ヘラクレスオオカブト

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?ヘラクレスオオカブト

湿気が多いと翅が黒くなるが、
乾燥すると黄色に黒の細かい斑点がある
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 : コガネムシ上科 Scarabaeoidea
: コガネムシ科 Scarabaeidae
亜科 : カブトムシ亜科 Dynastinae
: ヘラクレスオオカブト属 Dynastes
: ヘラクレスオオカブト D. hercules
学名
Dynastes hercules
(Linnaeus, 1758)
和名
ヘラクレスオオカブト
英名
Hercules beetle

ヘラクレスオオカブトまたはヘルクレスオオカブト(へらくれす大兜・学名Dynastes hercules)は、コウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族に分類される昆虫の一種。世界最大のカブトムシとして有名である。種小名はギリシャ神話の英雄ヘラクレスに由来する。

目次

[編集] 形態

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オス成虫は頭角と胸角が共に長く、体長とほぼ同寸の角を持つ個体もいる。角を含めた全長は最大180mmに達するともいわれるが、確認されている最大数値は165mmほどで、また一般的に目にする「大型」といわれる個体は120-140mm前後である。いずれにせよ世界最長のカブトムシとされ、外国産カブトムシの代表格である。日本のカブトムシと同じく、メスの成虫には角がない。

胸角と頭角はそれぞれ胸部と頭部についており、このため頭角は上下に動かすことができる。これにより、ヘラクレスオオカブトは相手の腹の下に頭角を入れ、胸角と挟み、持ち上げて投げ飛ばすことができる。胸角の内側には褐色の毛が生えている。

[編集] 前翅

前翅は黄褐色を帯びるのも特徴である。黒い斑点の大きさや数、また全体の色合いの濃さなど、個体によって違いが見られるが、これは亜種による違いではない。一般に黒い斑点が目立たない方が美形とされ[要出典]、愛好家の間で支持されている[要出典]

前翅は湿度が高いと黒褐色だが、湿度が下がると黄褐色が濃くなる。飼育下では湿度が高くなりやすく、黒くなった状態になることが多いようだ。写真などで見るヘラクレスオオカブトはだいたいが乾燥時のものであり、常時前翅が黒色の同属のネプチューンオオカブトとの区別を前翅の色だと誤解することが多いが、ネプチューンオオカブトには2本の長い角のほかにも左右に1対小型の角を有しており、これによって簡単に判別することができる。メスの前翅は尻のほうのみ色づく。

[編集] 生態

終令幼虫

中央アメリカから南アメリカ熱帯雨林に断続的に分布する。低地にも少なからず生息するが、大型になる亜種、また大型の個体は標高1000〜2000mの高山帯にしか見られない。成虫は夜行性である。昼夜を問わず広葉樹の樹皮や果実を自ら傷つけて樹液果汁を吸汁してはいるが休息も兼ねており、飛翔などの活発な活動は夜間に限られる。生息地の付近に灯火などの光源があればしばしば飛来する。

幼虫は朽木や腐葉土の中で1年半-2年程かけて成長するが、飼育下では1年半で羽化することも多い。オスでは蛹化前に100gを超えることも珍しくない。

羽化後は成熟まで3〜6か月ほど要する。樹液や腐った果実を好み、それらを求めて地上を移動する。成虫の期間も長く、1年から1年半ほど生きる個体もいる。

雨が降った後に活動が活発になる。現地には四季がないため一年を通して見られるが、採集例は8月、12月の雨季に多いようだ。

[編集] 飼育

基本的には日本カブトムシと変わりないが、大型のカブトムシ全般に言えることだが幼虫・成虫共にカブトムシより更に大食漢である。量的な問題と、角が邪魔になる関係で、餌となる昆虫ゼリーは大きいものがよい。

幼虫は羽化までに1年半〜2年程を要する。餌もカブトムシより発酵したものを好む。蛹室は横に長いため、飼育容器の大きさや形にも考慮する必要がある。

[編集] 青色の前翅をもつ個体

青いヘラクレスリッキーの雄と雌

以前から前翅が青い個体は「ブルーヘラクレス」などと珍重されオークションなどで高値で取引されてきた。

基本的にマニアの間でしか知られていなかったが、古い標本状態[1]での姿や、アーケードゲーム甲虫王者ムシキング」で「ヘラクレスリッキーブルー」のカードが登場してから一般にも広く知れ渡るようになった。

