レクサス・HS

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HS250h(エイチエス250エイチ、Lexus HS250h)は、トヨタ自動車が展開する高級車ブランド「レクサス」から販売されている中型セダンDセグメント)である。レクサスでは初めてのハイブリッド専用車である。

レクサス・HS
ANF10型
HS250h(後期型)2013年1月 -
フロント
Lexus HS250h 2013 front japan.JPG
HS250h(後期型)2013年1月 -
リア
LEXUS HS250h 2013 rear japan.JPG
HS250h(後期型)2013年1月 -
インテリア
LEXUS HS250h 2013 interior japan.JPG
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2009年-
設計統括 古場博之
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 2AZ-FXE型 2.4L 直4 DOHC
モーター 2JM型 交流同期電動機
最高出力 エンジン
110kw(150PS)/6,000rpm
モーター
105kw(143PS)
最大トルク エンジン
187N・m(19.1kgf・m)/4,400rpm
モーター
270N・m(27.5kgf・m)
変速機 電気式無段変速機
駆動方式 FF
サスペンション 前:ストラット
後:ダブルウィッシュボーン
全長 前期型
4,700mm
後期型
4,710mm
全幅 1,785mm
全高 前期型
1,505mm
後期型
1,495mm
ホイールベース 2,700mm
車両重量 1,640kg
生産工場 トヨタ自動車九州 宮田工場
プラットフォーム トヨタ・新MCプラットフォーム
-自動車のスペック表-

概要[編集]

2009年に登場した「HS」は、レクサスとしてはSUVの「GX」(2002年登場・日本未発売)以来の新車種となり、また同ブランドでは初となるハイブリッド専用車種となった(トヨタ自動車全体で見ると「プリウス」に次いで2車種目)。日本で販売されるレクサス車としては初のFF方式の4ドアセダンとなる(日本国外では「ES」がFF方式の4ドアセダンとして既に存在する)。海外ではアメリカのみで販売されていたが、販売不振により2012年1月をもってハワイ以外での販売は終了した。

円高による輸出採算の悪化や、2011年にはより安価な「CT」の登場により販売不振が加速する結果となり、ハワイでの販売も2012年12月で終了したため、それ以後は完全な日本市場専用車種となった。

車両概要[編集]

同じハイブリッドカーであるトヨタ「プリウス」(2代目モデル以降)のハッチバックの“トライアングルシルエット”ではなく、コンサバティブな3ボックスのセダンスタイルとなっている。ボディサイズは、DセグメントFRセダンである「IS」に近い(HSは全高が70mmほど高く、全幅はほぼ同じで全長が若干長い)大きさで、日本の大都市圏での取回しなどにも配慮したという。プラットフォームは、「プリウス(3代目モデル)」や「アベンシス」、「オーリス」などに採用されている「新MCプラットフォーム」を採用。リアサスペンションには(トーションビーム式ではなく)ダブルウィッシュボーン式を採用した。

メカニズムはプリウスなども搭載される「リダクション機能付THS-II」と呼ばれるトヨタ独自のハイブリッドシステムを踏襲しており、105kW・270Nm を発生する2JM型電気モーターバッテリーも共通である。ガソリンエンジンはプリウスの1.8L(2ZR-FXE)から、2.4L(2AZ-FXE)へと変更され、パワフルで静粛性の高い走りと同時に、コンパクトカーの「ヴィッツ」をも凌ぐ23.0km/L(10・15モード[1]という低燃費を実現した。また、日本のレクサス車としては初の直列4気筒エンジン搭載車、かつレギュラーガソリン対応車となった。

エクステリアデザインは、レクサス共通のデザインテーマ「L-finesse」に基づき、空力性能(Cd値=0.27)を実現。2013年にフロントマスクは、先に2007年発売の「IS F」からレクサスのテーマデザインとして採用された“スピンドルグリル”(糸巻き台形のグリル)を採用。また、「LS600h」や「RX450h」に続いてLEDヘッドライトを採用した。

インテリアデザインは、視認性と操作性を両立するために「計器類やカーナビゲーションのディスプレイはダッシュボード付近に集中して設置されている。そのため、操作デバイスには「リモートタッチ」が採用され、マウスのように手元で操作することができる。インテリアの一部にはエコプラスチック(部位により植物由来、植物+石油由来を使い分ける)を採用するなどエコロジーに配慮されている。

年表[編集]

