994年から1998年にかけて全車両が側面方向幕設置と車体更新工事を完了した[2][3]

B更新

2009年からは2回目の車体更新(B更新)が開始され[3]、2017年4月時点では6201F - 6217Fが高安検修センターにて更新を完了している[13][14][15][16]。内容は2008年以降にB更新出場した6020系に準拠しており、ク6300形に車椅子スペースが整備され[14]、B更新に前後して転落防止幌の設置が行われている。

2016年更新の6211Fでは新仕様の内装デザインに変更された[16]2610系2627Fと同等の黒色基調の壁板や茶色基調の床面にグレー調(優先座席はオレンジ)のシートモケットとなり[16]、各車両優先席床面部分には優先席表示が追加され[16][* 3]、つり革は2610系2627Fと同様の三角形にオレンジ色のつり革に交換された[16]。ただし、本編成では6人掛け優先座席中間のスタンションポール設置は省略された[15][16]

その他

2016年には6221FがB更新時に下記の16200系に改造された[3][17]

廃車[編集]

2017年4月現在、特急車に改造された6221Fを除いた本系列の廃車や車籍抹消は発生しておらず、4両編成5本20両、3両編成5本15両の計35両が在籍しており、古市検車区に配置されている[12]

ラッピング広告[編集]

  • 6215F:近鉄百貨店スマイルトレイン(2006年11月 - 2007年5月)

16200系[編集]

近鉄16200系電車
Kintetsu16200 yoshinoguchi.jpg
主要諸元
編成 3両編成
起動加速度 高加速時:2.5km/h/s
低加速時:1.8[18] km/h/s
編成定員 65名[18]
車両定員 Tc車:28名[18]
M車:20名(着席時)[18]
Mc車:37名[18]
全幅 2,740[18] mm
全高 4,150[18] mm
車体高 4,040[18] mm
台車 Mc車・M車:KD-77[18]
Tc車:KD-77A[18]
制御装置 抵抗制御[18]
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16200系は、2016年9月10日に営業運行を開始した、一般車改造の観光特急列車である[3]。車両愛称は「青の交響曲」(あおのシンフォニー)。2015年に6200系1編成を改造して運行することが発表され[18][19]、その後同年2月17日に形式名と車両愛称が発表された[20][21]。運転日は毎週水曜日以外の週6日(水曜日はこの編成以外の特急車両で運用)で1日2往復運転される[3][18]。編成は3両編成で1・3号車がサロン席(3・4人用)とツイン席(2人用)、2号車にラウンジスペースとバーカウンターを設ける[18]

近鉄の特急車が一般車から格上げされたのは680系以来である。

2016年3月末に入場して改造工事が行われた後に同年7月7日に車体外装の改造を完了して高安検修センターを出場し[18][22]、最終整備を五位堂検修車庫にて行った後に同年7月19日に出場した[17][23][24]。吉野側からモ16201(Mc車)ーモ16251(M車)ーク16301(Tc車)の3両編成を組む[3][23][24]。電算記号はSY01[3]

改造までの経緯[編集]

近鉄では50000系を用いた観光特急「しまかぜ」、2013系を用いた観光列車「つどい」、15400系を用いたクラブツーリズム専用列車「かぎろひ」などといった観光輸送に特化した特別仕様車両を多数保有し標準軌線で運転されているが[18]、線路幅の異なる南大阪線系統には26000系「さくらライナー」が運転されているとはいえ、同系列は一般の特急運用も考慮した車両設計であったために50000系や2013系のような観光輸送に特化しているとはいえなかった[18]。また、南大阪線沿線には阿倍野橋に立地する「あべのハルカス」をはじめ、桜の名所である「吉野」、日本遺産として指定されている「明日香村」、世界遺産「紀伊山地の霊場と参拝道」として登録された「金峯山寺」をはじめとした神社仏閣などといった多数の観光資源に溢れている沿線に注目し、「上質な大人旅」をコンセプトに、南大阪線用一般車両の6200系を改造して南大阪線系統の新たな観光特急車両の導入が計画された[18]。それが当系列である。

