多重人格探偵サイコ

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多重人格探偵サイコ
ジャンル サスペンスサイコスリラーSF
漫画
原作・原案など 大塚英志
作画 田島昭宇
出版社 角川書店
掲載誌 月刊少年エース
コミックチャージ
ヤングエース
レーベル 角川コミックス・エース
発表号 1997年2月号 - 連載中
巻数 既刊20巻(2014年7月時点)
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多重人格探偵サイコ MPD PSYCHO』(たじゅうじんかくたんていサイコ)は、原作:大塚英志、作画:田島昭宇による漫画作品。及び、それを原作とした小説テレビドラマ新劇作品。 

概要[編集]

恋人が猟奇殺人犯の被害に遭い、そのショックから多重人格者となった元刑事が、次々と起こる猟奇殺人事件の謎を追う」という設定でスタートしたショッキング・サスペンス漫画。

連載開始は『月刊少年エース』(角川書店)1997年2月号であるが、長期の中断を経て2007年8月より同社の青年誌『コミックチャージ』に移籍。2009年1月の同誌休刊後は同年7月に発刊した後継誌『ヤングエース』で連載されている。単行本の累計売上は900万部。

この作品の特徴は、漫画で描かれていない部分を小説で描くなどしている点である。また、意図的に設定に矛盾や食い違いが生じるようにしてある[1]

第1話で主人公の恋人の女性が、両手両足を切断された状態で宅配便で箱詰めして届けられるという描写がある。これを見た角川書店の役員が印刷機を止め、当初1997年1月号から連載が始まる予定が2月号からになるというアクシデントで始まった。また、猟奇殺人を描き、リアルな死体描写、グロテスクで残酷な描写が特徴。

その描写ゆえ2006年に茨城県[2]、2007年に香川県[3]岩手県[4]で、2008年に福島県[5]大分県[6]長崎県[7]青少年保護育成条例に基づく有害図書に指定されている。

あらすじ[編集]

刑事・小林洋介が恋人の復讐のために猟奇殺人犯を殺害したのがきっかけで現れた人格・雨宮一彦は探偵になった。その後雨宮は何人もの猟奇殺人犯に関わることになるが、殺人犯たちの左眼には一様にバーコードの痣があり、雨宮自身の左眼にも同じものがあった。そして雨宮は事件の背後にある巨大な陰謀と自身の正体を知ることになる。

登場人物[編集]

