イノンド

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?イノンド

イノンド
分類
 : 植物界 Plantae
 : 被子植物門 Magnoliophyta
 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
 : セリ目 Apiales
 : セリ科 Apiaceae
 : イノンド属 Anethum
 : イノンド A. graveolens
学名
Anethum graveolens L.
和名
イノンド
英名
Dill

イノンド(蒔蘿、Anethum graveolens)はセリ科の一年草。英名はディル (dill)。種子香味料生薬として用いる。

イノンド属 (Anethum) に属する唯一の種であるが、稀にカワラボウフウ属 (Peucedanum) に分類されることもある。西南アジアから中央アジアが原産。成長すると高さ40-60cmに達し、細いには細かく裂開した柔らかな互生する。成長した葉は長さ10-20cm、幅1-2mmほどとなる。は白か黄色で、2-9cmほどの小さな繖形花序をつくる。種子は長さ4-5mm、厚さ1mmほどで、直線またはやや湾曲した形をしており、表面は縦方向に波状のうねりをもつ。

英名 (dill) はノルウェー語またはアングロサクソン語で「なめらかな」あるいは「あやす」を意味する言葉「dylle」に由来すると考えられており、これはこの植物が駆風薬として痛みを和らげる作用を持つためである。

[編集] 用途

イノンドは薬草として古くからヨーロッパ北アフリカアジアで栽培されてきた。5000年前にはエジプトの医師に使用されており、またイギリスにあるローマ時代の廃墟からもその痕跡が見つかっている。また、中世には魔術を防ぐ効果があるとも考えられていた。

イノンドはセム系言語では「シュビット」と呼ばれており、タルムードには十分の一税をイノンドの種子、葉、または茎で支払うことと命じた箇所がある。新約聖書にはパリサイ人がイノンドで税を支払っていたことを記述する場面がある(「マタイによる福音書」23章23節)。

シダ状の葉にはキャラウェイのような芳香があり、今日でも香草として、グラヴラクス(酢漬けの鮭)、ボルシチなどのスープピクルスなど、様々な料理に使用されている。ただし、イノンドの葉は乾燥するとすぐに香りが失われてしまうため、新鮮なうちに使用する必要がある。

種にも強い香りと味があり、スパイスとしてカレーやピクルスなどに使用する。また、種は薬用としても使用される。

[編集] 栽培

栽培には熱いと高い日射量を必要とし、一部が日陰になるだけでも収穫量は減少する。肥沃で水はけの良い土地を好む。フェンネルとは交雑しやすいため、繁殖用に種子を目的として栽培するものは互いに近くで栽培するべきではない。

種のほか苗も市販されているが移植を嫌う性質があるので、種から育てる方が望ましいとされている。したがって種をまく際も育苗ポットなどではなく露地やプランター・鉢などに直まきする。筋蒔きし、発芽後に間引く。草丈が15~20cmになると支柱立てや株元への土寄せで株が倒れるのを防ぐ。耐寒性があるので冬越しも可能だが霜には注意すること。

種を収穫するときは、種が熟成しはじめたら花頭を茎から切り取り、紙袋に上下逆に入れて乾燥した暖かい場所に一週間ほど置く。茎から離れた種は密閉容器に保存する。種子は3年から10年は生育可能である。

[編集] 参考文献

ウィキメディア・コモンズ