マイア・ヒラサワ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マイア・ヒラサワ
2007年11月、ストックホルムで公演中のマイア・ヒラサワ
基本情報
生誕 (1980-05-05) 1980年5月5日(43歳)
出身地  スウェーデン ストックホルム県 ソーレントゥーナ市
ジャンル
職業 シンガーソングライター
担当楽器
活動期間 2005年 -
レーベル
公式サイト Maia Hirasawa Homepage

マイア・ヒラサワ(Maia Hirasawa、1980年5月5日 - )は、スウェーデン女性シンガーソングライターマヤ・ヒラサワと呼ばれることもある[2]ストックホルム県ソーレントゥーナ市出身の日系スウェーデン人

来歴[編集]

父親が日本人、母親がスウェーデン人スウェーデン王国ストックホルム県ソーレントゥーナ市生まれ。ヨーテボリに居住。2011年平成23年)時点で祖父が長崎県在住[3]

10歳でクラシカルピアノを始め、15歳でクワイアーに入団[4]。21歳の頃から自身で作詞作曲を始め、やがて、アニカ・ノリーンが主宰するバンド「ハロー・セーフライド」にバックアップシンガーとして参加した。

2007年初めからソロ活動を始め、1stシングル "And I Found This Boy" がスウェーデン国内のラジオ局ヘヴィー・ローテーションされた。2ndシングル "Gothenburg"[注 1]の発表後、夏季にはスウェーデン国内ツアーを行い、Allsång på SkansenHultsfred FestivalPeace & LoveArvika Festival などの音楽フェスティバルにも参加した。

2008年1月には P3 Guld ナショナル・ラジオ・アワードにおいて最優秀新人賞を受賞し、スウェディッシュ・グラミー賞において数部門でノミネートされた[5][6]。1stおよび2ndシングルが収録されたアルバムThough, I'm Just Me - NEW EDITION』で4月22日ゴールドディスクを獲得し[7]、スウェーデン国内のiTunesチャートで2週連続のナンバーワンを記録した[5]

2010年(平成22年)1月、1st EPDröm bort mig igen」をスウェーデン国内でリリース[8]した後、1年間の休暇のつもりで日本に渡り、恋人の勤務地である宮城県仙台市に住んで、独学や週2回の語学学校日本語の勉強をするなどして暮らしていた[3][4][9]3月22日東京原宿UCでライブを行うとやがて曲作りをするようになり、仙台の自宅につくった簡易スタジオで "It Doesn't Stop" を作曲[4][10][11](歌詞に Sendai が入る[12])。8月から同曲は花王エッセンシャル」のCMソングとして日本で流れ始めた。新曲 "Nerumare" を提供した大塚製薬ポカリスエット」のCMの放送開始に同期して10月5日には日本語公式サイトも立ち上げ[13]10月20日には "It Doesn't Stop" で日本メジャー・デビューし、11月からは仙台・東京・大阪福岡名古屋でライブ活動も行った[11]

2011年(平成23年)1月に1年間の仙台滞在を終えて東京に移り、1月19日に日本でのデビューアルバムにあたる『Maia Hirasawa』を発表して、その後はレコーディングなどの仕事をしていた[3]。その間、Billboard JAPAN「Hot Top Airplay」で "It Doesn't Stop" が2週連続(1月31日付および2月7日付)で第1位となった。

3月9日、新曲 "Boom!" を提供したJR九州祝!九州キャンペーン」のCMが放送開始された[14]。これを機に3月17日にスウェーデンに帰国することにしたため、帰国前に仙台の友達に会いに行こうと3月11日東京駅に向かっていたところ、池袋駅にて東北地方太平洋沖地震東日本大震災)が発生し、東京に足止めされた[3][15]3月14日、震災の救援に役立ててもらおうと、収益の全てを日本赤十字寄付するとした曲 "FRAGILE" を発表。東日本の鉄道網が被災したため、仙台に行くことが出来ないまま帰国した(日本ツアーのため5月に再来日した際、仙台の友人との再会を果たした)[15]

震災による自粛ムードで曲を提供していたJR九州「祝!九州キャンペーン」のCMが放送中止となる中、ある個人が動画投稿サイトYouTube」にアップロードしていた同CMのアクセス数やコメント数が急増する現象がおきた。すると4月22日日本テレビ系列スッキリ!!』が、同CMの作成秘話や放送中止の過程、動画へのコメント、CM曲を提供したヒラサワへのインタビュー映像などを全国放送した。5月18日には同CM曲となっていた "Boom!" が発売され、5月30日付のBillboard JAPAN「Hot Top Airplay」で第1位となった。同CMは6月2日ギャラクシー賞を、6月下旬に開催されたカンヌ国際広告祭2011では、アウトドア部門で金賞、メディア部門で銀賞、フィルム部門で銅賞を受賞し[16]、CM曲を提供したヒラサワへの注目も集まった[17]

2015年(平成27年)7月11日(東日本大震災の月命日)、震災の被害から復旧し同年5月30日に全線開通したJR仙石線(宮城県仙台市・あおば通駅 - 同石巻市石巻駅)沿いで開催された「SENSEKI TRAIN FES」に出演した[18][19]

ディスコグラフィー[編集]

シングル[編集]

