福岡伸一
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ふくおか しんいち 福岡 伸一 | |
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生誕 |
1959年9月29日(65歳) 日本・東京都 |
研究分野 | 生物学 |
研究機関 |
ハーバード大学(1989年 - 1991年) 京都大学(1991年 - 2004年) 青山学院大学(2004年 - ) |
出身校 |
京都大学農学部食品工学科卒業 京都大学大学院農学研究科食品工学専攻博士後期課程修了 |
主な業績 | 生物と無生物のあいだ |
主な受賞歴 |
科学ジャーナリスト賞(2006年) 講談社出版文化賞(2006年) サントリー学芸賞(2007年) 新書大賞(2008年) |
プロジェクト:人物伝 |
福岡 伸一(ふくおか しんいち、1959年9月29日 - )は、日本の生物学者。青山学院大学教授。ロックフェラー大学客員教授。専攻は分子生物学。農学博士(京都大学、1987年)。日本の東京都出身。
略歴
[編集]- 1982年3月 京都大学農学部食品工学科卒業
- 1987年3月 京都大学大学院農学研究科食品工学専攻博士後期課程修了
- 1988年7月 ロックフェラー大学ポストドクトラル・フェロー(分子細胞生物学研究室 1989年2月まで)
- 1989年3月 ハーバード大学医学部ポストドクトラル・フェロー(1991年7月まで)
- 1991年8月 京都大学食糧科学研究所講師
- 1994年4月 京都大学食糧科学研究所助教授
- 2001年4月 京都大学大学院農学研究科助教授
- 2004年4月 青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授
- 2011年4月 青山学院大学総合文化政策学部教授[1]
2021年4月から2022年3月まで朝日新聞朝刊教育面で連載小説「福岡伸一の新・ドリトル先生物語 ドリトル先生ガラパゴスを救う」を担当[2]。
活動
[編集]- 狂牛病問題などで新聞・雑誌に頻繁に登場している。雑誌の随筆や新聞の文化面、読書面の常連筆者でもある[3]。
- 有限責任中間法人ロハスクラブ理事も務めている。
- 一般に向けた科学書の翻訳・執筆を行っている。2007年の「生物と無生物のあいだ」は65万部を超えるベストセラーとなった[3]。
- 美術ではヨハネス・フェルメールの熱心なファン。現存画は必ず所蔵されている場で鑑賞することをポリシーとしており[4]、著書の発表や絵画展の企画にも携わっている。
主張・科学的主流論批判・批判
[編集]プリオンについて
[編集]コッホの三原則を満たしていないなどの理由から、現在の世の中では主流となっているBSEのプリオン原因説に懐疑論を投げかけている。著書『プリオン説はほんとうか?』ではBSEのウイルス原因説を提示した。
ノーベル賞を受賞したプルシナーによる「狂牛病対策など公衆衛生にも、重大な影響を持ち、科学的真実として受け入れられている」プリオン説を否定し、2005年に米国産牛肉の輸入再開を批判している[5]。
進化論について
[編集]チャールズ・ダーウィンの進化論に対して、完全ではないという考えを持っている。『文學界』2008年8月号で、川上未映子との対談において、進化を説明するための一つの説としてジャン=バティスト・ラマルクの用不用説を持ち出している。
「動的平衡」頻用への批判
[編集]幹細胞生物学者の八代嘉美は、福岡が盛んに定義や根拠が不明瞭な「動的平衡」という聞こえのいいワンフレーズによって、様々な現象を捉えようとすることを科学者として批判している[6]。
受賞歴
[編集]- 1987年 朝日学術奨励金[7]
- 2006年
- 第1回科学ジャーナリスト賞
- 『プリオン説はほんとうか?』で講談社出版文化賞科学出版賞
- 2007年 『生物と無生物のあいだ』で第29回サントリー学芸賞<社会・風俗部門>[8]
- 2008年 『生物と無生物のあいだ』で第1回新書大賞[注 1]
著書
[編集]単著
[編集]- 『もう牛を食べても安心か』文春新書 2004
- 『プリオン説はほんとうか? タンパク質病原体説をめぐるミステリー』講談社・ブルーバックス 2005
- 『ロハスの思考』木楽舎・ソトコト新書 2006
- 『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書 2007
- 『生命と食』岩波ブックレット 2008
- 『できそこないの男たち』光文社新書 2008
