放浪息子

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放浪息子
ジャンル 青年漫画学園漫画
漫画
作者 志村貴子
出版社 エンターブレイン
掲載誌 コミックビーム
発表期間 2002年12月 - 連載中
巻数 8巻
テンプレート使用方法 ノート
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放浪息子(ほうろうむすこ)は志村貴子による漫画作品。

目次

[編集] 概要

2002年12月号よりエンターブレイン発行の月刊誌コミックビームにて連載開始。現在も連載中で、単行本は8巻まで刊行されている(2009年現在までのところ)。第一話のタイトルである「ぼくは、おんなのこ」は、志村がコミックビームへのデビュー作として描いた短編(2004年に刊行された単行本『ぼくは、おんなのこ』収録)と同名であるが、内容としての関連はない。平成18年度(第10回)文化庁メディア芸術祭マンガ部門・審査委員会推薦作品。

女の子になりたい男の子・二鳥修一と、男の子になりたい女の子・高槻よしの。2人が自分の性別のことや友人関係に悩み葛藤する姿が、重々しいトーンを伴わず淡々と描かれてゆく[1]。1〜4巻は小学生編、5巻からは中学生編となっている。


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[編集] あらすじ

「女の子になりたい男の子」である二鳥修一は、転校先の小学校で、背が高くてかっこいい女の子高槻よしのと出会う。最初は女の子になりたいという気持ちを隠し通していた修一だったが、クラスメイトの千葉さおりに偶然女装しているところを見られてしまう。かねてから修一に好意を持っていたさおりは、それ以来彼を積極的に女装させたがるようになり、誕生日にワンピースを贈る。

ある日、遊びに来たよしのに部屋に置いてあったワンピースを発見されてしまい、修一は困惑する。だが、よしのもまた「男の子になりたい女の子」であり、時折男装して遠くの街へ出ているのだった。お互いの秘密を知った2人は、修一がセーラー服を、よしのが学ランを着て、遠くの街で遊ぶことになる。

2人は成長による体の変化に悩み、周囲とのすれ違いに傷つきながらも自分の生き方を模索していく…。

[編集] 登場人物

[編集] 主人公

二鳥修一(にとり しゅういち)
主人公。通称「シュウ」もしくは「にとりん」。女の子になりたい男の子で、一人称は「ぼく」。連載開始時は小学5年生で10歳。家族構成は父(博之)、母(さとみ)、姉(真穂)。よしのやさおりのいる学校に転入してきてクラスメイトとなる。
普段はとてもおとなしい性格で他人に逆らうこともほとんどないが、たまに周囲が驚くような思い切った行動に出る。お菓子作りが得意。女装姿は普通の女の子より可愛らしく、男であることを見破られないばかりか、男に惚れられたことすらある。
よしのとの関係をクラスの男子に冷やかされたことが引き金になって、よしのへの恋心に気づき告白するが、よしのは友達と思っていた修一に告白されたことに戸惑い断ってしまう。中学校入学後、文化祭で劇の脚本が評価され、千葉さおりと共に演劇部に入部した。
女の子の友達が多く、男の子との付き合いは苦手。可愛い女の子に強い憧れを持っており、末広安那に交際を申し込み、付き合いはじめる。
高槻よしの(たかつき よしの)
もうひとりの主人公。男の子になりたい女の子で修一の友人。連載開始時は小学5年生で修一と同学年。家族構成は父、母、姉、兄。ハンサムな女の子で背が高いため、女子からは「高槻くん」と呼ばれている。ボク少女ではなく、「私」という一人称を気に入って使っている。転入してきた修一が最初に仲良くなった同級生である。
普段から男の子のような格好をしており、「かわいい格好」をさせたがる母や、宝塚に入って欲しいという父に対して嫌悪が入り混じった複雑な感情を抱いている。修一が「女の子になりたい人」だと気付き、その願望を引き出すことになる。
周囲に流されないしっかりした意志を持っているが、ナイーブな性格でくじけやすい。生理や胸の膨らみなど、成長して女らしくなっていく自分に悩んでいる。男子からからかわれることの多い修一や、クラスの中で孤立している千葉さおりを庇うことが多いが、そのたびに千葉からは、高槻を嫌悪する言葉を投げかけられてしまう。

