白夫人の妖恋
白夫人の妖恋 | |
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The Legend of the White Serpent | |
監督 | 豊田四郎 |
脚本 | 八住利雄 |
製作 | 田中友幸 |
出演者 | 池部良 山口淑子 八千草薫 清川虹子 田中春男 上田吉二郎 東野英治郎 左卜全 谷晃 宮田芳子 徳川夢声 小杉義男 沢村いき雄 |
音楽 | 團伊玖磨 |
撮影 | 三浦光雄 |
編集 | 岩下廣一 |
配給 | 東宝 |
公開 | ![]() ![]() ![]() |
上映時間 | 103分 |
製作国 | ![]() ![]() |
言語 | 日本語 |
『白夫人の妖恋』(びゃくふじんのようれん)は、1956年に公開された、日本の東宝と香港のショウ・ブラザーズの共同制作の特撮伝奇映画である。
概要[編集]
東宝初の総天然色(イーストマン・カラー)による特撮映画である[1]。当時のカラーフィルムは感度が低く、忠実な色の再現にはライトの調整を必要としており、セット内はライトの熱で蒸し風呂のような熱さであった[1]。
日本で最初にブルーバック撮影による合成を用いた作品でもある[1]。ブルーバック背景の色の配合から試行錯誤が繰り返され、合成作業もすべて手作業であった[1]。
ストーリー[編集]
西湖の辺に住んでいた許仙は貧しい若者。ある雨の日、傘もなく濡れていた美しい白娘に自分の傘を差し出したところ、その娘から結婚を申し込まれた。しかも銀2包の婚礼の支度金まで手渡された。許仙は喜び、姉夫婦と共にその支度金の包みを開いてみると、中から出て来たのは盗品の銀であった。罪を問われた許仙は鞭打ちに処せられた上、蘇州へと流された。許仙を慕う白娘は蘇州へ追ってきた。無実の罪であった許仙は白娘を憎んでいたが、彼女の心と向い合う中にその恨みは影を潜め、愛着だけが強くなっていった。2人は幸福な愛の生活を送ることとなった。ある時、許仙は茅山道人という道士に、妖魔に魅入られていると警告された。妻である白娘の正体は、白蛇の精だというのだ。
スタッフ[編集]
- 製作:田中友幸
- 脚本:八住利雄
- 撮影:三浦光雄
- 美術監督:三林亮太郎
- 美術:園眞
- 録音:下永尚
- 照明:石川緑郎
- 音楽:團伊玖磨
- 特技監督:円谷英二
- 特技:渡辺明、向山宏、城田正雄
- 考證:馬力
- 監督助手:中村積
- 編集:岩下廣一
- 現像:東洋現像所
- 製作担当者:角田健一郎
- 監督:豊田四郎
※映画クレジット順
キャスト[編集]
以下の順番は本編クレジットに準拠。
- 許仙:池部良
- 白娘:山口淑子
- 小青:八千草薫
- 法海禅師:徳川夢声
- 王明:上田吉二郎
- 姣容:清川虹子
- 李公甫:田中春男
- 芽山道人:東野英治郎
- 役人:小杉義男
- 油売商人:谷晃
- 女中:小泉澄子
- 李家の女:宮田芳子
- 役人:沢村いき雄
- 仙翁:左卜全
- 医者:河崎堅男
- 金山寺の坊主:山田彰
- 海上日出男
- 池田兼男
- 金山寺の坊主:大塚秀男、勝部義夫
- 宋の民:堤康久
- 終南山の道士:森繁久彌(ノンクレジット)
映像ソフト[編集]
- DVDは、2015年7月15日に<東宝DVD名作セレクション>として発売された。
影響[編集]
日本発の初のカラー長編アニメ『白蛇伝』が作られるきっかけとなった映画は、本作とされる。中国の説話『白蛇伝』を題材にしていた本作は香港で興行的に大成功を収めた。これを受け、『白夫人の妖恋』をアニメ化する企画が、香港の映画界から東映に持ち込まれた[2]。
これがきっかけとなり、東映社長(当時)・大川博は、香港の下請けとしてでなく、独自の本格的なアニメ映画をつくることを考え始めた。当時大きな興行収益を上げるアニメはディズニー映画のみだったが、日本においてアニメ映画製作の体勢を整えていけば、将来大きな産業になるのではないかという、鉄道省の役人から東急の専務、そして東映の社長へと叩き上げてきた大川の、経営者としての予測もあった。
脚注[編集]
- ^ a b c d e 『日本特撮・幻想映画全集』 勁文社、1997年、65頁。ISBN 4766927060。
- ^ 大塚康生氏インタビュー『白蛇伝』制作の裏側
外部リンク[編集]
- 白夫人の妖恋 - 日本映画データベース
- 白夫人の妖恋 - allcinema
- 白夫人の妖恋 - KINENOTE
- 白夫人の妖恋 - インターネット・ムービー・データベース(英語)