久保田拓也(くぼた たくや)
本編前半の主人公「雨宮一彦/西園伸二」の肉体。
戸籍上の名前は「小林洋介」。これは幼い頃、雨宮診療所で大量殺人事件が起こった時、救出される際に小林洋介と名乗った(小林洋介の人格と入れ替わった)ためである。アメリカと結託する科学者グループ「学窓(ガクソ)」が雨宮診療所において「プログラム人格」(人工知能、人工意識)に関する人体実験を行っていた際に実験体として使用された人物である。物語の途中でジャンボ機ハイジャック事件に巻き込まれ、学窓の工作員によって射殺された。学窓の実験のサンプルだという証拠であり、特殊な記録装置であるバーコードのついた左目の持ち主の一人。
小林 洋介(こばやし ようすけ)
雨宮一彦になる前の主人格。警視庁捜査一課11係の刑事。自分が多重人格者であることに気づかなかった。恋人の千鶴子が猟奇殺人犯の島津寿によって両手両足を切断され、復讐のために彼を追うが、島津に自分が千鶴子の生命維持装置を切ったことを知られ、感情の爆発ゆえ人格が消滅。雨宮一彦の人格が現れる。
雨宮 一彦(あまみや かずひこ)
小林洋介消滅後の主人格。本作の主人公。戸籍名・小林洋介として警視庁で猟奇殺人犯のプロファイリングに従事。連続バラバラ殺人事件の捜査過程で犯人・島津寿に恋人の千鶴子が襲われ両手両足を切断されたショックで小林の人格が消滅したことにより現れた。自分の過去の記憶が無い。極めて理性的で冷静な性格で、常に無表情。別人格である西園伸二による島津寿殺害の罪を被って刑務所で服役。出所後は、そのプロファイリング能力に目をつけた伊園磨知に雇われ「伊園犯罪研究所」に勤めることになる。
その正体は、20年前の雨宮診療所で科学者グループ「学窓」により作られたプログラム人格。他人へ人格を転移することができ、後にハイジャック事件の時、伊園美和が西園伸二から雨宮一彦の人格を奪い取り、最終的に西園弖虎に転移。弖虎に転移してからは主人格である西園伸二の裏に隠され、ほとんど現れなくなってしまう。学窓が最も重要視する存在。
西園 伸二(にしぞの しんじ)
小林洋介に内在する別人格。任意に出現できる。小林洋介の恋人・千鶴子を襲い両手両足を切断した猟奇殺人犯・島津寿と対峙した時に現れた。凶悪かつ凶暴な人格で、頻繁に雨宮一彦の人格と入れ替わり、独自の行動をとる。
雨宮が覚醒する前は、元の主人格である小林洋介を巧みに利用して、「多重人格探偵」として何でも屋まがいな事や、犯罪者になる欲望を持つ人間に犯罪者になるよう"背中を押す"仕事を生業としていた。
自分が生きるために必要な人格である雨宮一彦の人格を取り戻すため西園弖虎と決闘するが、その最中、学窓の工作員に撃たれて小林洋介の肉体とともに死亡。
西園 弖虎(にしぞの てとら)
本編後半の主人公。科学者グループ「学窓」が作り出した殺人マシンの少年。学窓により造られた第2世代の実験サンプル。左目の眼球に「LUC-Y」のシリアルコードがある。凶暴・凶悪な西園伸二の人格を有し、自らの人格を他人に転移することができる人格転移などの特殊な能力を持つ。学窓に命を握られ操られていた時期もあったが、ある出来事をきっかけに自らの意志で行動するようになり、学窓に造反、敵対関係となる。雨宮一彦の人格を美和から預かり各方面から狙われる。正体は学窓が生み出した「ルーシー・モノストーン」の片割れ、「XY」。
西園伸二(にしぞの しんじ)
現在の弖虎の主人格。殺人マシン。
雨宮一彦(あまみや かずひこ)
伊園美和から譲り受けた。現在は弖虎の中で眠っている。
伊園 磨知(いその まち)
精神科医。自分が雨宮一彦であると主張する小林洋介の治療を担当していた。科捜研でプロファイリングの研究に従事していたが、雨宮のプロファイリング能力を見出し、雨宮の出所に合わせる形で警察を退職して私設の犯罪研究所を開設、雨宮を研究員として受け入れる。精神科だけでなく法医学の単位も持つ。実は、「学窓」が雨宮一彦の監視役として作ったプログラム人格であった。
学窓のメンバーである主人格“伊園若女”として覚醒した後、雨宮一彦の人格を巡り西園弖虎と対立する事になる。
伊園 若女(いその わかな)
伊園磨知の主人格。ルーシー・モノストーンの娘。学窓のメンバー。
伊園・アリワン・美和(いその・アリワン・みわ)
磨知の異母姉妹の妹。女子高校生。右目の眼球に「LUC-XX」のシリアルコードがある。実は「学窓」が生み出した「ルーシー・モノストーン」の片割れ「XX」でルーシー・モノストーンの魂を復元するために必要なデータの半分を持つ実験サンプル。擬似人格を植え込んで他人を操る特殊な能力を持つ。学窓の意図に反して雨宮一彦の人格と自身のXXの人格を補完するためハイジャック事件を起こすが、人格転移に失敗して、そのショックから現在は植物状態。伊園若女のスペア。
笹山 徹(ささやま とおる)
警視庁捜査一課11係(猟奇犯専門)の係長の刑事で雨宮一彦(小林洋介)の元上司。
雨宮一彦の服役後も、雨宮のことを心配して何かと伊園犯罪研究所に顔を出していた。最初はとぼけた脇役だったが、舞台を去った雨宮の代わりに事件の真実を突きとめる大きな役割を担うことになる。
常に脇役に位置し、誰も救えず何も変えれず、しかしそれ故に常に生き残り真実を見つめ続ける宿命を背負っている。
主人公ではないが、「多重人格探偵サイコ」という作品は「笹山徹サーガ」と呼ばれる大塚のライフワークの一環である。
渡久地 菊夫(とぐち きくお)
フリーのジャーナリストでありカメラマン。左目に眼帯をしている。
雨宮たちの周りに起きる事件を嗅ぎ回っている。学窓と繋がりがあり、学窓の指示で雨宮を監視していた。最後は自暴自棄になり、過剰な自己顕示欲から都庁ジャックを決行し無差別大量殺人を犯すが、全一に銃で撃たれて死亡。
鈴木 早苗
同級生と思われる女子高校生たちにいじめられていた少女。渡久地に見出され加害者を殺された上で彼の共犯にさせられる。
最終的には西園弖虎により殺される。
本田 千鶴子(ほんだ ちづこ)
小林洋介の恋人。島津寿により両手両足を切断される。最終的には、小林洋介が生命維持装置を止めて死亡。実はバーコードのついた左目の持ち主。
ルーシー・モノストーン
この物語の全編を通して神秘的に描かれるすべての始まりとなったキーパーソンであり、プログラム人格・雨宮一彦の元となっている人物。1960年代から70年代にかけてアメリカの若者たちの間で熱狂的に支持されたアーティストかつテロリスト。カリスマ的な存在であったが、1972年に南米のある教会で信者たちとともに集団自殺した。「学窓」が学術的探究心からその「魂」の再生を試みている。
学窓がバーコード所持者によるプロジェクトを通して研究しているのは、「死の衝動」を増幅させ他人への感応までも試みることのようだが、研究の第一ステップがこの集団自殺だった。
※集団自殺により死亡したルーシーはダミーとの噂もある。

