DOWN TOWN

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search

DOWN TOWN」(ダウン・タウン)は、シュガー・ベイブの曲。1975年4月25日1982年4月21日に、シングルがそれぞれ発売された。

7inch:NAS-001[編集]

DOWN TOWN
シュガー・ベイブシングル
初出アルバム『SONGS
B面 いつも通り
リリース
規格 7"シングルレコード
ジャンル ロック
ポップス
時間
レーベル NIAGARAELEC
作詞・作曲 伊藤銀次 / 山下達郎 (DOWN TOWN)
大貫妙子 (いつも通り)
プロデュース 大瀧詠一
シュガー・ベイブ シングル 年表
- DOWN TOWN
1975年
DOWN TOWN ⁄ パレード
1982年
山下達郎 年表
- DOWN TOWN / シュガー・ベイブ
(1975年)
幸せにさよなら
/ ナイアガラ・トライアングル
1976年
大貫妙子 年表
- DOWN TOWN / シュガー・ベイブ
(1975年)
明日から、ドラマ
1977年
SONGS 収録曲
SIDE A
  1. SHOW
  2. DOWN TOWN
  3. 蜃気楼の街
  4. 風の世界
  5. ためいきばかり
SIDE B
  1. いつも通り
  2. すてきなメロディー
  3. 今日はなんだか
  4. 雨は手のひらにいっぱい
  5. 過ぎ去りし日々 “60's Dream”
  6. SUGAR
テンプレートを表示

解説[編集]

「DOWN TOWN」「いつも通り」両曲とも、アルバム『SONGS』からのシングル・カット。「DOWN TOWN」はアルバム・バージョンよりモノラルに近い、別ミックスとなっている。また、1975年5月に発表されたエレックレコード唯一のプロモーション盤にも収録された[1]

「DOWN TOWN」は1974年 (1974)春、ロック関係の若いミュージシャンに発注した作品を、キャラメル・ママが演奏するという企画で、キングトーンズの15周年記念アルバムが計画された。この頃2人で組んで何か作品を作ろうと話し合っていた山下達郎伊藤銀次は早速、キングトーンズのライヴを見に行き、10日程で書き上げた3曲のうちの1曲[2]。伊藤とコンビを組むきっかけについて山下は「もともと、僕が初めて福生に行ったそのときに銀次がいてね。その頃は丁度“ごまのはえ”で上京して福生にいたから。銀次もとても知的な男なので、当時は大滝さんのお茶の友っていうかね。それ以来、いつも朝まで雑学の応酬。そうやってダベってた時に出た話が、向こうはなんでチームで作品を作るんだろうと。向こうのポップスの作家はみな複数で仕事をしてる。一人きりより共作の方が可能性が広がるからいいんだろうっていう話で。そこから銀次と何か作ってみようということになった。ただ、僕らは職業作家みたいに、テープ渡してお願いねっていうんじゃなくて、いつも顔つき合わせて作ってたんです。それは本当の意味でのコラボレーションだった」[3]という。

伊藤は制作過程について「お互いに曲を持ち寄ってやろうってことで。お互いに宿題として作ってくることにしてテイク・ワンの事務所に集まって曲を作ろう、と。それで持って来たら達郎が何も出来てないんです。僕は“ダウンタウンへくり出そう”そこしか出来てなかったんですね。達郎に相談して『これテーマ良いのないかな』って言ったら、『こういうのが良いんじゃないか』っていうんで出来たんです。結局、そのキングトーンズ15周年のレコードの企画がなくなっちゃったんです。それでいよいよシュガー・ベイブがナイアガラ・レーベルからレコーディングに入るという話が決まって、達郎が『ダウン・タウン』すごく気に入ってね。『これやりたいんだけど、いいかな』って、『いいんじゃない?』って感じでレコーディングされたわけです」[4]と答えている。歌詞については「曲の詞らしい詞を初めて書いた曲。つまりGSとか、そういうのを逸脱して、やっとなんか日本のポップスを始めようと書いた詞ではないかと思います。この頃から、僕は変わってないんだなという気がします」[4]とし、「七色のたそがれ」と「シャボン玉」というモチーフはロス・プリモスラブユー東京」から取られたという[2]。しかし、実際に曲を書いて持っていったのは彼らだけで、企画自体が立ち消えになってしまったため、始まったばかりの『SONGS』のレコーディング曲リストに加えられた[2][注 1]。残る2曲も、「遅すぎた別れ」(『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』収録)と、「愛のセレナーデ」(フランク永井のシングル「WOMAN」[注 2]カップリング)として、後に発表された。

