悪の教典

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
悪の教典
著者 貴志祐介
発行日 2010年7月30日
発行元 文藝春秋
ジャンル サイコ・ホラー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 上巻 440
下巻 416
公式サイト 文藝春秋特設サイト
コード 上巻 ISBN 978-4-16-329380-6
下巻 ISBN 978-4-16-329520-6
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

悪の教典』(あくのきょうてん・英表記:Lesson of the evil)は、貴志祐介による日本小説作品。サイコキラーという裏の顔を持つ教師が引き起こす事件を描いたサイコ・ホラーである。第1回山田風太郎賞受賞作、第144回直木三十五賞候補作、第32回吉川英治文学新人賞候補作、2011年本屋大賞ノミネート作。

『別册文藝春秋』にて2008年7月号〈276号〉から2010年7月号〈288号〉にかけて連載され、2010年7月30日に文藝春秋よりが刊行された。その後、2011年11月5日に文藝春秋ノベルスよりノベルス版が、2012年8月10日に文春文庫より文庫本が出版され、単行本未収録で書下ろしの掌編『秘密』・『アクノキョウテン』を追加収録された。また、2012年には漫画化映画化された。

物語[編集]

不良生徒、モンスターペアレント学校裏サイト、集団カンニング淫行教師など数々の問題を抱える東京都町田市の私立晨光学院町田高校(実写版では晨光学院高校)に勤める蓮実聖司は、有能で人気者だが、裏では自分に都合の悪い人間を次々と殺害していくサイコキラーであり、一部の生徒や教師から疑われ始めていた。また、蓮実は自分を疑った者や邪魔に思った者を秘密裏に抹殺していた。

修学旅行が終わり、それぞれの生徒が文化祭の準備に勤しんでいた頃、蓮実は邪魔になった女子生徒を自殺にみせかけて始末しようとするが、手順が狂い殺人の嫌疑が掛かりそうになる。蓮実はそれを隠蔽するため、出し物の準備のため校舎に泊り込んでいた担任クラスの生徒全員を、同僚教師の仕業に見せかけて散弾銃で皆殺しにする決意をする。こうして一夜の血塗れの大惨劇が始まった。

登場人物[編集]

「演」は映画版およびスピンオフドラマ(序章)で演じた俳優を示す。なお、原作と実写作品では人物描写が異なる場合がある。

晨光学院町田高校職員[編集]