学窓(ガクソ)[編集]

全一(ぜんいつ)
「学窓」の工作員。
バーコード殺人者たち=学窓の実験のサンプルを管理し、場合によっては処分する仕事に従事しており、また、学窓のプロジェクトの後始末や隠蔽工作も担当している。学窓の科学技術によって四股を切断されても数週間で再生する能力を持つ怪物。あらゆる人物に変装することもできる。人間の常識を超えた超人的な身体能力を持つ怪人物。
御恵 てう(みめぐみ てう)
「学窓」のメンバー。以前の名は、アーヴィング。
全一の「ママ」で、全一を手駒として使っている。現在は「ジョークマン」と名乗り駐日アメリカ大使を務める。
雨宮一彦(あまみや かずひこ)
プログラム人格「雨宮一彦」の元となったオリジナルの雨宮一彦。
二十数年前の雨宮診療所事件で御恵てうに助け出される。学窓の実験船で「完全な雨宮一彦」になるべく西園弖虎の人格「西園伸二」を奪おうとするが、弖虎によって人格崩壊プログラムを転移させられ、死亡。
雨宮教授
「学窓」の重鎮。
プログラム人格「雨宮一彦」を監視させるために弟子の伊園若女を「伊園摩知」に変身させて潜入させていたが、プロジェクトの再開のために若女を呼び戻した。
キャンディマン
「学窓」のメンバー。
鬼干潟と学窓のパイプ役。人工声帯をつけてスピーカーで声を発している。弖虎を傀儡として暗躍していたが、弖虎の造反の煽りを受け、喉を銃で撃ち抜かれ死亡。
伊園若女(いその わかな)
伊園摩知の正体。「学窓」のメンバー。

政府関係者[編集]

清水 義秋(しみず よしあき)
保守系政界の重鎮。アメリカと結託し日本人たちを人体実験の実験台にしている「学窓」を敵視しており、アメリカおよび学窓の陰謀を阻止しようとしている。
鬼干潟 龍夫(おにひがた たつお)
初登場時は法務大臣。現在は総理大臣に就任。自身の政治的野望のために様々な陰謀をめぐらし、「学窓」とも手を結ぶ。鬼頭によって瀕死の重傷を負わされるが、スペアである鬼頭の内臓を移植することで一命を取り留める。しかしその臓器は放射線を浴びていた。

警察[編集]

