図書館戦争
図書館戦争シリーズ | |
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ジャンル | SF、ディストピア、パラレルワールド アクション、ラブコメディ |
小説 | |
著者 | 有川浩 |
イラスト | 徒花スクモ |
出版社 | メディアワークス(ハードカバー) 角川書店(文庫) |
レーベル | 電撃の単行本(ハードカバー) 角川文庫(文庫) |
刊行期間 | 2006年2月10日 - 2007年11月10日 |
巻数 | 全4巻 |
小説:別冊 図書館戦争 | |
著者 | 有川浩 |
イラスト | 徒花スクモ |
出版社 | アスキー・メディアワークス(ハードカバー) 角川書店(文庫) |
レーベル | 電撃の単行本(ハードカバー) 角川文庫(文庫) |
刊行期間 | 2008年4月10日 - 2008年8月9日 |
巻数 | 全2巻 |
漫画:図書館戦争 LOVE&WAR | |
原作・原案など | 有川浩 |
作画 | 弓きいろ |
出版社 | 白泉社 |
掲載誌 | LaLa |
レーベル | 花とゆめコミックス |
発表号 | 2007年11月号 - |
発表期間 | 2007年10月24日 - |
巻数 | 既刊9巻 |
漫画:図書館戦争 SPITFIRE! | |
原作・原案など | 有川浩 |
作画 | ふる鳥弥生 |
出版社 | アスキー・メディアワークス |
掲載誌 | 月刊コミック電撃大王 |
レーベル | 電撃コミックス |
発売日 | 2008年6月27日 |
発表期間 | 2007年11月21日 - 連載中止 |
巻数 | 全1巻 |
アニメ:図書館戦争 | |
原作 | 有川浩 |
監督 | 浜名孝行 |
シリーズ構成 | 古怒田健志 |
脚本 | 坂井史世、谷村大四郎、高橋郁子 ハラダサヤカ |
キャラクターデザイン | 中村悟 |
音楽 | 菅野祐悟 |
アニメーション制作 | Production I.G |
製作 | 図書館戦争製作委員会 |
放送局 | 放送局参照 |
放送期間 | 2008年4月11日 - 2008年6月27日 |
話数 | 全12話+未放映1話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画、アニメ |
ポータル | 文学、漫画、アニメ |
『図書館戦争』(としょかんせんそう)シリーズは、アスキー・メディアワークスより出版されている有川浩の小説。イラストは徒花スクモ。シリーズは『図書館戦争』(2006年2月)、『図書館内乱』(2006年9月)、『図書館危機』(2007年2月)、『図書館革命』(2007年11月)の全4巻で構成される。ここでは、スピンオフ小説をはじめとする派生作品(漫画、テレビアニメ、劇場アニメ)についても扱う。
架空の法律が社会に重大な影響を与えていることから、パラレルワールドやディストピアの世界を描いたSF小説にも分類されるが、主人公の成長と恋愛模様を描いた恋愛小説の要素も多分に含まれている。
概要
本編シリーズ全4巻と外伝『別冊 図書館戦争』シリーズ全2巻が発表されている。第1巻である『図書館戦争』は「『本の雑誌』が選ぶ2006年上半期エンターテイメント」で第1位、2007年『本屋大賞』第5位に入賞。シリーズとしては2008年に第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。2008年8月時点において、シリーズ累計で125万部を突破している[1]。また、アニメ版も第40回星雲賞メディア部門の参考候補作に挙げられた。
漫画雑誌2誌で漫画化版も発表され、『LaLa』では2007年11月号から弓きいろによって、『月刊コミック電撃大王』では2008年1月号からふる鳥弥生によって連載が開始された。2008年4月からはPRODUCTION I.G制作によるテレビアニメが深夜枠で放送された。同月からは、アニメ版のキャストが出演するWEBラジオの配信も行われた。
雑誌『ダヴィンチ』2009年5月号の「有川浩特集」における「なんでもランキング」の「好きな作品BEST10」では、第1位『図書館戦争』をはじめ、第3位『別冊図書館戦争1』、第5位『図書館革命』、第8位『別冊図書館戦争2』がランクインしている。
2011年に角川文庫からDVD封入特典短篇と書き下ろし1編を掲載した文庫版が発売される。
製作背景
本作品の執筆は、2004年11月頃「図書館の自由に関する宣言」を見かけたことがきっかけとなった[2]。有川浩の夫が図書館に掲示してある宣言を紹介したのだという[3] 。興味を持った有川は、出版社の担当編集者に次回作のテーマとして本作品の提案をした。そして、「図書館の自由に関する宣言が一番ありえない状況で適用されたらどうなるか」を考えた結果として完成したのが本作品である[4] 。
図書館の自由に関する宣言は作中でも積極的に引用されているが、作中の宣言文は実在する宣言文の主文を少し改変したものが使われている[5]。この宣言文の引用は小説発表後に論議を呼んだ[6][7]。
有川にとって本シリーズは、初めて企画構想段階からシリーズ化を構想していた作品であるが、第4作『図書館革命』のあとがきによると、『図書館戦争』シリーズは当初3冊で完結する構想だった。出版社サイドからの要請で全4作となり、アニメ制作や漫画化といったメディアミックス展開や外伝小説(『別冊 図書館戦争』シリーズ)、他の出版社とのコラボレーション(『レインツリーの国』)へと発展した。
作中設定
設定に関する説明は、特に断りのない限り、原作小説の設定あるいは派生作品(外伝小説・漫画化版・アニメ版)に共通するものである。
物語の背景
物語の舞台は「公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まるため」の検閲が、法律によって認められ、検閲に際しては武力行使さえ許される近未来の日本。検閲から本を守るための組織「図書隊」の奮闘と隊員である主人公の成長と恋愛の行方を描く。
時は西暦2019年(正化31年)、公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる「メディア良化法」(実質上の検閲の合法化)が施行された世界。強権的かつ超法規的にメディア良化法を運用する「メディア良化委員会」とその実行組織「良化特務機関(メディア良化隊)」の言論弾圧に唯一対抗できる存在が図書館だった。かくして図書館は表現の自由を守るために武装し、良化特務機関との永きに渡る抗争に突入することになる。
図書館法(正式名称:図書館の自由に関する宣言法)
メディア良化法に対抗するため既存の図書館法(三章)を基礎に、『図書館の自由に関する宣言』の主要章題を付け加える形で改定・法制化したもの。図書館の武装化根拠法となっている。
法律構成
全4章、36条で構成。
- 第1章 - 総則(第1条-第9条)
- 第2章 - 公立図書館(第10条-第23条)
- 第3章 - 私立図書館(第24条-第31条)
- 第4章(図書館の自由) - 図書館の武装化(第32条-第36条)
- 第32条 図書館は資料収集の自由を有する。
- 第33条 図書館は資料提供の自由を有する。
- 第34条 図書館は利用者の秘密を守る。
- 第35条 図書館はすべての不当な検閲に反対する。
- 第36条 図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。
運用詳細は、メディア良化法と同じく施行令で随時補われる。
図書隊
図書館が図書館法(図書館の自由に関する宣言法)を根拠に良化特務機関に対抗するため設立した独自の防衛組織。シンボルマークはカミツレ(カモミール)の花と本を組み合わせたもの(カミツレは後述の「日野の悪夢」において命を落とした稲嶺和市夫人が好んだ花で、花言葉は「苦難の中の力」)。全国10地区(北海道・東北・関東・北陸・中部・関西・中国・四国・九州・沖縄)に図書隊基地を設置している。国家機関である良化特務機関に対抗するため広域地方行政機関としての性質を持ち、独自の人事、予算管理を行う。これは「中小都市における公共図書館の運営」(通称「中小レポート」)により国立国会図書館以外の全図書館が地方自治体に属し、中央組織が存在しないためだが、そのために資金面の課題も存在する。
発足当初は拳銃を装備した警備員による『自衛警備隊』程度の規模だったが、「日野の悪夢」等に見られる良化法賛同団体によるテロや良化特務機関の検閲での示威行為のエスカレートなどに伴い、機関けん銃・自動小銃・狙撃銃などが配備され図書隊の防衛力も強化され、抗争は激化している。図書隊としては専守防衛が基本ではあるが実戦経験においては警察はおろか自衛隊をも凌ぐとさえ言われる。
また図書隊・良化特務機関の両者ともに超法規的解釈により、戦闘行為を行っても第三者の生存権および財産権を侵さない限り、たとえ双方に死傷者が出たとしても司法が介入することはない[8]。