蓮実 聖司(はすみ せいじ)
演:伊藤英明
主人公。32歳。綽名は「ハスミン」。私立晨光学院町田高校で英語科生活指導部を担当する教師。文系クラスである2年4組の学級担任と、ESS(英会話部)の顧問も務める。女子生徒による親衛隊が出来るほどの絶大な人気を誇り、他の職員やPTAの間でも信頼が厚い。細面の容姿端麗で、英語が堪能。過去の経緯から格闘技ブレイクダンス心理学にも精通している。七国山緑地の老朽化した平屋の日本家屋(借家)で一人暮らし。通勤にはダイハツ・ハイゼットを使っている。
格闘技を含むスポーツもでき頭脳明晰だが、その正体は決定的に他者への共感能力に欠けたサイコパス反社会性人格障害)で、自分にとっての邪魔者は人間、動物問わず躊躇せず簡単に殺害するサイコキラーである。上機嫌になると『三文オペラ』の主題歌「モリタート(殺人物語大道歌)」を口笛で吹く癖がある。文化祭の大量殺人以前にも三十人以上の人間を殺害している。にもかかわらず、警察に捕まらないのは蓮実曰く、同じ手口で殺人を行わないため。
生まれついての天使の様な容貌と、悪魔らしく腹黒い策略家の面を併せ持っており、幼少の頃から凶悪な事件を引き起こしていた。14歳のとき、息子の殺人鬼としての本性を知った両親を強盗の仕業に見せかけて殺害。京都の親類宅に引き取られ、京都大学法学部へ入学するも、わずか1ヶ月で中退しアメリカハーバード大学へ留学。この時知り合ったチェンバースと知り合い、ともに何件もの殺人を明かした。この時に銃器の扱いに精通した。大手投資銀行トレーダーとして才覚を発揮したが、正体を見破られ2年余りで追放される。この時自分を追放したジミー・モルゲンシュテルンを殺すために再びアメリカに舞い戻ることを決意する。その後、教職に就いていた従妹の薦めで「特別免許状」を得て都立高校に教諭として奉職。同高校で起きた、ある事件の後に晨光町田高校へ転任、現在に至る。
教師となったのは自分にとっての「理想の王国」を創るためであり、自己本位で女子生徒を凌辱する事も躊躇わない俗物的な一面もある。目的のためなら手段を問わないものの、自意識過剰で僅かに持っている情に判断を狂わされることもある。片桐怜花からは「自分とは決して相容れる事のない存在」と直感的に見抜かれ、他の教職員の誰よりも恐れられている。
自身の計画が発覚するのを恐れ文化祭前夜に学校に残っていた生徒40人を散弾銃で全員銃殺したと思われたが片桐怜花と夏越雄一郎のみ死体を利用することで生き延びていた。山口卓馬が使用したAEDの使用中に周囲を録音する機能があり、 蓮実が生徒を惨殺する様子が生々しく残されていたため、これが証拠となり言い逃れができなくなり警察に連行されたが連行される際、自分の行った虐殺について、2年4組の生徒たちは全員悪魔にとり憑かれていて、殺すしかなく、それはすべて神の意思だったのだと言い、責任能力不能による無罪を狙って、精神異常者のフリをした。
酒井 宏樹(さかい ひろき)
演:篠井英介
教頭。根っからの小心者。管理教育の権化で責任回避と隠蔽に長けており、蓮実の問題解決能力に全幅の信頼を置いている。愛車は銀色のレクサス・IS
真田 俊平(さなだ しゅんぺい)
演:山中崇
28歳。数学科の教師兼2年3組の担任。軟式テニス部の顧問。スポーツマンらしい長身と少年の様な甘い顔たちの爽やかな印象の熱血漢。生徒達の人気投票では蓮実に次ぐ不動の2番手に位置する。に非常に弱い。愛車は黄色のマツダ・RX-8
「一人も落ちこぼれを作らない」を信念にしており、他の教師には批判的な早水圭介も彼には信頼を寄せていた様である。学校に”影の支配者”が存在することを薄々感じており、それを察知した蓮実に酒酔い運転による人身事故の濡れ衣を着せられ、免職となり学校を去った。原作のラストでは片桐怜花、夏越雄一郎と喫茶店で対面する場面が描かれている。
田浦 潤子(たうら じゅんこ)
演:高岡早紀(序章)小島聖(映画版)[1]
養護教諭。緩やかにウェーブした髪とうるんだ瞳を持つ、妖艶な容姿と裏腹に豊かな母性を有した女性。夫は15歳年上で、大企業の部長職に就いている。欲求不満の捌け口に、早水圭介を始めとした男子生徒や蓮実と肉体関係を有している。
実写版では肉体関係の一部や彼女自身の死は省かれている。
水落 聡子(みずおち さとこ)
演:中越典子(序章のみ)
スクールカウンセラー国立大学大学院を卒業したばかりの臨床心理士。経験は浅いものの生真面目で融通が利かない性格の持ち主。ショートカットヘアに薄化粧と清楚な印象の若々しい女性で、蓮実や真田から好意を寄せられている。序章では蓮実を本能的に警戒しており、頻繁に接触するものの心は許していない様子。
園田 勲(そのだ いさお)
演:高杉亘(序章のみ)
体育科教師で空手部の顧問。黒いジャージ姿が常の威圧的な巨漢で、数多ある綽名の一つは「熊殺し」。昔気質の強面で体罰に頼る傾向が強いが、武闘家らしく自他に厳しく情に厚い生徒思いの教師である。体育大学の学生時代、空手道の全国大会で優勝経験がある。片桐怜花からは「暴力を究めるという奇怪な目標のために生き、躊躇わず素手で人を殺す事ができる」と評され、恐れられている教師の一人。惨劇の夜、食中毒で入院する羽目になった猫山に代わって宿直を担当し、蓮実との乱闘の末に殺害される。
柴原 徹朗(しばはら てつろう)
演:山田孝之
体育科の教師兼生活指導部の教員。チンピラが間違って教師になってしまった様な下劣な人物(いわゆるモンスターティーチャー)で、生徒はおろか同僚からも評判は極めて悪い。臙脂のジャージ姿で竹刀を常に携帯しており、下品な内面が滲み出た容貌の持ち主。綽名は「変態マントヒヒ」。蓮実からは「性悪の日本猿」。すぐに暴力に訴えるものの、屈強な園田には媚び諂う等、人間性にも問題がある。女子生徒を脅迫して肉体関係を持とうと目論むが、蓮実に阻止されたため彼を恨んでいる。惨劇の夜に2年4組の生徒らにリンチを受け、その直後に蓮実から身を守る盾にされ、蓮実の謀略により高木が放った矢によって首を射抜かれ殺害される。
実写版では剣道部の顧問。基本的に粗暴な性格であるが、ドラムの演奏が得意な事から一部の生徒に一目置かれており、生徒にジュースを奢る等、面倒見のいい一面も描かれている。惨劇の夜に異変に気づくも、蓮実に隙を見せられ銃殺される。
高塚 陽二(たかつか ようじ)
演:岩原明生
英語科の教師。無類の甘党で、肥満体型。そのため生徒からは「ヘビー・メタボリック」を略して「ヘビメタ」と呼ばれるが、本人はヘヴィメタルの略称だと思って喜んでいる。無類の音楽好きで蓮実に一貫して好意的。趣味のブログで学校絡みの日記を公開している。
釣井 正信(つりい まさのぶ)
演:吹越満
50代半ばの数学科の教師。1970年代に大量採用された所謂「でもしか教師」の中でも最悪の部類に入る教職員。綽名は「ツリー」。冴えない容貌の持ち主で、授業は学級崩壊寸前な上に生徒達から陰湿な嫌がらせを受けている(主犯格の蓼沼将大は1年生の時の受け持ちの生徒)。片桐怜花と蓮実によれば「泥に塗れ沈黙する巨大な」。生徒にほとんど関心を寄せないが、自身の本性を見抜き恐怖する片桐怜花には興味を抱いた。
常に陰鬱な空気を纏っており、痰が絡んだ覇気の欠片も見当たらない関西弁が特徴的だが、実際には危険な本性を隠し持っており、かつて校長の灘森と不倫関係にあった自身の妻を殺害し、自宅の床下に埋めている。それ以来は精神的な疾患に悩まされ、抗うつ薬が手放せない。ある経緯から蓮実の経歴を調べ上げ真実に迫るも、それを察知した蓮実に電車内で自殺に見せかけて殺害される。
実写版では八木沢克也の設定が流用され、物理科の教師でアマチュア無線部の顧問となっており、2年1組の担任も務める。蓮実と頻繁に接触する水落に彼の危険性を知らせる等、原作よりも良心的な性格に変更されている。
猫山 崇(ねこやま たかし)
生物科の専任教師。二枚目俳優のような整った顔立ちだが、小動物の骨格標本作りが趣味で、声と態度が不気味なことから、生徒からは「猫祟り」と呼ばれる。独特のイントネーションが特徴的。片桐怜花曰く「無害かつ無益」。
自らの出城である生物・化学実験室には蓮実がよく出入りしている。本人は気付いていないが、度々蓮実に殺害されかけるも危うく難を逃れている。なお、実写版には登場しない。
堂島 智津子(どうじま ちづこ)
演:池谷のぶえ
国語科の教師。40代後半の小太り。偏狭なまでにジェンダー教育に熱心で、ヒステリックな言動が目立つ。理事長の遠縁に当たり、周囲からは敬遠されている。蓮実を目の敵にしており、中傷ビラを校内で印刷していたほどであったが、彼の謀略により車に撥ねられ重傷を負い、職場復帰の道を絶たれた。
久米 剛毅(くめ たけき)
演:平岳大
美術科の教師。美術部の顧問。長身痩躯の芸術家らしい風貌と超然とした態度から、教職員の中でも異彩を放っている。実家は居酒屋チェーン等を経営する昔からの大地主で資産家。市内に個人所有のマンションが点在しており、都会的な洒落た装いでクレー射撃が趣味。愛車は黒色のポルシェ・ケイマン同性愛者であり生徒の前島雅彦と恋愛関係にあることを蓮実に知られ、それをネタに度々脅迫されマンションや車を提供させられるなど散々食い物にされた挙句、惨劇の夜には犯人に見せかけて殺害される。
灘森 正男(なだもり まさお)
演:岩松了
校長。風貌こそ立派だが、日和見の事なかれ主義者で演説は退屈。かつて釣井の妻と不倫関係にあり、その時の諍いから釣井に弱味を握られている。
その他の教師
  • 大隅 康文 - 数学科の主幹。晨光町田では最も人格者と言われている人物で温厚篤実な性格の持ち主。
  • 北畠 洋子 - 2年5組の担任。40代半ば。英語教師。生徒に人気があるものの気が弱く、男子生徒に厳しく接するのが苦手で蓮実がよく援助する。
  • 桜木 正道 - 2年6組の担任。日本史教師。定年間近のベテラン教師だが、釣井同様の「でもしか」教師で残業は一切しない。女子生徒を好色な眼差しで見ている小心者。
  • 八木沢 克也 - 物理教師。アマチュア無線部の顧問を務める。携帯電話を利用した集団カンニングを防ぐために、酒井教頭の命を受けた蓮実に唆され、違法な妨害電波を校内に流した。
  • 竹本 晋太郎 -30代の化学教師。真田や蓮実の次に若い。オンラインゲーム中毒者で学校では常に眠そうにしている。
  • 広瀬 清造 - 理事長。
  • 小林 真弓 - 音楽教師。
  • 井原 恒 - 古典の教師。春風駘蕩といった穏やかな人物。
  • 牛島 - 剣道部の顧問。