[編集] 2人の友達

千葉さおり(ちば さおり)
修一たちの友人。通称さおりん。連載開始時は小学5年生で修一と同学年。情緒不安定な性格で、独特の感性の持ち主。周囲の目を気にしない自己中心的な行動が目立つため一部の女子からは嫌われているが、容姿端麗なことから男子からは人気がある。普段はおとなしいが、感情的になると過激な行動に走る“デンジャラスビューティー”。修一への憧れゆえ、彼に同化したがっているふしがあり、彼の性癖をからかわれると本人の代わりに相手に激情をぶつける事が多い。
内心ではよしののことを大切な友人だと信じているものの、彼女に対して嫉妬心を抱いており、素直に向き合うことができない。修一とよしのがクラスの噂になった際、修一に告白するが、同じ日に修一はよしのに告白しており、ふられる形となってしまう。
中学1年の文化祭終了後、バレー部をやめて二鳥修一と共に演劇部に入る。しかし、修一が安那と付き合っているのを知ってショックを受け、学校に行かなくなる。そんな中、よしのに繰り返し仲直りを持ちかけられ、彼女への嫉妬心がしだいに好意へと変わってゆく。千葉は学校に再び通いはじめ、よしのと親しく付き合うようになるが、修一への未練を隠すことができない。
佐々かなこ(ささ かなこ)
修一たちの友人。通称「ささちゃん」。彼女の弟と更科千鶴は「カナブン」と呼んでいる。連載開始時は小学5年生で修一と同学年。小柄な外見と天真爛漫な性格で、幼い印象のある女の子。頭を使うと頭がかゆくなり、交換日記はすぐ忘れてしまい長続きしない。メンバーの中では数少ない常識人で、事あるごとに関係がギクシャクする周囲の仲を取り持つために苦労する。高槻とは幼稚園以来の幼なじみで、中学生になってからは更科と親しくなった。身体は小さいがパワーがあり、中学1年のマラソン大会では学年の女子で1番になった(2番は千鶴)。バレー部に所属している。
有賀誠(ありが まこと)
3巻から登場。修一の唯一の「男の子のお友だち」。通称「マコちゃん」。初登場時は小学6年生で修一と同学年。一人っ子で実家はパン屋。修一と同じ「女の子になりたい男の子」。眼鏡をかけており、そばかすがある。自分の容姿が修一のように可愛らしくないことにコンプレックスを抱いている。
修一とは対照的に、「男の人が好きだから女の子になりたい」とはっきり自覚している。大人のかっこいい男性が好きで恋愛に憧れているロマンチスト。母譲りのおしゃべり好きで、大人びた口調で話す。冷静で客観的な考え方ができ、聞き上手なため男女問わず仲が良く、傍観者的な立場をとることが多い。文化祭で千葉のロミオ相手にジュリエット役を演じて以来、千葉の数少ない友人の一人になりつつある。
更科千鶴(さらしな ちづる)
5巻から登場。修一たちの友人。通称・一人称共に「ちーちゃん」。初登場時は中学1年生で修一と同学年。実家はそば屋で白井桃子とは幼馴染。長身長髪でスタイルが良い。一人で渋い喫茶店に出入りするなど大人びた面と、子供っぽい言動をあわせ持ち、思いつきに任せた突拍子もない行動で周囲を度々驚かす。裏表がなく好き嫌いがはっきりしている千葉さおりが好きだが、千葉からは嫌われている。高槻よしのは、何事にも物怖じせず、自分のしたいままに生きる彼女に憧れを抱いている。
白井桃子(しらい ももこ)
5巻から登場。更科千鶴の幼馴染。通称「モモ」。初登場時は中学1年生で修一と同学年。常に更科にくっついており、彼女のことが大好きなあまり、更科が他の女子と楽しげに話しているのを見るだけでも不機嫌になる。また更科に対して不遜な態度をとる千葉さおりとは犬猿の仲で、言葉を交わすたびにケンカになる。

