トヨタ・アリスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アリストARISTO )は、トヨタ自動車1991年から2004年にかけて販売した高級セダンEセグメント)である。

日本国外では同社が展開する高級車ブランド「レクサス」の上級モデル「GS」として販売される一方、日本では国内向けの仕様変更等のうえ、日本名「アリスト」としてトヨタブランド(トヨタオート店・トヨタビスタ店ネッツ店)で販売された。

2005年からは日本国内でもレクサスブランドの展開が開始され、2005年8月にはアリスト(2代目)の後継車種にあたる新型GS(3代目)を発売。取扱店もレクサス店に完全に移行され、アリストの名称は消滅した。

概要[編集]

トヨタの高級セダン基幹車の一つであり、1980年代中盤〜2000年代初旬のトヨタ車高級セダンにて複数採用されていたターボモデル[1]がアリストにも存在し、トップモデルにJZA80スープラに搭載された直列6気筒ツインターボエンジン「2JZ-GTE」をスープラに先駆けて搭載(2JZ-GTEを搭載しているのは2代目スープラとこのアリストのみである)するなど、国産最速セダンとも呼ばれ、内外装のデザインと相まって若い年代にも人気を博した。一方で、日本国外における「レクサス・GS」としてはターボエンジンの設定はなく自然吸気エンジンのみの設定であり、あくまで「GS」の車名由来であるグランドツーリングモデルとしての性格が強く、国内外での位置付けやイメージが大きく異なる。

人気の反面、エンジンイモビライザーの標準装備化が遅れたため、イモビライザーが装着されていない2代目JZS16#型(前期)等は頻繁に盗難に遭う車種となった。[2]そのため中古車でもイモビライザー仕様は数少ない。また、盗難件数の多さに加え、速度違反による無謀運転での事故も相次いだため、自動車保険料は高い料率設定がなされていた。

なお、トヨタ自動車元社長である奥田碩も本車種を所有しており、1995年7月発行の「日経ビジネス」にアリストに乗っている奥田の様子が掲載されていた事がある。カスタムカーのベース車両としても人気が高く、ドレスアップ目的のVIPカーだけでなくドリフト走行を行なうためMTへと換装した車両も存在する。

歴史[編集]

初代 JZS14#型(1991年 - 1997年)[編集]

トヨタ・アリスト(初代)
JZS14#型
1st generation Toyota Aristo.jpg
1st generation Toyota Aristo rear.jpg
内装(写真はLEXUS GS300)
Lexus GS 300 JZS147 forward cabin.jpg
販売期間 1991年 - 1997年
デザイン イタルデザイン・ジウジアーロ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 1UZ-FE型 3,968cc V8
2JZ-GTE型 2,997cc 直6
2JZ-GE型 2,997cc 直6
最高出力 280PS/5,600rpm
最大トルク 44kgfm/3,600rpm
変速機 4速AT
駆動方式 FR / 4WD
全長 4,865mm
全幅 1,795mm
全高 1,405mm
ホイールベース 2,780mm
車両重量 1,580 - 1,740kg
別名 欧米:レクサス・GS(初代)
-自動車のスペック表-

1991年10月発売。同時期に発売されたクラウンマジェスタとはシャシー、メカニズム等を共有する姉妹関係にあり、ボディデザインはイタルデザインにてジャガー・XJ40とプロトモデルのジャガー・ケンジントンをベースに制作され、トヨタのテイストに合わせ量産向けにリファインしたものが採用された[3]クラウンマジェスタが4ドアピラードハードトップだったのに対し、アリストはプレスドアを持つ4ドアセダンである。

ツインターボの2JZ-GTE型(280PS)の「3.0V」、NAの2JZ-GE型(230PS)の「3.0Q」(いずれも直列6気筒3,000ccDOHCエンジンを搭載)と、途中からセルシオに搭載されていた1UZ-FE型V8・4,000ccDOHCエンジンを搭載する4WDモデル「4.0Z i-Four」が追加され3グレードになった。

1993年より北米でもレクサスブランドから日本仕様の「3.0Q」をレクサス「GS300」として販売開始。

1993年8月に塗装に改良を加え、塗膜内部の結合力を強め化学安定性を向上させた。

1994年8月にマイナーチェンジを行い、フロントグリル、リアバンパー、リアコンビネーションランプ等を変更。

1995年8月に安全装備の充実を図り、ABS、運転席助手席デュアルエアバッグプリテンショナー付きシートベルトを全車標準とした。

1996年7月にも改良を行ない、エンジンのVVT-i化やヘッドランプウインカーフロントグリルのデザイン変更を行い、内装は木目調パネル部分を拡大している。チャイルドシート固定機構付きリアシートベルトも全車標準された。

