テルペノイド

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テルペノイド:イソペンテニル二リン酸の構造

テルペノイド(Terpenoid)とは五炭素化合物であるイソプレンユニットを構成単位とする一群の天然物化合物の総称である。狭義にはテルペノイドはテルペン炭化水素の含酸素誘導体(アルデヒドカルボン酸誘導体)を指すのでテルペン炭化水素を含んでテルペン類とも称される。テルペノイドの生化学的(代謝的)起源は生物種に普遍的に見られるメバロン酸代謝経路から続くイソプレノイド生合成経路であるため、テルペノイドは広義にはイソプレノイドでもある[1]。そしてテルペノイドやテルペンの多くは環構造を持ち複環構造も珍しくない。あるいはその基本構造であるテルペン炭化水素はイソプレノイドが環化しただけではなく、メチル基が転移した物や場合によってはメチル基が欠落したものも含まれる。[2]。そのような多様なテルペン炭化水素がさらに異なる官能基に誘導体化されたテルペノイドの多様性は非常に大きい。

一方、代表的なイソプレノイドは鎖状構造や連続する炭素二重結合に特徴がある。前述のテルペノイドと同様にイソプレノイドと生化学的起源を同一にする環式天然物の一群として、カロテノイドや動物のステロイドステロールが知られている。そしてこれらのイソプレノイドに起源を持つ天然物は広義のイソプレノイドとされこれらの脂質天然樹脂はすべての生物種に存在する最も大きな天然産物のグループでもある。 イソプレノイドの分子生物学的な機能として疎水性分子を細胞膜へ接着させるなどのためにタンパク質に付加して機能を現わす。これはイソプレニル化として知られる。

植物性テルペノイドはその特徴的な芳香のために広く用いられている。植物性テルペノイドには抗菌性や抗腫瘍性があり薬草治療によく用いられ、他の薬理作用の研究もなされている。テルペノイドはユーカリの芳香、シナモンクローブショウガの風味、また黄色の発色に寄与している。よく知られているものにシトラールメントールショウノウサルビア・ディヴィノルムに含まれるサルビノリンAアサに見られるカンナビノイドがある。

テルペノイド生合成系の酸化酵素の多くはシトクロムP450であり、テルペノイド自身は同酵素の基質でもある。

構造と分類[編集]

テルペンは様々なイソプレンユニットの組み合わせから構成されている炭化水素である。 メチル基が転位したか除去されたか、もしくは酸素原子が付加したかによってテルペノイドの修飾を考えることができる。テルペンのように、テルペノイドは使われるイソプレンユニットの数に応じて分類することができる。

  • モノテルペノイド、2イソプレンユニット
  • セスキテルペノイド、3イソプレンユニット
  • ジテルペノイド、4イソプレンユニット
  • セスタテルペノイド、5イソプレンユニット
  • トリテルペノイド、6イソプレンユニット
  • テトラテルペノイド、8イソプレンユニット
  • ポリテルペノイド、イソプレンユニットが多いもの

また、テルペノイドが含む環の数によって分類することもできる。

生合成[編集]

テルペノイドは2つの代謝経路で合成される。

メバロン酸経路[編集]

1950年代に発見された代謝経路で、多くの有機体はこの経路によってテルペノイドを合成し、最終的にコレステロールも合成している。この反応は細胞質基質で行われている。

MEP/DOXP経路[編集]

2-C-メチル-D-エリトリトール-4-リン酸/1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸経路(MEP/DOXP経路)は、1980年代に発見された代謝経路で、非メバロン酸経路とも呼ばれる。この経路は植物アピコンプレックス門及びの原生動物色素体真正細菌に存在する。

有機体 代謝経路
真正細菌 MVA、MEP
古細菌 MVA
藻類 MEP
植物 MVA、MEP
動物 MVA
菌類 MVA

註・出典[編集]

  1. ^ このため、天然ゴムカロチノイドも広義のテルペノイドとする見方も存在する。
  2. ^ terpenoids PAC, 1995, 67, 1307. Glossary of class names of organic compounds and reactivity intermediates based on structure (IUPAC Recommendations 1995), doi:10.1351/pac19956708130

関連項目[編集]

外部リンク[編集]