なお、アニメ版における敬礼シーンでは左手での挙手の敬礼が行われている。本来、軍隊・準軍事組織・警察・消防などにおける挙手の敬礼は傷病などで右腕が使えない場合を除き右手で行うものが世界標準であり、左手での敬礼が図書隊の礼式基準なのか、それともただの設定考証の誤りによる描写ミスなのかは不明である。
図書隊の組織構成
全国組織
図書隊は以下のように全国10区に区分され、機動的に対応できるようにされている[9]。本作の舞台はそのうちの関東図書隊である。
- 北海道図書隊
- 東北図書隊
- 関東図書隊
- 北陸図書隊
- 中部図書隊
- 関西図書隊
- 中国図書隊
- 四国図書隊
- 九州図書隊
- 沖縄図書隊
各組織
- 業務部
- 通常の図書館業務担当の部署。業務部員が所属する。防衛部よりも安全な部署とみなされている節があるが、実際には情報戦的な任務も多い[10]。
- 防衛部
- 防衛業務を担当する部署。防衛員が所属する。
- 防衛員の通常装備は特殊警棒、手錠、拳銃 (SIG P220) である。図書館・関連施設の警備や蔵書の破損、盗難などに対する警戒業務、検閲抗争や良化法賛同団体によるテロの際の戦闘を主な任務としている。警備ローテーションや任務によっては私服で館内警備などに当たることも。
- 図書特殊部隊(ライブラリー・タスクフォース)
- 主に防衛員から選抜される精鋭部隊。防衛部の一般業務である程度経験を積んでから転属になるのが普通なので、郁と手塚が新人訓練終了後に配属されたのは異例。関東図書隊では総勢50名強。通常図書館業務から大規模制圧戦まで様々な任務を行う。主な個人装備は防衛員と同じ特殊警棒・手錠の他、64式7.62mm小銃、89式5.56mm小銃、ミニミ軽機関銃、M24対人狙撃銃、L96A1、9mm機関けん銃、SIG P220である(弾は弱装弾を使用)。その他ヘリコプターのUH-60JAや化学兵器によるテロを想定した防護服なども装備している。
- その他、任務の内容によっては無線機やファーストエイドキットを携帯したり、防弾仕様の大盾を使用したりすることもある。
- なお、戦闘時には通常の防衛員、図書特殊部隊員ともに機関けん銃または自動小銃を持ち、オリーブドラブ色の戦闘服を着てヘルメットとボディアーマー、エルボーパッドとニーパッドを着用するスタイルが一般的である。
- 後方支援部
- 蔵書や戦闘装備の調達整備、その他物流一般を担当する部署。この部署は管理職以外は一般の商社にアウトソーシングする。アウトソーシング人員の階級は支援部内に限定される。
- 総務部
- 図書隊人事などを管轄する。
- 図書大学校
- 図書隊制度発足と同時に開校された図書隊附属教育機関(大学ではなく大学校なのもこのため)。優秀な図書隊員を早期育成する目的で開校された。学生は在学中から準図書隊員としてOJTを受け、成績により卒業後直ちに三等図書正または図書士長に任命されることとなっていた(正化31年現在では大卒者は一等図書士、高卒者は二等図書士が初任階級である)。開校後10年で閉校。ちなみに堂上、小牧の両名は最後の卒業生に含まれる(二人とも卒業と同時に三等図書正に任官)。また、閉校理由については「目標人員数が確保できたため」とされているが、実際の閉校理由については噂が多々ある。
- 情報部
- 実験構想中の諜報機関。
- 原作小説に名称のみ登場する部署
- 法務部
- 施設整備部
その他の図書隊の機関
問題点
- 原則派と行政派の対立
- 図書隊内での派閥対立とも言えるのが原則派と行政派の対立である。図書隊員は多くが図書館の原則と独立性を重視する稲嶺司令を中心とする原則派と、図書館を行政のコントロール下に置くべきとする行政派に別れる。もちろん各派内にも主張の違いはあるものの、概ね両派は折り合いが悪い。
- 組織体制
- 図書館各館が独立運営だった法施行前の体制を反映し、図書基地司令と図書館長は同位の特等図書監である。そのため基地司令は有事の際しか区域内の図書館の管轄権限を有しておらず、館長にも異議の提案権が認められている。
- 第3の派閥
- 原則派・行政派とも違う第3の派閥といえるのが『未来企画』という団体である。彼らは手塚慧の下、図書隊を中央集権型の国家公務組織へ格上げをするべきだと主張する図書館組織内の研究会であり、自らを中立派と呼称している。国家公務組織への格上げ、特に文部科学省の機関になることにより、法務省機関である良化委員会と検閲その物の正当性を争える、と彼らは考えている。しかし、これらの行動には検閲対抗権(図書隊の主要な権限)を大きく譲らねばならず、実現したところで検閲を根絶するには数十年単位の時間がかかるため、国民にはその間、検閲を強いねばならない。
図書隊の階級呼称・階級章のデザイン
- 特等図書監
- 図書基地司令、大規模な図書館の館長などの職務をつとめる。階級章は大きな1つのカミツレの花。
- 一等図書監
- 図書基地副司令などの職務をつとめる。 階級章は二重の閉じた本の上に3つのカミツレの花。
- 二等図書監
- 準図書基地準司令、図書館長代理などの職務をつとめる。 階級章は二重の閉じた本の上に2つのカミツレの花。
- 三等図書監
- 隊長などの職務をつとめる。 階級章は二重の閉じた本の上に1つのカミツレの花。
- 一等図書正
- 階級章は閉じた本の上に3つのカミツレの花。
- 二等図書正
- 階級章は閉じた本の上に2つのカミツレの花。
- 三等図書正
- 階級章は閉じた本の上に1つのカミツレの花。 この階級以上になると良化特務機関の検閲(書店等からの本の没収)を停止させる「見計らい権限」が行使できるようになる。
- 公用車が使用できるようになる。
- 図書士長
- 図書大学校出身者は入隊時この階級か三等図書正に任命される。階級章は三重のV字に開いた本。
- 一等図書士
- 大卒の隊員は入隊時にこの階級に任命される。 階級章は二重のV字に開いた本。
- 二等図書士
- 高卒の隊員は入隊時にこの階級に任命される。 階級章は一重のV字に開いた本。
- 三等図書士
- 階級章は閉じた本が1つだけ。
昇進は三等図書正までは試験と考課、以降は考課のみ。試験は半年に1度の割合で行われる。現在、図書士長から三等図書正への昇任は、士長までを一定期間務めていないと受験資格である「部長の推薦」がもらえず、推薦をもらった最初の年の試験で昇任することは「初年度昇任」と呼ばれる。なお、捕り物や検閲抗争といった任務が中心の防衛部と違って館内での仕事が中心の業務部は、真面目なだけでなく積極的なイベント提案などの勤務態度が考課の加点に繋がる。
階級章のデザインに用いられているカミツレの花は「日野の悪夢」で落命した稲嶺和市夫人が好んでいたものであり、花言葉は「苦難の中の力」。
図書隊に所属する総人員数
- 図書隊の人員
- 約30000人(全10区総計)[11]
図書隊に関係する施設
- 関東図書基地
- 関東図書隊における中心基地。図書特殊部隊を擁するほか、新入図書隊員の訓練を行う。また関東各県の準基地を統括する機能も持つ。
- アニメ版では航空自衛隊入間基地がモチーフとなっている[12]。
- 独身寮や官舎も整備されており、独身寮では基本的に女子は2人部屋、男子は4人部屋になっているが、三等図書正以上の階級を持つ者には、空きがあれば女子は個室、男子は2人部屋が与えられる(男子寮で個室になるのは二等図書正から)。男子寮と女子寮はロビー等の共有スペースを挟んで同じ建物を二手に分けた構造だが、それぞれに寮監がいる。なお、寮監は寮生のプライバシーを保護するため、寮にかかってきた電話を録音するレコーダーなども持つ。
- 武蔵野第一図書館
- 関東図書基地に隣接する基地付属図書館。周辺の図書館と連携した共同保存図書館(デポジットライブラリー)も兼ねるため、公共図書館としては都内最大級の蔵書量、貸出数を誇る。
- アニメ版では国立国会図書館(東京本館)がモチーフとなっている[12]。
メディア良化法
元号が昭和から正化に変わる頃に制定された青少年に悪影響を与える有害情報や人権を侵害したり公序良俗を乱す表現を取り締まる法律。興味本位の過激な報道合戦による報道被害が社会問題化していたという現実の昭和末期と同様の状況[13]に加え、スキャンダルを追いかけることに血道を上げる余りマスメディアが持つ権力監視機能が機能していなかったことと、国民の政治への無関心が、本来なら成立するはずのないこの法律を成立させた背景にある。
この法律に基づき、法務省(アニメでは司法省)の下部組織として「メディア良化委員会」が発足された。
その運用に外部機関による監査などの制限は設けられておらず、メディア良化法ならびにメディア良化委員会を批判する報道を取り締まるなど恣意的な判断が可能な点が問題とされる。
メディア良化委員会
