仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

劇場版 仮面ライダーカブト
GOD SPEED LOVE
監督 石田秀範
脚本 米村正二
出演者 水嶋ヒロ
佐藤祐基
里中唯
徳山秀典
加藤和樹
虎牙光揮
小林且弥
森下千里
次長課長
武蔵
音楽 蓜島邦明
撮影 いのくままさお
配給 東映
公開 2006年
上映時間 65分
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 9億5千万円
前作 劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼
次作 劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!
  

劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』(げきじょうばん かめんライダーカブト ゴッド スピード ラブ)は、2006年8月5日より全国東映系で『轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス』と併合公開された仮面ライダー生誕35周年記念作品と銘打たれた『仮面ライダーカブト』の劇場オリジナル作品である。


注意以降の記述で仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVEに関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


目次

[編集] あらすじ

1999年、地球に衝突した巨大隕石は海の大半を蒸発させ、同時に地球外生命体・ワームが隕石から出現、瞬く間に広範囲を支配した。人類は対ワーム組織・ZECTを設立。マスクドライダーシステムを開発し、戦場に投入した。

それから7年後の2006年。深刻な水不足に陥った地上でワームとライダーの戦いが続く中、ZECTに反旗を翻す一部メンバーが新組織・NEO ZECTを結成。ZECTはNEO ZECTの粛清に乗り出す。そこへ、天道総司=カブトが乱入し、戦況は新たなる段階を迎える。

折しもZECTでは、巨大彗星が地球に接近する情報を掴んでいた。この彗星を引き寄せれば、地球に莫大な水を獲得でき、ZECTは益々権力を強めることができるのだ。ZECTは「天空の梯子」と呼ばれる軌道エレベータを用いて、「天空の梯子計画」を発令。天道よりこの情報を得たNEO ZECTもZECTの支配力増加を抑えるべく、計画の乗っ取りを画策する。

[編集] 概要

[編集] 特徴

本作は、平成仮面ライダーシリーズの劇場版では3年振りに夏休み期間公開となった。前作同様テレビシリーズとはリンクせずパラレルワールドである。

本作の売りとして「ライダー初の宇宙戦」が挙げられる。また、例年通り主役ライダーの最強形態(カブト ハイパーフォーム)がTVシリーズに先駆けて登場。

脚本は劇場版・平成仮面ライダーでは初めて、井上敏樹ではなくTVシリーズのメインライター・米村正二が担当する。米村がTVシリーズの10話~20話前後の脚本にあまり携わっていないのは、本作の脚本に専念したためである。

公開直前のTVシリーズのエンディングでは、『仮面ライダー剣』や『仮面ライダー響鬼』のように、本作関連のショートムービーが放送された。しかし、それらと違う大きな特徴として昭和ライダーを比較した、本作におけるライダーシリーズそのものの成長をピックアップしていることが挙げられる。(映像とはいえ、平成ライダーシリーズで昭和のライダーを扱っていたのは、『仮面ライダーディケイド』の劇場版が製作される前までは、本作のみであった)

劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』公開記念として深夜枠で地上波に初登場した。地上波では初のカットなしの放送だった(『ファイズ』『龍騎』などは放送時間の都合上、EDがカットされている。※アギトも放送されているが別枠なのでカウントはしていない。)。

なお実写映像で軌道エレベーターが登場した作品は本作が世界初である。

[編集] TVシリーズとの相違点

  • 7年前(1999年)の地球への隕石落下の被害が海を蒸発させるほど甚大。ワームに唯一対処できるZECTが、事実上人類の支配者として君臨している。
  • ワーム・サナギ体はTVシリーズと違い、頭部に巨大なツノがある(TVシリーズにも後にネイティブという別設定で登場)。また、隕石から地球に侵入したワームも大群。ワーム・成虫体は、全てTVシリーズに登場したものである。
    • 「天空の梯子計画」の過程で呼び寄せた隕石のワームには角がない。
  • 矢車の信条がTVシリーズではパーフェクト・ハーモニーだったが、本作ではパーフェクト・ミッション。またシャドウは登場せず、ザビーの適格者の変化も無い。
  • TVシリーズに登場した影山瞬やゴン、神代剣[1]やじいやは登場しない。また、樹花はEDのみに登場(学校の制服はTVシリーズと異なる)。
  • 本作のみの登場人物として、黒崎一誠(コーカサス)、織田秀成(ヘラクス)、大和鉄騎(ケタロス)、北斗修羅が登場。また、本作にのみ登場するライダーたちには、マスクドフォームが存在しない[2]
  • 日下部ひよりはワームではないものの隕石落下の後遺症による不治の病に侵されている。加賀美とは恋人の関係にあり、そのため、加賀美を「新」と呼んでいる。
  • 過去のひよりが身動きを取れない場面で天道も埋もれている(さながら、TVシリーズのOPのようであり、これによる不運が彼を突き動かすことになる)。