2年4組の生徒[編集]

本項では各メンバーを分割して記述する。

主要生徒[編集]

片桐 怜花(かたぎり れいか)
演:二階堂ふみ
生徒側の主人公。心に影を持つ女子生徒。普段は内向的かつ繊細で引っ込み思案だが、本来は感受性豊かで思いやりある性格の持ち主。容貌はショートボブ髪型の可愛らしい、中村尚志が隠し撮りする程の美少女だが本人に自覚はない。幼い頃から異様に直感が鋭く、他者の潜在的な悪意や本性を読み取る稀有な能力を有する。園田や柴原、釣井はおろか、絶大な人気を誇る担任教師の蓮実の本性も見抜き彼らを警戒している。
クラス内では孤立しており、他の女子生徒の大半から敬遠されている。親友の早水圭介や夏越雄一郎からは密かに好意を抱かれており、彼等とともに蓮実の正体に肉薄する。小学校時代の経験以降、学校や教師に不信感を抱いている。
安原 美彌(やすはら みや)
演:水野絵梨奈
セミロングヘアに瞳が印象的な美少女。蓼沼将大からも一目置かれる程に気性が激しい反面、自罰的で年相応の脆さを抱える。横暴に振る舞う一方で、対人関係に意外と気を遣っている様子である。両親の離婚が原因で大人に対する不信感が根強い。母子家庭で、母親は精神不安定にある。成績は芳しくないものの、頭の回転は速い。
万引きの一件をネタに柴原に肉体関係を迫られていた所を蓮実に救われて以後、彼に篭絡され肉体関係に溺れる。蓮実が「理想の王国」のために手に入れた女子生徒であるが、ふとしたことから彼の犯罪の証拠となるものを見つけてしまったため、邪魔者となり自殺に見せかけて殺害される。しかし、物語の最後で一命を取り留めていたことが判明する。
夏越 雄一郎(なごし ゆういちろう)
演:浅香航大
片桐怜花・早水圭介とは一年生の時のクラスメイトで友人。容貌は小柄でずんぐりとした体型と善良そうな丸顔。温厚篤実な性格の持ち主で基本的に自己主張は控え目。
実際には頭の回転が速く、適応力の高さと状況判断が的確で頼りになる存在。早水圭介とはフットボール同好会からの親友。彼らほどではないものの、蓮実に懐疑的。熱狂的な阪神タイガースファンで、カラオケの定番は六甲おろし(但し、文庫版ではヤクルトスワローズのファン)。演歌が妙に上手い。
惨劇の夜、片桐怜花共々蓮実の犯行を疑いながらも渡会健吾の指揮するグループで籠城作戦を決行する。片桐怜花に想いを寄せるものの、早水圭介と互いへの遠慮から進展には至っていない。
蓼沼 将大(たでぬま まさひろ)
演:KENTA
軽音楽部所属。二学年を仕切るボスである不良。厳つい風貌のボクシング経験者で高い身体能力を持ち、イジメ恐喝、暴力行為を含む悪行の常習犯。
上述の性質から同級生からの評判は悪く、家庭環境が複雑で理解者が少ない為、荒れた言動を繰り返すが根は一途で純粋。高橋柚香とは両想いではあるが、蓼沼自身が女性に奥手な為、進展はしていない。蓮実には危険分子と見なされ、彼の謀略により退学に追い込まれる。バンドを組んでおり、ドラムを担当。バンドメンバーの泉哲也、芹沢理沙子、松井翼とは一年生のときに同じクラスだった。
退学後、文化祭の準備中にバンドメンバーからの誘いを受けたことをきっかけに、かつての母校に潜入。そこで惨劇の夜に巻き込まれる。
実写版では、家庭内暴力による虐待を受けており、生徒の中では最初に蓮見に抹殺されている。
前島 雅彦(まえじま まさひこ)
演:林遣都
美術部所属。華奢で女性的な男子生徒。内向的で意志力に欠けており、蓼沼将大たちからイジメの標的にされ、恐喝に遭っていた。
実は同性愛者で顧問の久米とは恋人関係で相思相愛の仲。成績は芳しくないものの頭は悪いわけではない。イジメられっ子としてクラス内でも孤立気味だが、同級生に嫌われている訳ではなく、特に女子生徒には好感を抱かれている。片桐怜花とも比較的親しい。
実家は個人商店だが、金銭面の管理はしっかりしている様子。高所恐怖症気味。本人に自覚はないが、ホラー向きの特殊メイクが得意。
小野寺 楓子(おのでら ふうこ)
演:夏居瑠奈
2年4組の委員長でクラスの中心的グループ。ESS部員。ショートボブの片桐怜花と似た風貌の美少女で中学時代からの無二の親友。男女を問わず誰からも好かれる明るく社交的な性格とリーダーシップを持つ女生徒。所謂、蓮実教信者の1人で、蓮実が「理想の王国」のために手に入れた女生徒。蓮実の評価では「羊達の群れにいる山羊」。山口卓馬と惹かれあっている。
実写版では、家庭環境に悩んでいる描写がある。

その他の男子生徒[編集]

