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レキットベンキーザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レキットベンキーザー: Reckitt Benckiser)は、イギリスロンドン郊外のバークシャー州スラウに本社を置く、トイレタリー分野を中心とした日用品・医薬品・食品メーカー。レキットベンキーザー・グループ(: Reckitt Benckiser Group plc)として、ロンドン証券取引所に上場している(LSERKT)。

歴史

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1999年12月に、イギリスを拠点とするレキット&コールマン社 (Reckitt & Colman plc) と、オランダを拠点とするベンキーザー社 (Benckiser NV.) が合併して発足した。世界約60ヵ国に事業所を置き、200か国以上で製品を販売している[1]

レキット&コールマン社は、1840年Isaac Reckittキングストン・アポン・ハルで創業した。1886年に最初の海外事業所をオーストラリアで開業し、1888年にロンドン証券取引所に株式上場した[1]1938年にマスタードの製造で知られたノリッジJ. & J. Colman社と合併して社名をReckitt & Colman Ltd.に変更し、1994年にヘルスケア企業のSterling Drugを買収するなど事業拡大を続けたが、コールマンの食料品部門は1995年に売却している[1]。ベンキーザー社は、1822年Johann A. Benckiserドイツで工業製品と消費財の生産で創業し[1]1997年に株式上場した[2]

1999年に両社が合併してレキットベンキーザーが発足し、サプライチェーンを再編して成長した。2005年ブーツから鎮痛剤のNurofen、のど飴のStrepsils、面皰治療薬のクレアラシル、それぞれの製造権を得た[3]2010年SSL InternationalからDurexの製造権を得た[4]

セーブ・ザ・チルドレンの有力スポンサーの一つとして知られている[5]

日本法人

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レキットベンキーザー・ジャパン株式会社
Reckitt Benckiser Japan Ltd.
本社が入居する住友不動産高輪パークタワー
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
東京都品川区東五反田三丁目20番14号
住友不動産高輪パークタワー14階
設立 2000年(平成12年)7月
業種 化学
事業内容 自動食器洗い機専用洗剤、ホームケア製品、医薬部外品医薬品の製造・販売
代表者 代表取締役社長 アリソン・ラドフォード
資本金 3億9200万円
純利益 3億9,364万4,000円
(2023年12月期)[6]
総資産 54億5,602万5,000円
(2023年12月期)[6]
従業員数 120名
外部リンク レキットベンキーザー・ジャパン
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概要

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設立当初はエステー化学と販売提携して、脱毛剤『ヴィート』と食器洗い機洗剤『フィニッシュ』の輸入販売を主としていたが、親会社の同業他社買収などで業容を拡大した。

世界各国のレキットベンキーザー社は、漂白剤、住居用洗剤、殺虫剤などトイレタリー製品のほかに、のど飴胃腸薬などOTC医薬品も販売するが、日本市場では後発企業として『ドクター・ショール』や『薬用せっけんミューズ』など他社から買収したブランドを中心として、商品点数が絞られている。

現在はノエビアホールディングスの子会社であるボナンザに販売を委託する『クレアラシル[注釈 1]』を除き、当社による直販体制となっている。

沿革

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  • 2000年7月 - 日本法人設立。
  • 2006年 - ブーツ・ヘルスケアから、ニキビ用の医薬品医薬部外品のブランド「クレアラシル」の事業を買収、日本での発売元となる。
  • 2007年 - 親会社のレキットベンキーザーplcが、アース製薬と業務提携する。アース製薬は、レキットベンキーザー社が世界で展開するハウスホールド製品の日本における包括的独占販売契約を締結した[7]
  • 2008年5月 - 米国P&G(ザ・プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー)が日本で展開する薬用石鹸「ミューズ」の事業承継を合意する[注釈 2]
  • 2008年9月1日 - 薬用石鹸「ミューズ」の販売委託先をアース製薬に変更し、製造はレキットベンキーザーの自社生産へ移行する。
  • 2008年10月31日 - 日本国内における自動食器洗い機専用洗剤「フィニッシュ」、エステー化学(現エステー)との販売業務提携を解消[注釈 3][8]
  • 2008年11月1日 - 自動食器洗い機専用洗剤「フィニッシュ」の日本国内販売元がアース製薬となる。
  • 2010年3月8日 - 世界60か国で発売されている芳香消臭剤「エアーウィック」を発売する。「エアーウィック アイモーション」が主力商品[注釈 4]
  • 2010年6月29日 - 英国レキットベンキーザーplcがSSLインターナショナルを買収したことで、当社はSSLインターナショナルの日本法人であるエスエスエルヘルスケアジャパンを買収した。
  • 2014年2月10日 - 本社所在地を港区芝浦から品川区東五反田に移転し、大井オフィス[注釈 5]と機能を統合する。
  • 2019年12月31日 - 当社の関連企業であるレキットベンキーザー・アジアパシフィック・リミテッドとアース製薬との間で締結していた日本国内での販売における業務提携を契約満了に伴い解消[9]。翌2020年1月1日より「フィニッシュ」と「ミューズ」を当社による直販体制へ移行。