車両コンセプト[編集]

当初は既存の特急車両を改造する案[18]、観光列車「つどい」を発展させた案[18]、映像シアターを備えた案など複数の案があったが[18]、2度のアンケート調査では沿線特性から「歴史・文化・自然」に対する人気が高い傾向があり、ファミリー層よりも中高年層の夫婦・友人との来訪傾向が高いことがわかった[18]。そこでアンケート調査の結果を踏まえ、本列車の開発コンセプトを「ゆったりとした時間を楽しむ、上質な大人旅」、「大人同士でゆったり楽しむ観光列車」とした[18]。列車の愛称は沿線の歴史・文化・自然・食などの魅力的で様々な観光資源と調和し、響き合いながら走る「青色の列車」をイメージして「青の交響曲(シンフォニー)」と命名された[18]

プロジェクトメンバーは近鉄の企画統括部営業企画部および技術管理部が企画を[18]、工事図面作成から施工管理を大阪統括部工機部検修課[18]、内装品の製作を株式会社近創[18]、車両改造工事を近鉄車両エンジニアリング株式会社が担当し[18]、2013系「つどい」と同様の近鉄グループ総力を挙げたチームが再結集した[18]。設計デザインに関しては従来の近鉄車両にはない建築的なテイストを取り入れるために全日本コンサルタント株式会社が[18]、デザイン監修は主に店舗デザインに携わるIMOデザインの一級建築士飯田英二が担当した[18]

種車[編集]

南大阪線系統で運用されている6200系から車体更新時期に差し掛かっていた3両編成の6221Fが選定された[3][17][18]。3両編成とされた理由は、16000系をはじめとした特急車両は2両単位の偶数両数での運用しか出来ず、2両編成では開発のコンセプトとされた「ゆったりとした時間を楽しむ、上質な大人旅」を実現させるには輸送力に問題が生じ[18]、4両編成では過剰輸送となり得るという理由からである[18]。主要機器は新造品に交換された部品はあるものの機器構成そのものは全くの無改造であり[18]、従って車両性能も営業最高速度を除けば6200系時代とは相違が殆ど無い[18]

編成[編集]

← 大阪阿部野橋

吉野 →
Tc
ク16300
M
モ16250
Mc
モ16200

2017年4月現在、古市検車区に配置されている[12]

車体外観[編集]

車体塗装は紺色を基調としたメタリック塗装を近鉄で初めて採用して金帯を纏ったものとされ[18]、車体前面には新規にデザインされたエンブレムが貼り付けられた[18][22][23][24]。構体そのものは改造以前と変わらず、前照灯や尾灯、転落防止幌の形状やクーラーキセの配列も6200系時代のものを踏襲するが、排障器は独自の形状と金色塗装に変更された[18]。行先表示器は両先頭車の車掌側窓下に新設され、従前の方向幕装置は前面・側面共に全て撤去された[23][24]。乗降扉も両開き扉が存置されて各車両1箇所のみに変更されているが、窓形状をスリット状にして建築的な扉を演出し[18][22][23]、側窓は全てUV遮断加工ガラスに交換された[18]。集電装置は6200系時代と同様、モ16251に菱形式を2基搭載した[24]。両先頭車の連結側妻面下部にはミュージックホーンが新設され、ハイドン交響曲101番「時計」の第2楽章から選曲された[18]

車内設備[編集]

コンセプトである「ゆったりとした時間を楽しむ、上質な大人旅」に合わせて中高年層を対象に、非日常的で特別な時間を過ごせる空間を演出するために随所にその設計意図が取り入れられた[18]

座席車両の座席は新規設計の幅広デラックスシートで、リクライニングやインアームテーブルの有無を除いて全座席共通とされた[18]。背もたれは縦ラインを強調してボリュームを持たせており、上辺は本系列のロゴマークと共通する三つの曲線が入れられた[18]。モケットはグリーンを基調に金糸を入れて柔らかな心地よさを実現した[18]。肘掛や肘掛用パネルには吉野産の竹集積材を採用し、壁面にはモバイル用コンセントを設置した[18]

