劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI

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劇場版ポケットモンスター
結晶塔の帝王 ENTEI
Pokémon 3: The Movie
Spell of the Unown
監督 湯山邦彦
脚本 首藤剛志
園田英樹
製作 吉川兆二
松追由香子
盛武源
製作総指揮 久保雅一
川口孝司
出演者 松本梨香
大谷育江
飯塚雅弓
上田祐司
竹中直人
薬丸裕英
加藤あい
山寺宏一
音楽 宮崎慎二
主題歌 「虹がうまれた日」森公美子
撮影 白井久男
編集 辺見俊夫
伊藤裕
配給 東宝
公開 日本の旗 2000年7月8日
上映時間 70分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 48億5000万円
前作 劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕
次作 劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇
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劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI』(げきじょうばんポケットモンスター けっしょうとうのていおう エンテイ)は、2000年7月8日から公開されたテレビアニメポケットモンスター』の劇場版第3作である。同時上映作品は『ピチューとピカチュウ』。興行収入48億5000万円。

日本版英題は「Lord of the "UNKNOWN" Tower」。当初タイトルは「結晶塔の帝王」のみだったが、後にアンノーンを用いてENTEIと追加された。

概要[編集]

本作品で焦点が当てられたのは、ゲーム中でも謎めいた存在として登場したポケモン「アンノーン」である。この作品におけるアンノーンは、1人の孤独な少女に力を与え、彼女だけの理想を実現する夢のパワーを与える存在である。アンノーンの力で父親役である「エンテイ」を手に入れ、架空の母としてサトシのママを誘拐し、彼女が望むことは全て実現されていく。

こうして、アンノーンが生み出す夢により現実を完全に遮断し、閉じられた世界で心の傷を癒すミーだったが、ママの救助にやって来たサトシら現実の存在と対決することになり、最終的には「夢の世界」と決別することを決意。アンノーンの力は再封印されることになる。

アンノーンと少女の理想が作り出す幻想や主要キャラクターの満遍ない活躍、親子の絆など様々な魅力が詰まった本作は劇場版第1・2作の脚本を手がけた首藤剛志、本作以降の劇場版作品の脚本を手がけることとなる園田英樹の合作脚本であり、本作以前と本作以降の個性を絶妙に取り入れた劇場版ポケットモンスターのある意味集合体的な脚本の作品である。

劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ』では、異空間の存在として僅かながらアンノーンが劇場版で再び登場する。

『劇場版 ポケットモンスターミュウツーの逆襲』以来タケシがレギュラーとして復帰し、2010年の『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール 幻影の覇者ゾロアーク』まで登場する。

園田英樹と共同ではあるが、首藤剛志がポケモン映画の脚本を書いた最後の作品である。

前作同様、全米でも『Pokémon 3: The Movie』として2001年4月6日に全米2750館で公開された。

幻の第3作[編集]

実は本作以前に首藤が半年をかけて作ったプロット、もう一つの劇場版ポケットモンスター第3作の存在があった。それは劇場版第1作の「自己存在」、第2作の「共存」に続く「自分の生きている世界は何なのか?」というものである。ちなみに、このプロットはかつて首藤が執筆したアニメ小説版『ポケットモンスター The Animation』で明かされた世界観の元で書かれている[1]

物語は、人間とポケモン以外の動物がいないはずのアニメポケモンの世界で、ティラノサウルスの化石が発見されるという事件から始まる。この発見にポケモン学会は大騒ぎになり、やがて学者達は自分達の住む世界に何か秘密があるのではと疑問を抱き始める。しかし例のティラノサウルスの化石に意思が宿り、動き始め暴走してしまう。サトシ達やロケット団、世界中の人間やポケモン達がティラノサウルスを食い止めようとする。ラストでティラノサウルスはとある場所で動かなくなり、人々は「一体あれはなんだったのか」「自分達の住む世界は、一体どんな世界なんだろう」と視聴者に問題を投げかける形で幕を閉じる。

あらすじ[編集]

美しい高原の街「グリーンフィールド」に父親のシュリーと共に暮らすミーという少女がいた。

ある日、父親が遺跡の調査中に行方不明となった。父親が残した奇妙なカードをミーが並び替えた時、謎のポケモン「アンノーン」と共にエンテイが現れた。

一方、サトシたちも旅の途中で「グリーンフィールド」を訪れていた。突如グリーンフィールドがクリスタルで囲まれたことに困惑するサトシ達の前にエンテイが現れ、偶然現場に居合わせたサトシの母親を連れ去ってしまう。

サトシは母親を救うため仲間と共にグリーンフィールドの中心に出来た結晶塔へ向かう。

登場人物・キャスト[編集]

レギュラーキャラクター[編集]

