THE WORKS OF TATSURO YAMASHITA Vol.1

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THE WORKS OF TATSURO YAMASHITA Vol.1
–山下達郎作品集 Vol.1–
山下達郎コンピレーション・アルバム
リリース
録音 CBS SONY Roppongi
Sunrise Studio Ikebukuro
Sound City
Hitokuchi-zaka Studio
Victor Studio
Nakano Sunplaza Hall
POLYDOR
SOUND DESIGN
ジャンル ロック
ポップ・ミュージック
ソウルミュージック
レーベル WILD HONEY RECORDS ⁄ BMG FUNHOUSE
CD:WCD-8004
プロデュース 山下達郎
山下達郎 アルバム 年表
RARITIES
2002年
THE WORKS OF TATSURO YAMASHITA Vol.1 –山下達郎作品集 Vol.1–
2004年
SONORITE
2005年
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THE WORKS OF TATSURO YAMASHITA Vol.1 –山下達郎作品集 Vol.1–』(ザ・ワークス・オブ・タツロウ・ヤマシタ・ヴォリューム・ワン やましたたつろうさくひんしゅうヴォリューム・ワン)は、2004年4月に発売された山下達郎通算4作目のファンクラブ通信販売アルバム。

解説[編集]

山下達郎が作曲家として他アーティストに提供した作品を集めた、ファンクラブ通販企画CD。

山下はバンドのミュージシャンとしてスタートした当初、自分が将来どういう方向に進んでいくか考えもつかなかったという。いずれはレコード・プロデューサーを目指していたという事は機会のあるたびに語ってはいたが、それは音楽の世界の仕組みがわかりかけてきてからの事であって、最初は何がやりたくて音楽を始めたのか、今思い返してみてもあまりよくわからないという。それでも、バンドでの活動だけでは到底生活ができなかったため、コーラス、コマーシャル音楽、そして作曲、編曲など、あらゆる仕事をせざるを得なかったのだという。これらの仕事は一曲いくらという雇われ仕事で、山下にとっては現金収入を得る手段であると同時に結果的には、その後音楽業界で生きていくための修行の場ともなった。

数年経つと、自身の側から売り込みを行わなくてもレコード会社のディレクターや音楽出版社のプロデューサーから作曲や編曲の依頼が来るようになった。本来シンガー・ソングライターである山下が他の人に曲を提供する場合、大別して二つの方向性があったとし、ひとつは歌謡曲の世界から作曲の依頼を受ける場合は、いわゆる大御所と呼ばれる作家によるヒット・シングルとは別の、アルバム中のアクセントやその歌手の新たなキャラクターの開拓といった要素を期待されるというもの。アン・ルイス等がそれにあたるとし、山下もそうした意図を汲んで作品を書いたという。もうひとつはロックやフォークといった、自身のフィールドに近いシンガーであれば、自分の色をより強く反映できるので、自分が歌うのと同じ視線で作れ、より愛着の深い作品が生まれるという。

決して数は多くはないものの、こうした自分以外のシンガーやグループのために提供した作品たちをひとまとめにしてCD化したいという願望を以前から持っていた山下は実際、1990年半ばから実現に向けて何度か交渉をしてきた。しかしその度に「他社のカタログが混在するパッケージは許可できない」という不可解なものや「ファン・クラブの通販などという販売形式には興味がない」といった理由を含め、多くのレコード会社からマスター・テープの貸し出しを拒まれてきた。それが、レコード会社が不況になった辺りから官僚的な事も言ってられなくなったのか、構想十数年目にしてようやく実現の運びとなった。それでも、あきれるほど事務手続きの遅い会社や、以前には唯一許諾をくれたのに、10年の歳月で会社の体質が変わったのか、結局は貸し出しを拒んだメジャー・カンパニーなど、いくつかの障害を経つつも、企画をスタートさせてからCDの形を成すまで一年近くかかったという。とにかく今作は“第一集”として、未CD化や廃盤状態のものを最優先で編成したが、許諾等に手間取っているこの一年の間に、収録を予定していた数曲はCD化され発売されてしまったという。ただし、メジャー・カンパニーからリリースされる昨今のコンピレーションCDは、各社ともオリジナル・マスター・テープの第三者への貸し出しを渋るため、DATコピー使用でのリマスタリングを余儀なくされているケースがほとんどだという。そのためこのCDでは、山下自身がテープの移送に立ち会うことで、全てオリジナル・アナログ・マスター・テープからのデジタルへの変換および、リマスタリングで作成されている。

