デマント
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種類 | 公開会社 |
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市場情報 | Nasdaq Nordic DEMANT |
本社所在地 |
![]() 2765 Kongebakken 9, Smørum |
設立 | 1904年 |
業種 | ヘルスケア |
事業内容 | 補聴器、聴覚検査機器の製造販売 |
代表者 | Søren Nielsen(CEO) |
売上高 |
連結:19,705 DKK million (2022年12月期)[1] |
営業利益 |
連結:3,207 DKK million (2022年12月期)[1] |
総資産 |
連結:29,857 DKK million (2022年12月期)[1] |
従業員数 |
連結:20,570人 (2022年12月31日現在)[1] |
決算期 | 12月31日 |
外部リンク | 公式ウェブサイト(英語) |
デマント(デンマーク語: Demant A/S)は、オーティコンやバーナフォンなどの補聴器ブランド、また聴覚検査機器などヘルスケア機器の製造販売を行う多国籍企業。デンマーク首都地域のスメーロム(Smørum)に本社を置き、世界30カ国以上に現地法人を持ち130カ国以上でビジネスを展開。ナスダック・コペンハーゲン上場企業(Nasdaq Nordic DEMANT)。日本法人はデマント・ジャパン株式会社。
沿革[編集]
聴覚障害を持つ妻を助けることに情熱を注いでいたハンス・デマントは、デンマーク生まれのイギリス王妃であるアレクサンドラ・オブ・デンマークが1902年の戴冠式で補聴器を着用していたことを知った後、1904年にオーティコンを設立、アメリカのメーカーであるGeneral Acoustic Companyと契約し同社の補聴器の輸入販売をオーデンセで始めた[2]。1910年のハンスの死後は、息子のウィリアム・デマントが会社を引き継ぎ、1923年に会社をコペンハーゲン近郊に移転し、補聴器のライセンス生産を開始した[2]。第二次世界大戦はアメリカからの輸入を途絶させ苦境に陥ったが、戦後はアメリカの補聴器メーカーCharles Lehmanとデンマークで合弁事業を行うなど復調し、1957年にデマント家が保有していた株式をオーティコン財団に譲渡、1968年に経営幹部がデマント家以外となった[2]。
その後はスイスやノルウェーに現地法人を設立、また1973年にスコットランドに工場を新設するなど海外進出を進め、1983年に持株会社のオーティコン・ホールディングを設立した[2]。1995年1月、スイスの同業バーナフォンを買収し傘下におさめ、同年5月に株式上場企業となり、1997年に企業名をウィリアム・デマント・ホールディングに改め、2000年に聴覚検査機器メーカーのインターアコースティクスを買収し傘下に加えた[2]。2008年にイギリスの聴覚検査機器メーカーのAmplivoxを[3]、続いて2009年にアメリカの聴覚検査機器メーカーのGrason Stadler Inc.を、2015年にはフランスの補聴器ディーラーのAudikaを買収した[4]。2019年に企業名をウィリアム・デマント・ホールディングから現社名に改めた[5]。
2020年、フィリップスとライセンス契約を締結し、フィリップスブランドの補聴器の販売を開始した[6]。2022年に中華人民共和国の大手補聴器ディーラーである声望の株式を段階的に買収し傘下におさめた[7]。
売上別では補聴器関連が約8割、聴覚検査機器が約1割となっている[8]。地域別では、北米とヨーロッパが各4割となっている[8]。

事業展開[編集]
現在、同社は3つの事業部門に注力している。
補聴器事業[編集]
- オーティコン(Oticon)
- バーナフォン(Bernafon)
- ソニックイノベーションズ(Sonic Innovations)
- オーティコンメディカル(Oticon Medical)- 埋め込み型骨導補聴器
- フィリップスヒアリングソリューションズ(PHILIPS)
聴覚ケア・補聴器リテール事業[編集]
- オーディカ(Audika)- オーストラリア、ドイツ、デンマーク、フランス、ハンガリー、イタリア、ニュージーランド、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス
- ヒアリングライフ(Hearing Life)- カナダ、アメリカ
- ヒドゥンヒアリング(Hidden Hearing)- アイルランド、イギリス
- ヒアリングパートナーズ(Hearing Partners)- マレーシア、シンガポール
- アコースティカメディカ(Acoustica Medica)- ギリシャ、ポルトガル
- テレックス(Telex)- ブラジル
- ヴァンボクステル(Van Boxtel)- ルクセンブルク
- イディス(idis)- トルコ
- 声望听力(SWTL)- 中華人民共和国
- 新日本補聴器(Audika)- 日本
聴覚診断装置事業[編集]
- メイコダイアグノスティクス(MAICO)
- インターアコースティクス(Interacoustics)
- アンプリボックス(Amplivox)
- メドレックス(MedRx)
- グラソンシュタドラー(gsi)
パーソナルコミュニケーション事業[編集]
- イーポス(EPOS)- 旧ゼンハイザー・コミュニケーションズ
- フォニックイヤー(Phonic Ear)
日本におけるデマント[編集]
日本では、日本法人「デマント・ジャパン株式会社」(Demant Japan K.K.)が、川崎市にオフィスを置き、デマント傘下の各ブランド製品の製造販売及び輸入販売を行っている。補聴器ではオーティコン、バーナフォン、フィリップスの各ブランドを、医療従事者および専門家向けの聴覚検査装置や補聴器関連機器等ではインターアコースティクス、メイコ、メドレックスを取り扱っている[9]。国内グループ企業にイーポス・ジャパン株式会社、新日本補聴器株式会社(共に親会社が同じである兄弟会社)がある[1]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e “Annual Report 2022” (PDF) (英語). Demant A/S. 2023年6月4日閲覧。
- ^ a b c d e “Our history” (英語). Demant A/S. 2022年6月5日閲覧。
- ^ “Amplivox acquired by Demant A/S” (英語). Crunchbase (2008年10月31日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ “BRIEF-William Demant completes acquisition of 53.9 percent of Audika” (英語). REUTERS (2015年9月30日). 2023年5月5日閲覧。
- ^ “William Demant to Change Name to Demant A/S” (英語). The Hearing Review (2019年2月19日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ “デマント、フィリップスとライセンス契約を締結、フィリップス補聴器が日本初登場”. @Press (2020年1月7日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ “Demant completes acquisition of Sheng Wang in China” (英語). Demant A/S. 2023年6月17日閲覧。
- ^ a b “Annual Report 2021” (PDF) (英語). Demant A/S. 2022年6月5日閲覧。
- ^ “「デマント・ジャパン株式会社」へ社名変更のお知らせ”. デマント・ジャパン株式会社 (2020年7月1日). 2022年6月5日閲覧。
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト(英語)
- オーティコン
- バーナフォン・ジャパン
- フィリップスヒアリングソリューションズ
- ダイアテックカンパニー
- イーポス(英語)
- オーディカグループ(英語)
- 新日本補聴器