リズムパターンについて、アイズレー・ブラザーズThe Isley Brothers)「If you were There」からの影響を以前から指摘されてきたが、30周年記念盤『SONGS 30th Anniversary Edition』収録のオリジナル・カラオケを聴いた村松邦男によれば「この曲はクラヴィネットが重要なポイントになっているんだけど、クラヴィの音質と、僕のストラトキャスターの音質の周波数特性が、すごくよく似ているんですよ。互いにリズムをフォローしあっていて、しかも音が似ているから、あの独特の気持ちいいリズム・ニュアンスを生んでいるということに今回初めて気が付いたんです」[5]と答えている。

後に山下のライヴ・アルバム『JOY』にライヴ・ヴァージョンが収録、さらに2012年にはオールタイム・ベスト・アルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』にも収録された。また、この曲を最初にレコーディングするはずだったキングトーンズも、結成35周年記念アルバム『SOUL MATES』[注 3]にて、村松の編曲でこの曲を取り上げている。そのほか、坂本龍一総合監修による“音楽の学校”『commmons: schola』にて、「日本の歌謡曲・ポップス」をテーマにした2016年発売の第16巻に収録された[注 4]

「いつも通り」もアルバム『SONGS』からシングル・カットされた大貫妙子の楽曲で、アルバム収録のものと同じ[1]。山下によればバンドのメンバーがようやく固定し、そろそろライブハウスなどの仕事がコンスタントに入り始めた頃、シリータ・ライトSyreeta Wright)に影響を受けて書かれたという[2]。この曲は『SONGS』のオリジナル・マスターでのCD化にあわせて行われた『山下達郎 Sings SUGAR BABE』[注 5]に大貫がゲスト出演した際に歌われ、ライブ・アルバム『LIVE'93 Shooting Star in the Blue Sky』[注 6]にボーナス・トラックとして収録された。また、この曲は山下にとって、生まれて初めてストリングスを書いた曲で、弦のラインは坂本に褒めてもらったという[6]

2015年にリリースされた『SONGS』の40周年盤『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』のCD&アナログW購入者を対象に、非売品「DOWN TOWN」復刻アナログシングルが抽選でプレゼントされた。

アートワーク[編集]

レーベルは『SONGS』同様、正規の赤レーベルではなく、ピンクと白のデザインとなっていて、ナイアガラ・アーティスト番号が記載されていない。また、ジャケット表面、レーベル共に、“ELEC”のマークが入っている[1]。ジャケット裏面には両曲の歌詞のほか、「DOWN TOWN」の楽譜が掲載されている。

収録曲[編集]

SIDE A
# タイトル 作詞 作曲 時間
1. 「DOWN TOWN」 伊藤銀次 山下達郎
SIDE B
# タイトル 作詞・作曲 時間
1. 「いつも通り」 大貫妙子


7inch:07SH 1166[編集]

DOWN TOWN
シュガー・ベイブシングル
初出アルバム『SONGS
B面 パレード / 山下達郎
リリース
規格 7"シングルレコード
ジャンル ロック
ポップス
時間
レーベル NIAGARACBS/SONY
作詞・作曲 伊藤銀次 / 山下達郎 (DOWN TOWN)
山下達郎 (パレード)
プロデュース 大瀧詠一
シュガー・ベイブ シングル 年表
DOWN TOWN
1975年
DOWN TOWN / SUGAR BABE ⁄ パレード / 山下達郎
1982年
山下達郎 年表
MY SUGAR BABE
1981年
DOWN TOWN / SUGAR BABE ⁄ パレード / 山下達郎
(1982年)
あまく危険な香り
(1982年)
テンプレートを表示

解説[編集]