- 『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』木楽舎 2009、小学館新書 2017
- 『世界は分けてもわからない』講談社現代新書 2009
- 『ルリボシカミキリの青』文藝春秋 2010、のち文庫(副題「福岡ハカセができるまで」)
- 『フェルメール 光の王国』木楽舎 2011
- 『動的平衡 2 生命は自由になれるのか』木楽舎 2011.12、小学館新書 2018
- 『福岡ハカセの本棚』メディアファクトリー新書 2012.12
- 『遺伝子はダメなあなたを愛してる』朝日新聞出版 2012 のち文庫
- 『せいめいのはなし』新潮社、2012 のち文庫
- 『生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見』文藝春秋 2012.9 のち文庫
- 『やわらかな生命』文藝春秋 2013、のち文庫(副題「福岡ハカセの芸術と科学をつなぐ旅」)
- 『生命の逆襲』朝日新聞出版 2013.4
- 『動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト』木楽舎 2014.2
- 『芸術と科学のあいだ』木楽舎 2015.11
- 『変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術』文藝春秋 2015.4、のち文庫
- 『生命科学の静かなる革命』集英社インターナショナル新書 2017.1
- 『動的平衡 3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ』木楽舎 2017.12、小学館新書 2023
- 『ナチュラリスト 生命を愛でる人』新潮社 2018.11、新潮文庫 2022
- 『ツチハンミョウのギャンブル』文藝春秋 2018.6、文春文庫 2021
- 『わたしのすきなもの』婦人之友社 2019.2
- 『フェルメール 隠された次元』翼の王国books・木楽舎 2019.2
- 『最後の講義 完全版 どうして生命にそんなに価値があるのか』主婦の友社 2020.3
- 『迷走生活の方法』文藝春秋 2021.3
- 『生命海流』朝日出版社 2021.6
- 『ゆく川の流れは、動的平衡』朝日新聞出版 2022.3
- 『新ドリトル先生物語 ドリトル先生ガラパゴスを救う』朝日新聞出版 2022.7
共著
[編集]- 『生物が生物である理由 分子生物学』太田光、田中裕二共著、講談社 2008(爆笑問題のニッポンの教養)
- 『生物多様性100問』盛山正仁 編、木楽舎 2010
- 『エッジエフェクト 界面作用 福岡伸一対談集』朝日新聞出版 2010
- 『安全と危険のメカニズム』重野純、柳原敏夫共著、新曜社 2011.3
- 『センス・オブ・ワンダーを探して 生命のささやきに耳を澄ます』阿川佐和子共著、大和書房 2011、だいわ文庫 2017
- 『深読みフェルメール』朽木ゆり子共著 朝日新書 2012.7
- 『福岡伸一、西田哲学を読む 生命をめぐる思索の旅 動的平衡と絶対矛盾的自己同一』池田善昭共著 明石書店 2017、小学館新書 2020
- 『ちっちゃな科学 好奇心がおおきくなる読書&教育論』かこさとし共著 中公新書ラクレ 2016.4
- 『生命を究める スタディサプリ三賢人の学問探究ノート 今を生きる学問の最前線読本』篠田謙一、柴田正良共著、ポプラ社 2020.3
- 『音楽と生命』坂本龍一共著 集英社 2023.3 - 坂本の遺著となった
翻訳
[編集]- A.キンブレル『ヒューマンボディショップ 臓器売買と生命操作の裏側』化学同人 1995.7
- H.コリンズ,T.ピンチ『七つの科学事件ファイル 科学論争の顛末』化学同人 1997.2
- キャリー・マリス『マリス博士の奇想天外な人生』早川書房、2000 のちハヤカワ文庫
- リチャード・ドーキンス『虹の解体 いかにして科学は驚異への扉を開いたか』早川書房 2001
- Trudy McKee,James R.McKee『マッキー生化学 分子から解き明かす生命』市川厚監修 監訳 化学同人 2003.10
- スティーヴ・ジョーンズ『Yの真実 危うい男たちの進化論』岸本紀子共訳 化学同人 2004.8
- ワンガリ・マータイ『モッタイナイで地球は緑になる』木楽舎 2005.6
- テオドル・ベスター『築地』和波雅子共訳 木楽舎 2007.1
- ライアル・ワトソン『エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのか』高橋紀子共訳 木楽舎 2009.6
