福岡伸一

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福岡 伸一(ふくおか しんいち、1959年9月29日 - )は、日本の生物学者。青山学院大学教授ロックフェラー大学客員教授。専攻は分子生物学農学博士京都大学、1987年)。東京都出身。

略歴[編集]

活動[編集]

狂牛病問題などで新聞・雑誌に頻繁に登場している。雑誌の随筆や新聞の文化面、読書面の常連筆者でもある[1]。また、有限責任中間法人ロハスクラブ理事も務めている。また、一般に向けた科学書の翻訳・執筆を行っている。2007年の「生物と無生物のあいだ」は65万部を超えるベストセラーとなった[1]

美術ではヨハネス・フェルメールの熱心なファン。現存画は必ず所蔵されている場で鑑賞することをポリシーとしており[2]、著書の発表や絵画展の企画にも携わっている。

主張[編集]

生命観[編集]

同位体でマークしたアミノ酸を用い、タンパク質など生体を構成する物質は極めて素早く入れ替わり、作り替えられていることを実証したルドルフ・シェーンハイマー (Rudolph Schoenheimer) の実験に強く共鳴し、再評価を行った(ただし、「生物と無生物のあいだ」で書かれているように、シェーンハイマーが決して無視されていたわけではないことには注意)。これに基づき、「生命は流れの中のよどみ」という考え方を自著で繰り返し述べている。また、「世界は分けてもわからない」などでホーリズムを主張している[要出典]

動的平衡[編集]

ルドルフ・シェーンハイマーの提唱した「生命の動的状態 (dynamic state)」という概念を拡張し、生命の定義に動的平衡 (dynamic equilibrium) という概念を提示し、「生命とは動的平衡にある流れである」とした。生物は動的に平衡[3]な状態を作り出している。生物というのは平衡が崩れると、その事態に対してリアクション反応)を起こすのである。そして福岡は、(研究者が意図的に遺伝子を欠損させた)ノックアウトマウスの(研究者の予想から見ると意外な)実験結果なども踏まえて、従来の生命の定義の設問は浅はかで見落としがある、見落としているのは時間だ、とし、生命を機械に譬えるのは無理があるとする。機械には時間が無く原理的にはどの部分から作ることもでき部品を抜き取ったり交換することもでき生物に見られる一回性というものが欠如しているが、生物には時間があり、つまり不可逆的な時間の流れがあり、その流れに沿って折りたたまれ、一度おりたたんだら二度と解くことのできないものとして生物は存在している、とした[要出典]

プリオンについて[編集]

コッホの三原則を満たしていないなどの理由から、現在の世の中では主流となっているBSEプリオン原因説に懐疑論を投げかけている。著書『プリオン説はほんとうか?』ではBSEのウイルス原因説を提示したが、これに関しては多くの生物学者から反論を受けている[要出典]

進化論[編集]

チャールズ・ダーウィン進化論に対して、完全ではないという考えを持っている。文學界2008年8月号で、川上未映子との対談において、進化を説明するための一つの説としてジャン=バティスト・ラマルク用不用説を持ち出している。

その他にも、進化には「複合的な要因」が考えられるのではないかといった議論、またニッチを引き合いに出して今西進化論へ共感を示すなど、進化論以外の道に注目する姿勢を見せている[要出典]

人物[編集]