メディア良化法に基づいて発足した法務省(アニメでは「司法省」)の下部組織。各都道府県に代執行機関となる良化特務機関を設置し、公序良俗を乱すあらゆるメディアを取り締まる権限を持つ。その内容は小売店に対しては入荷物の検閲[14]、版元には流通差し止め命令、マスコミには放送禁止・訂正命令、インターネットではプロバイダーへの削除命令など多岐に渡り実質的な言論統制である。なお、メディア良化委員会の言い分は作中で一切述べられておらず、その理由も作者は明言していない[15]。図書館は図書館法で検閲の例外的存在になっているため、図書隊とは対立関係にある。
図書隊と同じく市街地での発砲権は持っていないが、アニメ版では、小牧の左足を負傷させる、抗争の終了間際に児童館に侵入した子供に威嚇目的で発砲するなどの不祥事も多く見られる。しかしメディア良化委員会はその事を全て不問に付す。小牧曰く「あいつら(メディア良化委員会)にとって約束は守る為じゃなく、上手に破る為にある」から。
特務機関の正式装備は、アニメによるとMP5サブマシンガンと狙撃銃で、警察の特殊部隊の様な戦闘服を着用している。
日野の悪夢
正化11年(1999年)2月7日、メディア良化委員会に同調する政治結社が東京の日野市立図書館を襲撃した事件。当時日野市立図書館館長を務めていた稲嶺は右足を失う重傷を負い、稲嶺の妻を含め12人の死者を出し、図書館の蔵書も1冊を除き全損するなど未曽有の大惨事となった。被害が拡大した原因として、図書隊制度が確立されていなかったために周辺図書館との連携が遅れたことや、警察の介入が大幅に遅れたことが挙げられる。後段の原因から影で良化委員会が糸を引いていたのではないかとの噂が今なお絶えない。良化委員会は、この噂を否定している。いずれにせよこれ以降図書隊は、稲嶺を中心に本格的な防衛力を整え、良化特務機関との抗争は銃火器なども含めたより激しいものへとなっていった。
元号『正化』
作中では『昭和』に続く元号は『平成』ではなく『正化(せいか)』となっている。従って原作小説およびアニメ版の物語開始時点の西暦2019年は正化31年である。なお、『正化』は、昭和の次の元号の候補に『平成』『修文』と共に挙がっていたとされていた。
登場人物
主要人物
(笠原郁等の年齢は『図書館戦争』冒頭の笠原郁入隊時基準)
- 笠原 郁(かさはら いく)
- 声 - 井上麻里奈
- 『熱血バカ』。本作の主人公兼ヒロイン。22歳。血液型はO型。身長170センチメートル。防衛部・図書特殊部隊所属。一等図書士(後に図書士長→三等図書正)。茨城県水戸市出身。髪型はショートヘア。高校3年生の時、良化機関員の検閲から救ってくれた図書隊員に憧れ、図書隊員を志す。親(特に母親)は、危険を伴うこの仕事に反対なので防衛部に所属していることを言っていないが、最終的にバレる。のちに父親の理解もあり、兄から教えてもらった自身の衝撃の過去(3歳の頃に裏山でロッククライミングをした際に命綱が長すぎたため、崖から落ちて後頭部に小さなハゲをつくったこと)や母親の心情を理解した上で、徐々に母と和解する。そのときのハゲは今でも残っている。
- 寝る前にチョコを食べるとニキビが出来やすくなる体質。アジフライが好物。また、酒には弱く、ワイン2杯で潰れる。また、顔覚えの悪さから、手塚慧に指摘されるまで、自分を助けてくれた憧れの図書隊員(郁いわく『王子様』)が実は堂上篤であるということに気付かなかった。
- 生まれつき高い身体能力を持ち、更に中学から大学まで陸上部に所属していたため体力は抜群で、インターハイに出場するほど足も速いが、男に比べて体が軽い(女子の標準体重にも達していない)ため、犯人に馬乗りになっただけでは確保できないことも多い。しかし、実戦においては陸上で鍛えた瞬発力がその弱点を補って余りあるという評価が下されている。射撃は苦手だが、降下(リぺリング)は周囲が絶賛するほどの腕前。
- 反面、通常の図書館業務や知識面はおおむね最低水準だが、現状認識や想像力は非凡さを見せる事があるので、物覚えは悪いが判断力は優れているといえる。また、突っ走ってしまう傾向はあるものの、定石を覆して行動し良い結果を導き出すところがあるため、隊のフラッグシップ的な役割を担うこともある。ここぞというところで怖気づくことはなく、非常に肝が据わっている一方で、恋愛には免疫がなく、手塚光から告白されたときには動揺するなど純情乙女な一面もある。
- 胸のサイズはAカップと、寄せて上げるタイプのブラジャーでも谷間ができないほどの貧乳だが、スレンダーなモデル体型で全体的にスタイルが良い。だが、長身と戦闘職種ゆえにすっきりと鍛えられすぎたこの体つきは、本人にとってコンプレックスである。また、白い柄入りパンストを穿いても足が膨れて見えないほどの美脚の持ち主である(柴崎曰く「一回百均の黒ストッキングを穿いて破いたショットで十万は稼げる」らしい)。それ故、隊内ではいろいろな意味で定評がある。
- 柴崎曰く「笑いに天性のバランスを持っている」らしく、怒りの(平手ではなく)鉄拳を堂上に炸裂させても周囲を笑わせた。悪く言えば精神年齢が低いため、子供の扱いが得意。自分のことには奥手で鈍感だが、人の真意には聡く勘が鋭い。同僚たちにからかわれる柴崎を唯一庇ったり、疑いをかけられた査問期間中に手塚慧の手塚光への理不尽な伝言を断ったりするなど、自身が辛い状況でも仲間を思いやる優しい性格。また、無防備な性格ゆえに考えていることがダダ漏れになることも多々ある。
- 憧れの図書隊員(王子様)の正体を知った後は、堂上と接する際の自分の態度に苦悩するが、小牧のアドバイスなどを経て、茨城県展事件で堂上への気持ちをはっきりと自覚する。当麻蔵人の亡命事件で、負傷した堂上にキスをし告白宣言をする。病院へ搬送される堂上から任務の遂行を託され、一人で任務を果たし、当麻亡命作戦を成功させる。任務完了後、初めての見舞いの際に堂上に告白して交際を始める。最終的には堂上からのプロポーズを受けて堂上と結婚し、寮を出て官舎に移る。以降は、特殊部隊内と柴崎は旧姓の「笠原」のままだが、それ以外の場では夫・篤と区別するため「堂上三正」と階級をつけて呼ばれる。
- 図書館の本に貼られた管理用シールをカッターで切り取って、図書を持ち出していた青年を確保した際に、その俊足で追いついて顔に返り血が飛び散るほど顔面を殴ったり、女性に刃物を突きつけた男の腕をへし折る(一応手加減はしたらしい)など、犯人確保で男並みの活躍を見せている。反射的に堂上を投げ飛ばしたこともある。得意技は大外刈り。
- 『山猿』、『熊殺し』、『ブラッディ笠原』(上述の返り血事件より)、『純粋培養純情乙女・茨城県産』など数々の異名を持つ。『熊殺し』については玄田の項参照。
- 家族構成は、父、母、3人の兄。兄たちの名前は作中で明らかにされておらず、郁は長兄から大・中・小とつけて呼んでいる。性格は真っ直ぐで泣き虫。
- 雑誌『ダヴィンチ』2009年5月号の、「有川浩特集」における「なんでもランキング」の「好きなキャラBEST10」では第2位と、有川浩作品の女性キャラクターでは一番人気がある。
- 堂上 篤(どうじょう あつし)
- 声 - 前野智昭
- 『怒れるチビ』。27歳。身長165センチメートル。防衛部・図書特殊部隊所属。二等図書正(後に一等図書正)。郁、小牧、手塚を擁する班(4人は隊内でも最少人数)の班長を務める、郁の直属の上官。班内で一番身長が低く、郁との口論の際(特に初期)に何度か「チビ」と言われている。12月生まれで、作中のキャラクターで唯一誕生月が明かされている。
- 小牧とともに図書大学校最終年度の卒業生の1人であり、図書特殊部隊隊員として、図書館業務・戦闘双方において優れた能力を発揮する。もともと、本質的には郁と同様「考える前に動く」という直情径行型の人間であったが、過去の経験や反省による自制心から、現在は常識や正論を重視し、理性でものを考えるやや堅物な傾向がある。そのため、かつての自分に似た郁の言動を見て「俺が捨てた物を後生大事に拾ってくるな」と内心でぼやき、また当時の堂上を知る小牧は、度々2人を「似た者同士」「無茶が加速する組み合わせ」「凄まじく相性がいい」と評する。
- 性格・外見とも真面目で実直なため、外部の人間と接する必要がある場面では重宝されるが、真面目さが祟って部隊内ではいじられ役になることが多い(これは隊長および隊員の気質によるところも大きい)。しかし、激怒すると上官も先輩も後輩も同期もなく、『図書館革命』での退院後の初出勤において、庁舎に張られていた<退院&カップル成立&王子様卒業おめでとう!!>というからかい文句の書かれている横断幕を剥がす際に緒方副隊長の机に土足で飛び乗ってしまった。仏頂面がトレードマークだが、ポーズであることがままある。アニメDVD第4巻ブックレット掲載の番外編『ジュエル・ボックス』では、郁を「宝石」に例えるなど、ロマンチストな面もみられる。
- 叱るときや褒めるときなどは、主として頭に対して行うことがマイルールであるらしく、ゲンコツ、叩く、小突く、撫でる、手を置くなどのバリエーションがある。手が届き難いときには書類などを丸めて行う場合もある(対手塚など)。また、ヘルメットを被っているときは例外として肩を叩くようだ。特に郁には、頭を軽く叩いたり、撫でたりするなどスキンシップが多い。
