神去なあなあ日常

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神去なあなあ日常
著者 三浦しをん
発行日 2009年5月16日
発行元 徳間書店
ジャンル 青春小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
次作 神去なあなあ夜話
コード ISBN 978-4-19-862731-7
ISBN 978-4-19-893604-4徳間文庫
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神去なあなあ日常』(かむさりなあなあにちじょう、The easy life in KAMUSARI )は、三浦しをんによる日本青春小説。『本とも』にて2007年7月号から2008年7月号まで連載され、加筆修正の後、2009年に徳間書店より刊行された。本屋大賞で第4位。2012年に続編『神去なあなあ夜話』が刊行され、発行部数はシリーズ累計で35万部を超える[1]

2010年NHK-FM放送青春アドベンチャー」でラジオドラマ化、2014年に『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜』(ウッジョブ かむさりなあなあにちじょう)のタイトルで染谷将太主演で映画化された。

また、2014年9月12日から14日にかけてアメリカ合衆国・ロサンゼルスで開催されたLA EigaFest 2013では招待作品として上映された。

用語[編集]

神去村(かむさりむら)
三重県中西部、奈良県との県境近くにある村。下(しも)地区、中地区、神去地区の3地区に分かれており、神去地区は村の最も奥まったところにある。
なあなあ
神去村の人々の口癖で、「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」というニュアンスを持つ言葉で、拡大解釈して「のどかで過ごしやすい日和ですね」という使われ方もする。

あらすじ[編集]

高校卒業後の進路を決めていなかった平野勇気は、卒業式終了後に担任から就職先を決めておいたと言われ、母親からは恥ずかしいポエムを暴露すると半ば脅される形で家を追い出され、どんな仕事をさせられるのかも分からないまま、三重県の神去村へとやってくる。

列車を乗り継いで着いた先は、見渡す限り山が続く、ケータイの電波も届かない田舎。勇気が就職することになったのは、中村林業株式会社。山仕事に関しては天才的な才能を持つ飯田ヨキの家に居候しながら、ベテラン社員に付いて現場に出た勇気を待っていたのは、広大な山の手入れ。過酷な山仕事に何度も逃げ出そうと試みるもあえなく失敗、ヒルダニとの戦い、花粉症発症など、辛いことはたくさんあれど、それらを凌駕する雄大な自然に勇気は次第に魅了されていく。さらに勇気は、神去小学校の美人教師・直紀に高望みの恋心を抱き、玉砕しても諦めずに想い続ける。そして、神去村で48年に一度行われる神事オオヤマヅミに、勇気も参加することになる。

登場人物[編集]

平野 勇気(ひらの ゆうき)
神奈川県出身。高校卒業後の進路を特に決めていなかったが、卒業式終了後に担任から就職先を言い渡され、仕事内容を知らぬまま、半ば脅される形で家を追い出され、神去村へやって来る。
飯田 与喜(いいだ よき)
勇気の居候先の主で、中村班のエース。作中ではヨキ。ヨキは「」の意。山仕事に関しては天才的な才能を持つ。愛妻家だが、街に出た時は浮気をすることもある。
飯田 みき(いいだ みき)
ヨキの妻。華奢で小柄な体格だが、エキゾチックな顔立ちの美人。実家は神去村唯一の商店「中村商店」で、村人たちから百貨店と呼ばれている。清一とは遠縁に当たる。幼い頃からヨキのことが好きだった。
飯田 繁(いいだ しげ)
ヨキの祖母で名付け親。週に2回、街へデイサービスに行く以外は、日がな一日、家の中で座っている。
ノコ
飯田家の飼い犬。オス。
中村 清一(なかむら せいいち)
中村林業株式会社社長。30代。山太(さんた)という息子がいる。1200ヘクタール(東京ドーム約256個分)の広大な山林を所有する、日本でも有数の大山持ちで、村の林業従事者をまとめる「おやかたさん」。
中村 祐子(なかむら ゆうこ)
清一の妻。都会にもなかなかいない美人。東京生まれで、神去にある祖父母の家には夏休みなどに遊びに来ていたが、清一とは大学のサークルで初めて出会い、結婚した。
田辺 巌(たなべ いわお)
50歳。神去地区の住人。中村班のメンバー。
小山 三郎(こやま さぶろう)
74歳。神去地区の住人。中村班のメンバー。飯田家の向かいに住む。
山根(やまね)
神去村の老人。
直紀(なおき)
祐子の妹。神去小学校の教師。バイクを颯爽と乗りこなす美女。
熊谷(くまがい)
勇気の高校3年時の担任。進路が決まっていなかった勇気の名で、国が助成金を出している「緑の雇用制度」に勝手に応募し、彼の就職先を決める。