- ライアル・ワトソン『思考する豚』木楽舎 2009.11
- A.キンブレル『すばらしい人間部品産業』講談社 2011.4
- ジェイソン・チン『ガラパゴス』講談社 2013.6
- ヒュー・ロフティング『ドリトル先生航海記』新潮社 2014、新潮文庫 2019.7
- アンドリュー・キンブレル『生命に部分はない』講談社現代新書 2017.6
- エマ・ドッズ ぶん, マーク・アスピナール え『アニマルズ 生きもののおどろき120』ポプラ社 2018.3
- サビーナ・ラデヴァ 作・絵『ダーウィンの「種の起源」 はじめての進化論』岩波書店 2019.4
出演
[編集]テレビ
[編集]- スタジオパークからこんにちは(2010年5月17日、NHK総合)ゲスト出演。
- 歌うコンシェルジュ(2011年1月24日、NHK総合)ゲスト出演。
- カズオ・イシグロを探して(2011年4月17日、NHK教育)
- ワイルドライフ 第119回(2013年1月1日、BSプレミアム)
- SWITCHインタビュー 達人達「坂本龍一×福岡伸一」(2017年、NHK Eテレ)[9]
- いのちドラマチック (NHK-BS) レギュラー出演。
- NHKアカデミア「福岡伸一 生物学者 生きるヒントが、ここに。」(2023年1月24日、NHK Eテレ)[10]
- 100分de名著(2024年10月「ロフティング“ドリトル先生航海記”」)
ラジオ
[編集]- 上柳昌彦・山瀬まみ ごごばん!フライデースペシャル(2012年1月13日、ニッポン放送)ゲスト出演。
- ANA WORLD AIR CURRENT(2013年2月16日、J-WAVE)ゲスト出演。
- 中嶋朋子 ふんわりの時間(2011年3月20日・27日、2012年6月17日・24日、2016年3月13日・20日、TOKYO FM)ゲスト出演。
CM
[編集]- 日本エイサー「AS1410シリーズ」
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2009年の第2回新書大賞では『できそこないの男たち』で第2位、2010年の第3回新書大賞では『世界は分けてもわからない』で第8位。
出典
[編集]- ^ “福岡伸一”. 青山学院大学 研究者情報 (2019年7月30日). 2023年1月11日閲覧。
- ^ ドリトル先生の新物語 生物学者・福岡伸一さんが連載で朝日新聞2021年3月13日
- ^ a b 後掲参考文献の朝日新聞より。
- ^ 『フェルメール 光の王国』
- ^ “ブルーバックス プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー”. 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア. 2023年10月4日閲覧。
- ^ “科学者が発言するということ/八代嘉美”. SYNODOS (2010年10月6日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ 「62年度朝日学術奨励金の人びと 実を結べ努力と英和」『朝日新聞』1987年7月2日、朝刊、17面。2023年1月14日閲覧。
- ^ “福岡伸一”. サントリー文化財団 サントリー学芸賞 受賞者一覧・選評. 2023年1月14日閲覧。
- ^ "特別編「坂本龍一×福岡伸一」EP2". NHK. 2023年8月25日. 2023年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月12日閲覧。
- ^ “NHKアカデミア 福岡伸一 生物学者 生きるヒントが、ここに。”. NHK (2023年1月24日). 2024年1月15日閲覧。
参考文献
[編集]- 朝日新聞2010年4月3日付b1面「フロントランナー 美を愛でる遺伝子ハンター」
- 朝日新聞2021年3月13日付「ドリトル先生の新物語 生物学者・福岡伸一さんが連載で」
外部リンク
[編集]- 【公式】福岡伸一(Shin-Ichi Fukuoka) (@fukuoka_hakase) - X(旧Twitter)
- 福岡伸一の知恵の学校 (@schola_sapienti) - X(旧Twitter)
- 生物学者 福岡伸一教授_bot (@s_fukuoka_bot) - X(旧Twitter)
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- 福岡伸一のオフィシャルアーカイブサイト
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