詳細は個別記事かアニメ版ポケットモンスターの登場人物を参照。

サトシ
- 松本梨香
本作の主人公。ポケモンマスターを目指す少年。ミーとは親の関係で知り合いである。
ピカチュウ
声 - 大谷育江
サトシの最初のポケモン。
カスミ
声 - 飯塚雅弓
サトシと旅をする水ポケモントレーナーである少女。
タケシ
声 - 上田祐司
サトシと旅をするポケモンブリーダーである少年。
トゲピー
声 - こおろぎさとみ
カスミのポケモン。
ムサシ
声 - 林原めぐみ
ロケット団の女性団員。コジロウとニャースと共にサトシ達を追って結晶塔に潜入する。
コジロウ
声 - 三木眞一郎
ロケット団の男性団員。
ニャース
声 - 犬山犬子
ロケット団の一員。2足歩行して人間の言葉を喋る珍しいポケモン。
ソーナンス
声 - 上田祐司
ムサシのポケモン。
サトシのポケモン達
リザードン
声 - 三木眞一郎
サトシのポケモン。サトシと別れリザフィックバレーで修行をしていたがサトシのピンチを知り結晶塔に飛来する。
チコリータ
声 - かないみか
ヒノアラシ
声 - 上田祐司
ワニノコ
声 - 西村ちなみ
フシギダネ
声 - 林原めぐみ
ヨルノズク
声 - 上田祐司
カスミのポケモン
ヒトデマン
声 - 三木眞一郎
ニョロゾ
声 - 三木眞一郎
トサキント
声 - 大谷育江
タケシのポケモン
ズバット
声 - 三木眞一郎
ロコン
声 - 愛河里花子
イワーク
声 - 石塚運昇
ナレーション
声 - 石塚運昇

ゲストキャラクター[編集]

ミー(ミー・スノードン)
声 - 矢島晶子
本作のゲストヒロイン。グリーンフィールド出身の5歳の少女。大きな屋敷に住むお嬢様で、サトシとは親の関係で面識がある。
父親であるシュリー博士をとても慕っているが、研究のため多忙であまり長く家には居られないことを寂しがっている。
父親が調査中にいなくなったことで悲しさを堪えきれず、その心が父親の発見した石版の力と共鳴してアンノーンを呼び寄せ、エンテイを生み出して彼をパパと思い込み、街全体を結晶で包み込み、結晶塔を作り上げてしまう。サトシの説得で外の世界の素晴らしさを知り、自身の願いを止める。
アンノーンの力により自在に外見年齢を変えることができ、幼いためにしたくてもできなかったポケモンバトルをサトシ達に挑む(ただし使うポケモンは全て空想の産物である)。
名前の由来は英語の自分を指す「I」・「MY」・「ME」から来ている。ちなみにアイは、『ミュウツーの逆襲』に登場する少女の名前で使用されている[2]
エンディングでシュリー博士が連れてきた女性については、本作のフィルムコミックでは病気で入院していたミーの母親という記述がある。しかし、映画内ではその事は明確に語られておらず、顔は意図的に見えないように描写されている。
10歳のミー
カスミと戦う際に登場。5歳のミーがそのまま大きくなったような姿。
使用ポケモン
キングドラ
カスミのトサキントと対戦。
マンタイン
声 - 小西克幸
カスミのヒトデマンと対戦。
18歳のミー
タケシと戦う際に登場。耳にはアンノーンの目のようなピアスをつけている。
使用ポケモン
モココ
タケシのズバットと対戦。
ヒメグマ
タケシのロコンと対戦。
ゴマゾウ
タケシのイワークと対戦。
アンノーン
今作の事件の元凶となったポケモン。多数の個体が登場。ミーの空想を実体化させ、エンテイや結晶塔などを創り出す。終盤で自分たちの力を制御できなくなり、暴走する。
エンテイ
声 - 竹中直人
伝説と伝えられるポケモン。本物ではなくアンノーンの力とミーの空想により生み出された存在だが、ミーはこのエンテイを「エンテイになって帰って来たパパ」として見ており、エンテイ自身もミーの父親だと思っている。ミーの願いを叶えることを1番にしており、「ママが欲しい」と言ったためにハナコをさらう。最後はアンノーンの暴走を食い止め、消滅する。それと共に結晶化した街も元通りになった。
シュリー博士(シュリー・スノードン)
声 - 竹中直人
ミーの父親。オーキド博士の元教え子の科学者で博士曰く優秀な生徒。ハナコとも旧知の仲で、若い頃の彼女に勉強を教えていた。サトシの家の冷蔵庫には若かりし頃の彼とハナコとオーキド博士の3人で写ったものと、博士の家族とハナコとサトシとオーキド博士が写った写真が貼られている。多忙ながらも可能な限り娘ミーと遊んでおりエンテイが好きなミーを喜ばすためにエンテイの真似をするなど、優しい父親でもある。
遺跡の調査中にアンノーンの空間に巻き込まれ行方不明となるが、エンディングで無事に帰された事が判明する。ミーの母親である妻も戻り、家族で仲良く暮らしている。
リン
声 - 加藤あい
赤いバンダナがトレードマークの若い女性トレーナー。サトシ達がグリーンフィールドに行く途中で出会った。サトシとバトルをした後、サトシ達に同行しグリーンフィールドに向かい異変を目撃する。後にハナコを救出しに行こうとするサトシにポケギアを貸すなどサポート面で協力する。
手持ちポケモン
エイパム
声 - 小桜エツ子
リンのパートナー。サトシとのバトルではヨルノズクと対戦し、敗北する。
グランブル
サトシのワニノコと対戦。みずでっぽうで敗北。
マンキー
サトシとのバトルではヒノアラシと対戦、かえんほうしゃで敗北。
キリンリキ
サトシとのバトルではチコリータと対戦、サイケこうせんで勝利。
バタフリー
サトシのフシギダネをねむりごなで眠らせ、かぜおこしで勝利。
ヌオー
サトシのピカチュウと対戦。電気技が効かないため優位に立つも、ブランコの勢いに乗ったピカチュウの激突で敗北。
ジョン
声 - 薬丸裕英
シュリー博士の助手。調査に同行するが、シュリー博士が行方不明になり、彼が発見した石版をミーの家に持ってくるが、それが結果的にグリーンフィールドの事件のきっかけとなってしまう。
デイビット
声 - 山寺宏一
ミーの家の執事。ミーの異変をとても心配していた。
カメラマン、リポーター
声 - 坂口候一沢海陽子
グリーンフィールドの異変を取材するテレビ局のスタッフ達。

