劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲

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劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(げきじょうばんポケットモンスター ミュウツーのぎゃくしゅう)は、1998年7月18日から公開されたテレビアニメポケットモンスター』の劇場版第1作目である。同時上映作品は『ピカチュウのなつやすみ』。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] あらすじ

幻のポケモン・ミュウのマツゲを元に、悪の組織により戦闘能力などを強化し人工的に作られたポケモンミュウツーは、人工的に造られたという不純な生立ちから自身の存在意義を見出せずに答えなき自問自答に苦しんでいた。

そして組織への裏切りをきっかけに、ポケモンを統制するシステムへの反発や自分を利用するためだけに作り出した人間たちへの憎しみから、人類に対して逆襲を始める。

[編集] 概要

本作品は日本公開の劇場版作品であるが、使用されたシナリオは全貌の一部であったため、誕生して間もない頃のミュウツーを描いたラジオドラマを収録したCDミュウツーの誕生』とラジオドラマのストーリーを追加し劇場公開版の所々をCGへ差し替えた特別編のビデオミュウツーの逆襲 完全版』が発売された。また、その後に発売されたLD及びDVD版はこの完全版が収録されている。

  • 初期版:エンディングテロップにおいて、アニメーション製作:OLMの下に「TEAM OTA」の表記あり。
  • 完全版(初期DVD版):「ミュウツーの誕生」の追加とCG処理を施した全米公開用バージョン。
  • 現行版(再放送でも使用中):エンディングテロップのフォントが、影つきの太いゴシック体

ポケモン映画としてはただのバトルをして悪玉を倒すという単純な構造に終わらない「自分と言うものの存在意義」という重いテーマを抱えた作品であり、哲学的な考えがこめられている。しかし、明確な答えを伝えるわけではなく、ポケットモンスターに関わらず生物に対しての考えを深めることができる作品と言える。

子供向けのアニメには内容の簡単なものが多いという一般的なアニメ認識の中で、国民的アニメになりつつあったポケモンの劇場版アニメが辛辣なミュウツーの存在と主人公の不鮮明ながら確かな思いの生み出すシリアスな終盤を描いたのは衝撃的であった。しかし、生物や命と個性に対して膨大な世界をもつポケモンの劇場版としては、素材を活かした脚本であるとの評価が高い。本作に「哲学的表現」が多いためか、後に続く劇場版シリーズも子供向けといえるポケモンの映画にしては少し重いものが多い。

本作の続編のテレビスペシャル『ポケットモンスター ミュウツー! 我ハココニ在リ』が放送され、こちらもビデオ版・DVD版が発売されている。

制作費は3億5000万円[1]。日本国内の観客動員数は650万人を記録し、国内興収は75.4億円、配給収入は41.5億円を記録した(1998年邦画興行成績第2位)。また、本作は全世界で公開されており、1999年11月12日アメリカで『Pokémon The First Movie』として全米約3000の映画館で公開、興行収入8000万ドルを記録し、「日本映画初の週間興行ランキング初登場第1位」[2]という偉業を成し遂げている。この記録は未だに国内作品では破られていない。また、アメリカでの初日の興行収入は1010万ドルで、アメリカにおける日本映画の興行収入記録であった『Shall we ダンス?』の950万ドルを初日のみで更新している[3]

[編集] 登場人物・キャスト

[編集] レギュラーキャラクター

詳細は個別記事かポケットモンスター (アニメ)の登場人物を参照。

サトシ
本作の主人公。海賊風トレーナーに勝利したことで前途有望なポケモントレーナーと見込まれ、最強のポケモントレーナーと名乗る謎の人物から招待を受けポケモン城へと向かう。
ピカチュウ
サトシの最初のポケモン。終盤で重要な役割を果たす。
カスミ
サトシと一緒に旅をしている少女。予告編では少し成長した後の彼女と思われる少女が出ている。
タケシ
サトシと一緒に旅をしているポケモンブリーダーである少年。
トゲピー
カスミが所持するポケモン。1998年時点ではまだ発売前の「ポケットモンスター 金・銀」に出る新ポケモンの1体。
ムサシ
ロケット団の一員。コジロウやニャースとともにサトシ達の後を追い、ポケモン城に潜入する。
コジロウ
ロケット団の一員。
ニャース
ロケット団の一員。2足歩行して人間の言葉を喋るポケモン。