- 実は郁の「王子様」である。郁の入隊面接時、面接官として同席していた堂上は、見計らい権限で救った少女だと気づいたものの、郁が語った「完璧超人」と言えるような当時の自分の美化されっぷりに、机から顔をあげられなくなった。この面接により、図書隊幹部及び上官たちは堂上がかつて救った少女が郁だと把握し、面白がった玄田の計らいにより、訓練期間の担当教官、及びその後も上官として郁の面倒を見ることになった。郁への気持ちには蓋をするつもりであったようだが、ごく稀に公私混同するような行動(手塚慧に会いに行った郁を強引に迎えに行くなど)や、郁が心細がっている際に手を握るなどの行動を取ることもあり、手塚以外の周囲にはバレバレである。郁にはいろいろ弱いが、調子に乗るから絶対本人には言わないらしい。しかし、郁が周囲のからかいの対象になるのを面白がらずむくれるなど、ヤキモチを焼くこともある。
- 作家・当麻蔵人の大ファンで、『図書館革命』における亡命事件では郁とともに当麻の護衛に当たったが、良化隊員の発砲により右大腿部を負傷、病院へ搬送された。その際、郁にお守りとして自身の階級章を着け、任務の遂行を託した。長時間・大量の雨に当たって発症した低体温症と大量の失血の為に一時は生死の境を彷徨ったが回復。無事任務を完了した郁の告白を受け入れて、交際を始める。その後郁にプロポーズし、最終的には『図書館革命』のエピローグで郁と結婚している。その後、郁の兄達から「兄妹喧嘩の際の決め技」として「投げっぱなしジャーマン」を教わっており、夫婦喧嘩の際は郁をベッドへ放り投げるのがお約束になりつつある(郁は投げられることに慣れているので反射で受身を取る)。また、家では嫁である郁をお姫様抱っこするなどからかう面もある。新婚時は郁と五分五分だった料理の腕だが、凝り性の性格ゆえに、今では篤のほうが凝った料理を出す。父親が関西出身で技を叩き込まれたこともあり、お好み焼きが得意。
- 家族構成は、父、母、妹。「静佳」という名前に反して野放図な妹に辟易しているが、何だかんだといって仲は良い。
- 有川浩作品ランキング「好きなキャラBEST10」では第1位を獲得。
- 小牧 幹久(こまき みきひさ)
- 声 - 石田彰
- 『笑う正論』。27歳。身長175センチメートル。防衛部・図書特殊部隊所属。二等図書正(後に一等図書正)。図書大学校時代からの堂上の同期で、学生時代は学年首席を取ったり取られたりする間柄であったが、本格的に堂上と組むようになったのは卒業後、防衛部に配属されてから。堂上班の副班長を務める。笑い上戸で、スイッチが入ると必死に堪えるものの、時には堪えきれず席を外す程である。
- 公の場では常に正論を貫くが、自分に対しても容赦なく正論を向ける。実際には話の通じない石頭ではなく、むしろ相手の感情や思惑を正確に把握でき、正論を語る際も基本的には情状を斟酌して行う。これには幼馴染である毬江(後述)への想いも絡んでいる。
- 温和な人柄の持ち主で滅多に言動を荒らげることはないが、時としてピリピリした態度を取ることはある。また毬江の身に危険が迫った時は珍しく取り乱した態度を取ったり、怖い顔で犯人に脅しをかけたこともある。
- 堂上が無断で見計らい権限を行使した際(郁が堂上に助けられた一件)の査問の後で、「巻き込まれたのが自分にとって大切な相手なら、自分も同じ行動を取っていた」と告げたらしい。自分の弱みはあまり見せないが、隊内と柴崎には毬江がその1つであることを知られている。
- 有川浩作品ランキング「好きなキャラBEST10」では第4位。
- 手塚 光(てづか ひかる)
- 声 - 鈴木達央
- 『頑な少年』。22歳。身長180センチメートル。防衛部・図書特殊部隊所属。一等図書士(後に図書士長→三等図書正)。郁とは同期。父親は図書館協会会長。
- 高所恐怖症の気があったが、克服。狙撃班として高所からの狙撃に従事するなどもはや問題はなく、堂上と小牧に感心された。
- 家族の問題から、図書隊員および特殊部隊員として優秀な存在になることを目標としている。入隊当初はその思いのあまり、自分の尺度では優秀とは思えない郁が特殊部隊に配属されたことに不満を持っていたが、堂上の叱責と当の郁に自分の弱点(高所恐怖症)を指摘された際に、郁に自身の弱点を見抜かれていたこと、そしてそれを郁が手塚に悟らせていなかったことから、自分の価値観とは異なる視点から郁の長所を見るようになった。ただし以後も郁の図書隊員として足りない部分に関しては説教するので、時に郁から「プチ堂上」と呼ばれることがある。
- 子供の扱いが苦手で、士長への昇任試験の際の実技が子供相手であることに悩み、柴崎の助言を受けた(その後報酬をぶん取られる)。几帳面で努力家、誠実で、尊敬する堂上に言動が似つつある。また、超がつく程のブラコンで、決裂している兄に対して未だ期待を捨てられず、高校時代に兄からもらった時計を処分できずにいた(後に柴崎の手で質に入れられる)。兄が主宰する「未来企画」の努力の甲斐あって検閲抗争時の火器使用が禁じられた後、柴崎が脅迫めいた手段で背中を押したことでやや和解の方向へ進んだ。
- 柴崎とは、兄の手塚慧や「未来企画」に関する成り行きから秘密と情報を共有することになって以来、微妙な間柄となる。柴崎からはバレンタインデーに「欲しいのを食べた後」のチロルチョコをもらったり、帰省中のお土産として、お守りをもらったりもした(『別冊 図書館戦争II』では開封してGPS発信機を仕込み、一度返している)。『別冊 図書館戦争II』にて柴崎と結婚する。
- 有川浩作品ランキング「好きなキャラBEST10」では第9位。
- 家族構成は、父、母、兄。
- 柴崎 麻子(しばさき あさこ)
- 声 - 沢城みゆき
- 『情報屋』。22歳。業務部・武蔵野第一図書館所属。一等図書士(後に図書士長→三等図書正)。郁の寮でのルームメイトで親友。郁、手塚とは同期。情報通であり、実験構想中の情報部候補生。防衛部の郁や手塚と同じ試験で昇進している、業務部の出世頭でもある。
- 長いストレートヘアが特徴のかなりの美人で、アニメ版ではオフタイムに眼鏡をかけることがある。利用客だけでなく業務部・防衛部の中にもファンは多いが、「営業用に作ったキャラクター」に惹かれる者に本人は興味はない模様。外見とは裏腹に勝気で容赦のない性格(普段は猫を被っている)。容姿と表向きの性格のため、学生時代から何度もストーカーに絡まれており、対策はばっちり。人前で泣く事を嫌がる。
- 「美人で頭がよくて容赦がない」という本質のため、本性を隠すことに慣れていなかった中学時代は学校で孤立していた。高校、大学と自己の対外的性格設定および人間関係の構築に努めてきたことから、そういった軋轢とは無縁になったが、反面他人との関わりにおいて常に計算を働かせるようになった。それだけに計算抜きで付き合うことができる郁の事は、表に出すことはまずないが非常に大切に思っており(郁のことを「あたしの逆鱗」と表現したほど)、彼女に害を為す者は原則として敵とみなす。頭のよさは手塚慧も認めるほど。
- 恋愛面の知識はあるが、本質を隠して過ごすうちにその方面に臆病になり、外見に寄ってくる相手にしか出会えなかったこともあって、「誰かを大切に想っている人物が同じように自分を見てくれたら」と羨ましく思うことがあったらしい。
- 『別冊 図書館戦争II』での設定は、身長157センチメートルで年齢は28歳となっており、ストーカーに誘拐されたことをきっかけに手塚と結婚する。それまでは『キスを担保に携帯を借りられる』『三回キスをした』関係だった。
- 家族構成は父、母、妹、弟。実家は金沢。
- 有川浩作品ランキング「好きなキャラBEST10」では第3位。
- 玄田 竜助(げんだ りゅうすけ)
- 声 - 鈴森勘司
- 『喧嘩屋中年』。43歳。防衛部・図書特殊部隊隊長。三等図書監(後に一等図書監)。郁の戦闘能力を高く買っている。しばしば豪快かつ無茶な作戦を立案するので、豪胆なのか大ざっぱなのか分からない性格と思われがち。だが、実際には諸状況や想定される結果を勘案した上でもっとも効果的と思われる手段を選んでいる。稲嶺の信頼も厚く、緒形の特殊部隊配属時に噛み付いてきた進藤ら部下を一喝して黙らせた。
- 図書館で暴れたり素行の悪い未成年への叱り役をお願いされる事がしばしばあり、その怒る様子を見た郁は思わず「なまはげ?」と漏らし、周囲も笑いのツボを貫かれた。
- ほとんどの場合、無茶な作戦を立案した後の実務は部下(主に堂上)に丸投げしており、そのことでしばしば堂上と口論になるが全く堪える様子はない。小牧曰く「あの人(玄田)はお前(堂上)にそうやって叱られるのが嬉しいんだから」とのこと。
- 過去に「世相社」の雑誌記者である折口と恋人同士で同棲していたが、それぞれ進む道が違うことから別れる。後に、検閲抗争での銃火器の使用が禁止され仕事の危険度が下がったことと稲嶺の薦めにより折口との結婚を決意する[16]。
- 特殊部隊での訓練合宿時に、藁で作った熊を象った人形を宿営中のテントに放り込んで新隊員を驚かせるというイベントの創始者であり、これにひるまず応戦しようとした者はこれまで堂上以外にいなかったが、郁が応戦したことで2人目となる「熊殺し」の異名持ちとなった。