座席配置は21000系以降の特別仕様特急車両のデラックスカーと同一の2+1列とされた[18]。側扉だった部分の座席は向かい合わせのボックス席とされ、大型の木製テーブルを配して3人・4人用サロン席と2人用ツイン席とされた[18]。2連窓部分にはインアームテーブル付きの回転リクライニングシートが採用され、2脚ずつ配置された[18]。ただし、乗務員室側の座席はスペース制約の都合で1人席とされたが[18]、先頭に対して斜め22.5度に腰掛を配置してテーブルを備えることで特別感を演出した[18]。この部分の向かいは機器の収納箱とされ、従前はロングシートの下に配していた機器をこの部分へ移設して集約している[18]

側壁には2010年代以降に登場・更新改造した特急車両では一般的な木目調化粧板を採用し[18]、アクセントに壁灯やメタリック調のボーダー板を配した[18]。床面には高級ホテルの室内を演出するために「丹後緞通」のカーペット材を採用した[18]。天井は空調関係についてはラインデリアを撤去した以外は6200系時代のものがそのまま流用されたが[18]、照明にダウンライトを採用し、レール方向にアルミ製の装飾モールを取り付けて飾り天井とされた[18]。荷棚はレトロ調のものが新調された[18]

照明関係では柔らかな空間を演出するために電球色のLEDを採用した[18]。座席スペースには天井のダウンライトと共に壁灯やテーブル照明をアクセントとして取り付けており[18]、ラウンジ車両の小天井には間接照明と天井にはレトロ調の照明をそれぞれ採用しており、壁灯にクリスタルガラスを使用して、光り輝くブラケット照明としている[18]。エントランス・バーカウンター・バックヤード・トイレの照明にはダウンライトを使用しており、エントランスの天井には、ラウンジ車で使用されているレトロ調の照明を取り付けている[18]。また、トイレの鏡の照明には、やわらかで自然な光が出せる有機ELパネルを初めて採用している[18]

新設されたデッキ部分には22000系以降の特急車両と同様に安全面を考慮して手すりを設置したが[18]、真鍮を用いた高級感のある造りとされた[18]。床面にはウレタン樹脂製のものを採用し、タイル状に分割して濃淡2色をランダムに配して石畳を表現した[18]

