電送人間
| 電送人間 | |
|---|---|
| The Secret of the Telegian | |
| 監督 |
福田純(本編) 円谷英二(特撮) |
| 脚本 | 関沢新一 |
| 製作 | 田中友幸 |
| 出演者 |
鶴田浩二 白川由美 河津清三郎 土屋嘉男 中丸忠雄 |
| 音楽 | 池野成 |
| 撮影 |
山田一夫(本編) 有川貞昌(特撮) |
| 編集 | 平一二 |
| 配給 | 東宝 |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 85分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
『電送人間』(でんそうにんげん)は、1960年に東宝が製作した特撮スリラー映画。 英題は、 The Secret of The Telegian 、 The Telegian 、 The Electrical Facsimile 、 Transmission Man 、 The Telegraphed Man など。上映は1960年4月10日。併映は宝塚映画作品『爆笑嬢はん日記』(主演:佐原健二、監督:竹前重吉)。
概要[編集]
『美女と液体人間』に続く変身人間シリーズの第2作。検討用台本の段階で「怪奇空想科学映画シリーズ」と銘打たれており、第3作『ガス人間第一号』も本作とほぼ同時期に検討用台本が完成しているなど、当初よりシリーズ物として製作が進められた[1][2]。原作表記は無いが、海野十三が「丘丘十郎」名義で発表した小説『電送美人』が下敷きになっていると考えられている[1][2]。
本来は本多猪四郎が監督を務めるはずであったが、『日本誕生』の製作遅延により順延となった『宇宙大戦争』の製作に追われていたため、『空の大怪獣ラドン』などで助監督を務めた福田純が監督に選ばれた[1]。特撮班も『宇宙大戦争』の後に『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』が控えていたため、その合間の年末年始にかけて特殊技術の撮影が行われた[1]。
『恐るべき火遊び』に続いて本作が監督作品2作目である福田はおおむねの好評を受けたことで、以降もアクション作品を中心に監督していく。主演の鶴田浩二は福田の助監督時代から親交があり、本作の主演は彼がキャスティング作業を始める前に決定していた。後年、福田は鶴田との関係を知っていたプロデューサーの田中友幸の配慮があったのではないかと述べている[3]。
電送人間を演じた中丸忠雄は「お化け役」のように感じたそうで、当時に試写を見て「とんでもない作品に出てしまった」と真っ青になったという。そのため、田中が「『ガス人間第一号』のガス人間・水野役をやってくれないか」と声をかけてきたときは思わず断ってしまい、しばらく干されてしまったという[4]。
視覚効果[編集]
本作における重要な道具立てとして「物体電送機」が挙げられるが、この機械自体は当時のSFとしてそれほど珍しいものではなかった。本作以前のアメリカ映画『ハエ男の恐怖』に同様の機械が登場しているが、円谷英二は「物体が電送される原理を観客に眼で見て解らせる」ための映像を作り上げることにこだわった。そのヒントとなったのが、当時多くの映画関係者が「電気紙芝居」と呼んで馬鹿にしていた「テレビ」である。当時のブラウン管方式のテレビ映像は画面上にある「走査線」と呼ばれる細かい横縞模様に沿って管内の電子ビームが映像信号をスキャンしていくことによって映像を再生していたが、送受信の不具合によっては乱れた縞模様が発生する場合があった。円谷はこれに着目し、電送人間役の中丸忠雄の上に光学合成で青白く光る細かい横縞模様を焼き込み、「脳天から足の爪先へと徐々に消えていく」という映像を完成させた。また、電送機で瞬間移動した直後の犯行中でも、ときどき全身に横縞模様が走ってバリバリと雑音を発するという、芸の細かいところを見せている。
ストーリー[編集]
姿なき犯人に銃剣で刺殺されるという不可思議な銃剣魔連続殺人事件が発生。事件を追う新聞記者・桐岡は現場に残された遺留品クライオトロンから物体電送を研究する仁木博士の関与を推察する。その過程で敗戦時に博士の護衛を務めていた須藤兵長の存在が浮かび上がり、一連の銃剣魔事件が電送装置による須藤の復讐計画である事が判明する。実は須藤は、敗戦時のどさくさにまぎれて軍の資金と金塊を横領した元上官や同僚から、口封じのために仁木博士ともども殺されかけた過去があった[注 1]。戦後は博士と2人で軽井沢の小谷牧場でひっそりとくらし、博士の研究完成を機に次々と復讐を果たし、最後のターゲットである元陸軍中尉大西正義に迫る須藤。命を狙われた大西は愛知県知多半島の小篠島の別荘へ身を隠した。それを察知した捜査陣も須藤を現行犯逮捕すべく、大西の別荘へ急ぐ。
スタッフ[編集]
- 製作:田中友幸