1982年 (1982)、“NIAGARA FOREVER GREEN SERIES”第一弾としてアルバムからのリマスタリング、グリーン・レーベル仕様で再リリースされた。また、カップリング曲は前回の「いつも通り」から、ナイアガラ・トライアングル(大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次)のオムニバス・アルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』収録の「パレード」に差し替えられたが、エンディングのアヴァンギャルドな“お祭りSE”がカットされている。

アートワーク[編集]

ジャケットは、池袋シアター・グリーンでのライブ・フォトを使用したデザイン[注 7]。また、セカンド・プレスからはソニー期にリリースされた他のナイアガラ・レコード作品に倣って、イエロー・レーベルに変更されたが、セカンド・プレスのイエロー・レーベルの方が珍しいという[1]

収録曲[編集]

SIDE A[編集]

  1. DOWN TOWN / SUGAR BABE (4:12) SB-1
    作詞:伊藤銀次 / 作曲:山下達郎

SIDE B[編集]

  1. パレード / 山下達郎 (4:11) YT-2
    作詞・作曲:山下達郎


CD:MSCD-39 (PROMO ONLY)[編集]

解説[編集]

『SONGS』のオリジナル・マスターでのCD化の際、700枚限定で制作された12センチ・プロモーションCD。ホワイト・レーベル仕様で、カップリングには「雨は手のひらにいっぱい」が収録された。

アートワーク[編集]

CDスリムPケース入り。ケースに発売日ステッカー貼付のほか、ジャケットにはエレック盤で使われたのと同じイラストがレイアウトされ、シリアル・ナンバーが入っている。

収録曲[編集]

# タイトル 作詞 作曲 編曲
1. 「DOWN TOWN」(SB-1) 伊藤銀次 山下達郎 山下達郎
2. 「雨は手のひらにいっぱい」(SB-2) 山下達郎 山下達郎 山下達郎


カヴァー[編集]

DOWN TOWN[編集]

アーティスト 収録作品(初出のみ) 発売日 規格 品番
EPO DOWN TOWN 1980年02月05日 7inch RVS-559
桑名晴子 MoonLight Island[注 8] 1982年11月25日 LP JAL-30
2004年04月01日 CD TKCA-72668[注 9]
ザ・キングトーンズ SOUL MATES 1995年04月21日 CD SRCL 3201
Springs DOWN TOWN 2003年01月22日 CD TOCT-4488
石井竜也 nipops 2003年04月23日 CD SRCL 5559
村上“ポンタ”秀一 MY PLEASURE〜FEATURING GREATEST MUSICIANS〜[注 10] 2003年12月03日 CD VICL-61240
MJR Trio JAZZで奏でる山下達郎作品集 2004年12月22日 CD MECA-2027
Les TREFLES Fine,Fine,Fine 2006年 CD MNRC-04
土岐麻子 WEEKEND SHUFFLE 2006年12月06日 CD LDCD-50031
soma Essence of life “smile” 2007年07月25日 CD TGO-004
SOUL SOURCE PRODUCTION THE STANDARD 2007年09月19日 CD UPCH-20046
Luxis 女神のほほえみ/DOWN TOWN 2008年05月21日 CD YICD-70048
つじあやの COVER GIRL 2 2008年09月24日 CD VIZL-305
YMCK & DE DE MOUSE DOWN TOWN 2008年09月24日 CD AVCD-23644
荻野目洋子 Songs & Voice 2009年11月25日 CD VICL-63508
坂本真綾 DOWN TOWN/やさしさに包まれたなら 2010年10月20日 CD+DVD VTZL-16【初回限定盤】
CD VTCL-35092【通常盤】
DE DE MOUSE[注 11] Happy Holidays! 〜CITY POPS COVERS〜 2011年12月14日 CD AQCD-50628
あんみつ POP'N BEAT 2014年11月19日 CD VRCL-10120
SHANTI KISS THE SUN 2015年06月24日 CD COCB-54173

いつも通り[編集]

アーティスト 収録作品(初出のみ) 発売日 規格 品番
松本英子 君の音 2003年2月26日 CD BVCS-27020

リリース日一覧[編集]