鬼頭日明(きとう あきら)
警視庁公安四課キャリア。鬼干潟のスペア。
磨知の元恋人。鬼干潟の指示で雨宮一彦を要注意人物として監視していた。自分が鬼干潟の臓器移植用のスペアとして作られたという真実を知らされ、西園弖虎と協力関係を結んで六本木ヒルズで鬼干潟を襲撃し、死亡。
襲撃前に原子力発電所の放射線を浴び、計画が失敗しても鬼干潟を殺せる二重の作戦を強いていた。
天馬うらん(てんま うらん)
笹山の新しい部下。
当初は笹山を監視する為に仕向けられた学窓のスパイだったが、今では笹山を支える側に回っている。
犬山 犬彦(いぬやま いぬひこ)
新宿警察署の刑事。儀式殺人事件において所轄の担当刑事として笹山と知り合う。以前から独自に肩甲骨の奇形=“羽根”をもつ殺人者を追跡、独自捜査をしていた。
一見関連性のない殺人事件に見えても、“羽根”をもつ殺人者たちの背後に何かがあると考えていた。
彼自身が羽根を持つ人間であり、ルーシー・モノストーン、もしくは学窓と何らかの関連を持つことが疑われる。
朝顔(あさがお)
SATの隊長。実は「学窓」の工作員。
ハイジャック事件終盤に登場。西園弖虎の回収が目的だった。西園伸二(久保田拓也)を射殺する。西園弖虎回収の為に彼に近寄るが、弖虎に銃で額を撃ち抜かれ、あっさり死亡。

バーコード殺人者[編集]

島津 寿(しまづ ひさし)
猟奇殺人犯。連続バラバラ殺人事件の犯人。
テレビで見た小林洋介に興味を持ち、小林洋介の恋人、本田千鶴子の両手両足を切断した張本人。
千鶴子を切り刻んだのは、テレビで見た小林洋介(久保田拓也)に自分と近い何か(恐らくは西園伸二の人格)を感じとり、本性を暴いてやろうと思ったから。事件を起こしていたのも明確な理由は無く、単純な欲望からだった様子。
後に伊園若女の手下だった事が判明。以前、自分のスペアに命を狙われたが、返り討ちにして殺している。その後、小林に追い詰められるも、最期は覚醒した西園に額を撃ち抜かれ、死亡。
田辺友代(たなべ ともよ)
OL。カニバリズム連続殺人事件の犯人。
次々と男性を殺害し、死体から切り取った人肉を調理して食べていた。
(雨宮は彼女が「拒食症か過食症、食事制限を受けているかも知れない」というプロファイリングをした)
劇中、彼女の言っていた山羊とは、恐らく彼女によって殺害された被害者の事だと思われる。容疑者として逮捕されるが、直後に舌に隠していたカミソリで首を切り、自殺。
上野達(うえの すぐる)
建築デザイナー。フラワー殺人事件の犯人。
ルーシー・モノストーンに心酔しており、自らが手がけた店に「フラワーチルドレン」という、ルーシーに由来した名前をつける程。自称、ルーシーのムーブメントに遅れてきた青年。
女性の頭を切開して花を植えつけるフラワー殺人事件を起こし、関係を持った女性を拉致して次々と殺害していた。そして、証拠隠滅の為に自身が手がけ、住んでいたマンションを爆破。
その後、関係のあった村田清(久保田拓也)と接触するも、覚醒した西園に気絶させられ、後に全一に引き取られ、被害者と同じ姿で殺害される。
三週間後ほどに変わり果てた彼の死体が発見された。スペアがいたが、後に何者かに殺される。
一説によると上野の左目にはバーコードはなかったともされる。
梅見屋明夫(うめみや あきお)
通称「ナニワの愉快犯」。
西園に犯罪のアイデアを出して貰い、自分とまったく同じ顔を持つ二人の手下に実行させていた。
手下のうち一人は身代わりで死刑執行され、もう一人は西園を襲うが鬼頭に喉を撃ち抜かれた後自爆、梅見屋本人も全一に射殺される。彼のスペアは、後のハイジャック事件で射殺される。
ミシェル・パートナー
FBI捜査官。
レオン・モリスンという殺人犯を追っていたが、実は「学窓」の工作員で、自分で割り出した容疑者を自分で殺害していた殺人者ハンターだった。西園弖虎に手傷を負わされ、全一に射殺される。
ルーシー7
少年たちによる殺人集団。
一人は犯行時の不手際で自爆、残る四人はミシェルに殺され、リーダー格のショウコと、彼らと合流する前に逮捕された「七人目」は弖虎に転移された負荷に耐えられず、人格が崩壊してしまう。
江川彩(えがわ あや)
本田千鶴子と瓜二つの女性で、彼女のスペア。
自らの生命の危機により全一の指示のもとで殺人を行っていたが、当時笹山らが捜査していた連続殺人事件と関連があるのかは不明。全一以外の何者かに刺殺される。
木戸灰人(きど はいと)
高校生。
小林洋介の過去に起きた「鏡男事件」の容疑者として、小林の捜査を受ける。
後、多重人格探偵の西園伸二に鏡男を探し出し、見つけ出した際は自分を真っ二つにしてくれる様に依頼する。
だが、実はそんな彼自身こそが鏡男であり、二重人格者であった。最期は自ら線路の中に立ち、電車に轢かれて真っ二つになり死亡。
なお、両目にバーコードがあった。

