シナモン

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シナモン
Cinnamomum verum - Köhler–s Medizinal-Pflanzen-182.jpg
シナモン
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: クスノキ目 Laureales
: クスノキ科 Laureaceae
: ニッケイ属 Cinnamomum
: シナモン C. zeylanicum
学名
Cinnamomum zeylanicum J.Presl
和名
セイロンニッケイ
英名
Cinnamon
シナモンスティック

シナモン(英:Cinnamon、学名:Cinnamomum verum、シノニムCinnamomum zeylanicum)とは熱帯に生育するクスノキ科の常緑樹の名、またその樹皮から作られる香辛料の名である。ニッキとも。また、生薬として用いられるときには桂皮(ケイヒ)と呼ばれる。特徴的な芳香成分はシンナムアルデヒドオイゲノールサフロールなど。

原産地は中国南部からベトナムのあたりにかけてと推測されている。熱帯各地ではばひろく栽培される。香り高く、『スパイスの王様』と呼ばれる[1]

利用[編集]

利用史[編集]

世界最古のスパイスの1つといわれ紀元前4000年ごろからエジプトミイラ防腐剤として使われ始めた。また、紀元前6世紀頃に書かれた旧約聖書の『エゼキエル書』や古代ギリシアの詩人サッポーの書いたにもシナモンが使われていたことを示す記述がある。

中国では後漢時代(25年-220年)に書かれた薬学書『神農本草経』に初めて記載されている。

日本には8世紀前半に伝来しており、正倉院宝物の中にもシナモンが残されている(「桂心」という名称で、薬物として奉納されたもの)。しかし樹木として日本に入ってきたのは江戸時代享保年間のことであった。

香辛料[編集]

香辛料としてのシナモン(シンナモンとも)は上記のシナモンの樹皮をはがし、乾燥させたもの。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味がありカプチーノ等の飲料やアップルパイシナモンロールなどの洋菓子の香り付けに使われる。南アジア中東北アフリカでは料理の香りづけに頻繁に用いられる。インド料理の配合香辛料ガラムマサラの主要な成分でもある。インドのチャイの香りづけにもかかせない。近縁種のシナニッケイ(支那肉桂、ニッキC. cassia)の樹皮からも作られる。ただしシナニッケイからつくられるものはカシアと呼ばれ、成分が若干異なる。

粉末状に加工したいわゆるシナモンパウダーのほか、樹皮のまま細長く巻いた形のシナモンスティック(カネールフランス語: cannelle)とも)が広く流通する。

生薬[編集]

シナニッケイやニッケイ(肉桂、C. sieboldiiシノニムC. okinawense)は体を温める作用、発汗・発散作用、健胃作用を持つ生薬として利用されておりシナモンにもこれと似た利用法があるが、過剰摂取に対する注意が出されている[2][3][4]

漢方では桂皮(ケイヒ)と呼ばれる。温熱の作用があるとされ、多くの方剤に処方されている。

シナモンは、生であれ加熱調理後であれ、α-アミラーゼα-グルコシダーゼのいずれに対して、顕著な阻害作用を示し、糖尿病予防への可能性が示唆された[5]

観葉植物[編集]

葉は大きく光沢があり、葉脈がはっきりしていて美しく、観葉植物として利用されることもある。

脚注[編集]

  1. ^ 渡辺一也「リキュール&カクテル大事典」(ナツメ社)、194項
  2. ^ 食品安全情報 No.21 2006/10/11 pdf 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部
  3. ^ シナモンのサプリメント …2006/10(第86号)過剰摂取で肝障害の恐れ WEBニッポン消費者新聞
  4. ^ シナモンを含む食品中のクマリン含有量調査東京都健康安全研究センター
  5. ^ 市販香辛料のα-アミラーゼ活性およびα-グルコシダーゼ活性に及ぼす影響、三浦 理代、五明 紀春、日本食品科学工学会誌、Vol.43 (1996) No.2 P157-163

関連事項[編集]

桂皮を配合する薬剤

外部リンク[編集]