[編集] 劇場版の解釈

終盤にハイパーフォームとなったカブトが第2の巨大隕石と共に7年前にタイムスリップ、第1の隕石と衝突させ双方を粉砕、その破片の一部が渋谷に落下したことによって、TVシリーズスタート時に近い状態の世界に繋がる。つまり本作では、TVシリーズとは食い違う部分もあるため、パラレルワールドではあるが、本作の天道が歴史を修正しようとして創り出された世界がTVシリーズに似た世界である、という示唆がなされている。

[編集] 登場人物

[編集] TVシリーズからの登場

基本設定はTVシリーズと同じであるが細部が異なる。TVシリーズの設定については仮面ライダーカブトの登場人物を参照。

天道総司(てんどう そうじ) / 仮面ライダーカブト
21歳。ZECTとネオゼクトの抗争中に両組織の前に現われ、双方にカブトである自分を売り込む。その真の目的は、戦いを混乱させて「黄金のライダー」を誘き寄せ、彼が持つハイパーゼクターの力で歴史を変えることにより、自分が救うのに遅れたために不治の病に冒された妹・日下部ひよりを助けることである。
加賀美新(かがみ あらた) / 仮面ライダーガタック
21歳。ZECTの一員として人類の平和のために戦っている。ひよりと恋人の関係にあるがプロポーズを断られ続けており、その原因が不治の病だと知り絶望するが、天道に叱咤されて立ち直りプロポーズを成功させる。大和(ケタロス)と共に「天空の梯子計画」の実行者となるが、その真の目的を知り天道と共にZECTに立ち向かう。
日下部ひより(くさかべ ひより)
18歳。本作ではTVシリーズと違い明るい性格。1年前から加賀美と恋人の関係にあり、戦いに傷付く彼を影から支える。巨大隕石落下の後遺症により不治の病に侵されているため、当初は加賀美との結婚を躊躇するが、彼の思いに心を動かされ婚約を決意する。
矢車想(やぐるま そう) / 仮面ライダーザビー
27歳。知略に長ける策士として、大和のもとでゼクトルーパー部隊を牽引する。自分の策に酔っている一面が見られ、自らの参加する作戦を「完全作戦(パーフェクト・ミッション)」と称する。
風間大介(かざま だいすけ) / 仮面ライダードレイク
22歳。TVシリーズとは違いZECTに所属していたが(本業はTVシリーズ同様メイクアップアーティストだが、実質的に失業)、自由を求めて織田(ヘラクス)や北斗と共にZECTに反旗を翻し、ネオゼクトの一員となる。戦闘ではネオトルーパー部隊を牽引して前線に立つ。
岬祐月(みさき ゆづき)
田所の側近。彼と共にオペレートを担当する。
田所修一(たどころ しゅういち)
ZECT幹部の1人。大和のもとで矢車と共にゼクトルーパー部隊に指示を送る。
三島正人(みしま まさと)
ZECT総帥・加賀美陸の側近。陸の思惑を理解している数少ない存在。大和率いる実働部隊と黒崎に指示を与える。
加賀美陸(かがみ りく)
ZECT総帥にして加賀美新の父。滅亡寸前の地球では支配者同然の立場にあり、全人類の希望である「天空の梯子計画」を発令する。その表向きの目的は彗星からの水分調達だが、実際は第2の隕石の中にいるワームを呼び寄せ、地球をワームが支配する星にすることである。
竹宮弓子(たけみや ゆみこ)
Bistro la Salleというレストランの店長。ひよりと加賀美を温かく見守る。
天道樹花(てんどう じゅか)
EDに登場。TVシリーズ同様に天道に明るい表情を振舞うが、部活はラクロスである。
仮面ライダーサソード
冒頭の世界設定説明のナレーションのシーンに1カットだけ登場する。以前は他のライダーと共にワームと戦っているようだが、それ以外の詳細は不明。
声はTVシリーズでサソードに変身する神代剣と同一である。