- 郁曰く「クマと戦って勝てる人間は図書隊では玄田隊長くらいしかいない」ほど屈強であり、やたらと体が丈夫で、茨城県展で体中を銃で撃たれて蜂の巣にされた時ですら、1か月ほどで復活した。
- 稲嶺 和市(いなみね かずいち)
- 声 - 佐藤晴男
- 関東図書基地司令で現図書隊制度設立の立役者。特等図書監。司令職を勇退後は特別顧問となる(勇退前、最後のワガママとして、玄田を2階級特進させた)。一見穏やかで上品な老人だが、玄田のような一癖も二癖もある部下を自由にさせておく器量を持つ。『日野の悪夢』の生存者で、事件当時は日野市立図書館館長を務めていた。『日野の悪夢』で右足と妻を失い、それ以来車椅子で生活している。ただし、公式行事などでは義足で歩行する。この義足はある手順で外すと発信機で関東図書基地に居所を知らせられる構造になっている。なお、車椅子は図書隊後方支援部特製の仕込み車椅子で、『図書館革命』では一人で良化隊員を相手した。
- 亡妻が愛したカミツレ(カモミール)を図書隊のシンボルマークに採用する。囲碁を趣味にしており、若い頃にプロの名人からアマチュア3段の腕前と認められ、現在では更に腕が上がっていると見られている[16]。
- イメージは故人の児玉清。
主要人物を取り巻く人々
- 手塚 慧(てづか さとし)
- 声 - 吉野裕行
- 『未来企画』の会長。神奈川県内の図書館員。一等図書正。手塚光の兄。
- 思想の違いから父、弟と離別。制度や企画会員を用いて暗躍する。弟同様かなりのブラコンで、光が電話に出るだけで機嫌が良くなる程。柴崎と情報交換をしており、光の弱みを柴崎が握っているのは、慧から来ていることも多い。逆に柴崎に光をダシにされても、機嫌良く応じる。
- 折口 マキ(おりくち マキ)
- 声 - 田中理恵
- 出版社「世相社」の記者。玄田とは昔、同棲していた。その為、玄田を最も理解している人物である。
- メディア良化法に反対するメディア側の人物。図書隊と協力し、真実を報道することに尽力している(玄田も彼女には情報の開示を厭わない)。『図書館危機』では、香坂大地の記事の扱いを巡って、玄田に相談を持ち込んだ。
- 中澤 毬江(なかざわ まりえ)
- 声 - 植田佳奈
- 小牧より10歳下の幼馴染の少女。原作では『図書館内乱』から登場する。アニメではDVD第3巻に収録のテレビ未放映話「恋ノ障害」にのみ登場[17]する。
- 中学三年生のときに突発性難聴という病気にかかり、右耳は完全に聴覚を失い、左耳も補聴器なしでは聞こえないという状態に陥った。この病気の治療をすべく、中学時代に1年留年している。小牧を幼少の頃から慕っており、小牧に恋人が出来る度に胸を痛めていた。後に小牧の恋人となり、大学卒業後には結婚する約束をしている。
- 普段は携帯電話のメール作成機能を使って他者に意志を伝えている。文字を打ち込む速度は非常に速い。また、喋る事は出来るのだが自分の声の音量がよく分からず、大きな声になるのを嫌って余り喋らない。だが心を許した人の前ではきちんと喋る。
- 館内で痴漢に遭い、嫌な思いをしていたが、図書特殊部隊(主に堂上班)と柴崎の連係プレーによる囮捜査で犯人が逮捕された。逮捕後、小牧から「緊急時に吹くように」とホイッスルを渡され、お守りとして持ち歩いている。
- 大学はノートテイクを受けられるところへ進学し、同級生に手伝ってもらいながら充実した日々を送っている。
- 笠原 克宏(かさはら かつひろ)
- 声 - 上別府仁資
- 郁の父親。茨城県庁職員。武蔵野第一図書館に来る前、雑誌で娘の郁が防衛隊あるいは特殊部隊に属している事を知っていた。娘の職場を見に来た際に堂上と会い、家族の中では郁の唯一の理解者となる。その後も堂上とは個人間で親交を深めていた様子。茨城県展発表のテレビ中継に県知事と共に出演。その後、県展にて、玄田が銃撃される所を目撃する。
- 笠原 寿子(かさはら としこ)
- 声 - 木川絵理子
- 郁の母親。娘に対して過保護で(兄達に対しても押し付けはあったらしい)、郁が図書館に就職したことを快く思っていない。アニメ版では郁の過去について自ら話しているところがあるが、原作とは多少違っていた。
- 『別冊 図書館戦争II』にて、郁と堂上の結婚式で堂上が郁の王子様と知り、堂上への反感がなくなる。
- 緒形 明也(おがた あきや)
- 声 - 赤澤涼太
- 防衛部・図書特殊部隊副隊長、一等図書正(後に三等図書監)、元良化特務隊隊員。話すときのオンとオフの差が激しい。
- 『別冊 図書館戦争II』にて、昔のエピソードが語られる。大学の時から付き合ってきた恋人がいたが、大学卒業後に公務員である親が勧めるまま公務員試験を受けて良化特務隊に配属されたことと、彼女の作品が掲載された雑誌を狩ったことを正直に話さなかったことが原因で別れることになる。それがきっかけで良化法について考え、図書館の自由法にシンパシーを感じ、良化特務隊を辞めて講習で司書資格を取り、関東図書隊・防衛部に志願(実技はトップレベル、筆記も上から数えた方が早かったらしいが、その経歴ゆえに、面接は幹部がじきじきに行った)。入隊後、玄田の言葉を受けた稲嶺によって図書特殊部隊に配属される。射撃の名手。
- 進藤(しんどう)
- 声 - 中西英樹
- 防衛部・図書特殊部隊所属、一等図書正(後に三等図書監)。
- 狙撃手を務める射撃の名手。アニメ版では左頬に傷がある。緒形が入隊した際に、元良化特務隊隊員という経歴から緒形に敵意を持っていた。しかし良化特務隊との抗争での実績から緒形の事を図書隊員として認め、以後は親しい仲となる。
- 笑い方は『トムとジェリー』の猫・トムに似ていると評される。既婚者。
- 吉田 達也(よしだ たつや)
- 防衛部、一等図書士。郁が教官を務めた1人。
- 元気と、調子だけはよい新隊員。不注意な言動が多く、郁に何度も拳骨を落とされている。
- 安達 萌絵(あだち もえ)
- 防衛部、一等図書士。手塚が教官を務めた1人。
- 吉田と同期の女性隊員。明るく積極的な性格。図書特殊部隊唯一の女性隊員である郁にとても憧れている。
- 平賀(ひらが)
- 声 - 高瀬右光
- 警視庁の刑事。玄田曰く「警察の親戚」。しばしば玄田に振り回される。アニメ版では利用者の情報開示をはねつけた稲嶺に対し、一目置いているような描写がある。
その他の人物
原作登場順に従い、アニメ・漫画版のみの人物は末尾に記載。
- 鳥羽 敏夫(とば としお)
- 声 - 梅津秀行
- 『図書館戦争』で入院した館長の代理として行政側より赴任(アニメでは館長)、当初より図書隠蔽まがいの行為を行う(この行為は配架ミスで片付けられた)。
- 『図書館内乱』の頃に、良化特務機関から届いた小牧への出頭命令書に対して、稲嶺基地司令の到着を待たずに、越権行為で便宜を図り小牧を連行させた。この出頭騒動の終結後、更迭される。
- 朝比奈 光流(あさひな ひかる)
- 声 - 小野大輔
- 柴崎に近づく謎の青年。行政問題の研究者の助手と名乗っていたが、実は法務省のキャリア官僚で、情報部候補生である柴崎とデートを装った情報戦を繰り広げた。手塚慧ともコネクションを持っている。
- 砂川 一騎(すながわ かずき)
- 声 - 樫井笙人
- 関東図書隊業務部所属で手塚光のルームメイト。手塚慧が主宰する「未来企画」内のメディア良化法研究会に参加しており、武蔵野第一図書館のホームページにある『一刀両断レビュー』というコーナーで、郁や毬江の愛読書を批判していた。そのため館内でも噂になっており、郁は砂川のことをよくは見ていなかった模様。その郁を利用して、図書隠蔽を行い、郁が査問会に呼ばれる原因となる。
- 彦江 光正(ひこえ みつまさ)
- 声 - 石塚運昇
- 郁を査問した査問委員会の委員長。関東図書基地副司令。一等図書監(後に、特等図書監)。防衛部出身の行政派。稲嶺勇退後は司令となる。就任後は公正な司令として活動しており、いい司令と評価を受けている。しかし郁は査問が原因で、いまだに苦手意識がある。性格で損をしている部分もあり。髪形や鋭い目つきから、郁に「ハゲワシみたい」と評された(玄田も裏でそう呼んでいる)。
- 香坂 大地(こうさか だいち)
- 『図書館危機』に登場する俳優。世相社より特集本を出す予定であった。実家の職業である「床屋」がメディア良化委員会から違反語とされていることから、この語を用いること避けようとする世相社と、インタビューの内容を一言一句そのまま掲載することを求める香坂の間で意見が対立し、事務所を通して法廷闘争に発展する(注目を集めることで世論を味方に付け、違反語の適用外とすることを目的とする)。この裁判により、自称にも使う呼び名を勝手に差別用語扱いされていることを初めて知った東京都理容生活衛生同業組合がメディア良化委員会に異議を申し立て、用語の使用が可能となる。メディア良化法の施行以来、正式な手続きにより適用を撤回させた初めての出来事であった。
- 外見の良さだけがクローズアップされがちであるが、真剣な役作りに裏打ちされた演技力で見る目がある人からは高く評価されており、柴崎もそうした隠れファンの一人であった。