[編集] 本作にのみ登場する人物

ウミオ
ポケモン城に招待されたポケモントレーナーの1人。水ポケモンの使い手で、手持ちポケモンはギャラドスニドクインドククラゲシャワーズなど。ソラオ、スイートに比べると性格は熱血的。
ソラオ
ポケモン城に招待されたポケモントレーナーの1人。自然系のポケモンを使う。手持ちポケモンはピジョットフシギバナストライクサワムラーサンドパンサイホーン
スイート
ポケモン城に招待されたポケモントレーナーの少女。可愛らしいポケモンを多く使う。手持ちポケモンはジュゴンプクリンカメックスギャロップキュウコンラフレシア
ボイジャー
港育ちのため海のことはよく知っており、波止場を仕切っている。映画の特報映像では、何故か少し成長したカスミ(と思われる少女)と小さな少女(本編には未登場)と一緒に手をつないで歩いている。
海賊風トレーナー
序盤にサトシとポケモンバトルをする。使用ポケモンはドンファンカイリキーなど。

[編集] ゲストポケモン

ミュウツー
ミュウの遺伝子で作られたポケモン。自らの存在意義に悩み、自問自答を繰り返し続けた果てに自分を生みだした人間への逆襲を画策しようとする。強大な超能力を持ち、天候や人の心を操りテレパシーで会話する。生まれた経緯などはゲーム中のものと近いが、性格はゲームのように凶暴ではなく、哀しい過去と高度な悩みを抱えるためかどこか虚無的で哀しげな雰囲気を持つ。
ミュウ
世界で最も珍しいと言われている幻のポケモン。ミュウツーの気配を感じポケモン城に向かう。

[編集] その他

サカキ
ロケット団のボス。ミュウツーを使って世界征服をしようとするが、彼が脱走したため失敗する。
ジュンサー
女性警察官。嵐のために渡し舟が欠航したことをトレーナー達に伝える。
ジョーイ
行方不明になっているポケモンセンターの女医。
フジ博士(ドクトル・フジ)
事故で死んだ愛娘を生き返らせるために遺伝子の研究をしている科学者。その過程でミュウツーを生み出すが、彼が暴走して研究所を破壊したため、行方不明となる(原作でのフジ博士は「フジ老人」として存命なので生きている可能性もあるが、フジ老人はアニメで登場したことがない)。
アイツー
ミュウツーの誕生」(ラジオドラマ版)と「ミュウツーの逆襲 完全版」に登場。事故死したフジ博士の娘アイのコピー。正確にはアイの意識のデータを集めたもので、人間の目には光の集まりに見える。幼い頃のミュウツーとコンタクトを取り、彼と仲良くなってアイの記憶を使い世の中のことを教えるが、直後に寿命を迎えコピーポケモン共々消滅する。
ちなみにアイの名前の由来は、英語で言う自分を指す「I」という単語から来ている。
完全版にのみ登場。フジ博士の妻でアイの母親。死んだ娘を復活させようと躍起になる夫に娘が帰ってくるわけではないと諭すが、それでも幻影ばかり追いかける彼についていけず、結婚指輪をおいて去った。

[編集] 備考

  • 特報映像では、『ポケットにファンタジー』がBGMで流れ、少し大人になったカスミ(と思われる少女)と、本作に登場しているボイジャーと小さな少女(劇中未登場)が登場する。他にも映画本編には出てこないシーンもある。特報映像の最後には「劇場版ポケットモンスターは過激な映像表現はおさえて製作いたします。」と、テロップが表示された(1997年ポケモンショックによる配慮と思われる)。
  • ポケモンの映画化は以前から計画があったものの、1997年のポケモンショックにより計画が一時危ぶまれた。しかし、放送再開後もポケモンの人気は衰えておらず、その劇場版公開を待ち望む声は高かった。
  • この映画の序盤で、ミュウツーがシゲルのポケモンとジム戦を行っているシーンがあるが、TVアニメ版の第63話でも同じシーンが使われている。また、ロケット団の施設を破壊し逃走するシーンもアニメで使われているため、TVアニメとは話がリンクしていることが伺える。