しかし、ムシキングで「リッキーブルー」と表記されているため青い個体のことを「リッキーブルー」と言うと誤解している者が多いのも事実である[2](カードでは登場してないがヘルクレスエクアトリアヌスブルーが登場により、間違いは減ってきている)。ちなみにブルーは遺伝するか分かっていない。

「リッキー」は亜種名である上「ブルー」の個体はヘラクレス全亜種に出現するため注意が必要である。 近年では人工での作出が可能になった。[1]

[編集] 亜種

原名亜種(D. h. hercules)

多くの亜種が知られていたが、分類の混乱のため、全てシノニムとなった。胸角の太さや突起の位置により区別することができる。

  • ヘラクレス D. h. hercules (Linnaeus, 1758) - 基準亜種。カリブ海グアドループ島とドミニカ島沿岸に生息する。胸角が太く直線的に伸びるため人気がある。ヘラクレス・ヘラクレスとなることから、愛好家の間では略して「ヘラヘラ」と呼ばれることがある。♂の野外個体は甲虫類で最も大きくなり、ギネスサイズは178mmにもなる。頭角の突起は2〜と多い。
  • リッキー D. h. lichyi Lachaume, 1985 - 南アメリカ北東部に生息する。最も大型になり易く、大型個体では胸角が大きく湾曲する。生息範囲も広く、入荷も多い。
  • オキシデンタリス D. h. occidentalis Lachaume, 1985 - 南アメリカ北西部に生息する。
  • エクアトリアヌス D. h. ecuatorianus Ohaus, 1913 - アマゾン川上流に生息する。
  • セプテントリオナリス D. h. septentrionalis Lachaume, 1985 - 中央アメリカに生息する。胸角が極端に細い。
  • トリニダエンシス D. h. trinidadensis Chalumeau and Reid, 1995 - トリニダード・トバゴベネズエラに生息する。
  • パスコアリー D. h. paschoali Grossi and Arnaud, 1993 - ブラジル東部に生息する。胸角の太さが基部から先端まで一定を保っている。頭角に突起が見られないのも特徴。
  • バウドリー D. h. baudrii Pinchon, 1976 - マルティニークに生息する。非常に珍しく、角があまり発達しない点で他と大きく異なっている。最近になってレイディとの近縁関係が指摘されており、仮にレイディに統合されると本亜種の名はバウドリータイプ(レイディのうち、頭角に突起があるタイプ)として残るのみとなる。前翅は基準亜種に酷似している。
  • ブリューゼニ D. h. bleuzeni Silvestre and Dechambre, 1995 - ベネズエラ東部に生息する。
  • タカクワイ D. h. takakuwai Nagai, 2002 - ブラジル西部に生息する。
  • レイディ D. h. reidi Chalumeau, 1977 - セントルシア島に生息する。最近になってバウドリーとの近縁関係が指摘されており、本亜種に統合されバウドリーは本亜種のタイプのひとつとする考えが広まっている。この亜種も前翅は基準亜種に酷似している。
  • トゥクストラエンシス D. h. tuxlaensis Moron, 1993 - メキシコ南部に生息する。
  • モリシマイ D. h. morishimai Nagai, 2002 - ボリビアに生息する。
一般名 胸角の太さ 胸角突起の位置 頭角先端の突起の形状 頭角基部の突起の有無 ♂(雄)のギネスサイズ
ヘラクレス かなり太い 中央 尖る あり 180mm
リッキー 普通 基部 なだらか あり 170mm
オキシデンタリス 細い 基部 なだらか あり 165mm
エクアトリアヌス 細い 基部 尖る あり 170mm
セプテントリオナリス かなり細い 基部 尖る あり 160mm
トリニダエンシス 太い 中央 尖る あり 150mm
パスコアリー 太い 中央 尖る なし 150mm
バウドリー 不明 不明 尖る なし 70mm
ブリューゼニ 太い 基部 尖る あり 155mm
タカクワイ 普通 基部 なし なし 不明
レイディ 不明 なし なし なし 80mm
トゥクストラエンシス 細い 基部 なだらか あり 不明
モリシマイ 普通 中央 尖る あり 120mm

[編集] 参考文献

  • KUWATA 1999年2月号 ワイルドプライド
ウィキメディア・コモンズ

[編集] 脚注

  1. ^ 海野和男カブトムシの百科』
  2. ^ むしろ基準亜種のほうが確率が最も高いがそれでも5%程度で、そのほかの亜種はわずか1%くらいしかない。