有馬 透(ありま とおる)
演:磯村洋祐
サッカー部所属。大のイベント好きで、自他ともに認めるお調子者だが状況に応じて判断している。イジメっ子、イジメられっ子に偏見なく自然に接することができる生徒。
伊佐田 直樹(いさだ なおき)
演:宮里駿
野球部所属。基本的に慎重かつ堅実な性格。独特な錆びた声が特徴の少年。成績はそこそこなものの、学校に潜在的に不満を抱いており、早水圭介の集団カンニングに参加した。タバコマイルドセブンを愛用。
泉 哲也(いずみ てつや)
演:武田一馬
軽音楽部所属。長身痩躯、彫りの深い顔たちのミュージシャン然とした風貌の生徒。年の離れた兄の影響で幼少期から洋楽(特にドリーム・シアター)に傾倒しており、蓼沼将大たちとコピーバンド「ドレッド・シアター」を組んでいる。担当のリードギターの実力は賞賛を浴びる程、高い評価を受けている。蓼沼の数少ない理解者でプロのミュージシャンを目指している。芹沢理沙子に好意を抱いている。
加藤 拓人(かとう たくと)
演:荒井敦史
サッカー部所属。蓼沼将大の子分だが、蓼沼や佐々木涼太のようなあからさまな不良として振る舞うのは抵抗がある。明るい性格で男子の輪の中心人物。
木下 聡(きのした さとし)
演:中島広稀
水泳部所属。山口卓馬のグループに所属。女子受けが良く、一年生時は相当モテたものの好みが細かすぎる為、恋人はいない。伊佐田同様、現状への不満から早水圭介の集団カンニングに参加した。
佐々木 涼太(ささき りょうた)
演:鈴木龍之介
蓼沼将大の子分で彼に次いで喧嘩は強い。加藤同様につるんではいるが、心底では蓼沼を嫌っている。蓼沼の退学後、山口卓馬のグループと行動を共にするようなった。将来は家業の土建屋を継ぐものだと本人は思っている。小学校時代に少林寺拳法を習っていたため、運動神経は良い。
塩見 大輔(しおみ だいすけ)
演:横山涼
夏越雄一郎曰く「意識のある間は」常に受験勉強をしているが、渡会健吾や去来川舞には及ばず学年中位をキープしている。中学時代は卓球で都大会の常連だった。五部刈り頭に額縁眼鏡という絶滅危惧種な風貌。
鈴木 章(すずき あきら)
演:竹内寿
テニス部所属。場の空気を読まず無神経な発言をするために、クラスでは浮いた存在の生徒。有馬透とは気の合う友人。
高木 翔(たかぎ かける)
演:西井幸人
アーチェリー部のキャプテンで将来有望のエース。インターハイの団体戦では準優勝、個人戦では優勝するほどの実力を持つ。高校入学からアーチェリー一筋だが、行事にも積極的に参加。男女ともに好意的に接している。一年生の時に同じクラスだった白井さとみとは互いに好意を寄せている。
惨劇の夜に偶然アーチェリー用具一式を所持していたことから、反撃を試みる。実は隠れたヒーロー願望の持ち主。待ち伏せして、矢を放ち、見事目標の首に命中するも、それは柴原であり、確認に出て行った所を蓮実に殺される。
田尻 幸夫(たじり ゆきお)
演:藤原薫
一年生の時、蓼沼将大にイジメられていた目立たない生徒の一人。着任して間もない蓮実が加害者を説得して問題を解決した事から、彼に全幅の信頼を寄せている。アイドルやアニメに関心が強く、B級アイドルのヒットしなかった曲を最後まで歌い切ると願いが叶うと信じている。また、自分自身を存在価値のない人間だと思い込んでおり、パニックに陥るとしばしば現実逃避する。
惨劇の夜、阿部美咲が率いるグループと行動を共にするが、クラスメイト全員が虐殺されても自分だけは生き残りたいと願っていた。
坪内 匠(つぼうち たくみ)
演:堀越光貴
小学校、中学校共に友人も多く、入学直後は積極的で目立つ存在だったものの、蓼沼将大に目を付けられイジメられていた生徒。イジメのトラウマによる恐怖心から不登校気味で、進級してからも保健室登校が続く。
中村 尚志(なかむら ひさし)
演:米本来輝
実家が地元の電気屋で本人も電気オタク。基本的に争いを好まない平和主義者。学校行事では必ずESSや片桐怜花といった美人の女子生徒ばかりを映したビデオ撮影をしており、女子生徒の大半から顰蹙を買っている。柏原亜里に好意を抱いている。
惨劇の夜、渡会健吾の指揮するグループで電気に関する知識を駆使して反撃を試みる。
鳴瀬 修平(なるせ しゅうへい)
演:永瀬匡
バスケットボール部所属。実父の鳴瀬明男は日本で五指に入る大手法律事務所弁護士。教師に対して反抗的で、授業中に暴力を振るった体育教師の園田を訴えようとした。他校の女子に人気があり、合コンに頻繁に参加している。片桐怜花、早水圭介、夏越雄一郎とは一年生時に同じクラスだった。山口卓馬や伊佐田直樹、木下聡たちと仲が良い。
松本 弘(まつもと ひろし)
演:工藤阿須加
テニス部所属。クラス委員で単純で分かりやすい性格な上、優柔不断。「何事もそれなりに」がモットーで交友関係は広く浅い。学校に内心不信感を抱く生徒の一人。集団カンニングに参加している。家族仲は良く、かなりのゲーマー。
山口 卓馬(やまぐち たくま)
演:岸田タツヤ
ラグビー部のエース。長身のスポーツマンで一見強面だが、愛嬌ある一本気な好青年。男子の中心的グループのリーダー格で部活内での人望も厚い。蓼沼将大と並ぶクラスのボス格で、彼とは中学からの腐れ縁かつ犬猿の仲だが、心の底では互いを認めている。小野寺楓子とは両想いで周囲の何人かは気付いている。
惨劇の夜、救助を求めて鳴瀬修平らと共に校舎からの脱出を試みるが、蓮実に遭遇してしまい殺害される。
脇村 肇(わきむら はじめ)
演:秋山遊楽
写真部所属。内気で気弱な性格の持ち主。内臓疾患で体重が90kg以上あることを理由にクラス内でもイジメの標的となっている。また、真面目な生徒からも都合のいい使いっ走り扱いをされている。ただ本人はイジメられているとは考えていないようで、その地位に安住している。動物の飼育と読書、写真撮影が趣味。実家ではペットのハムスターを飼育している。
渡会 健吾(わたらい けんご)
演:尾関陸
渾名は「こぶた」。一年生時から不動の学年トップの座を守っており、進学先に東京大学を希望。
小太りの体躯に似合わない他人を見下す様な鋭い目が特徴。頭の回転は速いものの、自己顕示欲が強く狡猾、嫌味な態度でクラス内での人望は皆無に等しい。可愛い女の子に目がなく、柏原亜里に好意を抱く。蓮実に対する信仰者達を含め同級生の大半を見下しているが、夏越雄一郎の実力は密かに認めている。
惨劇の夜には三つのグループに分かれた生徒たちのうち、一つのグループの指導的立場に立つ。3階に籠城するが、手段を選ばないやり方から夏越雄一郎と口論になる。

その他の女子生徒[編集]

