リモネン

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リモネン

R(+)-リモネン
識別情報
CAS登録番号 138-86-3 ×
PubChem 22311, 439250 (S)
ChemSpider 20939 (R/S) チェック, 388386 (S), 389747 (R)
UNII GFD7C86Q1W チェック
KEGG D00194
ChEBI CHEBI:15384 チェック
ChEMBL CHEMBL449062 ×
特性
化学式 C10H16
モル質量 136.23 g mol−1
密度 0.8411 g/cm3
融点

-74.35 °C, 199 K, -102 °F

沸点

176 °C, 449 K, 349 °F

比旋光度 [α]D 87° - 102°
危険性
NFPA 704
NFPA 704.svg
2
1
0
Rフレーズ R10 R38 R43 R50/53
Sフレーズ (S2) S24 S37 S60 S61
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

リモネン(limonene)は、柑橘類に含まれる代表的な単環式モノテルペンである。化学式がC10H16で表され、分子量は136.23 g/molである。無色透明の液体。キラル化合物であり、いずれのエナンチオマーも生合成されるが、強いレモン臭がするのはD-リモネン((+)-リモネン)の方である。なお、ラセミ体ジペンテンとも呼ばれる[1]

性質[編集]

構造式 Limonene.png

最も重要なエナンチオマーはD(+)体で、柑橘類の果皮に多く含まれ、その香りを構成する物質の一つである。二重結合を二つ有し、酸化されやすい。L体はハッカ油に含まれ、ラセミ体テレビン油等に含まれる。いずれも香料としての用途があり、合成も行われている。スチレンモノマー(単量体)と構造が似ているためスチロール樹脂(ポリスチレン)を溶解する性質があり、特に柑橘類から採取されるd体は発泡スチロールの安全な溶剤として注目されている。また、洗剤プラモデル接着剤にもこれを使ったものが登場している。

なお、D体は雄ラットに対する発癌性が報告されているが[2]、これはα2μ-グロブリンを生成する雄ラットのみに特異的に起こるもので、ヒトなど他の種では起こらないと考えられている[3]。 また、空気酸化を受けたD体には感作性も報告されているが、リモネンは感作性と刺激性を除けば毒性の低い物質であると評価されている[3]

D体[編集]

融点 -74.35℃、沸点 175.5-176℃。系統名は(R)-1-メチル-4-(1-メチルエテニル)シクロヘキセン。CAS登録番号は[5989-27-5]。

L体[編集]

融点 -74.35℃、沸点 175.5-176℃。系統名は(S)-1-メチル-4-(1-メチルエテニル)シクロヘキセン。CAS登録番号は[5989-54-8]。

ラセミ体[編集]

別名としてジペンテンとも呼ばれる。融点-95.9℃、沸点175.5-176℃。系統名は1-メチル-4-(1-メチルエテニル)シクロヘキセン。CAS登録番号は[138-86-3]。

合成[編集]

用途[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ J. L. Simonsen (1947). The Terpenes. 1 (2nd ed.). Cambridge University Press. OCLC 477048261. [要ページ番号]
  2. ^ 食品・薬品安全性研究ニュース第41号
  3. ^ a b 国際簡潔評価文書 リモネン

関連項目[編集]