CDには山下による解説および曲目解説が付けられ、各作品のレコード・ジャケットが掲載されている。CDは山下のオフィシャル・ファンクラブとオフィシャルサイトで購入可能。

収録曲[編集]

  1. WOMAN / フランク永井
    Words & Music by 山下達郎
    ℗1982 Victor Entertainment,Inc.
    Licensed by Victor Entertainment,Inc.
    日本の音楽業界は1970年あたりを境にして世代間の音楽的ギャップが大きく、もっと世代を超えたコラボレーションを以前から望んでいた山下は、交渉のためフランク永井に直接話しに伺い、曲を歌ってもらえることとなった。しかし、それまでにあまりなかった試みゆえ、実際に始まるといくつもの問題が生じ、当初シングルを三枚出しその後、アルバムを一枚作るというプランを持っていたものの結局シングル一枚きりとなってしまった。複数の職業作詞家に詞を依頼したものの、山下の制作意図が十分に理解してもらえなかったため最終的には自身で作詞をする結果となるなど、心残りも多いプロジェクトになってしまったが苦労した分、作品にはひときわ愛着があるという。
  2. 愛のセレナーデ / フランク永井
    Words by 伊藤銀次, Music by 山下達郎
    ℗1982 Victor Entertainment,Inc.
    Licensed by Victor Entertainment,Inc.
    シングル「WOMAN」[1]のカップリング曲として制作されたこの曲は、もともとキングトーンズのために書かれた作品。1974年春、ロック関係の若いミュージシャンに発注した作品をキャラメル・ママが演奏するという企画でキングトーンズの15周年記念アルバムを制作する話が生まれ、当時2人で組んで何か作品を作ろうと話し合っていた山下と伊藤銀次は、早速キングトーンズのライヴを見に行き、10日程で3曲を書き上げた。ところが企画自体が立ち消えになってしまったため、発表の場を失ってしまった3曲のうち2曲は「DOWN TOWN」(シュガー・ベイブのシングル[2])と「遅すぎた別れ」(『NIAGARA TRIANGLE Vol.1[3]収録)としてその後発表され、最後まで残っていたこの曲もここでようやく発表された。
  3. 酔いしれてDéjà Vu / 円道一成
    Words by 山川啓介, Music by 山下達郎
    ℗1984 BMG FUNHOUSE, INC.
    円道一成のデビュー・アルバム『RUN TO LIVE, LIVE TO RUN』[4]に山下は2曲書き下ろしている。山下自身、こうしたいわゆるサザン・ソウル・タイプのサウンドは好みではあっても自分用の作品で行うことはまずないので、その分いつも以上に力が入った仕事だったという。後に山下のオールタイム・ベスト・アルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜[5]初回限定盤のみ収録のボーナス・ディスクに“UNRELEASED DEMO VOCAL”として、オリジナル・マルチ・トラックのコピーに残っていたデモ・ヴォーカル・ヴァージョンが収録された。
  4. L.A. BABE / 円道一成
    Words by 大津あきら, Music by 山下達郎
    ℗1984 BMG FUNHOUSE, INC.
    円道に提供したもう一曲であるここで聴かれる、山下自らが弾いているギターのパッセージは、自身のスタジオ・ワークの中でもっとも愛着があるもののひとつだとし、この2曲は曲・アレンジ・演奏とも本当に愛着のある曲だという。
  5. DREAM IN THE STREET / 池田典代
    Words by 池田典代, Music by 山下達郎
    ℗1980 TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS CO.,LTD.
    Licensed by TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS CO.,LTD.
    池田典代は山下が下北沢ロフトや新宿ロフトに出演していた頃の知己で、1979年のアルバム・デビューに際し担当した一曲。アルバムは完成後、曲の差し替えやミックスのやり直しなどの複雑な経緯をたどった末、ほとんど宣伝されずにリリースされたという。その後長い間倉庫に保管されたままだったマスター・テープはようやく日の目を見る今回最もレアな音源のひとつで、二種類存在するミックスのうち市販されたセカンド・ヴァージョンが今作には収録されている。
  6. 恋のブギ・ウギ・トレイン / アン・ルイス
    Words by 吉田美奈子, Music by 山下達郎
    ℗1979 Victor Entertainment,Inc.
    Licensed by Victor Entertainment,Inc.
    1979年にアン・ルイスのアルバム『PINK PUSSY CAT』[6]をリリースした直後に再度、シングルの依頼を受け書き下ろされた作品。ディスコが好きだというアン・ルイスなのにディスコ・ビートの持ち歌がほとんどないのが不思議でこの曲が作られたという。山下自身、ディスコ・ビートは決して嫌いではないので、その後自身のコンサートでもレパートリィに加えられ、ライブ・アルバム『JOY[7]にも収録されている。この曲にはファースト・プレスとセカンド・プレスとで機関車のSEの配置が異なるヴァージョンが二種類存在するが、今作にはファースト・プレス収録のヴァージョンが収録されている。
  7. 愛・イッツ・マイ・ライフ / アン・ルイス
    Words by 吉田美奈子, Music by 山下達郎
    ℗1979 Victor Entertainment,Inc.