[編集] スタッフ

  • 原案:田尻智
  • スーパーバイザー:石原恒和
  • アニメーション監修:小田部羊一
  • エグゼクティブプロデューサー:久保雅一、川口孝司
  • プロデューサー:吉川兆二、五十嵐智之、森武源
  • アソシエイトプロデューサー:三浦卓嗣、石川博、山内克仁、香山哲、紀伊高明、吉田紀之
  • アニメーションプロデューサー:奥野敏聡、神田修吉
  • 脚本:首藤剛志
  • 絵コンテ:湯山邦彦、横田和
  • 演出:日高政光、井硲清高
  • 演出補佐:村田和也
  • 演出助手:谷野篤、斎藤徳明
  • キャラクターデザイン・総作画監督:一石小百合
  • デザイン協力:そうま竜也、ゴトウマサユキ
  • 作画監督:松原徳弘、山田俊也、浅野文彰、柳田義明藤森雅也、高橋英吉、福本勝、志村泉
  • 動画チェック:榎本富士香、斎藤徳明、原鐵夫
  • 色彩設計:吉野記通
  • 色指定:岡田初美、中島淑子、小川志保
  • 検査:堀内由美、服部真依、水谷靖子、増田真由美、中島淑子、四俣理香
  • 特殊効果:太田憲之、中島正之
  • 美術監督:金村勝義
  • 撮影監督:白井久男
  • 編集:ジェイフィルム(辺見俊夫、伊藤裕)
  • 現像:イマジカ
  • 音楽:宮崎慎二たなかひろかず
  • 原曲:増田順一
  • 音楽プロデューサー:斎藤裕二、吉田隆
  • 音響監督:三間雅文
  • 音響プロデューサー:南沢道義、中村明子
  • 制作担当:太田昌二、小坂橋司
  • 制作デスク:岩佐岳
  • 制作進行:宮下徹、平本正志、都丸美由紀、北村直人、重野幸紀
  • 制作協力:亜細亜堂
  • 制作:小学館プロダクション
  • アニメーション制作:OLM
  • 監督:湯山邦彦
  • 製作:河井常吉、富山幹太郎、坂本健、宮川鑛一、福田年秀、河村秀文、ピカチュウプロジェクト98

[編集] 主題歌

[編集] 関連作品

CD「ポケモン サウンドピクチャーボックス ミュウツーの誕生
CD2枚組のサウンドトラック。1999年2月12日発売。
漫画「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」
映画公開に先駆け月刊コロコロコミックにて「電撃!ピカチュウ」の作者おのとしひろ氏が執筆した漫画版。ミュウツーに関するエピソードがメインとなっていてサトシ達がミュウツーの招待した島に向かうまでが綴られている。また、劇場版と違い、フジ博士がロケット団の命令に逆らいきれなくなったため、ミュウツーに自分ごと研究所を破壊させたことになっている。上記のようにこの話は途中でストーリーが中断され、「続きは劇場で」と言った終わり方となっている。そのためか、現在でも単行本化されていない。
ポケットモンスター ミュウツー! 我ハココニ在リ』(Pokémon: Mewtwo Returns
『ミュウツーの逆襲』の続編にあたる物語。2000年12月30日にテレビで放送され、好反響を得たためその後2001年8月29日にDVDで発売された。

[編集] 脚注

  1. ^ [1]、ZAKZAK、1997年11月。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  2. ^ 【ポケモン映画全米制覇】、Fuji News.com、1999年11月18日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  3. ^ スポニチメール 1999年11月14日(インターネット・アーカイブのキャッシュ)

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク