コショウ

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コショウ
Piper nigrum drawing 1832.jpg
コショウの植物と果実
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: コショウ目 Piperales
: コショウ科 Piperaceae
: コショウ属 Piper
: コショウ P. nigrum
学名
Piper nigrum
和名
コショウ
英名
pepper

コショウ(胡椒、学名:Piper nigrum)は、コショウ科コショウ属つる性植物、または、その果実を原料とする香辛料のこと。インド原産。

目次

[編集] 種類

黒胡椒と白胡椒

収穫のタイミングや製法の違いによりブラックペッパーホワイトペッパーなどがある。 ピペリン(piperine)という化学物質が胡椒に独特の風味を与える。

ブラックペッパー(黒胡椒)
黒胡椒とも呼ばれ、胡椒の木から取れた未熟な実を乾燥させたものである。世界中のどんな地域を旅しても、の隣にブラックペッパーの小瓶が並んでいると言われている。強い独特の風味があり、特に牛肉との相性が良い。
ホワイトペッパー(白胡椒)
完熟してから収穫した後、乾燥させた後に水に漬けて外皮を柔らかくして剥いたものである。ホワイトペッパーは、ブラックペッパーより風味が弱く魚料理と相性が良い。
赤胡椒
カンボジアに存在する。

胡椒は、粉に挽いたものや、さらに塩と混ぜた「塩コショウ」として売られているものが多いが、本来の風味を愉しむなら、ペパー・ミルで、使うたびに挽くのが理想的である。ペパー・ミルは、使い捨ての「ミル付きコショウ」から、円筒形のボディに擬宝珠のようなハンドルの付いた、木製のデザインに優れた芸術品まで、いろいろな種類がある。

タイ料理では、香辛料としてではなく、緑色の未熟な実を炒め物の「食材」として利用する。

[編集] 産地

原産地はインド南西マラバル地方。現在ではインド、インドネシア、マレーシア、ブラジルが主な産地[1]

[編集] 歴史

胡椒は、ピペリン(piperine)による抗菌・防腐・防虫作用が知られており、冷蔵技術が未発達であった中世においては、料理に欠かすことのできないものでもあり、大航海時代に食料を長期保存するためのものとして極めて珍重された。ヨーロッパの様々な料理に使われており、またその影響を受けた様々な料理でも使われている。このため、インドへの航路が見つかるまでは、ヨーロッパでは非常に重宝されていた。取引には、金と胡椒が同重量で交換された時代もあった。特に古代ギリシア、ローマ時代では一握り分の胡椒で最高の奴隷10人を雇えると言われたほどであった。ゲルマン部族のリーダーであったアラリック1世はローマ帝国に侵略を控える代わりに、そして胡椒を貢物として要求した。

黒、白、緑、赤など様々な色の胡椒が作られる

中国では西方から伝来した香辛料という意味で、胡椒と呼ばれた(胡は中国から見て西方・北方の異民族を指す字)。日本には中国を経て伝来しており、そのため日本でもコショウ(胡椒)と呼ばれる。トウガラシが伝来する以前には辛味の調味料として現在よりも多用されており、うどんの薬味としても用いられていた。現在でも辛味の調味料としてさまざまな料理に用いられている(「胡椒茶漬け」という料理があったという記録もある)。

日本九州北部地方をはじめ各地で、南米原産の唐辛子の事を「胡椒」と呼ぶ事がある。一説には大陸(唐土)との交易で潤っていた地域では「唐枯らし」に音が通ずる「トウガラシ」の呼び名を避けたためといわれる。主に九州北部にて製造される柚子胡椒などは唐辛子を使って作る。P. nigrumは「洋胡椒」と呼び区別する。

[編集] 栽培

通常は接木栽培であり、種から発芽させることは非常に困難である。高さは5~9メートルに達し、木質になるつる茎は、支柱などに巻きつけ生育させる。さし木3年目から少しずつ花房をつけはじめ果実をつける。果実はひと房に50~60個で7~8年で最盛期を迎え、以降15~20年間収穫できる。1本のつるからの乾物年収量は約2kgである[2]

連作障害があり土壌により植物寄生性線虫が発生したり[3]病害などにかかりやすく、南米での栽培では壊滅的な打撃が発生したことがある[4]。胡椒栽培は肥料代や労力のわりに価格が安く、放置される農園もある[5]

[編集] 近縁種

同じコショウ属に属する東南アジア原産のヒハツP. retrofractum)も沖縄などで古くから香辛料として使われる。

日本本土ではフウトウカズラ(風藤蔓、P. kadzura)が神奈川県千葉県以南各地の海岸近くに自生するが、用途はない。

[編集] 文学に現れる胡椒

[編集] 脚注

  1. ^ 日本胡椒協会HP[1]
  2. ^ 日本胡椒協会HP[2]
  3. ^ 「ドミニカ共和国の胡椒栽培における植物寄生性線虫(植物線虫)」日本応用動物昆虫学会大会講演要旨[3]
  4. ^ 「ブラジル移民の100年 アマゾンのアグロフォレストリ」[4]
  5. ^ 大阪府社会科研究会HP「胡椒栽培と放置胡椒園」[5]

[編集] 文献情報

  • 「胡椒貿易と植付」大阪新報1921.2.8(大正8)(神戸大学附属図書館)[6]
  • 「胡椒:その栽培から利用まで」後藤隆郎(国際農林業協力協会編1983.2.)書誌情報[7]


[編集] 外部リンク

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