[編集] 大人の友達

ユキ/吉田紘之(よしの ゆきのぶ)
修一と高槻の大人のお友達。背の高い綺麗なお姉さんに見えるが、実はニューハーフ。恋人はしーちゃん。高槻に興味をもっているふしがあり、男装した高槻をナンパしたことから修一と高槻に知り合うことになった。バーのママ。実家は制服屋「吉田洋品店」。母親と冷戦中で実家には長らく帰っていない。おしゃべりでいつも前向き。修一と高槻のよき理解者で、2人を心の底から応援している。
なお、短編集「ぼくは、おんなのこ」に収録されている作品「花」の主役であり、こちらには母親以外の家族も出ている。実家の家族構成は父、母、兄、兄嫁(愛ちゃん)。テレビ出演の経験あり。佐田啓二のファン。
しーちゃん/椎名(しいな)
2巻から登場。修一と高槻の大人のお友達。ユキの小学生時代の同級生で恋人。基本的にはユキの傍らにいて修一と高槻を優しく見守っているが、高槻との初対面時には男装した彼女をユキの浮気相手ではないかと疑い、突然股間を鷲掴みにするなど、予想外の大胆な行動に出ることもある。

[編集] お姉ちゃんとその友達

二鳥真穂(にとり まほ)
修一の年子の姉。連載開始時は小学6年生で12歳。中学生になってからも修一と同じ部屋で寝起きしている。弟とは対照的にとても強気。気分の浮き沈みが激しく口が悪い。修一や瀬谷に対しては、思いどおりにならないとすぐ暴力に訴える傾向にある。アイドルの麻衣子の大ファンで、彼女に会うためにモデルになる。すぐに修一に自分の用事を押し付けようとし、きつく当たることが多いが、彼の性癖を知っても笑わずに慰めるなど思いやりも持っている。しかし初め自分に好意を抱いていた瀬谷が女装した修一に恋をしたことがきっかけで、修一の可愛らしさ・周囲の人たち(特に女性)から愛され過ぎることに嫉妬心を抱き、女装も止めさせようとする等、関係がぎくしゃくするようになってしまった。
瀬谷理久(せや りく)
2巻から登場。二鳥真穂のクラスメート。初登場時は中学1年生で、諒(じゅん)という弟がいる。当初は隣の席になった真穂に好意を寄せていたが、ある日ノートを届けに二鳥家を訪問した際遭遇した女の子(=修一)を一目見て気に入ってしまう。その後、真穂に頼み込んで念願のデートをセッティングしてもらうが、修一の告白で彼が男だと知り、「恋とは何か」と悩む。後に真穂から告白され、交際するようになる。
末広安那(すえひろ あんな)
3巻から登場。モデル。あんなちゃん。モデル仲間の麻衣子と仲が良い。プロ意識が高く仕事に厳しい。プライドの高さと辛辣な物言いゆえに周囲から反感を持たれることも多い。真穂に連れられて撮影現場にきた修一が自分の女装姿に見惚れているところを目撃し、「変態」と言ったため、彼から苦手意識をもたれてしまった。その後も何かと修一にちょっかいを出すようになる。
修一への好意を否定してきたが、修一から告白され、付き合い始める。修一と交際しはじめてからは、それまでの態度とは一転して彼のことを可愛がるようになった。修一のことを「妹みたい」と表現し、彼を女装させたりすることも。
佐藤環(さとう たまき)
3巻から登場。新米モデル。通称「たまきちゃん」。背が高い。彼氏あり。他の同期の新米モデルとは一線を画し、仕事に真面目に取り組んでいる。
麻衣子(まいこ)
モデル。麻衣子ちゃん。売れっ子モデルで真穂の憧れの人。末広安那と親しいが、末広安那のきつい言動をたしなめることも。おっとりした性格で、普段は眼鏡をかけている。

[編集] 学校の先生

中澤先生(なかざわ-)
修一達の通う小学校の先生。連載開始時は二鳥真穂の担任。事故で遅れることになった三浦先生の代わりに修一をクラスに紹介する。修一を女の子と間違えた。修一が憧れたり、ユキから「あなたみたいな人がすっごく好み」と言われるほど美人で、教師としての評価も高い。
三浦先生(みうら-)
修一達の通う小学校の先生。連載開始時は二鳥修一の担任。学校へは毎日自転車で通勤している。宝塚ファンで“6年生を送る会”の出し物を『ベルサイユのばら』に決定させた。
山崎先生(やまざき-)
修一達の通う小学校の先生。修一たちが6年生に上がったときの6年1組の担任。非常にさわやかな男の先生。
税所学(さいしょ まなぶ)
修一達の通う中学校の先生。新米先生で担当教科は国語。朝が弱く、しょっちゅう遅刻をする。自分の受け持ったクラスがあまりに自身の中学時代を再現しているため、苦手意識を抱いている。ミステリー好きでカラオケが嫌い。本人曰く、「現在は」恋人はいない。教壇に立ちながらもあれこれと頭の中で妄想し、そのままトリップする傾向がある。
兼田健太郎(かねだ けんたろう)
修一達の通う中学校の先生。出身校が修一達の通う中学校と同じで、中学の同級生と結婚。1子の父。クールで少し変わり者。『敷居の住人』の登場人物でもある。