阿部 美咲(あべ みさき)
演:小島藤子
蓮実親衛隊のリーダー格で、親衛隊では唯一のESS部員。気は強いものの、年相応の脆さと無邪気な一面もある。高圧的で男勝りの大柄な女生徒で片桐怜花らクラスの逸れ者を嫌う。狂信的な蓮実教信者の1人で喧嘩っ早い。安原美彌とは親しい間柄でクラス内での発言権は彼女に次ぐ。
惨劇の夜、片桐怜花達の警告を無視してクラスの大半の生徒を引き連れ、蓮実の指示に従い屋上へ向かうが、他の生徒もろとも、彼に惨殺されることとなる。
去来川 舞(いさがわ まい)
演:林さくら
ESS部員で蓮実自慢の美少女コレクションの1人。 常に学年10位をキープしている才色兼備の女生徒。聡明かつ冷静、明るく努力家な少女。大人びた言動で周囲の暴走を制止することも多い。小野寺楓子や片桐怜花とは親しく修学旅行先のホテルのルームメイト。
牛尾 まどか(うしお まどか)
演:神崎れな
ESS部員で蓮実自慢の美少女コレクションの1人。おっとりした癒し系の美少女。かなりの読書通で2歳上の姉の所有している本と合わせて実家の蔵書量は膨大。少女漫画が特に好き。学習塾に週3日は通っており、成績は上位に位置する。
柏原 亜里(かしわばら あり)
演:秋月成美
ESS部員で蓮実自慢の美少女コレクションの1人。黒髪のセミロングヘアに色白の肌の「ミス晨光町田」と言われている学年一の美少女。自身も美貌は自覚している様で学内ではアイドル的人気を誇るが、決して高飛車には振る舞わない。人当たりのいい性格の持ち主で滅多に怒らない。小野寺楓子や高橋柚香と仲がいい。
清田 梨奈(きよた りな)
演:藤井武美
バドミントン部所属。真面目なものの内気で押しに弱い。父親の清田勝史はモンスターペアレントで、親子関係は悪く、梨奈がクラス中から無視されていると学校に訴えるが、それは本人の意思ではなく、父親の一方的な独断での可能性が高い。後に自宅が蓮実の放火による火災で全焼、父親が焼死した事件が切っ掛けで、同級生と打ち解けるほど明るい性格に変貌した。
久保田 菜々(くぼた なな)
演:山本愛莉
剣道部所属で大会優勝候補の一人。剣道二段。冷静沈着だが大多数の生徒同様、蓮実に従順。剣道部以外にも男女共に友人は多い。
佐藤 真優(さとう まゆ)
演:綾乃美花
映画版ではESS所属。蓮実親衛隊の1人だが、阿部美咲と三田彩音ら血の気の多い他生徒に比べて、幾分かは穏やかな性格の持ち主だが、結構大雑把な一面もある。家族関係は良好。
白井 さとみ(しらい さとみ)
演:松岡茉優
剣道部所属で大会優勝候補の一人。剣道二段。奈々とは親友同士で蓮実信奉者の一人。勇猛果敢で比較的真面目で積極的な生徒の部類に入る。高木翔とは両想い。
芹沢 理沙子(せりざわ りさこ)
演:塚田帆南
軽音楽部所属。コピーバンド「ドレッドシアター」の紅一点でキーボードシンセサイザー)担当。中学生の時に吹奏楽部の女子グループでガールズバンドを結成していた。蓼沼将大の数少ない理解者の一人で、泉哲也に好意を抱いている。
高橋 柚香(たかはし ゆずか)
演:菅野莉央
バレーボール部所属。ポニーテールと特徴的な声の持ち主。しっかり者で健気な少女で男女共に人気がある。授業態度も真面目で問題の少ない生徒。芹沢理沙子の友人でバンドメンバーとも親しく、蓼沼将大とは互いに好意を抱く。バンドメンバーを始め、二人の思いを知る者たちは成就させようとしている。
塚原 悠希(つかはら ゆうき)
演:山崎紘菜
バスケットボール部所属。クラスの女子の中では一番太った体型。目立たない男子生徒とも気さくに話す寛容な性格。亜里や林美穂とは友人、片桐怜花とも親しい。実家は美容院で、文化祭の催し物のためにマネキンを提供した。将来は理容師を目指して、専門学校への進学を希望している。蓮実の隠れファンで英語を必死に勉強しているが、成績は良くない。
永井 あゆみ(ながい あゆみ)
演:伊藤沙莉
ダンス同好会所属で放送委員。 声がハスキーボイスで特徴的である。縮毛矯正したセミロングヘアと小柄な体型の女子生徒。噂やゴシップの類が多い芸能リポーター的な存在で口は極めて軽い。支離滅裂な一面もあるが、クラス内の情報通で重宝されている。また、誰にでも自然に接することができる生徒だが、蓮実にとっては「その他大勢の生徒」の一人に過ぎない。
文化祭の準備中に、蓮実と安原美彌の関係を偶然知ってしまい、惨劇の夜の引き金を引いてしまうこととなった。
林 美穂(はやし みほ)
演:藤本七海
水泳部所属。クラスでも行動派でかなり気が強い。男子生徒に特に口うるさく、何かしら不平不満を抱えている。修学旅行を含むイベントでは実行委員に選ばれることが多く、本人も満更でもない。塚原悠希や星田亜衣、吉田桃子と沙織と行動を共にすることが多く、そのグループの仕切り役。
星田 亜衣(ほしだ あい)
演:岸井ゆきの
片桐怜花以上に内気で引っ込み思案、精神面も彼女以上に脆い。クラス内でも滅多に発言しない女生徒で平和主義者だが、時たま核心を突く発言もある。清田梨奈と仲が良く、自身の母親と三人で外食に行く程に親密。お菓子作りが趣味で、将来はパティシエを希望している。
惨劇の夜、渡会健吾が指揮するグループに留まるが、度重なる悲劇に精神が極限状態まで追いつめられる。
三田 彩音(みた あやね)
演:山谷花純
映画版ではESS所属。蓮実親衛隊の1人で学校や休日でグループと行動を共にすることが多い。蓮実に気に入られようと常に媚びているものの勉強は苦手で、本人も勉強に対する努力よりもテレビや友達付き合いの方が優先事項な様子。
横田 沙織(よこた さおり)
演:三浦透子
バドミントン部所属。IDとパスワードが必要な学校裏サイトを運営している、暗く目立たないパソコンオタクの女子生徒。安原美彌同様に親衛隊に近く、保身目的で美彌の子分をやっている。物理が得意。実は他校在籍の彼氏がいるが、知る者はいない。
吉田 桃子(よしだ ももこ)
演:兼尾瑞穂
テニス部所属。陰のある幼顔と豊満な胸を持つ女生徒。目立つことを好まず、授業中でも挙手及び発言は滅多なことではしない。交友関係は狭く深い為、グループ内でも友人と言えるのは数人。内気なところが共感できるのか、片桐怜花とは比較的親しい間柄で交流がある。妹とは喧嘩も多いが仲は良い。ゲームにはまっている。体育教師の柴原と何らかの事情で肉体関係にある。

蓮実の過去に関わる人々[編集]