[編集] 本作にのみ登場

黒崎一誠(くろさき いっせい) / 仮面ライダーコーカサス
30歳。屈強な肉体を持つ寡黙かつ優雅な男。ZECT本部直属の用心棒的存在。大和をはじめとする実働部隊には同行せず、陸または三島からの本部直轄指令により行動する。「天空の梯子計画」に関わった人間の死の背後に見え隠れする謎の「黄金のライダー」であり、その強さは「彼と戦う者は、戦う前にすでに敗北している」と囁かれるほど。自らが倒した相手に青い薔薇を手向ける。陸や三島を除くZECTメンバーの中で唯一「天空の梯子計画」の本来の意図を知っているが、自分が最強であることのみを追求しており、人類・ワームの運命については関係ないと明言する。
そして物語終盤、宇宙船の中でカブト(天道)とガタック(加賀美)をハイパーゼクターの力で圧倒し、天道に留めを刺そうとしたが寸前に加賀美の捨て身の攻撃により隙ができ、ハイパーゼクターを天道に奪われ宇宙空間に放り出されてしまった。しかし加賀美の乗った脱出ポッドにしがみ付き、脱出ポッドのガラスを割って加賀美を殺害したが、ハイパークロックアップを使いタイムトラベルした天道により寸手のところで抑えられた挙句、最後は宇宙船にハイパーキックで蹴り飛ばされ宇宙船もろとも爆発、宇宙の塵となった。
変身時に一定のポーズをとるが[3]、これは黒崎役の武蔵が空手の型(演武)の形をモチーフに考えたもの。
織田秀成(おだ ひでなり) / 仮面ライダーヘラクス
23歳。自由を求めてZECTに反旗を翻したネオゼクトのリーダーとして、かつての仲間達を相手に激しい戦いに身を投じる。年若く破天荒だが、リーダーとしての器を備えており、自らの存在を売り込む天道の実力を評価し、一方でその心中に秘めた闇を見透かしながらもネオゼクトに招き入れる。
大和鉄騎(やまと てつき) / 仮面ライダーケタロス
29歳。三島の指示を受けてZECT実働部隊を牽引する行動隊長的存在。織田(ヘラクス)とは戦友的関係にあったが、裏切られ敵対する立場にある。ZECTの地位を確固たるものとする「天空の梯子計画」、そして反乱分子であるネオゼクトの排除を推進し、組織に刃向かう者を決して許さない深い忠誠心を持つ。
※TVシリーズの最終話には彼と織田秀成に酷似した人物が一瞬登場する。
北斗修羅(ほくと しゅら)
23歳。男勝りの性格で一人称は「俺」。生粋の武闘派で、マスクドライダーシステムの力無しでワームと渡り合う。ネオゼクトに所属する女性で、織田のサポート的存在。その正体はZECT側のスパイであり、織田、風間を陥れる。しかし、偶然陸の目的を耳にしたため、重傷を負う。
客(次長課長)
la Salleに来店していた2人組の客。帰り際、天道の持参したを見て…。

[編集] マスクドライダー

TVシリーズにも登場する仮面ライダーのスペックについてはこちらの項目を参照。劇中における各ライダーの所属は以下の通りである。

  • 無所属:カブト
  • ZECTに所属:ガタック、ザビー、ケタロス、コーカサス、
  • ネオゼクトに所属:ドレイク、ヘラクス
  • 不明:サソード

[編集] 本作にのみ登場するライダー

仮面ライダーコーカサス
黒崎一誠が変身するZECTの最強戦士。モチーフはコーカサスオオカブト。基本カラーは金色。その呼び名に相応しく、他のライダーを上回るスペックと戦闘能力を持つ。また、ハイパーゼクターを用いることにより「ハイパークロックアップ」などの各種能力を使用可能であり、ライダービート(パンチ)も使用した。
PS2版「仮面ライダーカブト」では中田譲治が声を担当。
ハイパーゼクターを用いる必殺技
ライダーキック
通常のキックにハイパーゼクターが「マキシマムライダーパワー」を加えることで、威力を格段に強化した必殺のキック。
ハイパーゼクターのゼクターホーンを倒すことで「マキシマムライダーパワー」という電子音声の発声とともにチャージアップ。カブティックゼクターにマキシマムライダーパワーが送り込まれた後、脚部のライダーストンパーに送り込んで発動する。蹴りの形は空手でいう中段廻し蹴りに近いものである。
仮面ライダーヘラクス
織田秀成が変身する。モチーフはヘラクレスオオカブト。基本カラーは銀色。ゼクトクナイガン ガンモード / アックスモードを携行し、距離を問わずバランスのとれた戦法を得意とする他、マシンゼクトロンの操縦にも長ける。必殺技のライダービートはガンモードの強化に使用される。
仮面ライダーケタロス
大和鉄騎が変身するマスクドライダー。モチーフはケンタウルスオオカブト。基本カラーは。携行武器はゼクトクナイガン クナイモードで、素早い戦術を得意とする。必殺技のライダービートは劇中未使用だが、ゲーム版ではクナイモードの強化に使用される。
PS2版「仮面ライダーカブト」では塩野勝美が声を担当。