    Licensed by Victor Entertainment,Inc.
    シングル「恋のブギ・ウギ・トレイン」[8]のカップリング曲として制作された作品。アン・ルイスはこの後、竹内まりや作詞・作曲のシングル「リンダ」[9]を経て、それまでのアイドル歌謡路線から80年代の歌謡ハード・ロック路線へと進んでいくが、山下とのこの仕事がそのきっかけ作りとなったという点では、少しは貢献できたのではと思っているという。
    ※ここまでの作品は全て、編曲も山下自身が手がけている。これ以降のものは純粋に作家としての提供作品で、編曲やディレクションには関わっていない。
  8. 偽りのDJ / ダディ竹千代 & 東京おとぼけCATS
    Words by 加治木剛, Music by 山下達郎
    ℗1980 PONY CANYON INC.
    Licensed by PONY CANYON INC.
    ダディ竹千代こと加治木剛は70年代からの山下の友人で、作詞家として活動した後、自身のグループ“ダディ竹千代 & 東京おとぼけCATS”を結成する。音楽的にはいわゆるコミック・バンドの範疇だがその後の音楽シーンで活躍する、演奏力に長けたメンバーが多く在籍していたこともあって、当時の東京のサブカルチャーのシーンではマニアックな音楽ファンから支持を得ていた。この作品はダディが1979年オールナイトニッポンのDJに就任した時に依頼されて書かれた作品。シングル[10]として発表された。
  9. センチメンタル・ボーイ / 桜田淳子
    Words by 岩沢律, Music by 山下達郎
    ℗1979 Victor Entertainment,Inc.
    Licensed by Victor Entertainment,Inc.
  10. バカンスの終りに / 桜田淳子
    Words by 島エリナ, Music by 山下達郎
    ℗1979 Victor Entertainment,Inc.
    Licensed by Victor Entertainment,Inc.
    この2曲はどちらも、もともとビクターのとある女性アイドルのために書かれたが、そのアイドルが突然の引退により宙に浮いたままだったのを桜田淳子のディレクターが取り上げ、山下の知らない間にレコードになっていたという作品。曲先行だったので、歌謡曲の世界にありがちな、歌詞がいつ頃付けられたのかわからないパターンだという。
  11. メドレー:若いってことは〜愛はハーモニー〜若いってことは (ロック・ミュージカル「ハムレット」より)
    「若いってことは」Words by 中島梓, Music by 山下達郎
    (「愛はハーモニー」Words by 松本隆, Music by 筒美京平
    ℗1979 BMG FUNHOUSE, INC.
    1979年、中野サンプラザ・ホール10周年記念イベントとして桑名正博岩崎宏美主演によるロック・ミュージカル『ハムレット』が企画され、桑名の担当ディレクターが山下と同じ小杉理宇造だったことから、山下もこの企画に参加し、3曲を書き下ろした。この「若いってことは」は出演者全員の歌による、オープニング・テーマに相当する曲。中間部にメドレー形式で筒美京平松本隆による「愛はハーモニー」が挿入されているが、省略すると進行が不自然になるので、部分的に編集して収録されている。
  12. 花のように / 岩崎宏美 (ロック・ミュージカル「ハムレット」より)
    Words by 小林和子, Music by 山下達郎
    ℗1979 BMG FUNHOUSE, INC.
    オフィーリア役の岩崎宏美によって歌われた曲。舞台上での移動やダンスのために間奏が長くとられているが、省略すると不自然になるのでそのまま収録されている。
  13. 兄妹のテーマ / 尾藤イサオ (ロック・ミュージカル「ハムレット」より)
    Words by 小林和子, Music by 山下達郎
    ℗1979 BMG FUNHOUSE, INC.
    オフィーリアの死を悼む場面で、レアティーズ役の尾藤イサオによって歌われた曲。尾藤のファンである山下は、彼がこの曲を気に入ってくれたというのが嬉しい思い出だという。
  14. ゴーイング・バック / センチメンタル・シティ・ロマンス
    Words by 山下達郎, Music by 細井豊
    ℗1983 UNIVERSAL J,A UNIVERSAL MUSIC COMPANY
    Licensed by UNIVERSAL J,A UNIVERSAL MUSIC COMPANY
    ここからの2曲は、山下が作詞のみを担当している作品。詞だけ依頼してくるというのは知り合い以外になく、この曲はセンチメンタル・シティ・ロマンス1984年のシングル曲[11]。都会の生活に疲れ、故郷に帰ってやり直すという男女の話で、自身の作品ではまず書かないテーマであるが、メンバーにはとても気に入ってもらえたという。
  15. フェアリー / 村松邦男
    Words by 山下達郎, Music by 村松邦男
    ℗1983 TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS CO.,LTD.
    Licensed by TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS CO.,LTD.
    村松邦男のファースト・ソロ・アルバム『GREEN WATER』[12]に収録された作品。山下によれば、村松は以前からSFやファンタジー、耽美的な文学が好きだったという。山下自身もかつてラヴクラフトなどを相当読んだ経緯があることから、作詞の依頼を受けたとき、迷わずそうした路線で行こうと決めて書いたものだという。