熊谷 信二郎(くまがい しんじろう)
蓮実の中学一年生時の担任教師。風貌こそ冴えないが、生徒やPTAの信頼も厚い名教師で、ある意味で蓮実の恩師とも言える存在。表面的には模範生にみえる蓮実の本質を見抜き、何かと気に掛けていた。蓮実が中学三年生時に事故死したとされるが、話の流れから恐らく蓮実に殺害されたと思われる。
蓮実 芳夫(はすみ よしお)
演:山口馬木也
蓮実の父親。内科開業医。誠実で道徳意識が高い人物ゆえに、他者への共感能力が欠落した息子の殺人鬼としての本性を知り、蓮実を警察に突き出そうとしたが、その会話を盗聴していた蓮実によって夫婦揃って殺害された。
蓮実 佳子(はすみ けいこ)
演:眞野裕子
蓮実の母親。息子に無償の愛情を注ぐが、その息子に夫婦揃って殺害された。
松崎 みのり(まつざき みのり)
蓮実の従妹で、東京で英語の教職に就いている。アメリカの投資銀行を追放され、フリーターだった当時の蓮実を心配して、アルバイトとして臨時の講師を紹介した。頭が良く美形の蓮実を慕っている。
石田 憂実(いしだ ゆみ)
京都在住期の蓮実の中学三年生時の同級生。鼻ぺちゃで美人とは言い難いが、不思議な愛嬌を持つ少女。
適応障害で成績は芳しくないものの、感受性の鋭さで蓮実の内面の欠落を見抜いてからは、彼にお節介を焼く様になる。学力不足のために高校には進学せず工場で働くが、同僚からサービス残業を押し付けられた上に強姦され自殺。
生前、蓮実に自身の殺害を頼むが、彼が殺すことを躊躇った数少ない人物。彼女の死は蓮実に大きな影響を与えており、安原美彌に無意識に彼女の面影を重ねるようになる。
ジミー・モルゲンシュテルン
アメリカの大手投資銀行「モルゲンシュテルン」社の最高経営責任者。蓮実の犯罪行為に気付き、彼をテロリスト名簿に登録する形でアメリカから追放するなど、特権階級層として絶大な権力を有している。
クレイ・チェンバース
演:JAB
蓮実のハーバード大学在学時期の同級生。長身痩躯の快楽殺人鬼で蓮実に操られる形で犯行を重ねるものの、最終的には蓮実にガソリンを掛けられ自殺として隠蔽される形で殺害された。蓮実曰く「間抜けな男だったが、数少ない友人」と言えた存在。蓮実は彼によって銃器類の扱いを習熟している。
園部 祥子(そのべ しょうこ)
蓮実の前任校である都立高校での受け持ち生徒。頭が良く勇気と行動力を併せ持った女子生徒。三人の同級生と共に蓮実の正体に気付いたため、飛び降り自殺に見せ掛けて殺害された。
佐々木 麻美(ささき あさみ)
短編「秘密」に登場。蓮実の前任校である都立高校での受け持ち生徒。園部祥子ら蓮実に批判的なグループの一人で、親友の栗栖こずえを巻き込まない為に彼女の恋心に釘を刺した。その後、蓮実に殺害されたとみられる。
栗栖 こずえ(くりす こずえ)
短編「秘密」に登場。蓮実の前任校である都立高校での受け持ち生徒。担任の蓮実に淡い恋心を抱く。英語は苦手な様。
葛原 逸子(くずはら いつこ)
蓮実の小学校二年生時の担任。ヒステリーな中年女性で、年齢不相応に利発な蓮実少年を毛嫌いしたため、彼に復讐される。
松島 健太(まつしま けんた)
蓮実の小学校四年生時の隣のクラスの担任。真田に似た風貌の爽やかな男性で少年野球を指導していた。いわゆるスピード狂で暴走運転で事故死。話の流れから恐らく蓮実に殺害されたと思われる。
飯野 竜也(いいの たつや)
蓮実の小学校六年生時の同級生。愛嬌のある肥満体系の少年で蓮実をしのぐクラスの人気者だったが、臨海学校水死に見せかけられて蓮実に殺害された。殺さなくてもよかったと蓮実はやや後悔しており、友人だったと認識している。
寒河江(さがえ)
蓮実の前任校である都立高校の教頭。責任感の強い、いかにも教師然としたタイプの人間。蓮実のシンパ。

その他[編集]

早水 圭介(はやみ けいすけ)
演:染谷将太
理系の2年1組の男子生徒。町田ゼルビアの熱心なサポーター。斜に構えた態度と長身繊細な容姿で女子人気も高いが、本性は素行に問題のある刹那主義の人物であり、皮肉屋な一面もある。成績上位だが退屈を持て余し集団カンニングの首謀者となっている。また、家出常習者で大麻を愛用、渋谷クラブに出入りしている。片桐怜花や夏越雄一郎とは親友同士で、蓮実に不信感を抱いている。頭の回転が速いことは自覚しており、自意識過剰な傾向がある。蓮実の真相に肉薄した故に、彼に校内で拷問された挙句、殺害された。
原作と漫画版において、養護教諭の田浦潤子と肉体関係にある描写があるが、映画版では省かれている。
松井 翼(まつい つばさ)
演:宇治清高
2年2組の男子生徒。蓼沼将大、泉哲也、芹沢理沙子とバンドを組んでいて、ベース担当。高橋柚香とも親しい。
清田 勝史(きよた かつし)
演:滝藤賢一
清田梨奈の父親で、いわゆるモンスターペアレント。勤務先のスーパーマーケットでは副店長だが、実質的に苦情処理係を押し付けられており、その鬱憤を晴らすかのように度々学校に足を運んでは「娘がイジメられている」と担任の蓮実にしつこく詰め寄る。芝居がかった怒り方が特徴的。ヘビースモーカー。蓮実によって放火魔の犯行に見せ掛けて自宅に放火され、殺害される。
フギン & ムニン
毎朝、蓮実の家の庭に来るカラス北欧神話の主神オーディンの眷属・フギンとムニンに因んで蓮実が名付けた。安眠を妨害された怒った蓮実に一匹が感電死させられ、もう一匹は目が白く混濁しており相棒を失った恨みから蓮実を見張っている。
ジャスミン
蓮実が安原美彌と密会する、久米所有の高級マンションで飼われているネコ
山崎(やまざき)
蓮実の家の2軒隣に住む大家。飼い犬の「モモ」がいつも蓮実に吠えかかるため、怒った蓮実により大量のタマネギを含んだハンバーグ餌付けされ、タマネギ中毒となり死亡した。
下鶴(しもづる)
演:矢島健一
所轄警察署生活安全課刑事。早水圭介とは知り合い。かつて都立高校の4人の生徒が連続自殺した一件で蓮実を疑っており、上司の意向を無視して捜査を継続したことで、本庁刑事部捜査第一課から左遷させられた。
増渕(ますぶち)
捜査第一課の刑事。優秀だがやや傲慢な性格。
釣井景子(つりい けいこ)
演:中越典子(序章のみ)
釣井正信の妻だが、釣井には愛想を尽かしていたようで、灘森正男と不倫関係にあった。その後不倫がばれた灘森は釣井に対して謝罪したが、景子自身は逆にふてくされた態度で開き直ったため、逆上した釣井に殺害される。遺体は釣井と灘森の手によって自宅の床下に埋められた。

