LET'S ONDO AGAIN
『LET'S ONDO AGAIN』 | |||||
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NIAGARA FALLIN' STARS の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 | 45 Studio, Fussa | ||||
ジャンル |
ロック ポップス 歌謡曲 音頭 | ||||
時間 | |||||
レーベル |
NIAGARA / COLUMBIA NIAGARA / Sony Music Records(再発) | ||||
プロデュース | 大瀧詠一 | ||||
NIAGARA FALLIN' STARS 年表 | |||||
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『LET'S ONDO AGAIN』収録のシングル | |||||
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大滝詠一(ナイアガラ・レーベル) 年表 | |||||
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『LET'S ONDO AGAIN』(レッツ・オンド・アゲン)は、1978年11月25日に発売された大瀧詠一プロデュースによるNIAGARA FALLIN' STARSのスタジオ・アルバム。
解説[編集]
オリジナル・タイトルは『多羅尾伴内楽團 Vol.III』。アーティスト名は“NIAGARA FALLIN' STARS”だが、一般的には大滝詠一のオリジナル・アルバムのひとつとして挙げられる。
数ある大滝のアルバムの中でも、最もノベルティ・ソング色の濃い作品である。大滝自身の解説によると、前年の『NIAGARA CALENDAR'78』が全くの不発に終わり、レーベルとしても会社としても「もはやこれまで」という状況で、最後に作り上げた作品だという。このアルバムも発売当時は「初回プレスが1500枚で、数百枚しか売れなかった[1]」という。結果的に、第一期ナイアガラ・レーベルとして最後のアルバムとなった[2]。
コミック・ソングやパロディ・ソング(替え歌)に加え、ヒット曲や洋楽ナンバーを音頭化した楽曲で構成されている。ゲストとして、ナイアガラ関連ではお馴染みの布谷文夫やオシャマンベ・キャッツに加え、漫才コンビの星セント・ルイスやプロデビュー前のシャネルズ(のちのラッツ&スター)なども参加している。
本作ではレコーディング・エンジニアを日本コロムビアの後藤博に任せ、笛吹銅次(大滝のエンジニアとしての変名)はミックスダウン作業のみ行った。これにより自身が楽曲制作に集中できた経験が、その後のCBS・ソニー時代に全て外部のエンジニアに任せる理由ともなったという[3]。
なお、収録曲のうちピンク・レディーのヒット曲「渚のシンドバッド」の替え歌である「河原の石川五右衛門」については、ピンク・レディーの事務所側からの発表許可が下りず、オリジナル盤では収録が見送られている(歌詞のみライナーノーツに掲載)[4]。
1987年にとして初CD化(スリムケース収納)された際は『LET'S ONDO AGAIN SPECIAL』として発売されたが、「337秒間世界一周」、「空飛ぶカナヅチ君」、「ハンド・クラッピング音頭」は未収録となり、オリジナル盤とは収録内容が大幅に異なった。また、1996年の再発盤ではピーター・バラカンがライナーノーツを寄稿しており、「日本の音楽で一番好きなアルバム」と語っている。
ナイアガラ30周年事業においてリマスター盤が発売されなかったことについて、大滝は2010年1月の「山下達郎のサンデー・ソングブック」の新春放談にて、そのことを指摘されるまで「忘れていた」と話していた。その後、2011年3月21日発売のボックス・セット『NIAGARA CD BOOK I』にてリマスター盤が収録された。
収録曲[編集]
SIDE 1[編集]
- 峠の早駕籠 / 多羅尾伴内楽團 – (1:30)
- 337秒間世界一周 / 多羅尾伴内楽團 – (5:37)
- 作曲:大瀧詠一 / 編曲:多羅尾伴内
- オリジナルの演奏時間が5分37秒(337秒)であることにちなむタイトル。ライナーノーツに「演奏:駒沢裕城と世界一周パック団」と記されているように駒沢裕城のペダル・スティール・ギターをフィーチャーして、世界各地の音楽の典型的なメロディー、イントロを繋ぎ合わせた曲。2014年に公開された映画「わたしのハワイの歩きかた」挿入歌として使用されている。
- 空飛ぶカナヅチ君 / 宿霧十軒 – (2:45)
- 作詞・作曲:大瀧詠一 / 編曲:多羅尾伴内
- 1977年発売のアルバム『NIAGARA CALENDAR』収録収録曲「泳げカナヅチ君」の続編(「宇宙編」)。
- 烏賊酢是!此乃鯉 / イーチ大滝 – (2:14)
- 作詞・作曲・編曲:多羅尾“Elvis”伴内
- 歌詞はすべてエルヴィス・プレスリーの曲名を繋ぎ合せて構成されている。元々大瀧のファースト・アルバム『大瀧詠一』収録曲「いかすぜ!この恋」をリメイクしたもの。このバージョンを同じエルヴィスファンの西田敏行がカバーしている。
- アン・アン小唄 / 山形かゑる子 – (3:12)
- 作詞:伊藤アキラ / 作曲:大瀧詠一 / 編曲:矢野誠
- ピンク・レディー / モンスター – (2:45)
- 作詞・作曲・編曲:多羅尾伴内 / Strings & Horn Arr. 井上鑑
SIDE 2[編集]
- 河原の石川五右衛門 / オシャマンベ・キャッツ – (2:45)