地域 タイトル リリース日 レーベル 規格 カタログ番号 備考
日本 DOWN TOWN / いつも通り 1975年4月25日 (1975-04-25) NIAGARAELEC 7"シングルレコード NAS-001 ナイアガラ・アーティスト番号が入っていない。レーベルおよびジャケットにエレックのマークが入っている。
DOWN TOWN / パレード 1982年4月21日 (1982-04-21) NIAGARA ⁄ CBS/SONY 07SH 1166
DOWN TOWN / 雨は手のひらにいっぱい 1994年4月 (1994-04) NIAGARA ⁄ east west japan CD MSCD-39 (NGSP-CD-2-SB) 12センチ・プロモーションCD。700枚限定制作。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 後にCD化されたTHE KINGTONES AND MARIE『RESURRECT』(2003年3月31日 (2003-03-31)発売 VIVID SOUND CD:VSCD-3801)収載の“内田正人、成田邦彦(キングトーンズ・オリジナル・メンバー)インタヴュー”によれば、「あの時はね、当時僕らが所属していた小澤音楽事務所に譜面が届いたらしいけど、何かの事情で、結局僕らの手元までは来なかったよ」という。
  2. ^ フランク永井「WOMAN」 1982年6月21日 (1982-06-21)発売 VICTOR 7inch:SV-7222
  3. ^ THE KINGTONES『SOUL MATES』 1995年4月21日 (1995-04-21)発売 SONY RECORDS CD:SRCL 3201
  4. ^ Various Artists『commmons: schola vol.16 Ryuichi Sakamoto Selections:Japanese Pop Music』 2016年12月21日 (2016-12-21)発売 commmons CDアルバム:RZCM-45976
  5. ^ 山下達郎 Sings SUGAR BABE』 1994年4月26日 (1994-04-26) - 5月2日中野サンプラザホール
  6. ^ 大貫妙子『LIVE'93 Shooting Star in the Blue Sky』 1996年6月26日 (1996-06-26)発売 EASTWORLD ⁄ TOSHIBA-EMI CD:TOCT-9457
  7. ^ 『HOBO'Sコンサート』 1974年6月26日 (1974-06-26) 池袋シアター・グリーン
  8. ^ 英訳された歌詞で歌われている。
  9. ^ LP収録の10曲に初CD化3曲をボーナス・トラックとして追加収録、全曲デジタル・リマスタリングによる再発。
  10. ^ 村上“ポンタ”秀一 feat.Tina
  11. ^ Vocal:一十三十一
  12. ^ ゲストのEPOと、歌詞の“土曜日”を番組の放送日にあわせ“月曜日”に替えて歌われた。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 大瀧詠一 『All About Niagara』 株式会社白夜書房2001年3月21日、110-140頁。ISBN 4-89367-692-X。「I “NIAGARA Discography〜45シングルDiscography”」
  2. ^ a b c d (1994年) シュガー・ベイブ『SONGS』のアルバム・ノーツ [12cmCD]. NIAGARA ⁄ east west japan (AMCM-4188).
  3. ^ 湯浅学「特集 シュガー・ベイブ」、『レコード・コレクターズ』第24巻第1号、株式会社ミュージック・マガジン2006年1月1日、 42-47頁、 ISBN 4910196370196。“インタヴュー山下達郎〜非常にパンクな音をしてるんですよ”
  4. ^ a b 伊藤銀次「MUSICIAN FILE 伊藤銀次徹底研究」、『ミュージック・ステディ』第3巻第3号、ステディ出版、1983年8月20日、 115-146頁。
  5. ^ 木村ユタカ「特集 シュガー・ベイブ『今も街のサウンドトラックとして』」、『THE DIG』第43号、シンコーミュージック・エンタテイメント2006年1月17日、 34-37頁、 ISBN 4-401-61980-3。“村松邦男インタヴュー”
  6. ^ 能地祐子「特集 山下達郎が語る 1975年のナイアガラ」、『レコード・コレクターズ』第34巻第9号、株式会社ミュージック・マガジン、2015年9月1日、 45-55頁、 ISBN 4910196370954。“山下達郎 ロング・インタヴュー”