その他[編集]

ロリータ℃(–ドシー)
主に小説版や映像版で登場する存在。
原作では大江公彦の双子の妹として登場。彼の「世界の終わり計画」のためにルーシーのカバーを歌っていた。映像版では転移性プログラム人格であり、電話などを通じて少女に転移する。
大江公彦(おおえ きみひこ)
大学の講師をしている傍ら、ライブハウスの経営をしている青年。
原作では「世界の終わり計画」を進めており、学窓と敵対している。西園伸二と繋がりがあった。島津のスペアなどを利用し、サンプル狩りを実行、学窓のコンピュータにハッキングしていた。
小説版では物語の語り部として登場。
村田清(むらた きよし)
西園伸二による大量殺人事件が起こった「雨宮診療所」の生き残り。
診療所では西園と仲が良かった。全一の扇動を受け、西園を呼び出そうとして事件を再現するために死体を集めていた。西園が自分を利用していただけであることを知り、逃げることが出来ず焼死。
桐生勇吾(きりゅう ゆうご)
渡久地の戦場カメラマン時代の先輩。
死の願望が強く、妻子を平然と殺している。美和を好きになり、「彼女と一緒に死ぬ」という目的でハイジャックを起こす。最後は学窓の実験船に突撃し、死亡。
麻生昇(あそう のぼる)
数年前、磨知の指二本を小包爆弾で吹き飛ばした男。
元々は美和の特殊能力によって「伊園磨知にとって不快な人間を殺す」というプログラム人格を植えつけられた二重人格者。
磨知への執着心(プログラム)は自身の起こした事件で消え失せていたが、美和の指示でプログラム人格が復活、彼が勝手に判断した「磨知が気に入らない人間」を次々と爆殺する。
最後は磨知に「一番不快なのはあなた」と言われ、その際に主人格が現れ爆死を阻止しようと抵抗するも、プログラム人格がプログラム通りに自分で爆弾を飲んで爆死。
伏姫麒麟(ふせひめ きりん)
「きりんクリニック」の院長を務める女性医師。犬彦の古馴染み。
苗美
弖虎がスペアの機能になってくれと願った少女。
一定期間、彼と共に生活をしており、鈴木早苗のスペアであることを知っていたことを匂わせる。
弖虎が京都へと旅立つ前に彼の口座預金を受け取り、東京を離れることを示唆された。

用語[編集]