グレード構成[編集]

  • 3.0V
  • 3.0Q
  • 4.0 Zi-Four
  • 3.0Qリミテッド(ユーロチューンドサスペンション 1995年8月追加)
  • 3.0Vリミテッド


2代目 JZS16#型(1997年 - 2004年)[編集]

トヨタ・アリスト(2代目)
JZS16#型
前期型(1997年8月 - 2000年7月)
JZS16 Toyota Aristo 1.jpg
後期型(2000年7月 - 2004年11月生産終了)
2nd generation Toyota Aristo.jpg
内装(写真はLexus GS300)
Lexus GS 300 SportDesign interior.jpg
販売期間 1997年8月 -
2004年11月(生産終了)
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 2JZ-GTE型 2,997cc 直6
2JZ-GE型 2,997cc 直6
最高出力 280PS/5,600rpm
230PS/6,000rpm
最大トルク 46.0kgfm/3,600rpm
31.0kgm/4,000rpm
変速機 5速/4速AT
駆動方式 FR
全長 4,805mm
全幅 1,800mm
全高 1,435mm
ホイールベース 2,800mm
車両重量 1,600 - 1,680kg
別名 欧米:レクサス・GS(2代目)
後継 レクサス・GS(3代目)
-自動車のスペック表-

1997年8月発売。クラウンマジェスタとの姉妹車関係を絶ち、新規のプラットフォームを使うようになった。このプラットフォームはその後トヨタのFRセダンの基本仕様となった。初代から一転して社内デザインとなったが、楕円をモチーフとしたデザインは先代から引き継がれた。また、重量配分をフロント53:リア47と理想的な重量配分としている。

日本国内モデルは、初代にあったV8エンジンのグレードが無くなり、ツインターボの2JZ-GTE型(280PS)の「V300」、NAの2JZ-GE型(230PS)の「S300」(いずれも直列6気筒3,000cc DOHC VVT-iエンジンを搭載)のみになった。また、アメリカ専売モデルでは、初代同様にターボエンジン搭載車の投入はなく、2JZ-GE型直列6気筒エンジン搭載車「GS 300」に加え、1UZ-FE型V8エンジン搭載車「GS 400」(後に3UZ-FE型に変更し「GS 430」を名乗る)の販売で差異を付けていた。

2000年7月にマイナーチェンジを行い、フロント・リアの意匠変更、エンジンイモビライザーを標準装備、NAのS300のATミッションが5速化されるなどの変更が行われた。

形式名がJZS160系となっているため、10代目クラウンはS15#型だったが、1999年にフルモデルチェンジの際、11代目クラウンはS17#型となった。

先述の通り、このモデルを最後にアリストとしての販売は終了し、次期型からは日本でもレクサス・GSとして販売されている。また、それまでアリストが担っていたネッツ店の最上級車種のポジションはアルファードV(現・ヴェルファイア)となっている。

グレード構成[編集]

  • V300(ベース車)
  • S300(ベース車)
  • VERTEX EDITION(内装色を黒に統一・17インチ専用メッキアルミ・トランクスポイラー)
  • WALNUT PACKAGE(2000年7月に追加されたラグジュアリーグレード。S300のみ)
  • V300 TTEバージョン(紺色及び金色が選択出来た限定180台の特別仕様車)
  • V300/S300 10th Anniversary Edition (2001年8月から12月期間限定で販売)
  • VA300TOM'S (2000年11月200台限定でビスタ店で販売)
  • VA300TOM'S G (2002年8月から2003年3月期間限定でビスタ店で販売)
  • V300TOM'S VERSION (2002年8月から2003年3月期間限定でネッツ店で販売)

車名の由来[編集]

英語で「最上の・優秀な」の意味の接頭語。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ トヨタ・クラウントヨタ・マークIIトヨタ・チェイサートヨタ・クレスタトヨタ・ヴェロッサに採用事例あり。
  2. ^ 警視庁2004年度発表では車両盗難被害車種1位とされている
  3. ^ 1991年 トヨタ アリスト 3.0V - GAZOO.com / トヨタ アリスト - All About

関連項目[編集]

外部リンク[編集]