- 脚本:関沢新一
- 撮影:山田一夫
- 美術:浜上兵衛
- 録音:西川善男、宮崎正信
- 照明:西川鶴三
- 音楽:池野成
- 特殊撮影
- 監督助手(本編チーフ):長野卓
- 編集:平一二
- 現像:東洋現像所
- 製作担当者:森本朴
- 特技監督:円谷英二
- 監督:福田純
※映画クレジット順
キャスト[編集]
※映画本編クレジット順
- 桐岡勝(東都新聞学芸部の記者):鶴田浩二
- 中条明子(日邦精機営業部の社員):白川由美
- 大西正義(海南貿易社長):河津清三郎
- 岡崎捜査主任:土屋嘉男
- 中本伍郎(須藤兵長):中丸忠雄
- 小林警部:平田昭彦
- 仁木嘉十郎(電気工学博士):佐々木孝丸
- 隆昌元(キャバレーの経営者):田島義文
- 三浦(電気工学博士):村上冬樹
- スリラーショウの呼び込みの親父:沢村いき雄
- 滝(土建屋):堺左千夫
- 塚本(ブローカー):大友伸
- 丸根刑事:山本廉
- 志村(東都新聞の記者):松尾文人
- ことぶき荘の管理人:水の也清美
- 別荘の婆さん(源三の妻):馬野都畄子
- 音吉(小篠島の漁夫):大村千吉
- 本田次席:佐田豊
- 源三(小篠島の漁夫):瀬良明
- 海南貿易社員:天本英世、広瀬正一、桐野洋雄
- 多摩川園園長:土屋詩朗
- スリラーショウの客:熊谷二良
- 甲府の警官:岩本弘司
- 検問の警官:岡部正
- 大野(キャバレーのボーイ):中山豊
- トラック運転手:宇野晃司
- 井田(東都新聞学芸部のデスク):松村達雄
- 東都新聞学芸部の記者:堤康久
- 甲府署署長:桜井巨郎
- トミ子(キャバレーの女給):小西瑠美
- おばけの易者:北野明
- キャバレーのボーイ:三浦敏男
- 東都新聞社の給仕:西條康彦
- スリラーショウの客(女学生):上野明美
- ユミ子(日邦精機の社員):樋口年子
- 警戒の警官(多摩川園):重信安宏
- 花屋の配達人:土屋靖雄
- 警視庁部長:向井淳一郎
- 大西の失踪を知らせる刑事:松本光男
- パトカーの警官:澁谷英男
- 小谷牧場の警官:上村幸之
※以下クレジット表記なし
- 悪魔の洞窟から出てくる客:小川安三[5]
- スリラーショウの客:記平佳枝[5]、児玉清[5]、中西英介[5]
- スリラーショウの客(女学生):丘照美[5]
- おばけの易者:伊藤実[5]
- 記者:岡豊[5]、清水良二[5]、須田準之助[5]
- 鑑識係員:橘正晃[5]
- キャバレーのボーイ:日方一夫[5]
- パトカーを運転する警官:川村郁夫[5]
- 電柱を登る警官:緒方燐作[5]
- 殺される警官:砂川繁視[5]
- トラックの運転手:篠原正記[5]
- 小谷牧場の警官:勝部義夫[5]
- ジープを運転する警官:越後憲三[5]
- 小篠島の警官:権藤幸彦[5]、中島春雄[5]
映像ソフト[編集]
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脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 当時は「時効15年」という法制度があったため、この元上官らの刑事責任を捜査当局が問うことはなく、むしろ須藤の報復殺人から護衛することに躍起になっていた。
出典[編集]
- ^ a b c d 『東宝特撮映画大全集』 ヴィレッジブックス、2012年、46 - 49頁。ISBN 9784864910132。
- ^ a b DVDコレクション 2011, p. 9 鈴木宣孝「『怪奇空想科学映画シリーズ』の誕生」。
- ^ DVDコレクション 2011, pp. 10-11 「撮影秘話」。
- ^ DVDでの中丸のコメントより。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s DVDコレクション 2011, pp. 7-8 「俳優名鑑」。
- ^ a b 「Visual Radar」、『宇宙船』Vol.118(2005年5月号)、朝日ソノラマ、2005年5月1日、 104頁、 雑誌コード:01843-05。
参考文献[編集]
- 『東宝特撮映画DVDコレクション』第51号、デアゴスティーニ・ジャパン、2011年9月、 雑誌コード:20694-9/27。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 電送人間 - 日本映画データベース
- 電送人間 - allcinema
- 電送人間 - KINENOTE
- 電送人間 - Movie Walker
- 電送人間 - 映画.com
- The Secret of the Telegian - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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