オムロン

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オムロン株式会社
OMRON Corporation
オムロン京都センタービル(左、本社)と
啓真館(右、展示・研修・保育施設)
種類 株式会社
市場情報
本社所在地 日本の旗 日本
600-8530
京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801
設立 1948年5月10日
業種 電気機器
法人番号 1130001016824 ウィキデータを編集
事業内容 制御機器
FAシステム
電子部品
代表者 山田義仁代表取締役社長CEO
宮田喜一郎(代表取締役執行役員専務CTO
資本金 641億円
(2019年3月末時点)
発行済株式総数 206,245千株
売上高 連結:8594億8200万円
(2019年3月期)
営業利益 連結:766億3300万円
(2019年3月期)
純利益 連結:543億2300万円
(2019年3月期)
総資産 連結:7498億7800万円
(2019年3月期)
従業員数 連結:35,090名
単独:4,741名
(2019年3月末時点)
決算期 3月
主要株主 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 5.85%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4.44%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 3.37%
京都銀行 3.37%
三菱UFJ銀行 2.45%
(2018年9月30日時点[1]
主要子会社 オムロン ソーシアルソリューションズ
オムロン ヘルスケア
オムロン エキスパートリンク
関係する人物 立石一真(創業者)
立石信雄(元会長)
立石義雄(名誉会長)
外部リンク https://www.omron.co.jp/
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オムロン株式会社: OMRON Corporation)は、日本京都府京都市に本社を置く大手電気機器メーカー。

創業者は立石一真。センシング&コントロール技術を核とした産業向け制御機器やシステム、電子部品のほか、ヘルスケア製品等を展開する「オムロングループ」の中核企業の役割を担っている。東京証券取引所第一部上場(証券コード:6645)、米国預託証券上場(証券コード:OMRNY)。

概要

制御機器・ファクトリーオートメーション(FA)システム事業、電子部品事業、車載電装部品事業、社会システム事業、健康医療機器・サービス事業の主要5事業を、一部分社化を含め、カンパニー制で展開している。

世界初の無接点近接スイッチを開発するなど産業用オートメーション機器に強みを持つが、一般消費者には健康医療機器で知られる。家庭用電子血圧計は世界トップシェアを誇る。また、自動改札機ATM(現金自動支払機)など世の中にない製品を創り出すベンチャー精神がある。これらはNHKプロジェクトX』で取り上げられた。近年では、液晶テレビバックライトが知られる。かつてはプリントシール機の開発の大手でもあり、グループ会社だったオムロンエンターテインメント(現・フリュー)OEMおよび自社ブランドで販売を行っていた。なお、現在はグループを離脱している。

社名は、立石電機株式会社時代に本社を置いていた京都市右京区花園の通称「御室」(おむろ)から。創業地としても知られる。なお、現在その跡地は住宅地となっているが、創業記念碑が建立されている。

世界7極に地域統括本社を設置(日本アメリカオランダ中国シンガポールインドブラジル)。中国を中心とした海外へのビジネス展開に積極的で、既に連結での海外売上比率は5割を超えている。

