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[[:en: Integrated device manufacturer |IDM]]や[[ファウンドリ]]などの半導体メーカーは、[[ムーアの法則]]に従い、製造するIC([[集積回路]])を年々微細化する。ICの製造工程では、30から40回[[シリコンウェハー]]に露光するため、露光機の性能がICの性能を左右すると言っても過言ではない。その為、ASMLは継続的に研究開発を行っている<ref>{{cite web|url=http://jp.wsj.com/articles/SB11248959841534934584204582351212992525898|title=ASMLの半導体技術、「ムーアの法則」維持できるか|accessdate=2017-01-02|date=2016-10-03|publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル}}</ref>。
[[:en: Integrated device manufacturer |IDM]]や[[ファウンドリ]]などの半導体メーカーは、[[ムーアの法則]]に従い、製造するIC([[集積回路]])を年々微細化する。ICの製造工程では、30から40回[[シリコンウェハー]]に露光するため、露光機の性能がICの性能を左右すると言っても過言ではない。その為、ASMLは継続的に研究開発を行っている<ref>{{cite web|url=http://jp.wsj.com/articles/SB11248959841534934584204582351212992525898|title=ASMLの半導体技術、「ムーアの法則」維持できるか|accessdate=2017-01-02|date=2016-10-03|publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル}}</ref>。


近年の露光機には、光源に[[紫外線]]を発するArF[[エキシマレーザー]]が使用されており、さらに[[液浸]]露光技術が用いられる。2007年には液浸露光装置の[[分解能 |解像度]]が37[[ナノメートル]]に達した。<ref name="ASMLの歴史">{{Cite web|title=ASMLの歴史 |url=http://www.asml.com/asml/show.do?lang=JA&ctx=43436&rid=43443 |accessdate=2012-07-20}}</ref>
近年の露光機には、光源に[[紫外線]]を発するArF[[エキシマレーザー]]が使用されており、さらに[[液浸]]露光技術が用いられる。2019年には液浸露光装置の[[分解能 |解像度]]が13[[ナノメートル]]に達した。<ref name="ASMLの歴史">{{Cite web|title=ASMLの歴史 |url=http://www.asml.com/asml/show.do?lang=JA&ctx=43436&rid=43443 |accessdate=2012-07-20}}</ref>


光学系は[[カール・ツァイス]]が供給し、[[蛍石]]や[[石英]]が[[レンズ]]に使用されている。近年では反射鏡を組み合わせた光学系もある。
光学系は[[カール・ツァイス]]が供給し、[[蛍石]]や[[石英]]が[[レンズ]]に使用されている。近年では反射鏡を組み合わせた光学系もある。
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== 世界シェア・ランキング ==
== 世界シェア・ランキング ==
売上高ベースで2007年のASML露光装置の世界シェアは65%。<ref>http://www.asml.com/asml/show.do?ctx=40715&rid=40723</ref> 1996年は日本の[[ニコン]]が約50%弱、[[キヤノン]]が約25%のシェアを獲得していた。
売上高ベースで2019年のASML露光装置の世界シェアは81.2%である<ref>{{Cite book|title=世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑2019|date=2019年|year=2019年|publisher=グローバルネット株式会社}}</ref>1996年は日本の[[ニコン]]が約50%弱、[[キヤノン]]が約25%のシェアを獲得していた。


2008年の[[半導体・製造装置メーカー売上高ランキング|半導体製造装置メーカーランキング]](VLSI Researchによる)では、[[東京エレクトロン]]を抜き2位に浮上し、<ref>https://www.vlsiresearch.com/public/cms_pdf_upload/pdf_file_1237312663.htm</ref> 2011年の同ランキングでは[[アプライド・マテリアルズ]]を抜き、初めて1位となった。<ref>https://www.vlsiresearch.com/public/cms_pdf_upload/706001v1.0.htm</ref>
2008年の[[半導体・製造装置メーカー売上高ランキング|半導体製造装置メーカーランキング]](VLSI Researchによる)では、[[東京エレクトロン]]を抜き2位に浮上し、<ref>https://www.vlsiresearch.com/public/cms_pdf_upload/pdf_file_1237312663.htm</ref> 2011年の同ランキングでは[[アプライド・マテリアルズ]]を抜き、初めて1位となった。<ref>https://www.vlsiresearch.com/public/cms_pdf_upload/706001v1.0.htm</ref>