- 須賀原 明子(すがはら あきこ)
- 声 - 重松朋
- 茨城県立図書館館長。特等図書監。県から出向して現在の役職に就いたため、図書館館長の職を腰掛け程度にしか思っていない。自分の保身しか考えておらず、良化特務隊との検閲抗争で死傷者が出て自分の経歴にキズがつかないように、防衛部の権限を著しく制限するローカルルールを制定して、実質上検閲を受けるがままの状態を作りあげた。
- 隣接する茨城県立近代美術館で開催される茨城県展(最優秀作品の『自由』が良化特務隊の制服の模造品を破って青空とコラージュさせたものであった)のパンフレットを図書館で保管する事になり、良化特務隊との抗争が起きて負傷者が出たため、パンフレットを保管している倉庫に放火し、殺人未遂と放火の現行犯で逮捕された。また良化特務隊に対して非武装無抵抗で抗議する「無抵抗者の会」という団体にも特別顧問として籍を置いていたが、同会は裏で良化法賛同団体と繋がっており、実際は図書隊の戦力を低下させることが目的の組織であった。しかし、その事には全く気づいておらず、前述のローカルルールを強引に制定し、結果として検閲による蔵書の被害をローカルルール制定前よりも拡大させた。
- 横田(よこた)
- 声 - 興津和幸
- 関東図書隊茨城県本部水戸準図書基地準司令。二等図書監。須賀原の作成したローカルルールのため、防衛部が業務部より下に置かれていることに苦渋の念をもっていたが、立場上何の行動も取れないことを悔やんでいた。原作小説では須賀原が茨城県展のパンフレットを燃やそうとした際に身を挺(てい)してそれを防ごうとして重度の火傷を負ったが、幸いにも一命は取り留めた。なお、アニメ版ではパンフレットを放火から防ごうとする行為は堂上が行っており(その後入院して治療を受けるが、ショックからか失認障害に陥る)、玄田との会談シーン以外では登場しない。
- 野々宮 静香(ののみや しずか)
- 声 - 名塚佳織
- 関東図書隊茨城県本部水戸準図書基地に所属する防衛員。県内図書隊のローカルルールと自身の気弱な性格のため、業務部の女性部員達からいじめられていた1人。アニメ版では三つ編みお下げに眼鏡をかけている。
- 一橋 圀子(ひとつばし くにこ)
- 声 - 渡辺直美
- 茨城県知事。芸術作品に対する検閲権の行使は越権行為であることと、検閲抗争で起きた犠牲は良化特務機関ひいては上部組織である法務省に責任があると宣言し、県展開催に踏み切った。
- 当麻 蔵人(とうま くらと)
- 声 - イッセー尾形
- アニメでは劇場版で登場。『図書館革命』に登場する作家。敦賀原発で起きたテロ事件の手口が著書を参考にした疑いを持たれ、テロ特措法の拡大適用によりメディア良化委員会から著作活動の停止命令を受けそうになり、図書隊に保護される。当麻側は日本国憲法第21条(表現の自由)侵害であるとして訴訟を起こすが敗訴。郁が思いついた「表現の自由を守れないなら他国に亡命してしまえ」というアイディアを受け入れイギリス総領事館へ駆け込む。これによりこれまでは国内問題でしかなかったメディア良化法が国際問題として批判を招く結果となり、テロ特措法の適用が取り消されることになる。
- アメリカ同時多発テロ事件と著書の類似性が取りざたされたこともあるトム・クランシーをもじって命名されている。
- 木島 ジン(きじま ジン)
- 『別冊 図書館戦争I』に登場する覆面作家。メディア良化法に違反しない用語の組み合わせによる罵詈雑言や差別表現がどこまで可能か挑戦し、言葉狩りの無意味さを訴えている人物。正体は劇中でも明らかになっていないが、本業を別に持っており作家として生活できなくなっても困らないからこそできることだと柴崎は分析している。
- 竹内 加代子(たけうち かよこ)
- 『別冊 図書館戦争II』に登場する作家。ペンネームは竹内かよこ。緒方の元恋人。地方銀行勤務との二足のわらじを履いている。小説を書くのは大学時代からの夢。緒方が良化隊員であることを隠していたこと、デビュー作の載った雑誌を緒方が没収した(同じ雑誌に検閲対象者が載っていた)ことから別れる。しかし、他に好きな人が現れず42歳になっても結婚ができなかった。
- 付き合っていた時、新規客のノルマをこなすために緒方に開いてもらった口座を、日々の業務の中で確認し、どこで働いているかやお金の出し入れを把握している(これは緒方の目論見どおりである)。折口に取材され、「そのうち、会いに行ってみよう」と発言し、再び交際が始まることになる。
- 榎木(えのき)
- 声 - 上田燿司
- アニメオリジナルキャラクター。良化特務隊隊員。アニメ第6話(オリジナルストーリー)において、交戦規定で発砲が禁止されている市街地で小牧を撃ち、足に軽傷を負わせた。
- 茨城県展の抗争前に、買出しに行ったコンビニで小牧と会っている。その際、小牧の事を「優秀な男」と評し、自分が縁故採用であり、良化特務隊にこだわる理由を持たないため、隊員ながら、良化特務隊の在り方をあまり快く思っていないことを語っている。その後、県展の抗争に参加。だが、多くの隊員のように我を忘れて突撃する事は無かった。
- あごひげモブ郎(あごひげモブろう)
- 『図書館戦争 LOVE&WAR』各話で必ずどこかに登場する顎髭が特徴のモブキャラクター。単行本の幕間を埋める4コマ漫画「ある特殊部隊員の恋」シリーズの主人公でもある。同シリーズでは郁に心惹かれ、何とか仲良くなろうとするが、モブキャラクターなのでスルーされてばかりいる。
この節の加筆が望まれています。 |
別冊 図書館戦争
『別冊 図書館戦争』(べっさつ としょかんせんそう)シリーズは、アスキー・メディアワークスより出版されている「図書館戦争シリーズ」のスピンオフ小説作品。全2巻。それぞれ『図書館革命』の最終話からエピローグまでの空白を埋める1巻、その後を描いた2巻から構成されている。また一部登場人物の過去も描かれている。図書館戦争シリーズとはちがい、主人公らの恋愛にかなり重きを置いているため、1巻の宣伝帯などにおいては「恋愛成分が苦手な方は購入を控えてください」と言った趣旨の文が掲げられている。また、2巻では回想シーン以外に良化特務隊が登場しない。
テレビアニメ
『図書館戦争』(としょかんせんそう)の題で、2008年4月から6月(一部地域では7月)まで、フジテレビのノイタミナ他で放送。これまで漫画原作が主だったノイタミナにおいて、初の小説原作の作品となる。全12話。また、DVD第三巻にはテレビ未放映1話が収録されている(レンタル版は未収録)。
スタッフ
- 原作 - 有川浩
- 監督 - 浜名孝行
- シリーズ構成 - 古怒田健志
- キャラクター原案 - 徒花スクモ
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 中村悟
- デザインワークス - 常木志伸
- 美術監督 - 池田繁美
- 美術設定 - 荒川直樹
- 色彩設計 - 片山由美子
- 撮影監督 - 田中宏侍
- 3D監督 - 遠藤誠
- 編集 - 植松淳一、奥野英俊
- 音楽 - 菅野祐悟
- 音響監督 - 平光琢也
- 協力 - 社団法人日本図書館協会
- プロデューサー - 高瀬敦也、竹内文恵、西村知恭、細貝康介
- アニメーション制作 - PRODUCTION I.G
- 製作 - 図書館戦争製作委員会(アスミック・エースエンタテインメント、電通、アスキー・メディアワークス、ソニー・ミュージックエンタテインメント、フジテレビ、Production I.G)
主題歌
- オープニングテーマ
-
- 「あたしの街、明日の街」
- 作詞 - 高橋瞳 / 作曲 - 平出悟 / 編曲 - 平出悟 / 歌 - 高橋瞳(ソニー・ミュージックレコーズ)
- エンディングテーマ
-
- 「changes」
- 作詞 - 小出祐介 / 作曲 - 小出祐介 / 編曲 - Base Ball Bear / 歌 - Base Ball Bear(EMIミュージック・ジャパン)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
状況 〇一 | 我ガ王子様ハ図書隊ニアリ | 古怒田健志 | 浜名孝行 | 浜名孝行 柿本広大 |
中村悟 |
状況 〇二 | 図書特殊部隊 (ライブラリータスクフォース) |
坂井史世 | サトウシンジ | 誉田晶子 | 清水博幸 |
状況 〇三 | 小田原攻防戦 | 谷村大四郎 | 布施木一喜 | 窪田康高 | |
状況 〇四 | 図書隊司令ヲ奪回セヨ | ハラダサヤカ | 安藤貴史 | 沼津雅人 | |
状況 〇五 | 両親攪乱作戦 | 高橋郁子 | 新留俊哉 | 石井明治 | |
状況 〇六 | 図書隊ハ発砲セズ | 古怒田健志 | 河野利幸 | 近藤圭一 | |
状況 〇七 | 恋ノ情報探索 (恋のレファレンス) |
谷村大四郎 | 柿本広大 | 中原久文 | |
状況 〇八 | 策動セシハ手塚慧 | ハラダサヤカ | 山本寛 | 筑紫大介 | 清水博幸 |