モ16201
種車はモ6221形[17]
座席車両とされており、座席定員は37名[18]。ツイン席とサロン席が各3箇所ずつ配置されている[18]
乗降扉は阿部野橋側の1箇所に配置された[18][22]。側面窓は独立した1枚窓となっている[18][22]
モ16251
種車はモ6222形[17]
本車両ではゆったり時間を楽しむためにラウンジ車両とされ、電車らしさを徹底的に排除し、高級ホテルのラウンジをイメージしたデザインとされた[18]。室内中央の吉野側にバーカウンターとバックヤードが設けられ、地元の素材を使用したスイーツや酒類、ドリンク類を販売するための冷蔵ケースやサーバーを装備した[18]、冷凍冷蔵庫・電子レンジ・三槽シンクなどの電源確保のための変圧器などはバックヤードに集約した[18]。カウンター背面には商品陳列棚を設置し、周辺に幾何学的な模様を施したLED照明パネルを設けて華やかな雰囲気を演出した[18]。側壁化粧板には座席車両よりも明るめの木目調が採用され、床面は座席車両と同様に素材感と色柄を変えた「丹後緞通」のカーペット材を採用した[18]。通路側窓下は通行時の安全面を考慮して真鍮製の手すりを全体にわたって取り付けた[18]。放送設備に関してはバーカウンターに3両全体を一括する車内放送用マイクを追説し[18]、ラウンジ車のみの放送設備としてワイヤレスマイクシステムを既存の保安用車内放送回路と独立させたスピーカーと共に新設した[18]。この車両ではラウンジ空間に丸テーブルに独立した4脚の2組(茶色)と向かい合わせテーブルを挟んで窓側にロングタイプと通路側の独立した6脚(黒色)の合計20席分の革張りソファが配置された[18]
デッキ部分にはライブラリーが設けられており[18]、沿線を紹介する写真集や書籍を飾る区画とされ、向かい側にベンチを設置した[18]。この部分はラウンジ空間に対して屋外をイメージするためにロートアイアンを各所に施して街角のイメージを表現した[18]
乗降扉は吉野側の1箇所に配置された[18][22]。側面窓は全て小窓化された[18][22]
ク16301
種車はク6311形[17]
座席車両とされており、座席定員は28名[18]。車椅子対応座席が1席用意され、当該部分のデッキ仕切扉は開口寸法980mm両開き扉とされた[18]。この関係でツイン席はモ16201形同様の3箇所配置であるがサロン席は2箇所の配置となっている[18]
本車両には連結側に床下機器の無い部分があるため、この部分にトイレ用機器を設置してトイレを新設した[18]。トイレは車椅子対応と男性用とされ、設備は50000系や22000系更新車に準拠している[18]
乗降扉は吉野側の1箇所に配置された[18][22]。側面窓はモ16201同様に独立した1枚窓となっている[18][22]
その他
車両番号や号車表示、座席番号などの標記サインはアルミ板に天然木の突板を貼り合わせてレーザー加工によって文字を削り出したプレートを新製した[18]。なお、近鉄特急車両で順次設置が進行している喫煙室については、本系列では指定運用となることと、スペース上の都合で設置が見送られた[18]

脚注[編集]

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注釈
  1. ^ 南大阪線区の完全高性能車化は1983年である。
  2. ^ 当初から6000系として完成した車はラビットカーと呼称されていたが、6800系や6900系と異なり、厳密には高加減速車ではない。また、登場当初より当時6800系・6900系が入線できなかった吉野線に入線することが可能であった。
  3. ^ モ6211については当該部分に主電動機の点検蓋があるために床面の優先席表示は省略されている。
出典
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  19. ^ 大阪阿部野橋駅~吉野駅間に新しい観光特急が平成28年秋デビュー!
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参考文献[編集]

  • 中村卓之、「近鉄南大阪線"ラビットカー"の30年」、『関西の鉄道』 19、1988年。
  • 慶應義塾大学鉄道研究会編、『近鉄』 (私鉄ガイドブックシリーズ第4巻) 、1970年。
  • 中山嘉彦、「戦後飛躍期の近畿日本鉄道新製車両について」、『鉄道ピクトリアル』 2003年12月臨時増刊号、2003年。
  • ネコ・パブリッシング 復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道Ⅱ (通勤車他) p.106・p.110 - p.113・p.158・p.159・p.176・p.177・p.191・p.192 ISBN 4-87366-296-6
  • カラーブックス「日本の私鉄 近鉄2」(著者・編者 諸河久・山辺誠、出版・発行 保育社 1998年) p.69 - p.73・p.135・p.146・p.147 ISBN 4586509058
  • JTBパブリッシング
    • JTBキャンブックス『近鉄電車 大軌デボ1形から「しまかぜ」「青の交響曲」まで100年余りの電車のすべて』 p.14・p.56・p.195 - p.198・p.214・p.227 - p.237 (著者 三好好三、編者 福田静二、出版・発行所 JTBパブリッシング 2016年)ISBN 978-4-533-11435-9 C2065
  • 交友社鉄道ファン
    • 付録小冊子「大手私鉄車両ファイル 車両配置表&車両データバンク」2014年8月 - 2017年8月発行号
    • 2016年10月号 「新車ガイド3 青の交響曲」
    • 2016年10月号 p.73 - p.77・p.166
    • 2016年11月号(第56巻 通巻667号)特集「近畿日本鉄道 内装デザイン変更車両」p.56 - p.57

関連項目[編集]

外部リンク[編集]