その他[編集]

詳細は個別記事かアニメ版ポケットモンスターの登場人物を参照。

オーキド博士
声 - 石塚運昇
ポケモン学界の権威。シュリー博士は彼の元教え子である。
ハナコ
声 - 豊島まさみ
サトシの母親。シュリー博士とは少女時代からの知り合いでミーとも面識がある。
ケンジ
声 - 関智一
オーキド博士の助手である少年。序盤にのみ登場する。
ジョーイ
声 - 白石文子
ジュンサー
声 - 西村ちなみ

スタッフ[編集]

NHK子会社であるNHKエンタープライズ21が製作スタッフに名を連ねている[1]

  • 作画監督 - 佐藤誠樹

原画[編集]

魂のサーファーの生産 松島有康 澤井郁介 野中正久 小杉淑和 山岸智洋

  • 動画チェック: 永井桂勝, 谷垣宏美

動画[編集]

魂のサーファーの生産 佐藤正一 池平好里 入好智美

  • 色彩設計: 小上英則, 梅岡勇修
  • 檢査: 江川大徳, 森上千靖, 三宅健浩, 諏訪部厚和, 鶴岡総郎
  • 色指定: 塚本哲太郎
  • デジタルコンポジット 遠藤太奈, 若本徳美, 河野正路
  • 3DCGI デザイナー 鈴木亜恵, 山縣康隆, 羽多野渉彩, 楠田俊博, 中村裕道, 渡辺明良, 堀澤昌和, 並木聡真
  • CGI監督 - 伊藤直一, 塚本貴卓
  • 視覚効果アーティスト - 小川勝典, 久高浩清, 池田史靖, 富田和裕, 是枝晶, 帯田宗男
  • キャラクター デザイナー - 神谷智弘, 熊田晶, 谷口明子, 坂本浩二, 亀井佳子
  • モーションキャプチャプロデューサー - 広瀬省一, 吉田克己, 吉岡肇, 松岡昌史

CGIアニメーション協力[編集]

ハルマゲドン 向山勤 冨永千津子 佐野政和 岡田茂 渋谷和久 ワシントンスクエアスタジオ 高橋智子 福山清輝 田村恵一郎

馬ささやきメディア ・ ラボ 池原誠一 渡部マリ 安食かおる 八木政敏 ゴジラ特撮 清水貴之 野田正博 田村千宏

R&D スタッフ協力[編集]

馬ささやきメディア ・ ラボ ゴジラ特撮

  • デジタル チェック アシスタント 小藤淳男, 相嶋晃嘉, 大久橋雄郎
  • VFX アニメーション スタッフ 私の人生これまでのアニメーション (沢谷正子, 吉島勝子, 池田寛助, 村山新介), デュース ヴィンテージキノアラーム男性ジゴロプロダクション (烏山一妃, 大村政子, 新藤大依

主題歌[編集]

オープニングテーマ「OK! 2000
作詞 - 戸田昭吾 / 作曲・編曲 - たなかひろかず / 歌 - 松本梨香
歴代シリーズの中で唯一劇場用OPテーマのフルバージョンで使用された。
エンディングテーマ「虹がうまれた日」
作詞 - 戸田昭吾 / 作曲 - たなかひろかず / 編曲 - 鳥山雄司 / 歌 - 森公美子

映像ソフト化[編集]

  • 本編のDVDは2001年7月7日発売。
  • 映画10周年を記念して発売された「劇場版ポケットモンスター PIKACHU THE MOVIE BOX 1998-2002」に収録されている。

受賞歴[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 外部リンクの「シナリオえーだば創作術」第209・210・211回を参照。
  2. ^ 「シナリオえーだば創作術」第181回「『ミュウツーの逆襲』前夜」の記述より。

外部リンク[編集]