[編集] ツール

以下のツールは、ハイパーゼクターなどの一部の例外を除き劇場版に登場するライダー共通のものである。

カブティックゼクター
資格者が仮面ライダーに変身する際に使用する昆虫コア。資格者の手を借りず自発的に変身ツールに合体することで仮面ライダーへと変身する。各ライダーのモチーフとなった昆虫の頭部を模した形状の頭部パーツ(カラーリングは各ライダーの基本カラー)以外、外見的な差異はない。ジョウント移動能力等の機能はTVシリーズに登場するマスクドライダーのゼクターに準ずる。
ライダーブレス
資格者が右手首に装着するブレスレット型変身ツール。ZECTにより開発された。外形及び基本構造は共通であるが、ザビーの使用するライダーブレスとは色、そしてキャストオフ発動機能の有無なども含めた構造上の差異が存在する。
ゼクトクナイガン
ヘラクスとケタロスが標準携行している3形態(ガン / アックス / クナイ)に変形可能な万能武器。ZECTにより開発された武器で、カラーリング以外の外見・機能はカブトクナイガンと同様。
ハイパーゼクター
バックルの左腰に装備するカブトムシ型昆虫コア。時間を自由に操るハイパークロックアップや、時空内のタキオン粒子を無尽蔵に吸収し発動することでキック力を強化するマキシマムライダーパワーの発動を可能とする。劇中ではZECT本部直轄の切り札であるコーカサスにのみ支給される。その他の詳細はこちらを参照。
マシンゼクトロン
マスクドライダー専用の量産型バイク。劇中ではヘラクスのみ使用する。基本スペックはこちらを参照。

[編集] 共通必殺技

ライダービート
カブティックゼクターを180度回転させることで、「ライダービート」という電子音声の発声とともに、ゼクター内で生成・貯蔵されたタキオン粒子を開放・チャージアップし、それを利用して腕力を大幅に上昇させる。
ショルダータックル
右肩の装甲より突き出たショルダーブレードにタキオン粒子を送り込み、そのまま体当たりすることで敵を撃破する。

[編集] ZECT / NEO ZECT

ゼクトルーパー
ZECTの汎用戦闘チームで、隕石落下により荒廃した世界の治安維持にも活躍。スペックや装備はTVシリーズ同様。
ネオトルーパー
NEO ZECTの汎用戦闘チーム。通常のゼクトルーパーからアーマー部はシルバーに塗り替えられ、所々にブルーのラインが入っている。また、右腕のマシンガンブレードに加え左腕にはシールドが装備されている。

以上で仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVEに関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] キャスト

[編集] スーツアクター

[編集] スタッフ

[編集] 主題歌

[編集] 映像ソフト化

  • 天の道をゆくものたち 劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE メイキング(DVD:2006年8月4日発売)
撮影風景のドキュメンタリー、スタッフやキャストのインタビューを収録。
  • 劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE(DVD:2007年1月21日発売、BD:2009年7月21日発売予定)
本編、映像特典(データファイル、予告映像)を収録。
  • 劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE コレクターズパック(DVD:2007年1月21日発売)
前項の本編ディスクに加え、ボーナスディスク(製作会見、完成披露試写会などを収録)。初回生産分は、外箱付き特別ジャケット仕様、ライナーカードを封入。
  • 劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE ディレクターズカット版(DVD:2007年5月21日発売)
未公開シーンを追加・再編集したディレクターズカット版、映像特典(特報、劇場予告など)を収録。初回生産分にはオリジナルドッグタグを封入。

[編集]

  1. ^ サソードは冒頭で1カットのみ登場し、TVシリーズの神代剣役・山本裕典が声を担当。
  2. ^ 一部の玩具においては、オリジナル設定としてカブトのマスクドフォーム用パーツの一部を改修した物を同梱した商品が存在する。胴体部分のマスクドアーマーのみで頭部のパーツはない。
  3. ^ 「変身ポーズ」があるのは、『カブト』ではTVシリーズと本作を含めても彼のみ。

[編集] 関連項目