2009年1月
北米国際オートショーにおいてワールドプレミアDセグメント車としては初のハイブリッド専用車種となった。
2009年7月14日
日本にて発表・発売開始。日本科学未来館にて報道発表会を開催。発売後1か月間で8,600台の受注を記録した。月間販売目標は500台と発表された。
「プリウス」をはじめとしたハイブリッドカーブームによってHSにも注文が殺到し、同年9月8日にはトヨタ自動車が「9月8日以降注文の納期が2010年4月中旬以降の工場出荷になり、エコカー補助金期間には間に合わない」とプリウス同様、異例の発表を行っている[2]
2010年2月8日
ブレーキが一時的に利きにくくなる現象を受けて、「プリウス」同様にリコールの対象となった。
2011年10月6日
一部改良。サスペンションの仕様変更と車両接近警報装置を搭載、ボディカラーにマーキュリーグレーマイカを追加。これと同時に、特別仕様車「Harmonious Leather Interior」を発売。ベースのHS250hに本革シート(ブラック+キャメルイエローアクセントまたはアイボリー+サドルタンアクセント)などの特別装備と、専用色としてスターライトブラックガラスフレークを設定。
2012年5月17日
アメリカの自動車メディア「Inside Line」が、同日付の記事でHSの北米(除ハワイ)向けの生産終了を報じた。Inside Lineの問い合わせに対してトヨタは「HS250hの生産は2012年1月で終了した」と回答している。また、同年にモデルチェンジされた「ES(6代目モデル)」にハイブリッド仕様のES300hが設定されるが、同車については「HS250hを置き換えるものではない」としている。なお、アメリカにおけるHSの販売は不振を極めており、2011年の販売は前年の10,663台から73%減少し、わずか2,864台に留まっていた[3]
2013年1月24日
マイナーチェンジを実施[4][5]
エクステリアは、レクサスの新たな共通デザイン「スピンドルグリル」やL字型のLEDフォグランプを採用、車高を10mm下げることによって低重心化。後期車は日本国内専用車となったため、アメリカ合衆国の法規で求められるオレンジサイドリフレクターは廃止、ホワイトリフレクターとなった。
インテリアは「version L」・「version I」において、インテリアカラーに「エクリュ」、「ブラック&ガーネット」などを新採用し、オーナメントパネルに環境負荷を抑制する「天然素材バンブー」や「縞杢(しまもく)」を設定。装備面ではフロントドアに紫外線を99%カットし、赤外線を遮断する「撥水機能付スーパーUV・IRカットガラス」を採用したほか、イオン発生数を従来比20倍に高めたプラズマクラスター(高濃度タイプ)エアコンを標準仕様を除く全タイプに搭載。センターコンソールのUSB/AUX入力端子脇にスマートフォン用の小物入れを追加。
ハイブリッドユニットについては、2011年に発売されたトヨタ「カムリ」に新採用された燃費性能のより高い2AR-FXE型エンジンの搭載は見送られ、前期型からのキャリーオーバーとなったが、システムの制御の見直しや充電効率の改良により燃費を向上させている(JC08モード燃費で20.6km/L)。
走行面では吸・遮音材の追加や材質変更により静粛性を高め、スポット溶接打点の追加によりボディ剛性を強化。車体の前後に微振動や撓みを吸収する「パフォーマンスダンパー」を追加し操舵性や走行安定性と乗り心地を改善。ドライブモードセレクトに「SPORT MODE」を追加し加速性能と電動パワーステアリングの特性を改善した。環境性能では植物由来のエコプラスチックの採用範囲をルーフトリムやピラーガーニッシュの内装表皮などに拡大。
2013年6月5日
平成21年6月から10月までの製造車で、電子制御ブレーキシステムにおいて、アキュームレータ(蓄圧器)の強度検討が不足しており制動力が低下する恐れがある為、トヨタ・プリウス ZVW30同様にリコール対象となった[6]

姉妹車種[編集]

後にトヨタブランドから発売された「SAI」はHSの姉妹車にあたり、プラットフォームは勿論のこと、ハイブリッドシステムや車体の基本骨格、フロントドアなどの部材に至るまで多くが共通設計である。但し、「SAI」は日本国内向けに車体サイズが若干縮小されているほか、吸音材の違いによる静粛性の差異や内外装の製造基準など、品質全般においてはレクサス車たるHSの方が高い。

車名の由来[編集]

  • 車名「HS」は「Harmonious Sedan」の略で、「地球・人・上質」との調和(ハーモニー)を目指して開発されたことに由来。

脚注[編集]

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  1. ^ JC08モードでは19.8km/L。
  2. ^ 新型HS250hの納期目処のご案内
  3. ^ Paul Lienert (2012年5月17日). “Lexus Quietly Kills HS 250h Hybrid”. Inside Line. 2012年5月17日閲覧。
  4. ^ 2012年11月に一部メディアが報じた情報によれば、発売後約3年が経過していることから、2013年初頭に大幅な改良が予告されていた
    レクサス HS、大幅改良か…スピンドルグリルで表情一新GAZOO 2012年11月24日
  5. ^ LEXUS、HS250hをマイナーチェンジ LEXUS プレスリリース
  6. ^ HS250hのリコール - トヨタ自動車 2013年6月5日


関連項目[編集]

外部リンク[編集]