書誌情報[編集]

漫画[編集]

good!アフタヌーン』(講談社)にて、2012年3月7日発売の21号に序章・第0話が掲載され、同年5月7日発売の22号より連載が開始された。作画担当は烏山英司。内容は原作をほぼ忠実に再現されている。

単行本[編集]

映画[編集]

悪の教典 アクノキョウテン
LESSON OF THE EVIL
監督 三池崇史
脚本 三池崇史
原作 貴志祐介
製作 市川南
臼井央
東幸司
坂美佐子
森徹
製作総指揮 山内章弘
出演者 伊藤英明
二階堂ふみ
染谷将太
林遣都
浅香航大
水野絵梨奈
KENTA
山田孝之
平岳大
吹越満
音楽 遠藤浩二
主題歌 THE SECOND from EXILETHINK 'BOUT IT!
撮影 北信康
編集 山下健治
製作会社 東宝映画
OLM
配給 東宝
公開 日本の旗 2012年11月10日
上映時間 128分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 23.4億円[2]
テンプレートを表示

2012年11月10日東宝系で公開のバイオレンス・ホラー映画。監督は三池崇史、主演は伊藤英明[3]R15+指定。

TOHOシネマズ日劇他全国309スクリーンで公開され、2012年11月10、11日の初日2日間で興収2億9,894万5,000円、動員21万5,059人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第2位となった[4]。ラストに『TO BE CONTINUED』(続く)と出るのは、監督の三池崇史が原作やパンフレットでも続編を作りたいと語っているためであり、原作者の貴志祐介もパンフレットにて続きを書きたいと語っている。

キャッチコピー[編集]

  • まるで出席を取るみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。
  • クラス全員、皆殺し。

キャスト[編集]

主な配役は登場人物の節を参照。登場人物の節に記述されていない配役については以下の通り。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

劇中歌[編集]

ロケ地[編集]

原作との相違点[編集]

原作小説と映画版および後述のスピンオフドラマとの相違点を示す。

  • 酒井宏樹、真田俊平、堂島千津子ら他の教師陣が原作ほど深く描かれていないため、真田と堂島のエピソードは省略されている。また、猫山崇が映画版・「序章」を通して一切登場せず、園田勲、水落聡子、高塚陽二は「序章」のみに登場。
  • 田浦潤子と早水圭介の性交シーンはカットされている。映画版で二人の性交を匂わせるシーンの撮影は行われておりBlu-ray/DVD エクセレント・エディションの未公開シーン集に収録されているが、本編ではカットされている。
  • 水落聡子が映画に登場しないため、蓮見と女性的な前島について相談するエピソードがカットされている(「序章」には暴力的な蓼沼について相談する酷似したシーンが登場する。そのために映画版では前島が蓼沼や加藤、佐々木に脅迫されている設定が無くなった)。
  • 釣井正信の設定が映画・「序章」に一切登場しない八木沢克也の設定を流用(数学科→物理科/アマチュア無線部顧問)していて、関西弁→標準語に変更。
  • 原作では早水のみ失踪するが、映画では早水に加えて蓼沼将大も失踪する。そのため、校内での殺戮シーンには一切登場せず、代わりに柴原徹朗がドラムの腕を披露するシーンがある。
  • 蓮見と安原との性交シーンは原作ほど細かく描かれていない。また、原作で無かった前島と久米の性交シーンは描かれている。
  • 京都修学旅行のエピソードはカットされている。そのために寒河江が登場しない。
  • 原作には無かった釣井と圭介の対話シーンが随所に追加されている。
  • 蓮実の幼少期・小学時代・中学時代のエピソードが全て省略され、蓮実の人生に影響を与えた熊谷信二郎、石田憂実が登場しない(熊谷は名前のみ登場)。また、蓮実が安原美彌の殺害シーンでは蓮実が躊躇する場面が無く、より蓮実の狂気が前面に押し出されている。
  • 蓮実の前任高の名称が原作では「都立**高校」と伏せられていたが、映画では「都立北原高校」に変更。
  • 蓮見が圭介を殺害前に校内で発見するシーンが、原作は田浦との性交後の夕方に保健室から抜け出し、盗聴器を探すエピソードだったのに対し、映画では釣井が首吊り自殺したことを受けた緊急全校集会の時間中に抜け出し、クラスで盗聴器を探すエピソードに変更。また、圭介の遺体を処分する場所が校内から郊外の森林へ変更(蓼沼も同様の手口で処分される)
  • 清田梨奈は原作では修学旅行時には学校へ復帰していたが、映画版では文化祭当日に復帰している。
  • 園田勲は原作では文化祭の宿直だったが、映画版では柴原が宿直で、園田自身も「序章」のみの登場だったため蓮実に殺されること無く生き延びている。
  • 高木翔はあくまでも白井さとみを守るために行動を起こしたため、原作で見られた翔の異常なまでのヒーロー願望は見られなかった。また、蓮実との対決前に既に柴原は銃殺されていたため、翔の放った矢が蓮実の弾丸に当たって逸れた為蓮実に命中させる事が出来なかった、という描写に変更されている。
  • ラストシーンが原作では真田俊平と片桐怜花、夏越雄一郎の喫茶店での対話シーンだったのに対し、映画版では真田がさほど深く描かれなかったためか美彌が息を吹き返すシーンで物語は終わる。

エピソード[編集]

  • 本作と『その夜の侍』『のぼうの城』の3作品での演技により、山田孝之第34回ヨコハマ映画祭助演男優賞を受賞している[6]
  • アイドルグループAKB48の大島優子は本作の上映会イベントにて凄惨な描写に動揺して耐え切れなくなり、上映途中で中座して「(命を軽んじる)この作品は嫌い」と評した。後日、上映中に取り乱した事を侘び、再鑑賞した上で再び「嫌いです」との評を述べている。
  • 早見圭介役の染谷将太と蓮見聖司役の伊藤英明は2014年5月公開の『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜』で共演している。

Blu-ray / DVD[編集]