[編集] クラスメート

小林(こばやし)
修一のクラスメート。小林さん。眼鏡をかけている。5年生の時、“6年生を送る会”の出し物『ベルサイユのばら』の台本を担当した。6年生時は二鳥修一とともに修学旅行の実行委員になる。中学では演劇部に入部し、小学校の時に行なった劇を演劇部の先生に紹介する。
石井(いしい)
修一が5年生のときのクラスメート。『ベルサイユのばら』にて最初ロザリー役だったが、修一の方がロザリーに向いているという意見が多数を占めたために、オスカルと交換することになった。
相川(あいかわ)
修一が5年生のときのクラスメート。性に興味を持ち出した小学校の高学年男子らしく、同級生の女子を触ったり、生理になった高槻をからかったりした。
岡孝典(おか たかのり)
2巻から登場。修一が6年生のときのクラスメート。土居伸平と仲が良い。修学旅行の際、会話が続かなかったことをきっかけに、修一をからかい、いたずらをするようになる。いたずらの度に千葉さおりが怒ることになる。
土居伸平(どい しんぺい)
3巻から登場。修一が6年生のときの別のクラスの男の子。岡孝典と仲が良い。千葉さおりに対して好意を持っていたようだが、さおり本人からは嫌われていた。

[編集] 主要人物の家族

二鳥ママ
二鳥修一・真穂の母親。本名:二鳥さとみ。主婦で優しいお母さん。少々真穂に厳しく、修一にはやや甘い。大らかで気前のよい性格。
二鳥パパ
二鳥修一・真穂の父親。本名:二鳥博之。サラリーマン。優しいお父さん。父母(修一たちの父方の祖父母)ともに健在で、進学祝に孫達にブックカバーをプレゼントした。
高槻ママ
高槻よしのの母親。成長するにつれて、時々暴走するようになる娘に手を焼いている。
高槻パパ
高槻よしのの父親。宝塚ファンで、娘には宝塚に入って欲しいと思っている。
高槻兄
高槻よしのの兄。妹の高槻よしのとは若干年が離れている。
高槻姉
高槻よしのの姉。妹の高槻よしのとは若干年が離れている。中学時代は締め付けの厳しい学校に通っていたらしい。
さおりママ
千葉さおりの母親。のんびりおっとりしている不思議ママ。娘には甘い。情緒不安定気味のさおりに振り回されつつも暖かく見守っている。
佐々ママ
佐々かなこの母親。せっかちでよく怒るらしい。
有賀ママ
有賀誠の母親。パン屋「ありがベーカリー」を営んでいる。よく笑い息子以上におしゃべり。豪快な性格でよく息子をからかう。

[編集] その他の登場人物

二宮文弥(にのみや ふみや)
千葉さおりが通った教会で出会った男の子。さおりより一歳年上で眼鏡をかけている。花屋の息子。おしゃべりで軽めな性格の少年。修一を「オカマ」と馬鹿にする一方、彼がさおりから好意を寄せられていることに対抗意識を燃やしている。さおりに興味を持って積極的にアプローチをかけているが、その無神経さゆえに嫌われている。
女の子になりたいという願望はまったくないが、修一の母によく似た中性的な容姿で、女装が似合う。さおりに(修一にふられた腹いせに)女装をさせられたことをきっかけに、女装を楽しむことを覚え、女の子の格好をすることが学校で受け入れられないことに悩んでいた修一から憧れの目で見られるようになった。

以上で放浪息子に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 書籍情報

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] 海外での出版

台湾、韓国で翻訳され出版されている。台湾版タイトルは「放浪男孩」、韓国版タイトルは「방랑소년(放浪少年)」。

[編集] 脚注

  1. ^ なお、本作では「性同一性障害」という言葉は使われていない。作者によると、言葉によって決まった形に受け取られてしまうことを嫌ってのことだという。

[編集] 関連項目

他の言語