バーコード
バーコードの数字の上六桁は管理ナンバー、下四桁はサンプルのデータを示す。
上六桁のうち真ん中の二桁が、サンプルとなった肉体にバーコードが処置された年度を示し、A.L.(ルーシー暦)という特殊な暦が使われている。
A.L.とは「After Lucy」の略でルーシー・モノストーンの死んだ年を基準にする。
バーコード付きの眼球はビデオカメラのように見たものを記録する。
眼球の持ち主の水晶体のレンズが捉えた視覚情報は、脳幹へとつながる視神経の途中に人為的に作られた記録装置である腫瘍に記録される。
特徴として、記録される映像は人間の認知や「主観」と結びついた形での視覚情報の蓄積のため、目玉の持ち主が見た錯覚や幻覚もそのままに記録される。
サンプルが死亡した後には学窓が回収し研究される。
学窓(ガクソ)
世界的な科学者たちのグループ。活動理念は唯一、科学者としての「知的好奇心」のみ。
アメリカと深く結びついており、アメリカの支援のもと、知的好奇心の探究のために様々な人体実験を行っている。その実態はあくまでも科学の探究を目的とする純粋な科学者グループであり、政治的な秘密結社ではない。
捜査一課11係
正式名称は「警視庁刑事部捜査第一課強力犯捜査班11係」。
何代か前の警視総監が対マスコミ受けを狙って設立した部署で、近年増加しているとされる猟奇殺人事件を専門に扱い、捜査方法にプロファイリングを導入したことが対マスコミ用の「売り」であった。だが実のところ猟奇事件が増加しているという統計的根拠は無く、しかもチームの大半が現場経験の無い科捜研の出向で聞き込みも満足にできず、また猟奇事件とそうでない事件の明確な定義が無い、統計的な手法を使うプロファイリングは人口の極めて多いアメリカのような国でやるから意味があるのであって日本でやっても信頼の置けるデータが得られない、等の理由から11係は何の役にも立たずに捜査一課の足を引っ張り続けた。その上捜査員の一人の小林洋介が犯人を私怨で射殺してしまったため一時は廃止させられそうになったが、小林が裁判中に多重人格を主張した結果、世間の関心がそちらに向いたため、なし崩し的に存続されている。現在のメンバーは笹山徹のみ。
ルーシー7(ルーシーセブン)
ショウコ達が名乗ったグループ名。元ネタはアメリカの都市伝説で、アメリカでは50年代にルーシーと呼ばれる7人の殺人鬼の、マザーグース風の童謡の噂が囁かれ、60年代には戯れにルーシー7を名乗る学生運動グループやロックバンドが幾つか存在したらしい。ただしルーシー7を名乗るグループが実際に7人であったことは少なく、7人の殺人鬼の童謡も実は6番までしかない。[8]

作品リスト[編集]

漫画[編集]

  • 多重人格探偵サイコ No.1~20(以下、続刊)
  • 多重人格探偵サイコ 'No.1 - 上記、No.1と同一の内容。原作者名が大江公彦名義の限定版。
  • 多重人格探偵サイコ No.6 限定先行無修正版 - DVDの付録。
  • サイコエース Vol.1~2 - 総集編。
  • 多重人格探偵サイコ 特別総集編 - 総集編。
  • 多重人格探偵サイコ コミックお試し版小冊子 - 多重人格探偵サイコフェアプレゼント品。非売品。

小説[編集]

原作とは一部設定が異なる。
  • 多重人格探偵サイコ No.1 ~情緒的な死と再生~
  • 多重人格探偵サイコ No.2 ~阿呆船~
  • 多重人格探偵サイコ ~小林洋介の最後の事件~(『情緒的な死と再生』を改題したもの。ノベルスと文庫が存在)
  • 多重人格探偵サイコ ~西園伸二の憂鬱~(『阿呆船』を改題したもの。ノベルスと文庫が存在)
  • 多重人格探偵サイコ ~雨宮一彦の帰還~(同名のテレビドラマのノベライズではなく内容は別物。ノベルスと文庫が存在) 
    • 文庫版には特典として『渡久地菊夫の失敗 そのような題名の単行本には収録されないプロローグ』が収録
  • ロリータ℃の素敵な冒険
  • 多重人格探偵サイコ REAL(テレビドラマ版の脚本)
  • 多重人格探偵サイコ FAKE 1~3(テレビドラマ版の脚本を「物語環境開発(大塚英志事務所)」のスタッフの許月珍がノベライズしたもの)
  • 多重人格探偵サイコ/新劇 ~雨宮一彦の消滅~(戯曲版の脚本)
  • MPD-PSYCHO/FAKE 試作品神話(『多重人格探偵サイコ FAKE』の続編で月刊ニュータイプに連載された。同名の絵本とは内容は別物。1stシーズンは2000年9月号~2001年12月号、2ndシーズンは2002年8月号~2003年4月号に連載。未単行本化だが、以下のものが現在入手できる)
    • DSM-X.101:Learning Disorder NOS 特定不能学習障害(1stシーズン第1話。角川スニーカー文庫・『多重人格探偵サイコ FAKE』第3巻収録)
    • 多重人格探偵サイコと突然の平和論(1stシーズン第15話。角川文庫・『サブカルチャー反戦論』収録)
    • DSM-X-200.4 Schizoaffective Disorder 分裂感情障害(2ndシーズン第9話。角川文庫・『サブカルチャー反戦論』収録)