2013年5月24日発売。発売元は電通、販売元は東宝。

  • 悪の教典 スタンダード・エディション(1枚組)
    • 映像特典
      • 『悪の教典』特報・劇場予告編・TVスポット集・プロモーション映像
      • BeeTVドラマ『悪の教典 -序章-』予告編・TVスポット集・映画-序章スペシャルCM・劇場CM・序章プロモーション映像
    • 音声特典
      • オーディオコメンタリー(二階堂ふみ×染谷将太×浅香航大)
  • 悪の教典 EXCELLENT EDITION(2枚組)
    • ディスク1:本編ディスク
      • 映像特典
        • DVD版:卒業場面集&作品トリビア表示モード(メニューから卒業した(殺害された)生徒達の名前・プロフィール、作品トリビアを選択すると該当シーンが再生される)
        • Blu-ray版:卒業生リスト&作品トリビア表示モード(本編再生中に卒業した(殺害された)生徒達の名前・プロフィールと作品トリビアを表示)
        • 『悪の教典』特報・劇場予告編・TVスポット集・プロモーション映像
        • BeeTVドラマ『悪の教典 -序章-』予告編・TVスポット集・映画-序章スペシャルCM・劇場CM・序章プロモーション映像
      • 音声特典
        • オーディオコメンタリー(スタンダード・エディションと同様)
    • ディスク2:特典ディスク(Blu-ray版はBlu-ray、DVD版はDVDで収録)
      • メイキング 悪の45日間、完全密着
      • 未公開シーン集
      • インタビュー集(伊藤英明 / 二階堂ふみ / 染谷将太 / 監督・脚本:三池崇史)
      • 宣伝キャンペーン集(映画&BeeTV W完成披露試写会、トークショー付き試写会(ビルボードライブ東京)、女子高生試写会、第7回ローマ国際映画祭、大ヒット御礼舞台挨拶)
      • 公開直前特番
      • キャスト・スタッフプロフィール集
      • ギャラリー集(イメージボード集、絵コンテ集)
    • 封入特典
      • 悪の教典 卒業記念アルバム(24P)
    • 特製アウターケース付きデジパック仕様

スピンオフドラマ[編集]

悪の教典-序章-』は先述の映画公開に先駆け、2012年10月15日よりBeeTVとdマーケット VIDEOストアにて配信された全4話からなるスピンオフドラマ。 また、10月19日にはDVDがリリースされた。三池崇史が監修、野本史生が監督を務めた。この作品では映画版の約3ヶ月前を描き、小説に収録されているストーリーを基に構成したオリジナルストーリーである。映画公開と配信が重なっていた時期には「特別授業」と題し、DVD未収録のプロモーション映像が公開されていた。

キャッチコピー[編集]

  • あなたは、本当の悪を知る。
  • 大殺戮前夜を描くもうひとつの悪の教典

キャスト[編集]

  • 蓮実聖司 - 伊藤英明
  • 水落聡子 / 釣井景子 - 中越典子
  • 灘森正男 - 岩松了
  • 園田勲 - 高杉亘
  • 田浦潤子 - 高岡早紀
  • 釣井正信 - 吹越満

スタッフ[編集]

  • 原作:貴志祐介(文藝春秋刊)
  • 音楽:遠藤浩二
  • 監修:三池崇史
  • 監督:野本史生
  • 脚本:渡辺千穂
  • 主題歌:THE SECOND from EXILE「THINK 'BOUT IT!」
  • 製作:柳崎芳夫
  • プロデュース:冨久尾俊之
  • プロデューサー:臼井央・東幸司・坂美佐子・森徹
  • 宣伝プロデューサー:小熊隆弘・原祐樹
  • 製作プロダクション:東宝・東宝映画・OLM
  • 製作・著作:BeeTV

サブタイトル[編集]

※括弧内とサブタイトルは配信時の表記であるため、DVDには表記されていない。

各話 配信日 サブタイトル
#1
(第1話)
2012年10月15日 理想の教師
#2
(第2話)
2012年10月21日 予兆
#3
(第3話)
2012年10月29日 疑惑
#4
(第4話)
2012年11月5日 潜む悪

特典映像[編集]

セルDVD
  • 『悪の教典-序章-』メイキング映像
  • 『悪の教典-序章-』BeeTV予告編
  • 映画『悪の教典』プロモーション映像
レンタルDVD
  • 映画『悪の教典』予告編
  • 映画『悪の教典』プロモーション映像

イベント・アトラクション[編集]

エンターテイメント集団WonderQ主催が映画公開を記念して2012年11月3日(土/祝)から同年11月25日(日)まで神奈川県川崎市川崎区に所在する複合商業施設ラ チッタデッラ内の特設(室内)会場で開催されていた。R15+作品を基にしていたため過激な表現もあったが、14歳以下でも保護者同伴(別料金)での参加を許可していた。

リアル悪の教典ゲーム〜恐怖の頭脳改革〜[編集]

映画と世界観を同じくする空間に閉じ込められた仲間と協力し、様々なミッションや謎解きをクリアして、制限時間がくるまで生きのびることを目指す、体験型謎解き(サイコホラー)ゲームである。場所は晨光学院南高校という架空の学校で行われた学園祭をテーマとしている。

あらすじ[編集]

特設会場内にひとりのサイコ・キラーが潜んでいた。犯人に拉致された友人の救出を訴える学生。次の瞬間、暗闇と化した室内に頭蓋を砕く鈍い音が響き渡った。サイコ・キラーの計略をくぐり抜け、生きのびることができるだろうか。

リアル悪の教典ゲーム〜恐怖の頭脳改革〜街伝[編集]

映画の世界観の中で、ラ チッタデッラ内に仕掛けられた様々な罠や謎を解きながら、不審者の足取りを追い、真相を突き止める事を目指す、体験型謎解き(サイコホラー)ゲームである。また、ゲーム序盤は無料で参加可能だった。

あらすじ[編集]

「ラ チッタデッラ」の周囲では、モリタートを口笛で吹きながら歩き回る不審者の目撃情報が相次いでいた。不審者の足取りを追っているという学生に協力して、「ラ チッタデッラ」周囲の捜索を始める。現れては消える足跡。輪郭の定まらない影。街中に仕掛けられた危険な罠。不審者の足取りを追い、その目的を突き止めることができるだろうか。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Blu-ray/DVD エクセレント・エディション封入特典の卒業記念アルバムに同一人物として掲載されている。
  2. ^ 2012年度(平成24年)興収10億円以上番組日本映画製作者連盟 2013年1月30日発表
  3. ^ 「悪の教典」 伊藤英明×三池崇史監督で映画化”. 読売新聞 (2012年3月6日). 2012年4月2日閲覧。
  4. ^ 『のぼうの城』勢い衰えずV2!過激なR15作品『悪の教典』は2位初登場!シネマトゥデイ 2012年11月13日
  5. ^ 劇中には、デスクに国語の教科書と『新世界より』の単行本が置かれている。
  6. ^ 第34回ヨコハマ映画祭 日本映画個人賞”. ヨコハマ映画祭. 2012年12月8日閲覧。

外部リンク[編集]