ラジオドラマ[編集]

2010年9月20日から9月24日及び9月27日から10月1日まで、NHK-FM放送青春アドベンチャー』で全10話が放送された。

スタッフ
  • 脚色 - 棚瀬美幸
  • 演出 - 佐々木正之
  • 選曲 - 黒田賢一
  • 技術 - 大宅健司、山田顕隆
  • 音響効果 - 岩崎進、古川千鶴
キャスト

映画[編集]

WOOD JOB!
〜神去なあなあ日常〜
監督 矢口史靖
脚本 矢口史靖
原作 三浦しをん
製作 東信弘、細谷まどか
出演者 染谷将太
長澤まさみ
音楽 野村卓史
主題歌 マイア・ヒラサワ 「Happiest Fool」
撮影 芦澤明子
編集 宮島竜治
制作会社 ジャンゴフィルム
製作会社 「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」製作委員会
配給 東宝
公開 日本の旗 2014年5月10日
上映時間 116分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 6.9億円[2]
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WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』(ウッジョブ かむさりなあなあにちじょう)のタイトルで、2014年5月10日公開された。キャッチコピーは、「少年よ、大木を抱け。」。主演は染谷将太、監督は矢口史靖で、矢口にとって初となる原作付きの作品[3]。撮影は、三重県の山間部を中心にオールロケで約1か月半かけて行われた[4]。全国310スクリーンで公開され、全国映画動員ランキングでは初登場6位、公開初週土日2日間の成績は動員8万1,862人、興収1億700万2,400円。8割を占める20 - 50代の客層のうち、63対37の割合で男性が多く、また会社員が多く鑑賞している[5]ぴあによる5月9日・10日公開初日映画の満足度調査ではトップを獲得した。

9月12日から14日にかけてハリウッドで開催される映画祭「LA EigaFest 2014」で、9月13日に公式上映された。[6]

キャスト[編集]

映画 『WOOD JOB !〜神去なあなあ日常〜』 のロケで直紀の家に使われた場所。
映画 『WOOD JOB !〜神去なあなあ日常〜』 のロケでヨキの家に使われた場所。

スタッフ[編集]

原作との違い[編集]

勇気が林業研修に参加することになったのは、大学受験に失敗した直後に偶然見つけた林業研修生募集のパンフレットがきっかけとなっている。パンフレット表紙の微笑んでいる若い女性(直紀)につられ、誰に強制されることなく自ら応募している。大祭への反対がない。

受賞[編集]

関連商品[編集]

その他[編集]

  • 津市(旧・美杉村) - 本作の舞台である神去村のモチーフとなった地。三浦しをんの父佑之の出身地で、佑之の父も林業に従事していた。映画の撮影も当地で行われた[3]
  • 明知鉄道 - 映画に登場するローカル線の撮影が行われた[3]飯沼駅でも行われている。
  • タイアップ商品として、『浪花ひとくち餃子チャオチャオ』で”森林”をテーマにした餃子が販売されていた。
  • 買い物に行っているスーパーのシーンは名張市のオークワ西原店である。

脚注[編集]

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  1. ^ イントロダクション”. 映画『WOOD JOB! (ウッジョブ!)〜神去なあなあ日常〜』公式サイト. 2014年4月30日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報』2015年3月下旬号、90頁。
  3. ^ a b c PRODUCTION NOTES”. 映画『WOOD JOB! (ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜』公式サイト. 2014年4月30日閲覧。
  4. ^ 染谷将太×長澤まさみ×伊藤英明、充実感みなぎらせ「WOOD JOB!」撮了”. 映画.com (2013年8月8日). 2014年4月30日閲覧。
  5. ^ 壬生智裕 (2014年5月13日). “『アナと雪の女王』8度目の首位!観客動員は1,350万人を突破!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. 2014年5月14日閲覧。
  6. ^ WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜”. LA EigaFest (2014年8月). 2014年11月8日閲覧。
  7. ^ “日本アカデミー賞優秀賞決定!”. (2015年1月14日). http://www.japan-academy-prize.jp/prizes/38.html 2015年1月17日閲覧。 
  8. ^ 69th(2014年)”. 毎日映画コンクール. 毎日新聞社. 2015年1月21日閲覧。
  9. ^ 第10回おおさかシネマフェスティバル受賞者決定!!”. おおさかシネマフェスティバル実行委員会. 2015年1月4日閲覧。

外部リンク[編集]