- ピンク・レディーのヒット曲「渚のシンドバッド」の替え歌であるが、途中「S・O・S」「ウォンテッド (指名手配)」「カルメン'77」の一部も引用されている。オリジナル盤には未収録で、歌詞のみがライナーノーツに掲載されていた(曲名の表記は「河原のIxicavagoyemon」)。2009年に渡り廊下走り隊が「簪(かんざし)」名義で、阿久悠のトリビュート・アルバム『Bad Friends』でカバーしている。
- ハンド・クラッピング音頭 / イーハトブ田五三九 – (4:23)
- 作詞・作曲・編曲:大瀧詠一 / Horn Arr. 矢野誠
- 1975年発売のアルバム『NIAGARA MOON』に収録されている楽曲「ハンド・クラッピング・ルンバ」を音頭調にアレンジしたもので、歌詞も変更されている。ゲストとして星セント・ルイスが参加している。エンディングで「もしもし亀よ」と力唱しているのは布谷文夫、それに続き「ハーイ、コンニチハ」と叫んでいるのは「ハワイ出身のDJ、ブノキア・チブメカ」としてラジオ番組ゴー・ゴー・ナイアガラにも何度か出演していた亀渕昭信(当時ニッポン放送編成部長)。
- 禁煙音頭 / 竜ヶ崎宇童 – (2:51)
- 作詞:新井武士 / 改詞:大瀧詠一 / 作曲:宇崎竜童 / 編曲:多羅尾伴内
- 呆阿津怒哀声音頭 / 蘭越ジミー – (6:24) ※「津」は小さいフォントが充てられている。
- 作詞・作曲:礼茶亜留守 / 編曲:多羅尾伴内
- レイ・チャールズのヒット曲「What'd I Say」を音頭調にカバーした曲。コーラスにはオシャマンベ・キャッツが参加しているほか、ガヤガヤのシーンでは星セント・ルイスが「ハンド・クラッピング音頭」に続き特別参加している。歌詞は元歌が日本語のように聞こえる一部分を除き、すべて表音による当て字の漢字(日常は使用することのない漢字も意図的に多く含まれている)になっている。
- Let's Ondo Again / アミーゴ布谷 – (5:02)
- 作詞・作曲:M.Appell, K.Mann / 訳詞:大瀧詠一 / 編曲:多羅尾伴内
クレジット[編集]
- PRODUCED BY EIICHI OHTAKI
- PHOTOGRAPHY BY JYOJI IDE
- DESIGNED BY YASUSHI NAKAYAMA (R.Y.S.)
CD選書シリーズ (SRCL-3502)[編集]
『LET'S ONDO AGAIN』 | |||||
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NIAGARA FALLIN' STARS の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 | 45 Studio, Fussa | ||||
ジャンル |
ロック ポップス 歌謡曲 音頭 | ||||
時間 | |||||
レーベル | NIAGARA / Sony Music Records | ||||
プロデュース | 大瀧詠一 | ||||
NIAGARA FALLIN' STARS 年表 | |||||
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大滝詠一(ナイアガラ・レーベル) 年表 | |||||
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1996年3月24日に『GO! GO! NIAGARA』、『NIAGARA CALENDAR』、『SNOW TIME』とともにオリジナル・マスターおよび、コロムビア盤では未収録だった「河原の石川五右衛門」とボーナストラック付きでCD化された。
収録曲[編集]
- 峠の早駕籠 / 多羅尾伴内楽團 – (1:39)
- 337秒間世界一周 / 多羅尾伴内楽團 – (5:41)
- 空飛ぶカナヅチ君 / 宿霧十軒 – (2:45)
- 烏賊酢是!此乃鯉 / イーチ大滝 – (2:18)
- アン・アン小唄 / 山形かゑる子 – (3:14)
- ピンク・レディー / モンスター – (2:47)
- 河原の石川五右衛門 / オシャマンベ・キャッツ – (3:24)
- ハンド・クラッピング音頭 / イーハトブ田五三九 – (4:23)
- 禁煙音頭 / 竜ヶ崎宇童 – (2:55)
- 呆阿津怒哀声音頭 / 蘭越ジミー – (6:36)
- Let's Ondo Again / アミーゴ布谷 – (4:54)
- Let's Ondo Again ('81 MIX) / アミーゴ布谷 – (5:05)
- 『NIAGARA FALL STARS』に収録されていた、イントロの楽器構成の異なるリミックス・バージョン。
脚注[編集]
- ^ 『大瀧詠一Writing & Talking』白夜書房、2015年、183頁。ISBN 978-4-86494-048-1。
- ^ 大滝自身による認識として、このアルバムは第一期ナイアガラ・レーベルの最後と位置付けられているが、実際にはナイアガラレコードの発売元であった日本コロンビアが、独断でナイアガラ在籍時代の山下達郎のコンピレーション・アルバム『TATSURO YAMASHITA FROM NIAGARA』をナイアガラのカタログとして1980年7月に発売しているため、表面上はこちらのアルバムが第一期ナイアガラ・レーベル最後のアルバムとなっている。
- ^ 1996年再発売盤での大滝自身の解説
- ^ 大滝は後に、オリジナルの作詞者である阿久悠と「熱き心に」の作詞でいっしょになった時、その件について聞こうと思ったがやめたという。後のアルバム『NIAGARA FALL STARS』(1981年4月発売)で初収録された。また、本作が1984年にLPボックスセット『NIAGARA BLACK VOX』で復刻された際、および1996年にオリジナル・アルバムの形態での初CD化として再発された際には、当初の構想の位置に収録されている。
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