アジアス

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アジアス
Ageas N.V./S.A.
種類 公開会社
市場情報 EuronextAGS
本社所在地 ベルギーの旗 ベルギー
ブリュッセル
設立 1990年(フォルティスグループとして)
2010年(アジアスとして)
業種 金融業
事業内容 保険
代表者 会長:Jozef De Mey
CEO:Bart de Smet
売上高 136億5000万ユーロ(2010年)
純利益 2億2310万ユーロ(2010年)
純資産 98億6900万ユーロ(2010年)
総資産 991億7000万ユーロ(2010年)
従業員数 11710人(2010年)
外部リンク www.ageas.com(英語)
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アジアスAgeas N.V./S.A.)はベルギー最大の保険会社であり、ヨーロッパとアジア地域の15カ国で事業を展開する多国籍企業。2010年4月までフォルティスグループの持株会社フォルティス・ホールディング(Fortis Holding)であったが、世界金融危機から立ち直れずアジアスに再編され、フォルティスグループの保険事業を継承した。ユーロネクスト・ブリュッセルに上場しており、BEL20構成銘柄の一つとなっている。

歴史[編集]

欧州で産業革命が起こっていた時代である。1824年にベルギーの生命保険会社Assurances Générales(現在のAG Insurance)が創業したことをアジアスの起源とする[1]ウィレム1世の許しを得てアムステルダムに設立され、ジャック・コーエン(Jacques Coghen)を総代に迎えた。1830年9月にベルギーが独立すると、やがてコーエンは同国2代目の蔵相となり、1831年7月レオポルド1世から資産運用を託された。AGと国の双方は機関投資家として方々に投資をした。1830年代はイギリスをふくむ欧州各国が利益を求めてアメリカ合衆国へ証券投資を盛んに行ったが、それから第一次世界大戦までアメリカは世界最大の債務国であった。

第二次世界大戦後のベルギーは、軍事・外交にとどまらず経済においても国際化した。AGは1969年に持株会社となった。1971年5月アントウェルペンを拠点とする大手損保セキュリタス(Securitas)を買収しようと、AGはNNグループと買収案を競って勝利した。このときAGでモーリス・フレール(Maurice Frère)が総指揮をとった。モーリスは戦前にパウル・ファン・ゼーラントの後釜として政治を担当、戦中にベルギー国立銀行の総裁となり、1946年に国際決済銀行理事会の長へ登りつめた。

現在[編集]

1990年にAGはオランダのバンカシュアランスであるAMEV/VSBと合併し、フォルティスとなった[2]

合併以降、フォルティスはプライベートバンク投資銀行、アセットマネジメントを中心に事業を拡大、世界中に子会社を設立し、2007年には売上高世界上位20位に入った[3]。同年、フォルティスはイギリスロイヤルバンク・オブ・スコットランドスペインサンタンデール銀行とコンソーシアムを結成し、ABNアムロ銀行を買収、フォルティスはABNアムロ銀行のオランダ部門とアセットマネジメント部門、プライベートバンク部門を獲得した[4]。しかし、リーマン・ショックを発端とした世界金融危機により、フォルティスは経営破綻の危機に陥った[5]。「大きくて潰せない(Too big to fail)」と判断したベネルクス三国政府は112億ユーロでフォルティスの救済を決定[5]、ベルギーとルクセンブルクのリテール部門及びアセットマネジメント部門はBNPパリバに売却され、一方、オランダ部門と保険部門はオランダ政府が国有化し、その後ABNアムロ銀行が継承した[4]

フォルティスの残りの部門--保険事業が主だが不良資産を保有している部門も含む--はフォルティス・ホールディング(Fortis Holding)の名称で再出発した。2010年4月、株主は企業名をFortis HoldingからAgeas N.V./S.A.に変更することを承認、Fortisの商標はBNPパリバに移ることとなった[6]

事業内容[編集]

アジアスはベルギー最大の保険会社であり[6]、AG Insuranceの株式の75%を保有する[7]。保険商品は保険代理人やブローカー、ファイナンシャルプランナー、BNP Paribas Fortis、Banque de La Poste/Bank van De Postの子会社を通して販売されている[8]

アジアスはFortis Insurance Internationalの親会社であり、Fortis Insurance Internationalはイギリスで自動車保険第3位、旅行保険第4位の売上高がある[9]。Fortis Insurance Internationalはまた、フランスドイツトルコウクライナ香港で事業を展開し、ルクセンブルク、イタリアポルトガル中華人民共和国マレーシアインドタイで合弁あるいは共同経営を行っている。加えて、アジアスはRoyal Park Investments―フォルティス時代に組成され、今や不良資産となっている信用リスク関連商品を運用する特別目的事業体(SPV)―の株式45%を保有している[10]

SPVはシャドー・バンキング・システムの典型であったので、アジアスは世界金融危機で大きな損害を受けた。

2018年7月13日アムステルダム控訴裁判所で、アジアスは欧米の投資家に対する15億ドルの損失補償を開始せよと判断された。紛争は元々4つの独立したケースであったが、補償命令は4件全てに対するものである。原告である多くの国際投資家をグラント・アンド・アイゼンホーファー(Grant & Eisenhofer)などの弁護団が代表し、今回の命令を勝ち取った。事件の始まりは世界金融危機でフォルティスがABNアムロを買収したことであった。要は、サブプライムローン証券を抱えるアムロを買収したせいでフォルティス株主が不当な損害を受けたというのであった。[11]

脚注[編集]

  1. ^ History”. Fortis Real Estate. 2010年1月26日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年5月9日閲覧。
  2. ^ History > Precursors”. Ageas. 2011年4月21日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年5月9日閲覧。
  3. ^ “Fortune Global 500 2007: Fortis”. Fortune (CNN Money). (2007年). http://money.cnn.com/magazines/fortune/global500/2007/snapshots/7694.html 2008年9月29日閲覧。 
  4. ^ a b About ABN AMRO”. ABN AMRO. 2010年10月29日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ a b “Deal agreed for Euro bank Fortis”. BBC News Online. (2008年9月29日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/7641132.stm 2010年5月9日閲覧。 
  6. ^ a b Blenkinsop, Philip (2010年3月10日). “Fortis returns to profit in 2009, unveils new name”. ロイター. http://www.reuters.com/article/idUSLDE6280RH20100310 2010年3月27日閲覧。 
  7. ^ Legal Structure”. Ageas (2010年4月30日). 2010年5月24日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年5月9日閲覧。
  8. ^ General Meeting of Shareholders, 28 and 29 April 2010: Speech of Bart De Smet, CEO”. Fortis Holding (2010年4月29日). 2011年7月6日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年10月18日閲覧。
  9. ^ Dey, Iain (2008年9月28日). “B&B and Fortis both in crisis”. タイムズ. http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/banking_and_finance/article4837674.ece 2010年5月9日閲覧。 
  10. ^ Blenkinsop, Philip (2009年5月8日). “BUY OR SELL-Fortis emerges from legal, shareholder battles”. ロイター. http://uk.reuters.com/article/idUKL8104181320090508 2010年5月9日閲覧。 
  11. ^ Grant & Eisenhofer, "Grant & Eisenhofer Announces Fortis Investors to Receive $1.5 Billion in Largest Court-Approved Settlement in European Securities Case", Jul 13, 2018, 14:35 ET

外部リンク[編集]