状況 〇九 | 昇任試験、来タル | 坂井史世 | 松澤建一 | 波風立流 | |
状況 一〇 | 里帰リ、勃発 | 高橋郁子 | 新留俊哉 | 窪田康高 | |
状況 一一 | 死闘!茨城県展警備 | 古怒田健志 | 河野利幸 | 中村悟 石井明治 | |
状況 一二 | 図書館ハ誰ガタメニ | 浜名孝行 | 浜名孝行 柿本広大 |
近藤圭一 | |
状況♥♥ (TV未放映話) |
恋ノ障害 | 布施木一喜 | 永島明子 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ | 2008年4月10日 - 2008年6月26日 | 木曜 24:45 - 25:15 | フジテレビ系列 | 制作局 |
中京広域圏 | 東海テレビ | 2008年4月17日 - 2008年7月3日 | 木曜 26:05 - 26:35 | ||
近畿広域圏 | 関西テレビ | 2008年4月22日 - 2008年7月8日 | 火曜 25:59 - 26:29 | ||
福岡県 | テレビ西日本 | 2008年4月23日 - 2008年7月9日 | 水曜 26:10 - 26:40 | ||
新潟県 | 新潟総合テレビ | 2008年4月24日 - 2008年7月10日 | 木曜 26:00 - 26:30 | ||
北海道 | 北海道文化放送 | 2008年4月27日 - 2008年7月13日 | 日曜 26:00 - 26:30 | ||
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | 2008年5月8日 - 2008年7月24日 | 木曜 26:10 - 26:40 | ||
熊本県 | テレビ熊本 | 2008年6月3日 - 2008年8月19日 | 火曜 26:10 - 26:40 | ||
広島県 | テレビ新広島 | 2008年6月25日 - 2008年9月24日 | 水曜 25:00 - 25:30 | ||
島根県・鳥取県 | 山陰中央テレビ | 2008年7月13日 - | 日曜 24:55 - 25:25 | ||
長崎県 | テレビ長崎 | 2008年9月12日 - 2008年11月27日 | 金曜 25:45 - 26:15 | ||
佐賀県 | サガテレビ | 2009年1月14日 - 2009年4月22日 | 水曜 24:35 - 25:05 | ||
日本全域 | フジテレビTWO | 2009年4月11日 - 2009年5月16日 | 土曜 24:00 - 24:50 | CS放送 | リピート放送あり |
アニマックス | 2010年2月3日 - 2010年4月21日 | 水曜 22:00 - 22:30 | LEVEL22枠 リピート放送あり | ||
宮城県 | 仙台放送 | 2011年4月5日 - 2011年6月14日 | 火曜 25:45 - 26:15 | フジテレビ系列 | [18] |
フジテレビ ノイタミナ | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
図書館戦争
|
WEBラジオ
『関東図書基地 広報課』 | |
---|---|
ジャンル | インターネットラジオ |
ラジオ | |
愛称 | 女子寮 |
配信期間 | 2008年4月10日 - 2008年7月3日 2008年4月11日 - 2008年7月4日 |
配信サイト | アニメイトTV 音泉 |
配信日 | 隔週木曜日 隔週金曜日 |
配信回数 | 全7回 |
配信形式 | ストリーミング |
パーソナリティ | 井上麻里奈、沢城みゆき |
構成作家 | 吉原じゅんぺい |
ディレクター | 菊池晃一 |
プロデューサー | 松澤博、横山巧 |
ラジオ | |
愛称 | 男子寮 |
配信期間 | 2008年4月17日 - 2008年7月10日 2008年4月18日 - 2008年7月11日 |
配信サイト | アニメイトTV 音泉 |
配信日 | 隔週木曜日 隔週金曜日 |
配信回数 | 全7回 |
配信形式 | ストリーミング |
パーソナリティ | 前野智昭、鈴木達央 |
構成作家 | 吉原じゅんぺい |
ディレクター | 菊池晃一 |
プロデューサー | 松澤博、横山巧 |
テンプレート - ノート | |
ポータル | ラジオ |
アニメイトTVと音泉で配信されたWEBラジオ『関東図書基地 広報課』。アニメイトTVでは木曜日に、音泉では金曜日に配信された。隔週で男子寮と女子寮が交互に配信され、両ラジオ共通でゲームを行なったりもした。
出演者
コーナー
- 図書レポート
- ふつおたやフリートークなどをやるコーナー。
- メディア良化法対策講座
- 男子寮と女子寮で競い合うゲーム。お題となる言葉を別の表現をして、それを当てるもの。出題者と回答者を交代して2セット行い、正答の合計を競う。
- 良い子! 悪い子! 熱血ばか! 《女子寮》
- リスナーが自由に決めたシチュエーションで、良い子、悪い子、熱血ばかの三者が取る行動を考え、2人に評価してもらうコーナー。
- (例)遊園地で迷子の子どもを発見しました。
- 良い子の場合:迷子センターに連れてゆく。
- 悪い子の場合:無視してどこかに立ち去る。
- 熱血ばかの場合:迷子と一緒に親を探す。
- 教えて! 堂上教官! 《男子寮》
- 堂上教官に教えてもらいたいことや手本をみせてほしいものを送って解決してもらうコーナー。ただし、納得のいかない返事をした場合は、堂上教官にキツイお仕置きが与えられる。
配信日/ゲスト
- 女子寮
放送 回数 |
配信日 (アニメイトTV) |
サブタイトル |
---|---|---|
1 | 2008年4月10日 | 最初は“図書館”!ジャン・ケン・ポンッ! |
2 | 2008年4月24日 | 「いやーん、寿司こわーい」「お寿司こわーい、“うに”こわーい」 |
3 | 2008年5月8日 | 「私、大好きだから、前野さん(笑」「多分もっと深く前野さんを知った方がいいね!」 |
4 | 2008年5月22日 | 別にあたし、貴方の事なんか“女子”じゃないもん! |
5 | 2008年6月5日 | 「“チュウ”だけじゃないんだよ〜」「“チュウ”だけじゃないのッッ?!」 |
6 | 2008年6月19日 | 「お前そんな事言ったら、検証しあわなくちゃならなくなるだろぉ〜」 「そっか、私前振りだって事に気付かなかった(苦笑」 |
7 | 2008年7月3日 | 「ラブレター作って読んで下さい!」「小2かっ(笑)」 |
- 男子寮
放送 回数 |
配信日 (アニメイトTV) |
サブタイトル | ゲスト |
---|---|---|---|
1 | 2008年4月17日 | 玄田で“どぅーん!”イン・ジャン・ホイッ! | |
2 | 2008年5月1日 | 堂上教官は“よろぴく〜”言わないだろう(笑 | |
3 | 2008年5月15日 | 「戦争勃発!」のコーナーをもう一回おんなじ問題でやり直そう(笑 | 石田彰(小牧幹久 役) |
4 | 2008年5月29日 | 『いかがですか、お味は?』『「この程度か?(堂上で)」ッゲッホ、ゴッホッ!!』 | |
5 | 2008年6月12日 | 色々ここでアウトにするなよ!セリフの所で検閲入ったの初めてだぞ? | |
6 | 2008年6月26日 | 俺“一球入魂”派だからさ!! | |
7 | 2008年7月10日 | え、何で泣きそうなん? |
DVD
ジャケットはキャラクターデザインの中村悟の描き下ろしで、初回限定版の特典として第1巻には別冊付録「DVD SPECIAL BOOKLET」、また全巻に原作者である有川浩の書き下ろし短編ならびに、コミック版「LOVE&WAR」作者である弓きいろによる短編小説に関連する4コマ漫画が1篇収録された「DVD SPECIAL STORIES」が付属する。発売元はアスミック・エースエンタテインメント。
- 『図書館戦争 第一巻』
- 状況〇一 - 状況〇二収録(2008年8月6日発売)
- 『図書館戦争 第二巻』
- 状況〇三 - 状況〇四収録(2008年9月3日発売)
- 『図書館戦争 第三巻』
- 状況〇五 - 状況〇六、テレビ未放映話収録(2008年10月1日発売)
- 『図書館戦争 第四巻』
- 状況〇七 - 状況〇九収録(2008年11月5日発売)
- 『図書館戦争 第五巻』
- 状況一〇 - 状況一二収録(2008年12月3日発売)
コミック版
LaLa誌上で弓きいろによる「図書館戦争 LOVE&WAR」が連載中。月刊コミック電撃大王誌上ではふる鳥弥生による「図書館戦争 SPITFIRE!」が連載されていたが、作者の健康上の問題を理由に長期休載が続いた末に、2010年3月号にて連載中断が発表となった。掲載誌(=読者層)の違いやサブタイトルが示すように、LOVE&WARが恋愛、SPITFIRE!が郁の熱血ぶりに主軸を置く[19] という方向性の違いが見られる。
