トヨタ・ブレイド

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トヨタ・ブレイド
AZE15#H/GRE15#H型
フロント(前期型) 
Toyota-blade 20061221.jpg
リア(前期型)
2006 Toyota Blade 02.jpg
ブレイドマスター 
2006 Toyota Blade 03.jpg
販売期間 2006年12月2012年4月(生産終了)
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
エンジン 2AZ-FE型 2.4L 直4 DOHC
2GR-FE型 3.5L V6 DOHC
最高出力 2.4L
123kW (167PS)/6,000rpm
3.5L
206kW (280PS)/6,200rpm
最大トルク 2.4L
224N·m (22.8kgf·m)/4,000rpm
3.5L
344N·m (35.1kgf·m)/4,700rpm
変速機 2.4L車:CVT
3.5L車:6速AT
駆動方式 FF
4WD (2.4Lのみ)
サスペンション 前:ストラット式
後:ダブルウィッシュボーン式
全長 4,260mm
全幅 1,760mm
全高 1,515 - 1,530mm
ホイールベース 2,600mm
車両重量 1,400 - 1,480kg
姉妹車 トヨタ・オーリス(初代)
プラットフォーム MCプラットフォーム
-自動車のスペック表-

ブレイド (BLADE) は、トヨタ自動車日本において生産・販売していた、ハッチバック型の乗用車である。

概要[編集]

ブレイドは、「大人しくない大人に、ショート・プレミアム」というコンセプトのもと、高級車の上質さを兼ね備えたアクティブな大人のためのハッチバック車として設定され、トヨタ店トヨペット店の2系列で販売されていた。目標月間販売台数は3,000台と発表。オーリスとは姉妹車の関係にあるが、こちらは日本国内専用車として販売されていた。

この両車では、コンセプトターゲット層、主に前部のエクステリアデザインリアコンビネーションランプ意匠が異なり、リアサスペンションも日本仕様オーリスのFF車で標準となるトーションビーム式ではなく、ハンドリング・路面追従性の向上のために、バイザッハ・アクスル型ダブルウィッシュボーン式4WD仕様のオーリス等とほぼ共通)がFF車、4WD車を問わず標準設定される。

フロアパンや内装の一部はオーリスと共通となるが、排気量の拡大(出力重量の増加)に伴い、ボディの一部とブレーキが強化。装備も上級車種として見合うよう、ダッシュボードスウェード調表皮が奢られるなど、見た目の品質感の向上が図られるほか、横滑り防止装置 (VSC) が装着されるなど、より上級の装備が標準装備とされた。

カローラ系列のプラットフォームをベースとする車両の中では最大の車格と排気量(マスターの3.5 L)となる。

位置づけ[編集]

2006年10月に先行発売されたオーリスとともに、その成り立ちを見ればカローラランクス / アレックスの後継車種として捉えられがちだが、実際にはクラウンなどの大型サルーンからのダウンサイジング需要などにも対応できる「小さな高級車」として、かつてのプログレ / ブレビスや現行のレクサス・CTといった車種に代表される「プレミアムコンパクト」として誕生した車種である。

2006年のカローラシリーズのモデルチェンジでは、日本国内および北米途上国向けカローラ後継車(E140型)と中国欧州向けカローラ後継車(E150型)は、それぞれ別の型式番号を持ち、国内では両者の型式が併売された。これは、中国向けカローラセダンの後継車(卡羅拉)と欧州向けカローラハッチバックの後継車(オーリス)が、現地の市場動向に応じて大型化されたことによる。

オーリスとその姉妹車であるブレイドは先にモデルチェンジを果たした日本国内向けの10代目カローラシリーズとは異なり、オーリスから採用された新MCプラットフォームをベースとして開発され、特にブレイドについては前述したように大排気量エンジンや、それに見合った装備と質感を備えた日本車初となる「プレミアム・ハッチバック」として開発された。そのこともあり、3.5 L、V6エンジン搭載車としては非常にコンパクトな車体でもあった。