受賞歴[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • もう牛を食べても安心か』(文春新書、2004年)
  • 『プリオン説はほんとうか? タンパク質病原体説をめぐるミステリー』(講談社ブルーバックス、2005年)
  • 『ロハスの思考』(木楽舎・ソトコト新書、2006年)
  • 生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、2007年)
  • 『生命と食』(岩波ブックレット、2008年)
  • できそこないの男たち』(光文社新書、2008年)
  • 『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』(木楽舎、2009年)小学館新書、2017
  • 『世界は分けてもわからない』(講談社現代新書、2009年)
  • 『ルリボシカミキリの青』(文藝春秋、2010年)のち文庫(副題「福岡ハカセができるまで」)
  • 『エッジエフェクト 界面作用 福岡伸一対談集』朝日新聞出版, 2010.
  • フェルメール 光の王国』(木楽舎、2011年)
  • 『動的平衡 2 (生命は自由になれるのか)』木楽舎, 2011.12  小学館新書、2018
  • 『福岡ハカセの本棚』メディアファクトリー新書 2012.12
  • 『遺伝子はダメなあなたを愛してる』朝日新聞出版, 2012 のち文庫
  • 『せいめいのはなし』新潮社、2012 のち文庫
  • 『生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見』文藝春秋, 2012.9 のち文庫 
  • 『やわらかな生命』(文藝春秋、2013年)のち文庫(副題「福岡ハカセの芸術と科学をつなぐ旅」)
  • 『生命の逆襲』朝日新聞出版, 2013.4
  • 『動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト』木楽舎, 2014.2
  • 『芸術と科学のあいだ』木楽舎, 2015.11
  • 『変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術』文藝春秋, 2015.4 のち文庫 
  • 『生命科学の静かなる革命』インターナショナル新書 集英社インターナショナル, 2017.1
  • 『動的平衡 = Dynamic Equilibrium 3』 木楽舎, 2017.12
  • 『ナチュラリスト 生命を愛でる人』新潮社, 2018.11
  • 『ツチハンミョウのギャンブル』文藝春秋, 2018.6
  • 『わたしのすきなもの』婦人之友社, 2019.2
  • 『フェルメール隠された次元 (翼の王国books) 木楽舎, 2019.2
  • 『最後の講義完全版福岡伸一 どうして生命にそんなに価値があるのか』主婦の友社, 2020.3

共著[編集]

翻訳[編集]

  • A.キンブレル『ヒューマンボディショップ 臓器売買と生命操作の裏側』化学同人 1995.7
  • H.コリンズ,T.ピンチ『七つの科学事件ファイル 科学論争の顛末』化学同人 1997.2
  • キャリー・マリス『マリス博士の奇想天外な人生』早川書房、2000 のちハヤカワ文庫
  • リチャード・ドーキンス『虹の解体 いかにして科学は驚異への扉を開いたか』早川書房 2001
  • Trudy McKee,James R.McKee『マッキー生化学 分子から解き明かす生命』市川厚監修 監訳 化学同人 2003.10
  • スティーヴ・ジョーンズ『Yの真実 危うい男たちの進化論』岸本紀子共訳 化学同人 2004.8
  • ワンガリ・マータイ『モッタイナイで地球は緑になる』木楽舎 2005.6
  • テオドル・ベスター『築地』和波雅子共訳 木楽舎 2007.1
  • ライアル・ワトソン『エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのか』高橋紀子共訳 木楽舎 2009.6
  • ライアル・ワトソン『思考する豚』木楽舎 2009.11
  • A.キンブレル『すばらしい人間部品産業』講談社, 2011.4
  • ジェイソン・チン『ガラパゴス』講談社, 2013.6
  • ヒュー・ロフティングドリトル先生航海記』新潮社、2014 文庫 2019.7
  • アンドリュー・キンブレル『生命に部分はない』講談社現代新書 2017.6
  • エマ・ドッズ ぶん, マーク・アスピナール え『アニマルズ 生きもののおどろき120』ポプラ社, 2018.3
  • サビーナ・ラデヴァ 作・絵『ダーウィンの「種の起源」 はじめての進化論』岩波書店, 2019.4

対談集[編集]

出演[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

CM[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c 後掲参考文献の朝日新聞より。
  2. ^ 『フェルメール 光の王国』
  3. ^ 「逆方向の流れが釣り合っている」という主張しているのではなく、化学的に定常状態と呼ぶ状態。
  4. ^ 2009年の第2回新書大賞では『できそこないの男たち』で第2位、2010年の第3回新書大賞では『世界は分けてもわからない』で第8位。

参考文献[編集]

  • 朝日新聞2010年4月3日付b1面「フロントランナー 美を愛でる遺伝子ハンター」

外部リンク[編集]

  • 福岡伸一公式サイト
  • 福岡伸一のオフィシャルアーカイブサイト
  • 福岡研究室のホームページにようこそ
  • 福岡伸一 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
  • 研究者リゾルバーID:1000020183923論文一覧(CiNii)
  • 福岡伸一 - Researchmap
  • 福岡伸一 - J-GLOBAL
  • 日本の研究.com:107530