玄侑宗久

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

玄侑 宗久(げんゆう そうきゅう、1956年4月28日 - )は日本小説家臨済宗僧侶。福島県在住。東日本大震災復興構想会議委員。

経歴[編集]

福島県三春町にある臨済宗妙心寺派福聚寺の長男として生まれる。カトリック系の三春幼稚園、地元の小中学校を経て福島県立安積高等学校卒業。この間モルモン教統一教会天理教などに触れる。小学校3年の頃、いずれ来たるべき「死」を想って毎晩のように泣いた。また中学3年で罹った日本脳炎のため、3日間の昏睡状態を経験。意識不明中の妄想の記憶と、あとで聞かされた行動などから、あらためて「死」について考えた。高校時代は毎年家出。高三のとき出逢った哲学者星清から後の出家への動機付けを得た。

18歳で上京、予備校を経て慶應義塾大学文学部中国文学科で現代演劇を専攻。在学中にイスラム教ものみの塔に触れ、また山梨県向嶽寺などで坐禅を組み始める。この頃、小説も書き始め、同人誌「いんぐ」に参加。台湾、輔仁大学華語研究所に私費留学。学生であることを偽り様々な職種を体験。卒業をまえに「第一広告」「共同通信社」の募集要項を取り寄せるが結局試験は受けず、川口市のゴミ焼却場に勤めながら小説を書くがどうにもならず。この間引越6回。他にナイトクラブのフロアマネージャー、英語教材販売などの職を転々とする。

1983年、27歳の冬、京都の佐保田鶴治ヨガ道場を訪ね、指導を受ける。3月27日、京都嵐山の天龍寺専門道場に入門し、平田精耕老師の許で参禅。3年弱で退山。神戸、山梨などを行脚してから帰郷。1988年4月、実家である福島県三春町福聚寺副住職、妙心寺派教化委員に就任。1991年12月結婚。

2000年、新人賞・同人誌などを経ず、投稿した作品「水の舳先」が『新潮』10月号に掲載され芥川賞候補作となる[1]

2001年、「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞[2]

2007年柳澤桂子との往復書簡「般若心経 いのちの対話」で文藝春秋読者賞を受賞[2]

2008年2月より福聚寺第35世住職[2]。また妙心寺派現代宗学委員。福島県警通訳。福島県立医大病院、経営審議会委員。

2009年4月より京都・花園大学文学部仏教学科客員教授。妙心寺派宗門文化章を受章[2]

2010年、『アブラクサスの祭』が、映画化(出演・スネオヘアーともさかりえ小林薫ほか)され公開[3]

2011年4月、東日本大震災復興構想会議委員に選出される。同月から、新潟薬科大学客員教授(応用生命科学部)[2]。6月、映画『無常素描』に出演[4]

2011年9月より、東日本大震災被災青少年支援のための「たまきはる福島基金」理事長[2]

2012年6月より、京都大学こころの未来研究センター連携委員。また震災後立ち上げた三春実生プロジェクト副代表。8月、第46回仏教伝道文化賞、沼田奨励賞を受賞。10月より、鈴木大拙館アンバサダー[2]

2014年、『光の山』により芸術選奨文部科学大臣賞受賞[2]

2015年、『東天紅』が第41回川端康成文学賞最終候補作となる[5]

著作リスト[編集]

単著[編集]