ドラマCD[編集]

  • MPD-PSYCHO サイコ サウンド・ストーリー

キャスト[編集]

映像作品[編集]

  • 多重人格探偵サイコ/雨宮一彦の帰還
    • WOWOWで2000年5月に放送されたテレビドラマ。監督は三池崇史。DVD化されている。漫画版とはキャラクターの名称や設定をある程度共有しているが、ストーリーは全く異なっている。原作者である大塚英志自身が脚本を執筆した。
  • MPD-PSYCHO/FAKE MOVIE REMIX EDITION - 上記のテレビドラマを菊崎亮UNDERSELL ltd.)が再編集した劇場公開作品。

キャスト[編集]

舞台化作品[編集]

キャスト[編集]

グッズ[編集]

  • トレーディングカード
  • カレンダー
  • ガレージキット

関連作品[編集]

その他[編集]

  • タイトルはヒッチコックの同名の映画からの引用[9]
  • 「雨宮一彦」の顔のモデルはオウム真理教荒木浩であり[10]、「七つの人格を持つ探偵」という設定は「七つの顔を持つ変装の名人の探偵」の『多羅尾伴内[11]、「左目にバーコードがある」という設定は柳田國男の論文『一目小僧その他』が元ネタ[12]
  • テレビドラマ版『サイコ』の「昭和天皇が病床にある状況で物語が進行していく」という展開は大塚の師匠のみなもと太郎(大塚は高校生の時にみなもとのアシスタントをしていた)がギャグ漫画『ホモホモ7』(昭和45年~昭和46年に少年マガジンにて連載)で作中に、当時仁侠映画の冒頭に必ず「昭和初期」というテロップが入れられていた事のパロディで「昭和末期」というテロップを入れて、「昭和天皇が今まさに亡くなりかけている」というギャグをやった事へのオマージュである[13]
  • 『ルーシー・モノストーンの真実』の著者三木・モトユキ・エリクソンは「熊の着ぐるみを着た精神科医」という設定のキャラクターとして大塚英志の小説『ロリータ℃の素敵な冒険』、白倉由美の小説『おおきくなりません』、『きみを守るためにぼくは夢をみる』にも登場している。

脚註[編集]

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  1. ^ 『キャラクター小説の作り方』(角川文庫)221ページ。
  2. ^ 茨城県告示第241号」『茨城県報』第1753号、2006年3月6日、1-2頁。
  3. ^ 香川県「平成19年6月25指定
  4. ^ 岩手県告示第720号」『岩手県報』第10700号、2007年10月16日。
  5. ^ 福島県告示第424号」『福島県報』第1983号、2008年5月30日、348-349頁。
  6. ^ 大分県告示第542号」『大分県報』第1987号、2008年8月1日、3頁。
  7. ^ 長崎県「長崎県告示第752号
  8. ^ この童謡は三木・モトユキ・エリクソンの『多重人格探偵サイコ ルーシー・モノストーンの真実』(角川書店)に収録されている
  9. ^ 『多重人格探偵サイコ No.1 ~情緒的な死と再生~』(角川スニーカー文庫)186ページ
  10. ^ 『戦争と平和』(徳間書店。大塚英志富野由悠季上野俊哉ササキバラ・ゴウの共著)86ページの「麻原彰晃」についての大塚英志による注釈より引用「(前略)…でもオウムの幹部でいったら個人的に興味深いのは荒木広報副部長で、実は「サイコ」の雨宮一彦のモデルなのである。オウムが何であったのかについては森達也のドキュメンタリー『A』『A2』が最も信頼でき、これも荒木にスポットを当てている。どっかでやってると思うから自力で探して見るように。」
  11. ^ 『キャラクター小説の作り方』(角川文庫)43ページ
  12. ^ 『キャラクター・メーカー』(アスキー新書)142ページ
  13. ^ Comic新現実 vol.1』(角川書店)収録の326ページの大塚英志みなもと太郎の対談に付された大塚による注釈より(ちなみに大塚いわく「誰にも元ネタはわからなかった」そうである)

外部リンク[編集]