セロトニン
セロトニン (serotonin, 5-hydroxytryptamine, 5-HT) はモノアミン神経伝達物質で視床下部や大脳基底核、延髄の縫線核などに高濃度に分布しているトリプタミン誘導体の一種である。メラトニンはセロトニンから合成される。
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[編集] 人体におけるセロトニン
セロトニンはヒトを含む動植物に一般的に含まれる化学物質で、トリプトファンから産生される。[1]人体中には約10ミリグラムのセロトニンが存在しており、そのうちの90%は小腸の粘膜にあるクロム親和細胞(EC細胞とも呼ばれる)内にある。[2]クロム親和細胞はセロトニンを合成する能力を持っており、ここで合成されたセロトニンは腸などの筋肉に作用し、消化管の運動に大きく関係している。ここで合成されたセロトニンの一部(総量の約8%)は血小板に取り込まれ、血中で必要に応じて用いられる。[2][要出典]
残りの2%のセロトニンは中枢神経系(今後脳内セロトニンと記載)にあり、これらが人間の精神活動に大きく影響している。日常生活から、うつ病や神経症などの精神疾患(無論全てではない)に至るまで脳内セロトニンの影響が注目されるようになり、近年では、セロトニン系に作用する薬物を用いることによって、これらの疾病を治療することができるようになった。主な薬物に SSRI や SNRI があり、両者共シナプスから放出されたセロトニンの再吸収を阻害する事により、症状を改善する。
脳内セロトニンの不足が色々な病気の原因の一つとして知られている、不眠症、睡眠障害、冷え性、偏頭痛、うつ病、産後うつ、更年期障害、月経前症候群などの様々な病気が誘発されていると考えられている。
Diksicらによれば、健常男性は女性より約52%脳内セロトニンを産生する能力が高い。またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する。(Diksic M. et al.,94: 5308-5313, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1997)
この報告から類推すると、一般的にセロトニンはトリプトファンから産生されるため、トリプトファンを摂取すれば増えると考えられる。ただし特定の条件下ではトリプトファンを摂取しても脳内セロトニンはそれほど増えない場合がある。トリプトファンが脳内に入るには血液脳関門を通過する必要があるが、しかしBCAA(分岐鎖アミノ酸=バリン・ロイシン・イソロイシン)とトリプトファンは共通の輸送体を使って脳内に入るため、BCAAが多い環境では脳への取り込みが阻害され、脳内セロトニンがあまり増えないことがある。
トリプトファンを過剰摂取すると命の危険もある(トリプトファン事件)。トリプトファンは普通の食品には少量しか入っていないため危険が及ぶ事はないが、トリプトファンそのものをサプリメントとして摂取するのには注意が必要である。
[編集] 脚注
- ^ セロトニン 厚生労働省
- ^ a b セロトニン
[編集] 関連項目
- セロトニン受容体
- セロトニントランスポーター遺伝子
- 5-MeO-DIPT
- α-メチルトリプタミン (AMT)
- うつ病
- パニック障害
- マイナス思考
- セロトニン症候群
- 過敏性腸症候群 (略称:IBS)
[編集] 外部リンク
- (百科事典)「Serotonin」 - Medpediaにある「セロトニン」についての項目。(英語)