既刊一覧
劇場アニメーションで『紀伊国屋書店』とタイアップを行い、『図書館戦争』『図書館内乱』『図書館危機』『図書館革命』の各巻で、紀伊國屋書店の店舗をバックにキャラクターのイラストが描かれたコラボカバー仕様の文庫が数量限定で発売される[20]。
- 図書館戦争(メディアワークス、2006年)ISBN 978-4-8402-3361-3
- 文庫版(角川文庫、2011年)ISBN 978-4-04-389805-3
- 図書館内乱(メディアワークス、2006年)ISBN 978-4-8402-3562-4
- 文庫版(角川文庫、2011年)ISBN 978-4-04-389806-0
- 図書館危機(メディアワークス、2007年)ISBN 978-4-8402-3774-1
- 文庫版(角川文庫、2011年)ISBN 978-4-04-389807-7
- 図書館革命(メディアワークス、2007年)ISBN 978-4-8402-4022-2
- 文庫版(角川文庫、2011年)ISBN 978-4-04-389808-4
- 別冊 図書館戦争I(アスキー・メディアワークス、2008年)ISBN 978-4-04-867029-6
- 文庫版(角川文庫、2011年)ISBN 978-4-04-389809-1
- 別冊 図書館戦争II(アスキー・メディアワークス、2008年)ISBN 978-4-04-867239-9
- 文庫版(角川文庫、2011年)ISBN 978-4-04-389810-7
文庫版はハードカバー版の内容にアニメ版DVD初回特典として書き下ろされた短編の再録という構成になっている。DVDは全5巻であり文庫との数が合わないため、文庫のための短編が1編のみ書き下ろされている。
- 図書館戦争 SPITFIRE!(アスキー・メディアワークス、2008年) ISBN 978-4-04-867077-7
- 図書館戦争 LOVE&WAR(白泉社)
- 2008年4月5日 ISBN 978-4-592-18046-3
- 2008年8月5日 ISBN 978-4-592-18047-0
- 2009年3月5日 ISBN 978-4-592-18048-7
- 2009年9月4日 ISBN 978-4-592-18049-4
- 2010年3月5日 ISBN 978-4-592-18050-0
- 2010年9月3日 ISBN 978-4-592-19316-6
- 2011年3月4日 ISBN 978-4-592-19317-3
- 2011年9月5日 ISBN 978-4-592-19318-0
- 2012年5月2日 ISBN 978-4-592-19319-7
劇場アニメーション
この節には公開前の映画に関する記述があります。 |
『図書館戦争 革命のつばさ』(としょかんせんそう かくめいのつばさ)の題名で2012年6月16日に公開予定。アニメ制作会社・監督・キャラ原案など、メインスタッフはテレビ版のそれを受け継ぐ。
これに先立ち、2011年6月刊行の角川文庫折り込み広告や2011年7月23日に発売された『別冊 図書館戦争I』文庫版付属の帯などで劇場用アニメーションの企画進行中と発表されている。(作品名正式発表は2012年2月)
2012年6月16日より全国公開。
スタッフ・キャスト
- 原作 - 有川浩「図書館戦争シリーズ」(角川文庫刊)
- 監督 - 浜名孝行
- 脚本 - 古怒田健志
- キャラクター原案 - 徒花スクモ
- アニメーション制作 - プロダクションI.G
- 配給 - 角川書店
- 声優 - 井上麻里奈、前野智昭、イッセー尾形
主題歌
『初恋』 - Base Ball Bear
脚注
- ^ 「図書館戦争」公式サイト (2007年4月9日). “作品概要”. 2008年8月26日閲覧。
- ^ 有川浩「LIFE&WRITE バイオグラフィと全作品解説」『野性時代 vol.38』2007年1月号、角川書店、ISBN 4-04-722088-4。
- ^ Yahoo!ブックス - インタビュー(2006年2月22日)、参考文献も参照のこと。
- ^ 『図書館戦争』あとがき及び2008年9月9日にNHK総合で放送された『トップランナー』での有川浩へのインタビューによる。
- ^ 作品中の宣言文は以下の通り。このうち強調部分が原文からの変更点。
- 第1 図書館は資料収集の自由を有する
- 第2 図書館は資料提供の自由を有する
- 第3 図書館は利用者の秘密を守る
- 第4 図書館はすべての不当な(原文にはない)検閲に反対する
- 図書館の自由が侵される時(原文:とき)、我々(原文:われわれ)は団結して、あくまで自由を守る。
- ^ 須永和之「ちょっと待った!『図書館戦争』『図書館内乱』」・狩野ゆき「『図書館戦争』『図書館内乱』よもやま話-生徒とのやりとりから-」2稿とも『図書館雑誌』Vol.100、2006年12月号、日本図書館協会刊。
- ^ 有川浩、東條文規、手嶋孝典、真々田忠夫「インタビュー 有川浩(作家)『自由宣言』は勇ましい!」『ず・ぼん』No.13、2007年11月、ポット出版刊、ISBN 978-4-7808-0108-8。
- ^ 実際、劇中において双方に死傷者が出ている。このため、「今では図書館員は警察官や自衛隊員よりも危険な仕事」という主旨の記述が原作小説にある。
- ^ アニメ版第2話より。
- ^ 藤間真「『図書館戦争』における非暴力的戦いについての考察」(桃山学院大学総合研究所発行『環太平洋圏経営研究』第9号所収)を参照のこと。
- ^ アニメ版第2話より。
- ^ a b アニメ版DVD第1巻初回限定版特典別冊付録「DVD SPECIAL BOOKLET」19-24ページ。
- ^ 写真週刊誌#過当競争時代を参照。
- ^ 検閲は日本国憲法第21条で禁止されているが、作品世界では「事後の検閲は検閲ではない」という憲法解釈の元で許されている。
- ^ 『図書館革命』あとがき参照。検閲基準に関しては、細則や施行令で随時補うことができ、その裁量権は執行機関に委ねられるという極めて恣意的なもので、外部監理の仕組みもない。抵抗する者には武力の行使も許可されている。
- ^ a b DVD SPECIAL STORIES 5「ウェイティング・ハピネス」。
- ^ 彼女がテレビ放映に登場できなかったのは「聴覚障害者」という設定のためであり、これもテレビの自主規制の結果である。詳細は『活字倶楽部‘08秋号』(雑草社、2008年12月)掲載の有川浩のインタビューを参照。
- ^ 2011年3月22日放送開始予定として、仙台放送のタイムテーブル上で一度発表されたが、2011年東北地方太平洋沖地震の影響で開始延期となった。同5月10日は、6・7話を連続放送。
- ^ 「SPITFIRE」とは英語の俗語で「じゃじゃ馬娘」の意味。
- ^ 『図書館戦争 革命のつばさ』とタイアップでアニメ劇中に紀伊國屋書店が登場! 2012年5月16日 ムービーコレクション
参考文献
- 既刊シリーズあとがき(第1作から4作までと、別冊第1作および第2作)
- アニメ版DVD第1巻初回限定版特典別冊付録「DVD SPECIAL BOOKLET」
- 日本図書館協会総会決議(1979年5月30日)「図書館の自由に関する宣言」日本図書館協会 2008年6月18日閲覧
- 石井千湖(2006年2月22日)「Yahoo!ブックス - インタビュー - 有川浩」Yahoo!ブックス 2008年6月18日閲覧
- 波多野絵理・山中浩之(2007年2月22日)「“危機”に出でよ、日和らない上司! 〜有川浩『図書館戦争』シリーズ」NBonline(日経ビジネス オンライン)2008年6月18日閲覧
- 波多野絵理・山中浩之(2007年2月23日)「ライトノベルを買う大人は恥ずかしいか? 〜有川浩『図書館戦争』シリーズ」NBonline(日経ビジネス オンライン)2008年6月18日閲覧
- 野村由美子(2007年8月18日)「『図書館戦争』シリーズが話題 有川浩さん(作家)」東京新聞(TOKYO Web)2008年6月18日閲覧
- 藤間真「『図書館戦争』における非暴力的戦いについての考察」(PDF) 『環太平洋圏経営研究』第9号、2008年。
- 藤間真、家禰淳一、志保田務「『図書館戦争』シリーズの表現に関する図書館情報学的考察」『図書館界』60巻2号、2008年。
関連項目
本作の内容に類似した事象
- 山口県立山口図書館図書隠匿事件(保守派によるリベラル系書籍不正隠蔽事件)
- 船橋市西図書館蔵書破棄事件(リベラル派による保守系書籍不正破棄事件)
- 人権擁護法案(本作品中の「メディア良化法」と近い性質を持った法律案)
- 東京都青少年の健全な育成に関する条例(改正案の内容が「リアル図書館戦争」と批判された)
外部リンク
- 『図書館戦争』総合サイト(角川書店) - アニメ映画版ほか、原作・各種メディア展開の情報ポータルサイト
- TVアニメ公式サイト
- フジテレビ|アニメ・キッズ - 紹介ページ