  • 2007年3月7日 - And I Found This Boy
  • 2007年5月30日 - Gothenburg
  • 2007年6月4日 - Mattis & Maia(配信限定)
  • 2008年3月16日 - The Worrying KindThe Ark カバー曲)
  • 2009年2月25日 - South Again
  • 2010年6月4日 - The Wrong Way(配信限定)
  • 2010年6月4日 - Come With Me (feat. Nicolai Dunger)(配信限定)
  • 2010年10月20日 - It Doesn't Stop (配信限定)
  • 2010年11月10日 - Nerumare (toe feat.マイア・ヒラサワ) (配信限定)
  • 2011年11月9日 - We Got It (配信限定)
  • 2011年11月9日 - The Real Me Song (配信限定)
  • 2011年11月30日 - The Gift (配信限定)
  • 2012年 - The Best Team
  • 2013年4月24日 - Lights Are Out(配信限定)
  • 2013年8月30日 - Back To the Start(配信限定)
  • 2013年9月8日 - Sarah(配信限定)
  • 2014年1月8日 - 子守唄(配信限定)
  • 2014年4月30日 - HAPPIEST FOOL(配信限定)
  • 2014年11月5日 - FIGHT WITH LOVE(配信限定)
  • 2016年9月9日 - Rusar(配信限定)
  • 2016年12月1日 - Let It Snow(配信限定)
  • 2017年2月10日 - Kärleken(配信限定)
  • 2020年9月4日 - This Is Just Life(配信限定)
  • 2020年11月20日 - Äldre(配信限定)
  • 2021年2月12日 - Jag älskar dig(配信限定)
  • 2022年6月28日 - Jag kommer alltid ha mitt hjärta i SFK(配信限定)
  • 2023年5月31日 - Boom! - Unite(配信限定)

アルバム[編集]

  • 2007年4月4日 - Though, I'm Just Me
  • 2008年3月17日 - Though, I'm Just Me - NEW EDITION
  • 2009年3月25日 - GBG vs STHLM
  • 2011年1月19日 - Maia Hirasawa
  • 2012年1月25日 - We Got It
  • 2013年5月22日 - What I Saw
  • 2014年1月15日 - The Japan Collection
  • 2016年7月6日 - ビューティフル・アンド・アグリー

ミニアルバム[編集]

EP[編集]

  • 2006年 - The My New Friend EP
  • 2010年1月26日 - Dröm bort mig igen
  • 2019年10月23日 - BETTER

タイアップ[編集]

曲名 タイアップ
It Doesn't Stop 花王エッセンシャル」CMソング
The Best Team
ネルマレ 〜After long tomorrow〜 大塚製薬ポカリスエット」CMソング 『たけしと少女』篇
Here I am トヨタレクサスCT200h」CMソング 『ブルーシティ』篇[20]
Boom! JR九州祝!九州キャンペーン」CMソング[21]
We Got It キリンビール「とれたての東北に乾杯!」CMソング
The Real Me Song ルミネ有楽町 「オープン・キャンペーン」 CMソング
The Ones エレクトロラックス「エルゴスリー」CMソング
The Lights NHK BSプレミアム プレミアムドラマ恋愛検定」主題歌
You Will Always マルハニチロ食品「企業・おいしい人生」CMソング
子守唄 NHK総合 ドラマ10紙の月」主題歌
Happiest Fool 映画「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」主題歌
A WAY FOR US 大東建託 DK SELECT CMソング
FIGHT WITH LOVE NHKBS1 「GREAT RACE」 テーマソング

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ Gothenburg (日本語発音:ゴーセンバーグ、イギリス英語発音:[ˈgɔθənbəːg] サンバーグ、アメリカ英語発音:[ˈgɑθənbəːrg] サンバーグ)は、Göteborg (ヨーテボリ)の英語名。

出典[編集]

  1. ^ a b c d TiVo Staff. Maia Hirasawa Biography, Songs & Albums - オールミュージック. 2021年10月30日閲覧。
  2. ^ Maia Hirasawa / マヤ・ヒラサワ (PDF)イケア
  3. ^ a b c d マイア・ヒラサワ、第2の故郷日本にてジャパン・ツアー決定(BARKS 2011年3月25日)
  4. ^ a b c INTERVIEW 「Maia Hirasawa / マイアヒラサワ」”. VIBE (2011年1月14日). 2011年5月4日閲覧。
  5. ^ a b スウェディッシュ・ポップの超新星、マイア・ヒラサワに注目”. BARKS (2010年8月31日). 2011年5月3日閲覧。
  6. ^ P3 Guld 2008スウェーデン・ラジオ
  7. ^ År 2008 (PDF) (ifpi「Guld & Platina Archived 2009年2月11日, at the Wayback Machine.」)
  8. ^ "Allsång på Skansen fanns inte på min karta" Archived 2007年10月1日, at the Wayback Machine.
  9. ^ 「WORLD SONIC NEWS VOL.1」マイア・ヒラサワ、ビーチボーイズとハイキングが大好き(BARKS 2011年3月8日)
  10. ^ 2010 03/March(UCESS THE LOUNCG)
  11. ^ a b SHOWS(MAIA HIRASAWA公式ウェブサイト)
  12. ^ It Doesn't Stop歌詞 (J-Lyric.net)
  13. ^ NEWS(MAIA HIRASAWA公式ウェブサイト)
  14. ^ ロングバージョンCMの放送スケジュール決定!!(九州旅客鉄道)
  15. ^ a b 2011年8月2日放送のNHK BS1地球テレビ エル・ムンド』でのマイア・ヒラサワへのインタビューより。
  16. ^ 2011年受賞作品一覧(Cannes Lions)
  17. ^ 幻のJR九州CM、カンヌ国際広告祭金賞を受賞、BARKS、2011年6月22日。
  18. ^ JR仙石線沿線で「電車移動型」音楽フェス マイア・ヒラサワさん、キセルなど出演(仙台経済新聞 2015年6月5日)
  19. ^ 仙石線復旧記念、初の電車移動型の音楽フェス - 上原ひろみ、向井秀徳、宮藤官九郎ら参加(FASHION PRESS 2015年6月19日)
  20. ^ LEXUS CT200h CTTV(トヨタ)
  21. ^ 九州縦断イベント(九州旅客鉄道)

外部リンク[編集]