日本で展開しているブランド

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ブランド 英字 発売元 開発国・開発者 製品内容
ヴィート Veet アメリカ合衆国の旗 Hannibal Pharmaceutical Company 女性用除毛・脱毛
クレアラシル Clearasil ボナンザ アメリカ合衆国の旗 アイヴァン・コーム ニキビ治療薬、ニキビ用の薬用化粧品
ミューズ 一時アース製薬より発売 日本の旗 ミツワ石鹸 薬用石鹸
フィニッシュ 一時エステー化学(現・エステー)→アース製薬より発売 自動食器洗い機専用洗剤
エアーウィック Air Wick アース製薬 アメリカ合衆国の旗 エアーウィックカンパニー 芳香消臭剤
ドクター・ショール Dr. Scholl's 一時興和(繊維販売部門)が輸入発売 イギリスの旗 ロンドンインターナショナルグループ フットケア用品、女性向けの手袋・靴下
デュレックス Durex イギリスの旗 SSLインターナショナル コンドーム

脚注

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注釈

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  1. ^ ニキビ治療クリームのみ明治薬品に製造販売を委託している。
  2. ^ レキットベンキーザーへ事業譲渡後も、業務委託契約が終了する2008年8月末までプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(P&Gジャパン)が生産・販売を受託して営業を続けた。
  3. ^ エステー社は同ジャンルのブランド「FRESH-UP(フレッシュアップ)」を製造・販売していたが、2016年9月を以て製造を終了している。
  4. ^ 公式サイトでは日本では未発売だったと主張されているが、1990年代にユニ・チャームに販売権を供与して発売されていたことがある。
  5. ^ 旧SSLヘルスケアジャパン本社

出典

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  1. ^ a b c d About us” (英語). レキットベンキーザー. 2016年10月5日閲覧。
  2. ^ Cooper, Rachel (2013年4月12日). “Ex-Reckitt boss Bart Becht swaps Mr Sheen for coffee” (英語). デイリーテレグラフ (London). http://www.telegraph.co.uk/finance/newsbysector/retailandconsumer/9990589/Ex-Reckitt-boss-Bart-Becht-swaps-Mr-Sheen-for-coffee.html 2016年10月5日閲覧。 
  3. ^ “Reckitt Benckiser buys Boots unit” (英語). BBC. (2005年10月7日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/business/4318088.stm 2016年10月5日閲覧。 
  4. ^ “Durex maker SSL agrees £2.5bn bid from Cillit Bang firm” (英語). BBC. (2010年7月21日). http://www.bbc.co.uk/news/business-10708737 2016年10月5日閲覧。 
  5. ^ Reckitt Benckiser” (英語). セーブ・ザ・チルドレン. 2016年10月5日閲覧。
  6. ^ a b レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 決算公告
  7. ^ レキットベンキーザー社との業務提携に関するお知らせ アース製薬株式会社
  8. ^ 販売業務提携の解消に関するお知らせ エステー株式会社
  9. ^ 業務提携解消に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)アース製薬株式会社、2019年7月1日https://corp.earth.jp/jp/news/2019/pdf/20190701-01.pdf2020年2月21日閲覧 

関連項目

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  • 加湿器殺菌剤事件
  • カリメロ - 元々同社イタリア法人の前身・Mira Lanza社(1988年に旧ベンキーザー社が買収)の衣料用洗剤「AVA」の広告用キャラクターとして考案されたものだった。

外部リンク

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