ブレイドの開発コンセプトは「ショート・プレミアム」。姉妹車のオーリスは欧州市場でCセグメントハッチバック車(なおヴィッツ / ヤリスBセグメントアイゴAセグメント)に分類され、それら同格車と競合する世界戦略車であるのに対し、ブレイドは遊び心を忘れないおしゃれな団塊の世代2010年現在、50 - 60歳代のユーザー層)の上位車種からの乗り換え(ダウンサイジング)層をターゲットとした日本国内専用モデルとして、また子育てを終了した一部のポスト・ミニバンユーザー層もターゲットとし、スタイリング、室内空間、走行性能、それぞれを融合させた新しい上級車として新規提案された。生産はオーリス同様、関東自動車工業の岩手工場(岩手県胆沢郡金ケ崎町)が担当していた。

ブレイド・マスターのパワーウェイトレシオは5.25 kg/PS と、トヨタFRスポーツのJZA80系スープラRZグレードと同等である。

その後、レクサス・CTの発売に伴い「ショート・プレミアム」にふさわしい新型車が登場したことによって、エコカー減税対象外のブレイドの販売は不振を極め、2012年4月で生産を終了した。なお、姉妹車のオーリスは2代目に移行したが、トヨタ店・トヨペット店での併売はされていない。

メカニズム[編集]

エンジンは2.4 L は直列4気筒2AZ-FE型、3.5 L はV型6気筒2GR-FE型が搭載されていた。プラットフォームは、オーリスと共通でRAV4エスティマに用いられた新MC(ミディアム・コンパクト)プラットフォームをベースに開発され、トランスミッションは2.4 L は全グレード7速マニュアルモード付きCVT (SuperCVT-i)、3.5 L はスーパーインテリジェント6速AT(後期型はトヨタ初の6-Speed SPDS (6-Speed Sport Direct Shift))が搭載されていた。

フロントサスペンションはマクファーソンストラット式、リアサスペンションはダブルウィッシュボーン式をFF4WD(マスターはなし)全グレードに採用。主要なボディフレームとサイドパネル、内装の一部はオーリスと共通となるが、エンジン排気量の拡大に伴いボディの一部とブレーキが補強される。機構的にはヒルスタートアシストコントロールホイールスピンを防止するTRC(トラクションコントロール)、VSC(横滑り防止装置)、EBD付ABSブレーキアシストが設定されていた。

デザイン・コンフォート[編集]

フロントマスクデザインはオーリスとの差別化が図られ、プレミアムセダンのようにやや押し出しの強いグリル(専用エンブレム付き)とL字型ヘッドランプなどに日本的な高級感を強調したデザインを採用し、12代目クラウンとかなり似通ったものになった(オーリスでは欧州販売を主眼とした世界戦略車として、欧州トヨタの現地デザイン案が採用された)。一方、リアデザインは専用のクリアコンビランプが与えられるほか、リアフェンダーからリアエンドにかけての豊かな曲面により接地感(安定感)の高いデザインが与えられていた。

ブレイドは、トヨタ製上級車種を意識した塗装品質規格が適用されていたほか、ライバルをしのぐ静粛性を確保。内装では、基本造形では中世欧州建築様式にヒントを得た「フライングバットレス」(飛梁)など、オーリスとの共通の特徴を持つほか、ダッシュボード表皮にスウェード調表皮を用いるなど一部部品の表面素材は、オーリスと比べ良質のもの(スエード調インテリア)を採用していた。インテリアカラーは標準色のダークブルーの他、上級グレードには、アイボリーの専用色も設定され、人工皮革アルカンターラシート(運転席8ウェイパワーアシスト付)を標準装備。標準グレードはダークブルーファブリック。

グレード[編集]

2.4 L エンジンでは、標準グレード(ブレイド)・上級グレード(ブレイドG)・最上級グレード(ブレイドG Version L)の3つで販売展開され、それぞれFFと4WDが用意された。全グレードは、基本機構は共通で装備品目が異なる。全車CVT (SuperCVT-i) を搭載。また、オーリスよりも上級志向のモデルになるため、標準グレードでも通常のコンパクトカーの最上級グレードと同等の装備が標準装備になっていた。SRSエアバッグ(運転席・助手席)、SRSニーエアバッグ(運転席)、サイドエアバッグ(前席のみ)、サイドカーテンエアバッグ(前後席)、リアセンターヘッドレストなどの安全装備をはじめ、本革製シフトグリップ、フォグランプ、コンライト(自動点灯ヘッドライト)、サイドターンランプ付き電動格納式カラードドアミラー、常時発光式メーター、スマートエントリー・スタートシステムなど。標準搭載されるエアコンはセカンダリベンチレーション付オートエアコンで、上級グレードは左右独立温度設定が可能だった。ディスチャージヘッドランプは標準グレードはオプション、上級グレードで標準装備。