沿革

オムロン三島事業所(静岡県三島市
  • 1930年 - 立石一真が京都市下京区で「彩光社」を設立。
  • 1933年5月 - 大阪市都島区東野田に「立石電機製作所」を創業。レントゲン撮影用タイマの製造開始。(公式には創業年月日を昭和8年すなわち1933年5月10日としている)
  • 1936年7月 - 大阪市西淀川区に工場を新設して移転。
  • 1945年6月 - 工場を京都市右京区花園土堂町に移転。
  • 1948年5月 - 株式会社に改組し「立石電機株式会社」に商号変更(公式設立年月日は昭和23年すなわち1948年5月19日)
  • 1955年1月 - 販売部門・研究部門を分離・独立して「立石電機販売株式会社」「株式会社立石電機研究所」を設立。同時期に生産子会社「株式会社西京電機製作所」を設立。
  • 1959年
    • 1月 - 商標を「OMRON」と制定する。社憲制定。
    • 2月 - 「株式会社立石電機研究所」を吸収合併。
  • 1960年2月 - 世界初の無接点近接スイッチを開発。
  • 1960年10月 - 京都府乙訓郡長岡町(現・長岡京市)に中央研究所を竣工。
  • 1962年4月 - 京都証券取引所大阪証券取引所(両市場とも現在は市場統合)第二部に上場。
  • 1964年
    • 4月 - 世界初の電子式自動感応式信号機を開発。
    • 10月 - 生産子会社を「株式会社西京電機立石製作所」に一本化する。
  • 1965年
    • 4月 - 「立石電機販売株式会社」並びに「株式会社西京電機立石製作所」を吸収合併。
    • 8月 - 大阪証券取引所第一部へ指定替え。
  • 1966年9月 - 東京証券取引所名古屋証券取引所各第一部に上場。
  • 1967年3月 - 世界初の無人駅システムを開発。
  • 1968年11月 - 英文社名をOMRON TATEISI ELECTRONICS CO.に決定。
  • 1969年3月 - 世界最小の卓上電子計算機「CALCULET-1200」を発表。
  • 1971年6月 - 世界初のオンライン現金自動支払機を開発。
  • 1972年2月 - 日本初の福祉工場である「オムロン太陽株式会社」を設立。
  • 1974年9月 - 立石ライフ・サイエンス研究所を設立[2]
  • 1983年 - 「けんおんくん」を発売。
  • 1987年7月 - 世界初の超高速ファジィコントローラを開発。
  • 1988年
    • 9月 - オランダに欧州地域統轄会社「OMRON EUROPE B.V.」を設立。
    • 10月 - シンガポールにアジア・パシフィック地域統轄会社「OMRON ASIA PACIFIC PTE.LTD.」を設立。
  • 1989年4月 - アメリカに北米地域統轄会社「OMRON MANAGEMENT CENTER OF AMERICA,INC.」を設立。
  • 1990年1月 - 「オムロン株式会社」に社名変更。
  • 1991年3月 - 本社事務所を京都市下京区[3]に移転。インライン検査機器「画匠」を開発。
  • 1994年5月 - 中国に地域統轄会社「OMRON(CHINA)CO.,LTD.」を設立。
  • 1995年 - 車間距離警報装置を開発。
  • 1999年4月 - 事業部制からカンパニー制へ移行。
  • 2000年8月 - 本店と本社事務所を現在の「オムロン京都センタービル」に移転。
  • 2003年
  • 2004年10月 - 共同新設分割により、ATM等の情報機器事業を「日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社」へ継承。
  • 2006年5月 - 中国・上海に制御システムのグローバル中核拠点が開業。新企業理念制定。
  • 2006年8月 - パイオニア子会社の「パイオニア精密株式会社」の全株式を取得し、「オムロン プレシジョンテクノロジー株式会社」に商号変更。
  • 2007年
    • 3月 - 生産現場でのセーフティ事業を本格展開。
    • 4月 - セイコーエプソン子会社の半導体事業の事業用資産を譲り受け「オムロン セミコンダクターズ株式会社」を設立。
    • 6月 - 中国における新研究開発拠点を開所。
    • 7月 - 「オムロン京都センタービル啓真館」を開設。[4]
    • 9月 - 世界初のリアルカラー3次元視覚センサ3次元画像センシングを実用化。
  • 2008年7月 - 「オムロン セミコンダクターズ株式会社」を吸収合併。
  • 2009年11月 - 名古屋証券取引所上場廃止。
  • 2009年12月 - 専門コンサルタントのノウハウを組み込んだ世界初の省エネルギー自動分析システム「CO2見える化システムene-brain」を発売。
  • 2010年
  • 2011年 - 長期ビジョン『VG2020』(Value Generation 2020)を発表。機械制御に必要な機能を統合したマシンオートメーションコントローラ、Sysmac NJシリーズを発売。サポート拠点「オートメーションセンタ」を日本(8月)と中国(9月)に設立。
  • 2012年
    • 1月 - インド地域本社「OMRON MANAGEMENT CENTER OF INDIA」を設立。
    • 6月 - ブラジル地域本社「OMRON MANAGEMENT CENTER OF LATIN AMERICA」を設立。
  • 2013年7月 - 大阪証券取引所の統合に伴い上場廃止。
  • 2019年4月 - 無停電電源装置(UPS)事業をオムロンソーシアルソリューションズ株式会社へ移管。
  • 2019年10月 - 車載電装部品を手掛ける、「オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社」の全株式 を、日本電産株式会社に譲渡。
  • 2020年1月 - 工場自動化のPR施設を「オートメーションセンター」東京・品川に開設(世界37カ所中で最大規模)[5]
  • 2020年4月 - 簡易吸収分割により、当社環境事業本部をオムロンソーシアルソリューションズ株式会社へ移管、同社のエネルギーソリューション事業本部とする。同時にパワーコンディショナの生産拠点であるオムロン阿蘇株式会社の株主を、当社からオムロンソーシアルソリューションズ株式会社に変更。