クレジット[編集]

スタッフ[編集]

Compilation Supervisor: 山下達郎
Compilation Co-ordinator: 岡村晃 & 齋田清剛 (BMG FUNHOUSE), 野島正治 (Smile Pub.) & 小川さゆり (Tenderberry Music)
 
Analog-Digital Transfer: 小島康太郎 (Victor Aoyama)
CD Mastering Engineer: 原田光晴 (On Air Azabu)
 
Art Direction & Design: 梁間修作, 荻野邦子 & 高橋朋子 (TohokushinshaFilm Co.)
Photographs: 井出貴久
Styling: 佐野伸広
Music Score Transcribe: 半田陽子
 
岩崎宏美 courtesy of Victor Entertainment, Inc. (M-11,12)
尾藤イサオ courtesy of TOSHIBA-EMI LIMITED (M-13)
 
Special Thanks to; Victor Entertainment, BMG FUNHOUSE, TOKUMA JAPAN, PONY CANYON & UNIVERSAL MUSIC

リリース日一覧[編集]

地域 発売日 リリース 規格 品番 備考
日本 2004年4月 (2004-04) WILD HONEY RECORDS ⁄ BMG FUNHOUSE CD WCD-8004 山下達郎が作曲家として他アーティストに提供した作品を集めた、オフィシャル・ファンクラブによる独自企画CD。オリジナル・アナログ・マスター・テープ使用による最新リマスター。山下自身による詳細ライナー付き。

脚注[編集]

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  1. ^ フランク永井「WOMAN」 1982年6月21日発売 VICTOR EP:SV-7222
  2. ^ シュガー・ベイブDOWN TOWN1975年4月25日発売 NIAGARAELEC EP:NAS-001
  3. ^ 大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次NIAGARA TRIANGLE Vol.11976年3月25日発売 NIAGARA ⁄ COLUMBIA LP:LQ-7001-E
  4. ^ 円道一成『RUN TO LIVE, LIVE TO RUN』 1984年8月21日発売 AIR ⁄ RVC LP:RAL-8818
  5. ^ OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜2012年9月26日発売 MOONWARNER MUSIC JAPAN 4CD:WPCL-11201/4【初回限定盤】, 3CD:WPCL-11205/7【通常盤】
  6. ^ アン・ルイス『PINK PUSSY CAT』 1979年8月5日発売 VICTOR LP:SJX-20142
  7. ^ JOY1989年11月1日発売 MOON ⁄ ALFA MOON 2CD:50MX-95/6
  8. ^ アン・ルイス「恋のブギ・ウギ・トレイン」 1979年12月20日発売 VICTOR EP:SV-6672
  9. ^ アン・ルイス「リンダ」 1980年8月5日発売 VICTOR EP:SV-7029
  10. ^ ダディ竹千代 & 東京おとぼけCATS「偽りのDJ」 1980年10月発売 CANYON EP:7A-0007
  11. ^ センチメンタル・シティ・ロマンス「ゴーイング・バック」 1984年2月1日発売 POLYDOR EP:7DX-1277
  12. ^ 村松邦男『GREEN WATER』 1983年9月25日発売 JAPAN RECORDS LP:JAL-40

外部リンク[編集]

山下達郎 OFFICIAL SITE