3.5 L エンジンでは、標準グレード(ブレイドマスター)・上級グレード(ブレイドマスターG)・最上級グレード(ブレイドマスターG Version L)で展開される。駆動方式はFFのみ、トランスミッションはスーパーインテリジェント6速ATを搭載。サスペンションは専用チューニングされ、16インチディスクブレーキと17インチアルミホイールとタイヤが採用された。ステアリングにパドルシフト、内外装にはフロントグリル、リヤエンブレム、本革巻きシフトレバーノブ、シフトゲートパネルなどが専用品となる。ブレイドマスターGでは、ブレイドマスターの装備に加え、レーダークルーズコントロールミリ波レーダー方式プリクラッシュセーフティシステム(ブレイドマスターではオプション)、助手席4ウェイパワーシートを追加。

なお、最上級グレードの「Version L」では、ブレイドG・ブレイドマスターGの装備に加え、レッドローズ色のフル本皮シートを採用したほか、内装の一部にも本皮を使用。外装でもスーパークロームメッキ仕上げのアルミホイールやスモーク加飾フロントヘッドランプを標準装備。ボディカラーにもグレード専用色として「マルーンマイカ」を追加した。

日本国内専売となるブレイドは日本国外仕様との共通化を意識したオーリスと異なり[1]寒冷地仕様に装着可能となるリヤフォグランプは販売店装着オプションのバンパー右下部埋め込み型となっているが、これはE140系カローラ・シリーズやT260系プレミオ/アリオンなど、リヤフォグランプの装備が義務化されている地域への輸出を考慮していないトヨタ車によく見られる対応である[2]

歴史[編集]

  • 2006年平成18年)12月21日 - 2.4 L エンジンを搭載したハッチバックとして発表・発売。
  • 2007年(平成19年)8月1日 - V6・3.5 L エンジンを搭載した「ブレイドマスター」を新設定。
  • 2008年(平成20年)10月7日 - ブレイドG・ブレイドマスターGに「Version L」を新設定。あわせて一部改良(ラゲージルームの容量を拡大)。
  • 2009年(平成21年)12月1日 - マイナーチェンジ。
    エクステリアデザインおよびインテリアデザインの変更のほか、パーキングブレーキをセンターレバー式から足踏み式ブレーキに変更され、大型センターコンソールボックスが新たに装備され収納スペースを拡大した。また、「Version L」が廃止されモデルを「3.5MASTER-G」・「2.4G」に統合。オール本革表皮と快適温熱シート(運転席・助手席)が標準で装備された。さらに3.5Lエンジンの6速ATにはレクサス・IS Fにも採用された「SPDS」がトヨタ車で初めて搭載され、さらに2.4Lモデルに「S Package」が新たに設定された。
  • 2012年4月27日 - 生産終了。1代限りで絶版となった。販売面では低迷し、末期には月販台数が100台を割り込むほどだった[3]

車名の由来[編集]

「ブレイド」は英語(やいば)を意味し、「人を魅了する鋭さを持ったクルマ」を表す。スタイルや走りにおいて人を魅了する鋭さを持ち、新しいマーケットを切り拓きたいという開発者の想いが込められている。

なお、V6・3.5 L につくサブネームの「マスター」(Master) は師匠の意ではなく、英語のMasterpiece傑作)から取られた。

取り扱いディーラー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2009年10月に行われたオーリスのマイナーチェンジで、オーリスのリヤフォグランプも販売店装着オプションのバンパー中央下部埋め込み型に変更されている。
  2. ^ ただし、輸出を考慮していない車種にも、アルファード/ヴェルファイアプロボックス/サクシードのようにメーカーオプションのリヤフォグランプを用意している車種が存在する。
  3. ^ 「最新国産&輸入車全モデル購入ガイド2012」ISBN 9784788635098 p.27。これによると、2010年10月 - 2011年9月の1年間の平均月販台数は99台。

関連項目[編集]