主な製品

受賞

  • 「誠実な企業」賞 最優秀賞(「誠実な企業」賞審議会)(2012年)
  • 東京証券取引所主催「企業価値向上表彰」大賞(2015年)
  • 日本証券アナリスト協会主催 「ディスクロージャー優良企業」(2015年)

不祥事

研究開発における画像情報の不適切な利用

2014年7月に、グループ会社のオムロンソーシアルソリューションズが行っていた研究開発において、画像の不適切な利用が発覚した[6][7]

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)から改札口付近の客の流れを調べる目的で委託を受けて国分寺駅板橋駅桜木町駅で撮影した映像を、独立行政法人情報通信研究機構から委託を受け2006年度から2010年度にかけて行っていた「高度画像監視センサネットワーク技術の研究開発」に無断で流用した。改札口の不正通過、喧嘩、うろつきなどの不審な行動を取った人を追跡するシステムの開発を目的とした研究で、総務省より約2億5000万円を受け取っている。
  • 文部科学省の補助事業「人物画像解析システムの開発」において、2012年5月と7月に京都駅駅ビルで施設管理者の許可を受けずに駅利用者を撮影したほか、その映像を学会などで公開していた。100人規模の人の中で人の動きを1人ずつ追跡するシステムの開発を目的としたもので、文部科学省より約2億4000万円を受け取っている。

EU環境基準を満たさない製品の出荷

パーソナルコンピュータ用の停電時のバックアップ電源装置(無停電電源装置)5製品について、欧州連合(EU)の環境基準を満たさないにもかかわらず、基準に適合しているとして出荷していたことが、2018年6月に明らかになった。同社は同年5月に社内調査を実施し発覚していたが、公式発表は大幅に遅れた[8][9]

国内関連会社

オムロンが企業名の先頭につくもの

その他の名前の企業

グループから離脱した企業

現存しない企業(生産子会社の統合は省略)

  • オムロンマイコンシステムズ株式会社 ※1998年にソフトバンクに売却後、同社に吸収合併。事業としては現在のSB C&S
  • オムロンマーケティング株式会社 ※2018年にオムロンに事業譲渡して解散。
  • オムロンテクノカルト株式会社 ※2012年にオムロンフィールドエンジニアリングに吸収合併。
  • オムロンティー・エー・エス株式会社 ※2014年にオムロンフィールドエンジニアリングに吸収合併。
  • オムロンフィールドエンジニアリング九州株式会社 ※2018年にオムロンフィールドエンジニアリングに吸収合併、同社の九州支社となる。
  • (旧)オムロンフィールドエンジニアリング西日本株式会社 ※2020年10月にオムロンフィールドエンジニアリング近畿に吸収合併。同日、社名を(新)オムロンフィールドエンジニアリング西日本に変更。
  • オムロンネットワークアプリケーションズ株式会社 ※日本IBMとの合弁企業。オムロンのグローバルビジネスプロセス&IT革新本部に統合され解散。
  • オムロンビジネスアソシエイツ株式会社 ※2018年にオムロンパーソネル株式会社と合併、オムロンエキスパートリンク株式会社となる(存続法人はオムロンパーソネル株式会社)。
  • オムロンファイナンス株式会社 ※同上。

脚注・出典

  1. ^ 四半期報告書(第82期第2四半期)
  2. ^ 立石電機、医学分野へ『朝日新聞』昭和49年9月22日朝刊、13版、9面
  3. ^ 「ニッセイ京都駅前ビル」を一棟借りしていた。当ビルには現在も関連会社が入居している。
  4. ^ 「啓真館」はそれまで上京区にあった研修センタの名称が継承されたもの。
  5. ^ 「オムロン、品川に自動化PR拠点」日本経済新聞』朝刊2020年1月23日(2020年1月23日閲覧)
  6. ^ 弊社グループ会社の研究開発における画像情報利用に関するお詫び オムロンニュースリリース(2014年7月12日)2020年1月24日閲覧
  7. ^ 「オムロン、乗客の映像を無断流用 桜木町など4駅で」 - ウェイバックマシン(2015年5月30日アーカイブ分)神奈川新聞カナロコ(2014年7月13日).2020年1月24日閲覧。
  8. ^ オムロン、EU環境基準満たさず製品出荷 5月に発覚「発表が遅れ反省」と山田義仁社長産経新聞ニュース(2018年6月8日)2020年1月24日閲覧
  9. ^ 当社 無停電電源装置(UPS)商品の製品環境基準への不適合について オムロンニュースリリース(2018年6月8日)2020年1月24日閲覧

関連項目

外部リンク