  • 『水の舳先』新潮社 2001 のち文庫
  • 『中陰の花』文藝春秋 2001 のち文庫
  • アブラクサスの祭』新潮社 2001 のち文庫
  • 『化蝶散華』新潮社 2002 のち文庫、ちくま文庫
  • 『御開帳綺譚』文藝春秋 2002 のち文庫
  • 『アミターバ 無量光明』新潮社 2003 のち文庫
  • 『私だけの仏教 あなただけの仏教入門』講談社+α新書 2003 のち文庫
  • 『まわりみち極楽論 人生の不安にこたえる』朝日新聞社 2003 のち文庫
  • 『禅的生活』ちくま新書 2003
  • 『多生の縁 対談集』文藝春秋 2004 のち文庫
  • 『釈迦に説法』新潮新書 2004
  • 『リーラ 神の庭の遊戯』新潮社 2004 のち文庫
  • 無量光明の世界 わたしたちの魂はどこへ行くのか』徳間書店 2005
  • 『禅語遊心』筑摩書房 2005 のち文庫
  • 『やおよろず的』四季社 2005
  • 『死んだらどうなるの?』ちくまプリマー新書 2005
  • 『サンショウウオの明るい禅』海竜社 2005 のち文春文庫
  • 『自燈明』三笠書房 2006 のち文庫
  • 『ベラボーな生活 禅道場の「非常識」な日々』朝日新聞社 2006 のち文庫
  • 『お坊さんだって悩んでる』文春新書 2006
  • 『慈悲をめぐる心象スケッチ』講談社 2006
  • 『現代語訳 般若心経』ちくま新書 2006
  • 『玄侑和尚と禅を暮らす』海竜社 2007
  • 『龍の棲む家』文藝春秋 2007 のち文庫
  • 『テルちゃん』新潮社 2008 のち文庫
  • 『無功徳』海竜社 2008 のち文庫
  • 『禅のいろは』PHP研究所 2008
  • 『観音力』PHP 2009
    • 加筆改題『流れにまかせて生きる~変化に応じる「観音力」の磨き方』2013
  • 『阿修羅』講談社 2009 のち文庫
  • 『しあわせる力 禅的幸福論』角川SSC新書 2010
  • 四雁川流景』文藝春秋 2010 のち文庫
  • 『日本的』海竜社 2010
  • 『無常という力「方丈記」に学ぶ心の在り方』新潮社 2011 のち文庫
  • 『福島に生きる』双葉社 2011
  • 『地蔵のこころ 日本人のちから』佼成出版社 2012
  • 『【ソリストの思考術】第四巻 玄侑宗久の生きる力』六耀社 2012
  • 『養生事始~自愛の手引書』清流出版 2012
  • 『祈りの作法』新潮社 2012
  • 『光の山』新潮社 2013 のち文庫(文庫版は単行本6篇に加え第41回川端康成文学賞最終候補作の「東天紅」を収録)
  • 『日本人の心のかたち』KADOKAWA 2013
  • 『さすらいの仏教語』中公新書 2014
  • 『「いのち」のままに 心の自由をとりもどす禅的瞑想法』徳間書店 2014
  • 『風流ここに至れり』幻戯書房 2014
  • 『お寺からの賜り物』大法輪閣 2014
  • La Montagne Radieuse(光の山フランス語版) Editions Philippe Picquier 2015.02
  • 仙厓 無法の禅』PHP研究所 2015
  • Amitabha Inestimable Light(アミターバ-無量光明-英語版)2015
  • 『ないがままで生きる』SBクリエイティブ 2016

対談・共著等[編集]

  • 『あの世この世』瀬戸内寂聴 新潮社 2003 のち文庫
  • 『実践!「元気禅」のすすめ』樺島勝徳 宝島社 2004 のち文庫
  • 『三世をみつめる 日本人の未来・現在・過去-仏教闘論』ひろさちや ビジネス社 2004
  • 『脳と魂』養老孟司 筑摩書房 2005 のち文庫
  • 『仏教・キリスト教死に方・生き方』鈴木秀子 講談社+α新書 2005
  • 『祝福』坂本真典 筑摩書房 2005
  • 『禅と脳 「禅的生活」が脳と身体にいい理由』有田秀穂 大和書房 2005 のち文庫「脳のちから禅のこころ」に改題
  • 『心の力 人間という奇跡を生きる』村上和雄 致知出版社 2006
  • 『からだに訊け! 「禅的生活」を身につける』板橋興宗 春秋社 2006
  • 『21世紀のあくび指南 おもしろ落語対談』立川志の輔 ざぶとん亭風流企画・星雲社 2007
  • 『わたしを超えて いのちの往復書簡』岸本葉子 中央公論新社 2007
  • 『〈問い〉の問答 同時代禅僧対談』南直哉 佼成出版社 2008
  • 『般若心経で救われるか 鼎談』太田保世荒了寛 里文出版 2008
  • 『息の発見』五木寛之 平凡社 2008 のち文庫
  • 『自然を生きる』釈徹宗 東京書籍 2011
  • 『原子力と宗教 日本人への問い』鎌田東二 角川学芸出版 2012
  • 『学問ノススメ。学校では教えてくれない達人の知恵』JFN(編) 2012
  • 『中途半端もありがたい 玄侑宗久対談集』東京書籍 木田元辰巳芳子・五木寛之・養老孟司片田珠美山田太一中沢新一佐藤優日野原重明山折哲雄 2012
  • 『禅寺モノ語り モノから見える禅』春秋社 野口善敬並木優記朝山一玄徳重寛道廣田宗玄本多道隆丸毛俊宏堀祥岳
  • 『花咲(わら)う 被災地の櫻と復興』廣済堂出版 青柳健二 2013
  • 『被災地から問う この国のかたち』イースト・プレス 和合亮一赤坂憲雄 2013
  • 『生きる。死ぬ。』ディスカヴァー・トゥエンティワン 土橋重隆 2013 のち携書 「医師と僧侶が語る 死と闘わない生き方」に改題
  • 『仏教の知恵 禅の世界』大法輪閣 2015
  • 『現代語訳 十牛図』PHP研究所 水野聡 翻訳、玄侑宗久 監修・解説 2016

講演CD[編集]

  • 夕学セレクション玄侑宗久「般若の知」(日本音声保存)

連載[編集]

  • 福島民報「日曜論壇」
  • 中日新聞・東京新聞・北海道新聞・北陸中日新聞「うゐの奥山」
  • 月刊住職「日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)」

テレビ出演[編集]

ラジオ出演[編集]

  • 全開朝ゼミ 日日是好日(毎週月曜日 8:20~8:26 ラジオ福島

注釈・出典[編集]

外部リンク[編集]