2020年9月4日 (金) 02:02時点における版

ASMLホールディング
ASML Holding N.V.
フェルトホーフェンの本社
種類 公開会社
市場情報 EuronextASML
NASDAQ: ASML
本社所在地 オランダの旗 オランダ
5504
De Run 6501, フェルトホーフェン
設立 1984年 (40年前) (1984)
業種 半導体産業
事業内容 半導体露光装置の製造・販売
売上高 増加 56億5103万ユーロ (2011年)[1]
純利益 増加 14億6696万ユーロ (2011年)[1]
総資産 72億6081万ユーロ (2011年)[1]
従業員数 19,216人 (2017年)
外部リンク 公式ウェブサイト
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ASML: ASML Holding N.V.)は、オランダ南部・フェルトホーフェンに本部を置く半導体製造装置メーカーである。半導体露光装置(ステッパーフォトリソグラフィ装置)を販売する世界最大の会社で、16ヶ国に60以上の拠点を有し、世界中の主な半導体メーカーの80%以上がASMLの顧客である。日本法人はエーエスエムエル・ジャパン株式会社ユーロネクスト・アムステルダムNASDAQ上場企業(EuronextASMLNASDAQ: ASML)。

概要

IDMファウンドリなどの半導体メーカーは、ムーアの法則に従い、製造するIC(集積回路)を年々微細化する。ICの製造工程では、30から40回シリコンウェハーに露光するため、露光機の性能がICの性能を左右すると言っても過言ではない。その為、ASMLは継続的に研究開発を行っている[2]

近年の露光機には、光源に紫外線を発するArFエキシマレーザーが使用されており、さらに液浸露光技術が用いられる。2019年には液浸露光装置の解像度が13ナノメートルに達した。[3]

光学系はカール・ツァイスが供給し、蛍石石英レンズに使用されている。近年では反射鏡を組み合わせた光学系もある。

ASMLは液浸の採用によって2003年以降、躍進した[4]。2006年に出荷された「XT:1700i」は45nm世代の量産に向けたArF液浸スキャナーで、光学系の開口数(N.A.)が1.20と、初めてこれまでの限界とされてきた1.00を超えた[4]

世界シェア・ランキング

売上高ベースで2019年のASML露光装置の世界シェアは81.2%である[5]。1996年は日本のニコンが約50%弱、キヤノンが約25%のシェアを獲得していた。

2008年の半導体製造装置メーカーランキング(VLSI Researchによる)では、東京エレクトロンを抜き2位に浮上し、[6] 2011年の同ランキングではアプライド・マテリアルズを抜き、初めて1位となった。[7]

沿革

  • 1984年 フィリップス社とASMインターナショナル社がそれぞれ50%ずつ出資する合弁会社ASM Lithographyとして設立[3]
  • 1988年 スピンオフし独立した企業となり、旧社名の省略形のASMLを社名とする
  • 1995年 アムステルダム証券取引所およびナスダックに上場[3]
  • 2001年 エーエスエムエル・ジャパン株式会社を設立
  • 2004年8月にArF液浸露光装置の第1世代機(試作機)「AT:1150i」出荷
  • 2004年 第2世代機(先行量産機)「XT:1250i」出荷
  • 2004年 第3世代機(量産機)「XT:1400i」出荷
  • 2006年 第4世代機(量産機)「XT:1700i」出荷
  • 2012年 アメリカの同業サイマーを買収[8]
  • 2016年 台湾の漢民微速科技を買収[9]

日本法人

日本法人は「エーエスエムエル・ジャパン株式会社」(ASMLジャパン)で、2001年に設立、東京(御殿山トラストタワー)に本社オフィスを持つほか、北上市鶴岡市四日市市東広島市熊本市長崎市にオフィスを持つ[10]

関連項目

出典

  1. ^ a b c Five-Year Financial Summary in Annual Report 2011”. 2012年7月19日閲覧。
  2. ^ ASMLの半導体技術、「ムーアの法則」維持できるか”. ウォール・ストリート・ジャーナル (2016年10月3日). 2017年1月2日閲覧。
  3. ^ a b c ASMLの歴史”. 2012年7月20日閲覧。
  4. ^ a b F2スキャナーからArF「液浸」スキャナーへの大逆転
  5. ^ 世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑2019. グローバルネット株式会社. (2019年 2019) 
  6. ^ https://www.vlsiresearch.com/public/cms_pdf_upload/pdf_file_1237312663.htm
  7. ^ https://www.vlsiresearch.com/public/cms_pdf_upload/706001v1.0.htm
  8. ^ ASML、半導体向けEUVリソグラフィの開発を促進に向けCymerを買収”. マイナビニュース (2012年10月17日). 2017年1月2日閲覧。
  9. ^ 蘭ASMLが台湾の漢民微測科技を買収へ-約3260億円で”. ブルームバーグ (2016年6月16日). 2017年1月2日閲覧。
  10. ^ Contact information” (英語). ASML Holding N.V.. 2020年7月25日閲覧。

外部リンク